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第四章・予期せぬ告白
21・奇妙な夢
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「おい、眠ったのか?フレデリカ」
突然のそんな声に眠い目を擦る。エズラ…?あなた、帰って来たのね。起きなきゃと思うけど、今日は朝から具合が悪くて、どうにも起き上がることが出来ない。
すると冷たい手がおでこを包む。それがとっても気持ちいい!
──あっ、やっぱり熱があったんだわ…
そう気付いた私は、眠気まなこで強く額に押し付ける。もっと…って。
それから意識が朦朧としていた私は、また直ぐに眠ってしまったよう。だけどいつの間にか身体が揺られている。
──うん?ソファで寝ていたはずなのに。誰が…
それからそっとベッドの上に置かれ、次の瞬間フワリと温かいものに包まれる。布団を掛けてくれたの?すると…
「フレデリカ、早く元気になれ」
「ええっ…」
ガバッと起き上がる。あれっ?私って何をしていたっけ。それに…エズラなんているはずがないじゃない!寝ぼけていた?
夢を見ていたんだわ…今となっては懐かしい夢を。だけどあんな経験をしたことがない。優しいあの人なんて…
過去の私が見せた夢?願っていたことを…そんなの意味ないのに。それにしても奇妙な夢だったわ…
それに過去の私って、本来ならもっと未来のこと。ああっ、どう言ったらいいのか…こんがらがるわ!
結局は今の私にとっては現実じゃないってこと。だから考える必要もないのだと思う。それよりも今は…
旅の汚れを落とした私は、ほんの少しだけ休むつもりだった。出発してからそれ程経ってはいなかったけど、それでも初めての移動は身体に堪えたみたいで。それで伯母様との夕食まで時間があるし、ちょっとだけ休もうって思ったんだけど。ぐっすりと眠ってしまった!あれから皆はどうしたのかしら…
──コン、コン、コン。
ちょうどその時、鳴り響くノック音。どなたかしら?
「失礼します」という元気な声の後、扉から現れたのは…メイド?
「おはようございます!フレデリカ様。朝のお支度の手伝いをさせていただきますオリアナと申します。どうぞお見知りおき下さいませ」
「はい!よろしくお願いします」
そう言う私にオリアナは、私などに敬語はおやめください…とやんわりと伝えてくる。そ、そうね…私はノートン家を出たといっても、まだ籍を抜けた訳ではない。まだ貴族家の令嬢…だけど。
今までだって殆ど自分でやってきた。身支度やお風呂だって…やってもらえたのは必要最低限のこと。女主人を名乗った後はほんの少しマシになったけど、それでも充分だったとは、とてもじゃないけど言えない。だからこういう扱いは久しぶりになる。伯母様に恥をかかせる訳にはいかないし、慣れなきゃね…
「オリアナ、これからよろしくね」
微笑みながら言い直すと、オリアナも笑顔で頭を下げてくれる。それから気になっていることを聞くことにする。
「私、かなり寝ちゃったみたい。あれからどうしたのかしら?伯母様やスチワートは…」
「はい!カサンドラ様は、お疲れのフレデリカ様をそのまま寝かせておくようにおっしゃいました。それでご夕食はスチワート様とお二人で取られていました。随分話が弾んでおいででしたよ?」
そのことにホッとする。私がいなくて、二人だと気を遣っただろうと心配したから。でも会話が弾むだなんて、やっぱり物怖じしないスチワート!きっと伯母様にも伝わった筈…スチワートが素晴らしい人だって。
「それなら良かったわ!今からなら伯母様と、朝食はご一緒出来るわね?」
「はい!楽しみにしてらっしゃると思います」
そう言いながらオリアナは、クローゼットの扉を開く。すると中には数多くのドレスが並んでいて…おまけに一見して上質なものばかり!伯母様は子供がいらっしゃらないから、若い人向けのドレスなんて必要ないと思うけど…お母様の若い頃のものかしら?
「フフフッ、カサンドラ様が急遽、揃えられたのですよ?既製品でも上質のものを!と命を出されて、辺境伯領中のドレスを一晩で集められました」
「ええっ…私のために!?」
私が持って来たのは小さな鞄に入るだけの…それで伯母様が用意してくださったのね?もっと持ってくるんだった…お礼を言わなきゃ!
それからオリアナに手伝ってもらいながら、身支度を整えることに。オリアナが中から選んでくれたのはピンク色のドレス。ああ、お母様のものみたい…伯母様が選んでくださったのかも?
「このドレスにするわ!さあ、急ぎましょう」
これ以上伯母様達を待たせる訳にはいかないと、急いでダイニングルームへ向かう。すると…
「おはようございます。すみません、遅くなりました」
「フレデリカ!良く眠れたかしら?ああ…っ」
私の顔を見るなり、伯母様は口元を手で押さえる。どうしたのかと驚くと…
「クリスティーヌが帰って来たようだわ…あの子、ピンクのドレスがお気に入りだったから。とっても似合ってる…そっくりよ?」
伯母様はそう言って、再び瞳を潤ませている。でも…昨日もそうだったけど、伯母様の欲目じゃないかしら?似ているだなんて、言われたのは初めて。そうだったとしても嬉しいわ…
「伯母様だけです…そうおっしゃていただけるのは。でも嬉しい!お父様もお兄様だって、そんなことを言ったことありませんから。シンシアがお母様にソックリですから余計に…」
照れながらそう言って、それでも嬉しいことを伝える。そして微笑みながら伯母様を見ると…ええっ?
