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第五章・恋の進行状況
28・意外なところから…
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僕ってさ、バカだと思うのよ?毎回トゲだらけになってまで、覗きに来ているのをさぁ、ゲームの進行が気になるからだと思ってたんだよ。それが、愛してるからだったなんてねぇ~?
頬杖をつきながらそんなことを考える。そしてフンフフ~ンとご機嫌で鼻歌を歌って、真下にいる坊ちゃまをじっと見つめた。今どういう状況なのかというと、交流戦の代表者だけのミーティングが、カフェで行なわれると人づてに聞いた。それで一目散に覗きにやって来たんだ。
坊ちゃま、ラウル殿下、アンディ、そしてスチュワートとアランの五名は、僕の真下にある大きめのテーブルを皆で囲んでお茶を飲んでいる。だから音声もバッチリです!そしてアンディは相変わらず坊ちゃまの隣を陣取り、何やら一生懸命話し掛けている。だけど無視スキル五段の坊ちゃまには、おいそれとは通用しないよ?その隣ではスチュワートが分厚い本を読んでいて、殿下は呑気にお茶のおかわりを頼んでいる。そしてアランは、そんな代表メンバーを見ながらオドオドとしている…
──ところで、いつ始まるのよ?顔合わせを兼ねたミーティングって、ただ顔を合わせりゃいいってもんじゃないのよ?自己紹介したり交流戦に向けての戦略を練ったりして、チームの絆を深めるんじゃないの~?
それにどうも進行が出来る人がいない。それ、致命的じゃーん!
僕は、ほら!モブのアラン君がやらないと~とヤキモキしながら見つめる。するとそのアラン君は、まるで僕の言葉が聞こえたかのように意を決して、スクッと立ち上がった。僕はウンウンと頷いて、心の中で頑張れ!とエールを送って見守る。
「えーっと、皆さん、それでは交流戦代表のミーティングを始めます。皆さんは有名な方ばかりなのですが、一応初顔合わせという事で自己紹介をお願いしたいのですが…」
いいぞアラン君、その調子!そう思っていた時、耳をつんざくような声が響く。
「ええーっ!そんなの無駄じゃん。だってこの僕だよ?誰だって知ってるでしょ。だけど君はしらないけど?それなら全く知られていない、君だけが自己紹介すればいいんじゃない?」
──アンディ…おめぇか?
全く期待を裏切らない我が儘な行動をするアンディは、アラン君に向かってそう言い放った。そして、フン!と挑むような顔を向けている。さっきまでキャピキャピしていたくせに、こういう時は演技そっちのけで言うタイプだな…
それにオロオロとしてしまうアラン君。それを見兼ねて、ラウル殿下がサッと手を上げる。
「まあまあ、いいじゃないか!チームメイトなんだし、改めて自己紹介しよう!私はラウル・カッシーノ、ご存知だろうけどこの国の第一王子だよ。剣の腕はそこそこあるつもりだ。よろしく頼むね」
そう柔和な笑みを浮かべるラウル殿下。この人、ちょっと子供っぽいところはあるものの、王子としてはかなり情がある方だと思う。普段、何考えてるのか分からないけどね~。それから?
「私はスチュワート・グレイだ。グレイ侯爵家の嫡男だよ。本当は…この交流戦には出たくなかった!大事な用があったのに…。だが、出るからにはベストを尽くそう!」
おいおいスチュワート!そこはもうスッキリと諦めようよ?ベスト尽くして頑張ってちょうだいね。お次は?
「ジュリアス・エドモアだ!よろしく頼む。私はまさか自分が選ばれるとは思って無かったんだが…。実力以上を出せるように精進するつもりだ」
坊ちゃま、ヒュ~ヒュ~格好いいよ!だよね?選ばれるなんて僕だって思っちゃいなかったよ。そして、もしも坊ちゃまが攻略対象者に対して、心動かされるなんてこと…と心配になるけど、精一杯頑張って欲しいのも本当だ。先のことなんて分からないけど、僕と坊ちゃまの絆が勝つんだと信じたい!
「ん…面倒だなぁ~。僕はアンディ・ガドリンだよ。こんな容姿だけど、剣術には相当自信がある!正直言うと、大将は僕なんじゃないかと思ってるくらいだ。まあ、よろしくね」
アンディは本当に平常運転だね?いっそ清々しいよ!その意気込みと嫌味な性格は、大将クラスだ!
ええっと、次はアラン君だね?アラン君トコのメイドさんとは顔見知りなんだけど、本人は全く知らない子だ。僕よりも濃い茶髪で、瞳は金で綺麗だけどその他には取り立てて優れたところも無さそうな、どこまでも普通な子。顔立ちは悪くないんだけどね…印象に残らない顔っていうの?悪いけど、モブ山モブ子だよね~
「僕はアラン・ロマンです。ロマン伯爵家の四男で、ずっと田舎の領地に住んでいました。だけど…実は結婚が決まって、そのお相手の為にも田舎に閉じ籠もっててはいけないと、王都学園に通うことにしたんです!」
──ええーっ!結婚が決まっているの?そんな風に全然見えない!失礼かな?
でも、お相手の為に苦手な都会に出てこようなんて、涙を誘うね…偉いっ!
僕は、なんていい子なんだろうと感心した。それに田舎の領地に住んでいた事も、親近感を覚える。モブ山モブ子なんて言って悪かったな~と反省していると、そのアラン君の次の言葉に衝撃が走る…
「そのお相手が、実はマクベス大公様なんです。三年生になったら公表して、卒業と同時に結婚する予定なんです」
マ、マクベス大公だって!あのゲームの唯一の破滅ルート…その大公殿下の婚約者が、このアラン君だって?
