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最終章・私の願い
57・呆気ないほどの終わり
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私の知らないところで起きていたフェリシアの数々の悪行…それにゾッとする。そして大勢の貴族達が集まるこの場をわざと選んで、事件を起こしたのだと感じる。それほどの恨み…
それから、アハハッと放心したように笑うその人は、再びナイフを振り上げる。すると…その時視界を横切る影が!
──カキーン!ドサッ…
タイミングを見ていた護衛の騎士が、メイドが腕を振り上げたところを狙ってナイフをはたき落とした!そして素早く後ろ手に拘束し、グッとその場に押さえつけている。そんな中…
「みなさん、これは誤解なの!全く事実とは違うのよ。それは分かってくださるわよね?」
この期に及んで誤魔化そうとするフェリシア。その顔は引き攣っている。それに騒動の犯人である夫人は、痛みで唸りながらも憎々しげにフェリシアを見つめて…
「フン!浮気者はあなたのくせに。子供だってどっちの子なんだか…アーロン殿下の子なのかもね?」
それには更なる衝撃が!クリスティンがそれを匂わせることを言っていたけど、それは流石にないだろうと思っていた…だけど本当に?
きっともう死を覚悟しているその人は、更に悪態をついて自ら息子のところに行こうとしているのかも知れない。本来ならば子爵夫人として、幸せに暮らしていた筈なのに…
そして家門に迷惑を掛けないようにと、フェリシアに近付くことを決心した時に離婚したのだろう。母としての哀しみと執念を感じる…
「どうした!何があったのだ?」
驚きつつも威厳のある声…それに皆は、バッと振り返る。そこには…王太子殿下!目を丸くしてそこに広がる光景を見ている。そして殿下でさえも、今日こんなことが起こるなんて思ってもなかったに違いない。すると…
「スチュワート様~!この不届き者に命を狙われたのです。謂れないことで逆恨みされて…ですが、私は誓って潔白ですわ!」
フェリシアは殿下にそう訴え掛ける。私達はそんなフェリシアを醒めた目で見ていた…あの状況では嘘じゃないのは明確だったから。そして殿下は以前、アレックスに対して約束していた。フェリシアの嘘を暴く…だけど今回の突発的に起こったこの騒動で、それを期待するにはまだ早かったのではないかしら?と心配になって…
「謂れはない?逆恨みだと?おまけに潔白…」
殿下は一点を見つめて、吐き捨てるようにそう呟く。そして細めた目でフェリシアを睨んでいる。愛妻家だと有名だった以前とは全く違う殿下の態度に、フェリシアは顔を強張らせて…
それを固唾を呑んで成り行きを見ている招待客達。その殿下の変わりように、信じられない!といった顔をしている。少し前まではいつまでも新婚のような甘さが漂い、間違いなくフェリシアは愛されていた。だけどそれに胡座をかいて、好き勝手な行動をしてきた結果が今ここに。それをこれから嫌というほど思い知るのね…
「かつてお前がルリド辺境伯家の令嬢ラウラを陥れ、本来ならラウラが立つべき地位に自分がついた。やっとその調べがついた…。それに騙されていた私の咎はもちろんあるが、これは全てフェリシア…お前の罪だ!それに加担していたのがスコット子爵家のキャサリン。お前達二人の罪を問う!」
そして後に控えていた近衛の騎士達。殿下からの合図を受けて、二人の身体を拘束しようとする。それには…
「そんなの嘘!私は何もしていません。それに…そんな元子爵家の女一人の証言など、証拠のうちに入らないわ!私とどちらを信用するの!?」
青い顔をし、凄く動揺しながらもフェリシアはそう疑問を口にする。それをもちろん予期していたと思われる殿下は、不適な笑みを浮かべて…
「証拠なら他にもある!それは裁判の時に明らかになるだろう。そして只今をもってフェリシアの王太子妃という身分を剥奪し、離宮に軟禁する!即刻連れて行くのだ」
それにフェリシアは目を見開き血相を変えて…
「私は王子達の…母親よ?それなのに軟禁するですって!将来王になるべき者の母に対する仕打ちがこれなの?」
もうこの時フェリシアは、完璧な王太子妃の仮面を取り去っている。偽ることも取り繕うこともしない素のフェリシア。自分が罰を受けるのを回避する為に、とうとう子供をも引き合いに出している。私はこんな人のことを今まで美しいと思っていたなんて…
それに王太子殿下はフェリシアに近付き、耳元で何やら呟いている。それにサッと顔色を変えるフェリシア。何と言ったの?怒りの形相だったフェリシアが途端に大人しくなる。それには不思議で…
唖然とする私達の横を、フェリシアとキャサリンが連行されて行く。フェリシアはもう放心して、意外と大人しくしているのと比べて、キャサリンは何とか逃れようと暴れている。それに騎士達は迷惑そうにして、終いには両脇を抱えられるようにして連行される。
──何と呆気ないのかしら?あんな人達のためにアレックス達は苦労して…
欲…というのは、人の心を変える。最初は、あの人が気に入らないと言ったくだらない理由からそれに権力も絡んで…ついには国まで手に入れようとしていたのかも知れない。だけどそれに何の意味があるというの?愛する人が居る…それだけでは満足出来ない、この上なく哀しい人だったのね。そして自分ではそれに、気付いてもいない…
だけど、こうなるとフェリシアの子供達はどうなるのだろう?もちろん子供に苦しんで欲しくはないけれど、でもエリックのことを考えると何とも不公平だと感じる。そして人からの証言だけでは誰の子供なのかは判断するのは難しい。ましてや血の近い兄弟で王族…どうするのかしら?
