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第四章・過去の亡霊
24・予感
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「あの…坊ちゃま。今度、騎士学園と剣術の交流戦が行なわれるそうですね?それに選ばれたりなんかして…」
「ない!絶対にないよ」
──ぜ、絶対にないと、おっしゃいました?
やっぱりそうですよね…僕がエドモア公爵家に来てから、共に剣術を習おうって言われたよ?何かあった時に、私を守れるのはエリオットだろ?って言われて。うーん…
『共に』とおっしゃった坊ちゃまだけど、実際はりきったのは僕だけだった。やっているうちに面白くなって夢中で鍛錬した。それでもそこそこの腕にしかならなかったけど、もしも襲われた時には、坊ちゃまだけでも逃げる時間くらいは稼げると思う。だけどなぁ…
交流…ったって、結局は試合だよね?皆んな超本気だ。そうじゃなければ逆に失礼だし。この王都学園全生徒の中から、たった五人が代表の座になる訳だから…。その中に坊ちゃまが入る?っていうと微妙かも…
「私もね、公爵家の嫡男としてはそれなりに鍛錬してきた。だけど代表になれる程の腕でもないと思う」
凄く正直でいい!負けを認める姿勢は素晴らしいよ?
「それならどなたが選ばれるとお思いですか?坊ちゃまから見て、どなたがお強いんでしょうか」
それに坊ちゃまは、うーん…と暫し考えてそれからアッ!と閃いたようで…
「アンディが強い!とんでもなく手練れだよ。それと、あとラウル殿下かな?」
──ア、アンディが!?あの子、箸も持てそうにない子だよ?それなのに…強いの?うそでしょ…
なんか、アンディなんて大嫌い!って思ってたけど、意外性の人物だね?ちょっと興味が出ちゃったよ不思議~
あの時僕とスコットさんに見せた本性は、ゴリつよだったしね。てことは、やっぱり攻めなのかな?知らんけど…
+++++
それから半月ほどが経ち、もうそろそろ交流戦の代表の発表があるらしいとの噂が。
もともとその交流戦は、新しい年を迎える感謝を、戦いの女神に捧げる目的で行なわれている。だから冬休みの休暇が始まる直前に開催されるんだ。だからそれが終わったら、久しぶりにエドモア公爵邸に帰れる!
交流戦に坊ちゃまが出ないのなら、僕の心は既にその休暇に向かっている。
まあ、もちろん応援はするけどね!それにガイ様の戦いぶりも見たいしさ。
そんなことを考えながら、掃除をしていると12時のお昼の鐘が鳴る。坊ちゃまはこれからカフェでお昼を取られるだろう。ではウォッチング?かというと、今日はアルベルトさんが公爵家から備品を補充しに来てくれるんだ。
それからまだ雪までは降らないものの、ぐんと寒さも厳しくなってきて、坊ちゃまがお風邪を召さないようにと、防寒具も用意してくれているはずだよ?
待ち合わせは12時だし、もう来てるかな?と玄関まで駆けて行った。
「よお、エリオット!元気そうだな?そろそろ雪も降りそうだし、ブーツも持ってきてやったぜ!ありがとうは?」
それに素直にありがとうございます!とお礼を言うと、ガシガシと頭を撫でられた。一体いつまで僕を子供だと?と睨むと、フハハハと楽しげに笑うアルベルトさん。
「荷物を運んだら、一緒にお昼を食べませんか?使用人寮のカフェが安くて美味しいですよ!」
「じゃあ、久しぶりに奢ってくれよ!」
それに僕はドンと胸を叩いて、早くいきましょ!と笑顔で歩き出した。それから荷物を部屋まで運んで、いざ!と二人でカフェまでやって来た。
ちょうどお昼時間だということで、カフェ内は混んでいたけど、なんとか窓際の眺めの良い席に座ることが出来た。
それから僕はサンドイッチを、アルベルトさんはオススメ定食を注文する。
「そういえば、スミンさんから伝言があるんだ!なんか、エリオットを訪ねて来た人がいるって、言ってたぞ?その人に伝言を伝えますか?と尋ねたらしいんだが、また来るからいいって」
「そうなんですか、誰だろう?僕知り合いなんて居ないんですけど…」
そう言って、うん?と考える。ここで知り合った人なら
、学園に居るだろうことは分かっている筈だ。それなら?って思うけど、思い当たらない。僕だってこの王都に来てから、数々の人達との出会いはあったけど…
「名前は?その人の名前って分かりませんか?言わなかったのかな…」
「ああ言ってたよ!確か…ジョナサンだと言っていた。身なりのきちんとした人だったらしい。知ってるかい?」
僕はその名を聞いた瞬間、ドキッ!とした。ジョナサン…あのジョナサンかい?