「シンシア、あの女の娘ね。なのにクリスティーヌにそっくりだなんて有り得ない!あの男もアルベルトも、どこまで見る目がないのかしら…」
先程までのにこやかな表情を崩して、伯母様は厳しい顔をしている。そして…あの女?それって、シンシアの亡くなったお母様のことかしら。
突然のそんな声に眠い目を擦る。エズラ…?あなた、帰って来たのね。起きなきゃと思うけど、今日は朝から具合が悪くて、どうにも起き上がることが出来ない。
すると冷たい手がおでこを包む。それがとっても気持ちいい!
──あっ、やっぱり熱があったんだわ…
そう気付いた私は、眠気まなこで強く額に押し付ける。もっと…って。
それから意識が朦朧としていた私は、また直ぐに眠ってしまったよう。だけどいつの間にか身体が揺られている。
──うん?ソファで寝ていたはずなのに。誰が…
それからそっとベッドの上に置かれ、次の瞬間フワリと温かいものに包まれる。布団を掛けてくれたの?すると…
「フレデリカ、早く元気になれ」
「ええっ…」
ガバッと起き上がる。あれっ?私って何をしていたっけ。それに…エズラなんているはずがないじゃない!寝ぼけていた?
夢を見ていたんだわ…今となっては懐かしい夢を。だけどあんな経験をしたことがない。優しいあの人なんて…
過去の私が見せた夢?願っていたことを…そんなの意味ないのに。それにしても奇妙な夢だったわ…
それに過去の私って、本来ならもっと未来のこと。ああっ、どう言ったらいいのか…こんがらがるわ!
結局は今の私にとっては現実じゃないってこと。だから考える必要もないのだと思う。それよりも今は…
旅の汚れを落とした私は、ほんの少しだけ休むつもりだった。出発してからそれ程経ってはいなかったけど、それでも初めての移動は身体に堪えたみたいで。それで伯母様との夕食まで時間があるし、ちょっとだけ休もうって思ったんだけど。ぐっすりと眠ってしまった!あれから皆はどうしたのかしら…
──コン、コン、コン。
ちょうどその時、鳴り響くノック音。どなたかしら?
「失礼します」という元気な声の後、扉から現れたのは…メイド?
「おはようございます!フレデリカ様。朝のお支度の手伝いをさせていただきますオリアナと申します。どうぞお見知りおき下さいませ」
「はい!よろしくお願いします」
そう言う私にオリアナは、私などに敬語はおやめください…とやんわりと伝えてくる。そ、そうね…私はノートン家を出たといっても、まだ籍を抜けた訳ではない。まだ貴族家の令嬢…だけど。
今までだって殆ど自分でやってきた。身支度やお風呂だって…やってもらえたのは必要最低限のこと。女主人を名乗った後はほんの少しマシになったけど、それでも充分だったとは、とてもじゃないけど言えない。だからこういう扱いは久しぶりになる。伯母様に恥をかかせる訳にはいかないし、慣れなきゃね…
「オリアナ、これからよろしくね」
微笑みながら言い直すと、オリアナも笑顔で頭を下げてくれる。それから気になっていることを聞くことにする。
「私、かなり寝ちゃったみたい。あれからどうしたのかしら?伯母様やスチワートは…」
「はい!カサンドラ様は、お疲れのフレデリカ様をそのまま寝かせておくようにおっしゃいました。それでご夕食はスチワート様とお二人で取られていました。随分話が弾んでおいででしたよ?」
そのことにホッとする。私がいなくて、二人だと気を遣っただろうと心配したから。でも会話が弾むだなんて、やっぱり物怖じしないスチワート!きっと伯母様にも伝わった筈…スチワートが素晴らしい人だって。
「それなら良かったわ!今からなら伯母様と、朝食はご一緒出来るわね?」
「はい!楽しみにしてらっしゃると思います」
そう言いながらオリアナは、クローゼットの扉を開く。すると中には数多くのドレスが並んでいて…おまけに一見して上質なものばかり!伯母様は子供がいらっしゃらないから、若い人向けのドレスなんて必要ないと思うけど…お母様の若い頃のものかしら?
「フフフッ、カサンドラ様が急遽、揃えられたのですよ?既製品でも上質のものを!と命を出されて、辺境伯領中のドレスを一晩で集められました」
「ええっ…私のために!?」
私が持って来たのは小さな鞄に入るだけの…それで伯母様が用意してくださったのね?もっと持ってくるんだった…お礼を言わなきゃ!
それからオリアナに手伝ってもらいながら、身支度を整えることに。オリアナが中から選んでくれたのはピンク色のドレス。ああ、お母様のものみたい…伯母様が選んでくださったのかも?
「このドレスにするわ!さあ、急ぎましょう」
これ以上伯母様達を待たせる訳にはいかないと、急いでダイニングルームへ向かう。すると…
「おはようございます。すみません、遅くなりました」
「フレデリカ!良く眠れたかしら?ああ…っ」
私の顔を見るなり、伯母様は口元を手で押さえる。どうしたのかと驚くと…
「クリスティーヌが帰って来たようだわ…あの子、ピンクのドレスがお気に入りだったから。とっても似合ってる…そっくりよ?」
伯母様はそう言って、再び瞳を潤ませている。でも…昨日もそうだったけど、伯母様の欲目じゃないかしら?似ているだなんて、言われたのは初めて。そうだったとしても嬉しいわ…
「伯母様だけです…そうおっしゃていただけるのは。でも嬉しい!お父様もお兄様だって、そんなことを言ったことありませんから。シンシアがお母様にソックリですから余計に…」
照れながらそう言って、それでも嬉しいことを伝える。そして微笑みながら伯母様を見ると…ええっ?
「シンシア、あの女の娘ね。なのにクリスティーヌにそっくりだなんて有り得ない!あの男もアルベルトも、どこまで見る目がないのかしら…」
先程までのにこやかな表情を崩して、伯母様は厳しい顔をしている。そして…あの女?それって、シンシアの亡くなったお母様のことかしら。
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