「そこにいる女も拘束しろ!城内で刃物を振り回し、更に重要な参考人でもある。引っ立てろ!」
殿下の下知が飛び、その夫人も捕らえられる。だけどもうその人には目にも生気はなく、生きる気力さえもないような感じで…
城で刃物沙汰を起こすことは一切擁護出来ない。もしかして何の罪もない人が、巻き込まれることだってあるからだ。だけど…我慢出来なくて、サッとその人に近付いた。
「あなたの息子は生きているの!死んでなんかいない…だから安心してちょうだい」
それだけ伝えると、その人の死んだ目がみるみる生気を取り戻して…そしてブワッと涙が溢れだす。
「あ、ありがとうございます!何と言ってお礼を…わあぁっ」
その人は震える身体で泣き崩れる。この親子にどういう罰が科せられるのかは分からない…だけど生きてさえいれば、いつの日にかまた会えることだってあるかも知れない。罪を償った後にはきっと…
そして止め処なく涙を流したまま深々と頭を下げ、そして大人しく連れられて行った。そして…
「今日はここでお開きだ!そして今日遭ったことは裁判に影響するゆえ他言無用に」
そんな怒濤のお茶会が終わり、ホッと息を吐く。それから疲れ果てた私は帰ろうとすると…
「シルビア、すまないが少しだけ付き合ってくれないか?」
そう言ってきたのは、真剣な顔をした王太子殿下。それには戸惑ってしまって…
──何かしら?私に一体何を…
それから、アハハッと放心したように笑うその人は、再びナイフを振り上げる。すると…その時視界を横切る影が!
──カキーン!ドサッ…
タイミングを見ていた護衛の騎士が、メイドが腕を振り上げたところを狙ってナイフをはたき落とした!そして素早く後ろ手に拘束し、グッとその場に押さえつけている。そんな中…
「みなさん、これは誤解なの!全く事実とは違うのよ。それは分かってくださるわよね?」
この期に及んで誤魔化そうとするフェリシア。その顔は引き攣っている。それに騒動の犯人である夫人は、痛みで唸りながらも憎々しげにフェリシアを見つめて…
「フン!浮気者はあなたのくせに。子供だってどっちの子なんだか…アーロン殿下の子なのかもね?」
それには更なる衝撃が!クリスティンがそれを匂わせることを言っていたけど、それは流石にないだろうと思っていた…だけど本当に?