今も続けているのかは分からないが、アノー伯爵家の執事で、あの時唯一の僕の味方で…。もしかして、僕を探し当てた…ってコト?
「ない!絶対にないよ」
──ぜ、絶対にないと、おっしゃいました?
やっぱりそうですよね…僕がエドモア公爵家に来てから、共に剣術を習おうって言われたよ?何かあった時に、私を守れるのはエリオットだろ?って言われて。うーん…
『共に』とおっしゃった坊ちゃまだけど、実際はりきったのは僕だけだった。やっているうちに面白くなって夢中で鍛錬した。それでもそこそこの腕にしかならなかったけど、もしも襲われた時には、坊ちゃまだけでも逃げる時間くらいは稼げると思う。だけどなぁ…
交流…ったって、結局は試合だよね?皆んな超本気だ。そうじゃなければ逆に失礼だし。この王都学園全生徒の中から、たった五人が代表の座になる訳だから…。その中に坊ちゃまが入る?っていうと微妙かも…
「私もね、公爵家の嫡男としてはそれなりに鍛錬してきた。だけど代表になれる程の腕でもないと思う」
凄く正直でいい!負けを認める姿勢は素晴らしいよ?
「それならどなたが選ばれるとお思いですか?坊ちゃまから見て、どなたがお強いんでしょうか」
それに坊ちゃまは、うーん…と暫し考えてそれからアッ!と閃いたようで…
「アンディが強い!とんでもなく手練れだよ。それと、あとラウル殿下かな?」
──ア、アンディが!?あの子、箸も持てそうにない子だよ?それなのに…強いの?うそでしょ…
なんか、アンディなんて大嫌い!って思ってたけど、意外性の人物だね?ちょっと興味が出ちゃったよ不思議~
あの時僕とスコットさんに見せた本性は、ゴリつよだったしね。てことは、やっぱり攻めなのかな?知らんけど…
+++++
それから半月ほどが経ち、もうそろそろ交流戦の代表の発表があるらしいとの噂が。
もともとその交流戦は、新しい年を迎える感謝を、戦いの女神に捧げる目的で行なわれている。だから冬休みの休暇が始まる直前に開催されるんだ。だからそれが終わったら、久しぶりにエドモア公爵邸に帰れる!
交流戦に坊ちゃまが出ないのなら、僕の心は既にその休暇に向かっている。
まあ、もちろん応援はするけどね!それにガイ様の戦いぶりも見たいしさ。
そんなことを考えながら、掃除をしていると12時のお昼の鐘が鳴る。坊ちゃまはこれからカフェでお昼を取られるだろう。ではウォッチング?かというと、今日はアルベルトさんが公爵家から備品を補充しに来てくれるんだ。
それからまだ雪までは降らないものの、ぐんと寒さも厳しくなってきて、坊ちゃまがお風邪を召さないようにと、防寒具も用意してくれているはずだよ?
待ち合わせは12時だし、もう来てるかな?と玄関まで駆けて行った。
「よお、エリオット!元気そうだな?そろそろ雪も降りそうだし、ブーツも持ってきてやったぜ!ありがとうは?」
それに素直にありがとうございます!とお礼を言うと、ガシガシと頭を撫でられた。一体いつまで僕を子供だと?と睨むと、フハハハと楽しげに笑うアルベルトさん。
「荷物を運んだら、一緒にお昼を食べませんか?使用人寮のカフェが安くて美味しいですよ!」
「じゃあ、久しぶりに奢ってくれよ!」
それに僕はドンと胸を叩いて、早くいきましょ!と笑顔で歩き出した。それから荷物を部屋まで運んで、いざ!と二人でカフェまでやって来た。
ちょうどお昼時間だということで、カフェ内は混んでいたけど、なんとか窓際の眺めの良い席に座ることが出来た。
それから僕はサンドイッチを、アルベルトさんはオススメ定食を注文する。
「そういえば、スミンさんから伝言があるんだ!なんか、エリオットを訪ねて来た人がいるって、言ってたぞ?その人に伝言を伝えますか?と尋ねたらしいんだが、また来るからいいって」
「そうなんですか、誰だろう?僕知り合いなんて居ないんですけど…」
そう言って、うん?と考える。ここで知り合った人なら
、学園に居るだろうことは分かっている筈だ。それなら?って思うけど、思い当たらない。僕だってこの王都に来てから、数々の人達との出会いはあったけど…
「名前は?その人の名前って分かりませんか?言わなかったのかな…」
「ああ言ってたよ!確か…ジョナサンだと言っていた。身なりのきちんとした人だったらしい。知ってるかい?」
僕はその名を聞いた瞬間、ドキッ!とした。ジョナサン…あのジョナサンかい?
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