こんな意外なところから大公ルートの可能性が出てくるなんて…そしてこれで、僕が知る全ての攻略対象者との点と線が繋がった!
頬杖をつきながらそんなことを考える。そしてフンフフ~ンとご機嫌で鼻歌を歌って、真下にいる坊ちゃまをじっと見つめた。今どういう状況なのかというと、交流戦の代表者だけのミーティングが、カフェで行なわれると人づてに聞いた。それで一目散に覗きにやって来たんだ。
坊ちゃま、ラウル殿下、アンディ、そしてスチュワートとアランの五名は、僕の真下にある大きめのテーブルを皆で囲んでお茶を飲んでいる。だから音声もバッチリです!そしてアンディは相変わらず坊ちゃまの隣を陣取り、何やら一生懸命話し掛けている。だけど無視スキル五段の坊ちゃまには、おいそれとは通用しないよ?その隣ではスチュワートが分厚い本を読んでいて、殿下は呑気にお茶のおかわりを頼んでいる。そしてアランは、そんな代表メンバーを見ながらオドオドとしている…
──ところで、いつ始まるのよ?顔合わせを兼ねたミーティングって、ただ顔を合わせりゃいいってもんじゃないのよ?自己紹介したり交流戦に向けての戦略を練ったりして、チームの絆を深めるんじゃないの~?
それにどうも進行が出来る人がいない。それ、致命的じゃーん!
僕は、ほら!モブのアラン君がやらないと~とヤキモキしながら見つめる。するとそのアラン君は、まるで僕の言葉が聞こえたかのように意を決して、スクッと立ち上がった。僕はウンウンと頷いて、心の中で頑張れ!とエールを送って見守る。
「えーっと、皆さん、それでは交流戦代表のミーティングを始めます。皆さんは有名な方ばかりなのですが、一応初顔合わせという事で自己紹介をお願いしたいのですが…」
いいぞアラン君、その調子!そう思っていた時、耳をつんざくような声が響く。
「ええーっ!そんなの無駄じゃん。だってこの僕だよ?誰だって知ってるでしょ。だけど君はしらないけど?それなら全く知られていない、君だけが自己紹介すればいいんじゃない?」
──アンディ…おめぇか?
全く期待を裏切らない我が儘な行動をするアンディは、アラン君に向かってそう言い放った。そして、フン!と挑むような顔を向けている。さっきまでキャピキャピしていたくせに、こういう時は演技そっちのけで言うタイプだな…
それにオロオロとしてしまうアラン君。それを見兼ねて、ラウル殿下がサッと手を上げる。
「まあまあ、いいじゃないか!チームメイトなんだし、改めて自己紹介しよう!私はラウル・カッシーノ、ご存知だろうけどこの国の第一王子だよ。剣の腕はそこそこあるつもりだ。よろしく頼むね」
そう柔和な笑みを浮かべるラウル殿下。この人、ちょっと子供っぽいところはあるものの、王子としてはかなり情がある方だと思う。普段、何考えてるのか分からないけどね~。それから?
「私はスチュワート・グレイだ。グレイ侯爵家の嫡男だよ。本当は…この交流戦には出たくなかった!大事な用があったのに…。だが、出るからにはベストを尽くそう!」
おいおいスチュワート!そこはもうスッキリと諦めようよ?ベスト尽くして頑張ってちょうだいね。お次は?
「ジュリアス・エドモアだ!よろしく頼む。私はまさか自分が選ばれるとは思って無かったんだが…。実力以上を出せるように精進するつもりだ」
坊ちゃま、ヒュ~ヒュ~格好いいよ!だよね?選ばれるなんて僕だって思っちゃいなかったよ。そして、もしも坊ちゃまが攻略対象者に対して、心動かされるなんてこと…と心配になるけど、精一杯頑張って欲しいのも本当だ。先のことなんて分からないけど、僕と坊ちゃまの絆が勝つんだと信じたい!
「ん…面倒だなぁ~。僕はアンディ・ガドリンだよ。こんな容姿だけど、剣術には相当自信がある!正直言うと、大将は僕なんじゃないかと思ってるくらいだ。まあ、よろしくね」
アンディは本当に平常運転だね?いっそ清々しいよ!その意気込みと嫌味な性格は、大将クラスだ!
ええっと、次はアラン君だね?アラン君トコのメイドさんとは顔見知りなんだけど、本人は全く知らない子だ。僕よりも濃い茶髪で、瞳は金で綺麗だけどその他には取り立てて優れたところも無さそうな、どこまでも普通な子。顔立ちは悪くないんだけどね…印象に残らない顔っていうの?悪いけど、モブ山モブ子だよね~
「僕はアラン・ロマンです。ロマン伯爵家の四男で、ずっと田舎の領地に住んでいました。だけど…実は結婚が決まって、そのお相手の為にも田舎に閉じ籠もっててはいけないと、王都学園に通うことにしたんです!」
──ええーっ!結婚が決まっているの?そんな風に全然見えない!失礼かな?
でも、お相手の為に苦手な都会に出てこようなんて、涙を誘うね…偉いっ!
僕は、なんていい子なんだろうと感心した。それに田舎の領地に住んでいた事も、親近感を覚える。モブ山モブ子なんて言って悪かったな~と反省していると、そのアラン君の次の言葉に衝撃が走る…
「そのお相手が、実はマクベス大公様なんです。三年生になったら公表して、卒業と同時に結婚する予定なんです」
マ、マクベス大公だって!あのゲームの唯一の破滅ルート…その大公殿下の婚約者が、このアラン君だって?
こんな意外なところから大公ルートの可能性が出てくるなんて…そしてこれで、僕が知る全ての攻略対象者との点と線が繋がった!
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