きっともう死を覚悟しているその人は、更に悪態をついて自ら息子のところに行こうとしているのかも知れない。本来ならば子爵夫人として、幸せに暮らしていた筈なのに…
そして家門に迷惑を掛けないようにと、フェリシアに近付くことを決心した時に離婚したのだろう。母としての哀しみと執念を感じる…
「どうした!何があったのだ?」
驚きつつも威厳のある声…それに皆は、バッと振り返る。そこには…王太子殿下!目を丸くしてそこに広がる光景を見ている。そして殿下でさえも、今日こんなことが起こるなんて思ってもなかったに違いない。すると…
「スチュワート様~!この不届き者に命を狙われたのです。謂れないことで逆恨みされて…ですが、私は誓って潔白ですわ!」
フェリシアは殿下にそう訴え掛ける。私達はそんなフェリシアを醒めた目で見ていた…あの状況では嘘じゃないのは明確だったから。そして殿下は以前、アレックスに対して約束していた。フェリシアの嘘を暴く…だけど今回の突発的に起こったこの騒動で、それを期待するにはまだ早かったのではないかしら?と心配になって…
「謂れはない?逆恨みだと?おまけに潔白…」
殿下は一点を見つめて、吐き捨てるようにそう呟く。そして細めた目でフェリシアを睨んでいる。愛妻家だと有名だった以前とは全く違う殿下の態度に、フェリシアは顔を強張らせて…
それを固唾を呑んで成り行きを見ている招待客達。その殿下の変わりように、信じられない!といった顔をしている。少し前まではいつまでも新婚のような甘さが漂い、間違いなくフェリシアは愛されていた。だけどそれに胡座をかいて、好き勝手な行動をしてきた結果が今ここに。それをこれから嫌というほど思い知るのね…
「かつてお前がルリド辺境伯家の令嬢ラウラを陥れ、本来ならラウラが立つべき地位に自分がついた。やっとその調べがついた…。それに騙されていた私の咎はもちろんあるが、これは全てフェリシア…お前の罪だ!それに加担していたのがスコット子爵家のキャサリン。お前達二人の罪を問う!」
そして後に控えていた近衛の騎士達。殿下からの合図を受けて、二人の身体を拘束しようとする。それには…
「そんなの嘘!私は何もしていません。それに…そんな元子爵家の女一人の証言など、証拠のうちに入らないわ!私とどちらを信用するの!?」
青い顔をし、凄く動揺しながらもフェリシアはそう疑問を口にする。それをもちろん予期していたと思われる殿下は、不適な笑みを浮かべて…
「証拠なら他にもある!それは裁判の時に明らかになるだろう。そして只今をもってフェリシアの王太子妃という身分を剥奪し、離宮に軟禁する!即刻連れて行くのだ」
それにフェリシアは目を見開き血相を変えて…
「私は王子達の…母親よ?それなのに軟禁するですって!将来王になるべき者の母に対する仕打ちがこれなの?」
もうこの時フェリシアは、完璧な王太子妃の仮面を取り去っている。偽ることも取り繕うこともしない素のフェリシア。自分が罰を受けるのを回避する為に、とうとう子供をも引き合いに出している。私はこんな人のことを今まで美しいと思っていたなんて…
それに王太子殿下はフェリシアに近付き、耳元で何やら呟いている。それにサッと顔色を変えるフェリシア。何と言ったの?怒りの形相だったフェリシアが途端に大人しくなる。それには不思議で…
唖然とする私達の横を、フェリシアとキャサリンが連行されて行く。フェリシアはもう放心して、意外と大人しくしているのと比べて、キャサリンは何とか逃れようと暴れている。それに騎士達は迷惑そうにして、終いには両脇を抱えられるようにして連行される。
──何と呆気ないのかしら?あんな人達のためにアレックス達は苦労して…
欲…というのは、人の心を変える。最初は、あの人が気に入らないと言ったくだらない理由からそれに権力も絡んで…ついには国まで手に入れようとしていたのかも知れない。だけどそれに何の意味があるというの?愛する人が居る…それだけでは満足出来ない、この上なく哀しい人だったのね。そして自分ではそれに、気付いてもいない…
だけど、こうなるとフェリシアの子供達はどうなるのだろう?もちろん子供に苦しんで欲しくはないけれど、でもエリックのことを考えると何とも不公平だと感じる。そして人からの証言だけでは誰の子供なのかは判断するのは難しい。ましてや血の近い兄弟で王族…どうするのかしら?
「そこにいる女も拘束しろ!城内で刃物を振り回し、更に重要な参考人でもある。引っ立てろ!」
殿下の下知が飛び、その夫人も捕らえられる。だけどもうその人には目にも生気はなく、生きる気力さえもないような感じで…
城で刃物沙汰を起こすことは一切擁護出来ない。もしかして何の罪もない人が、巻き込まれることだってあるからだ。だけど…我慢出来なくて、サッとその人に近付いた。
「あなたの息子は生きているの!死んでなんかいない…だから安心してちょうだい」
それだけ伝えると、その人の死んだ目がみるみる生気を取り戻して…そしてブワッと涙が溢れだす。
「あ、ありがとうございます!何と言ってお礼を…わあぁっ」
その人は震える身体で泣き崩れる。この親子にどういう罰が科せられるのかは分からない…だけど生きてさえいれば、いつの日にかまた会えることだってあるかも知れない。罪を償った後にはきっと…
そして止め処なく涙を流したまま深々と頭を下げ、そして大人しく連れられて行った。そして…
「今日はここでお開きだ!そして今日遭ったことは裁判に影響するゆえ他言無用に」
そんな怒濤のお茶会が終わり、ホッと息を吐く。それから疲れ果てた私は帰ろうとすると…
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