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初めての旅行
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「花純、おはよう」
「おはようございます、光星さん」
2日後、旅行の日がやって来た。
朝、花純のマンションに車で迎えに来た光星は、ラフな半袖シャツに軽い素材のサマージャケットを羽織っている。
花純の手から荷物を受け取り、車のトランクに入れる光星に見とれた。
「なんだか新鮮です。光星さんの私服姿」
「そう? 花純のワンピース姿もめちゃくちゃ可愛い」
「え、ありがとうございます」
花純は気恥ずかしさにうつむく。
オフホワイトのワンピースは、スカートの裾や袖口と襟が黒のバイカラーになっていて甘すぎない。
髪はサイドを編み込みにして、ふわっと緩くまとめた。
「どうぞ、乗って」
「はい」
光星が開けてくれたドアから助手席に乗ると、運転席に回った光星は改めて花純に笑いかける。
「花純と旅行なんて、最高に嬉しい」
「私もです。お仕事は大丈夫でしたか?」
「ああ。夕方、少しだけオンラインミーティングに参加しなきゃいけないんだ。その間、花純はエステに行っておいで。予約入れておいたから」
「えっ、いつの間に?」
「楽しみすぎて、あれこれ予定を立ててしまった。勝手にごめん。迷惑だったか?」
「ううん、嬉しいです」
「良かった。じゃあ、出発しよう」
平日の早朝は高速道路も空いていて、快適なドライブを楽しむ。
「光星さん。コーヒー、ここに置きますね」
「ありがと」
缶コーヒーをドリンクホルダーに置き、花純は光星の横顔をそっと盗み見る。
「ん? 俺の顔に何かついてる?」
「え、ううん」
花純は慌てて視線をそらした。
「なんだか、ちょっと不思議な気がして。私、ほんとに光星さんと旅行に行くんだなって」
「実感湧かない? じゃあ、あとで片時も花純を離さないでおこう」
「そんな、どうぞご無理なさらず」
「ははっ! 俺がそうしたいんだよ」
楽しそうに笑う光星につられて、花純も笑顔になる。
(私、ちゃんと光星さんの彼女にしてもらったんだよね?)
もう最初の頃のような寂しさは感じない。
ようやくデートを楽しいと思えるようになっていた。
その一方で、おとといの滝沢の告白が頭から離れない。
(もちろん滝沢くんとはつき合えない。だけど、今すぐ返事するなって言われたら……。いつ言えばいいの?)
俺をちゃんと一人の男として見てから、と言われても困るだけだった。
「花純? どうかした?」
「あ、ううん。何でもないです」
光星に聞かれて咄嗟に首を振る。
(今はとにかく光星さんとの時間を大切にしよう)
そう思い、気持ちを切り替えた。
◇
「わあ、素敵なところ! 緑がいっぱいで、建物もオシャレで」
「ああ。有名な建築家がデザインしたらしい。外国の小さな街みたいだな」
「本当に。お部屋も楽しみね」
2時間ほど走って着いたホテルは、空気の新鮮な高原の中にあった。
花純はわくわくしながら光星の手を引いて、ロビーに向かう。
「光星さん、早く!」
「ははっ! 花純、子どもみたいだな」
吹き抜けのロビーは自然光が降り注ぎ、明るく広々としている。
「森川様、いらっしゃいませ。本日はメゾネットスイートのお部屋を2名様ご一泊でご用意しております。チェックインの手続きをいたしますが入室は15時からですので、よろしければお先にプールやショッピングなどをお楽しみください」
フロントでカードキーを受け取り、荷物を預けた。
「花純、先にプールに行かないか? プールサイドにカフェもあるから、ランチもそこでどう?」
「プールにカフェがあるの? すごい!」
「じゃあ、決まりだ」
「うん! あ、でも……」
急に声のトーンを下げた花純に、光星は「どうした?」と顔を覗き込む。
「水着がね、あんまり可愛くないの」
あの日は滝沢の告白で気もそぞろになり、気に入った水着が見つけられず、結局3年前のものを仕方なく持って来ていた。
「なんだ、そんなこと。花純は何着ても可愛いよ」
「でも3年前のだから、デザインも古いし……」
「じゃあ新しくショップで買おう。ほら、行くよ」
今度は光星が花純の手を引いてプールに向かった。
「お、結構品揃えいいな。花純、どれがいい?」
プールの受付横のショップには、浮き輪やビーチボールと並んで色とりどりの水着が並んでいる。
「リゾートっぽい水着が多いですね。花柄とか、パレオとか。でも日焼けしないからパレオはいらないかな」
呟きながら、次々と手に取ってみる。
「あっ、これ可愛い!」
ネイビーのホルターネックのビキニは、サイドのレースのような飾りがアクセントになっていた。
だがよく考えてみると、まだつき合い始めたばかりの光星に、ビキニ姿を見られるのは恥ずかしい。
「えっと、やっぱりこっちにしようかな。あ、でもさすがにこれは似合わないか……」
キャミソールタイプの赤い水着は、胸元のシャーリングとスカートのフリルで露出も少ないが、どう見ても10代か20代前半向けだった。
「どれで迷ってる?」
光星に聞かれて、2つの水着を掲げてみる。
「んー、どっちも似合いそうだけど、花純のイメージだとこっちかな?」
ネイビーのビキニを指差され、そうだよね、と納得した。
「でも花純、ちょっと男の目が心配だからこれも一緒に着て」
そう言って光星は、透け感のある白いショートボレロを持って来た。
「あっ、こんなのあるのね。うん、そうする」
受付で水着の会計とロッカーキーを受け取り、更衣室の前で別れる。
花純は早速水着を着てみた。
(わっ、予想以上に露出が……)
水着を着るのが久しぶりなのもあり、ビキニは何とも心許ない。
(面積的に、下着と一緒じゃない? まだ光星さんに下着姿も見せてないのに)
そこまで考えて赤くなる。
(いやいや、何考えてんの、私ったら。これは水着で、ここはプール。うん)
顔を引き締めてからボレロを羽織り、これなら安心、と更衣室を出た。
通路を抜けてプールサイドに出ると、ビーチと海のような広い空間が広がっていて、花純は思わず目を見開く。
先に待っていた光星も、近づいて来た。
「花純」
「光星さん! すごいね、ここ。本当に南国のリゾートみたいね」
そう言って光星を見上げた途端、男らしいガッシリした裸の胸板が目に入り、花純は慌ててうつむく。
「髪、ポニーテールにしたんだ。可愛い。水着もよく似合ってる。ちょっと、目のやり場に困るけど」
「わ、私もです」
この歳になってこんなにもドキドキするとは、と恥ずかしくなった。
「浮き輪借りようか」
そう言ってさり気なく手を繋がれる。
花純は返事も出来ずに真っ赤になった。
大きな浮き輪を借りてプールに入ると、身体が水に浸かってようやく恥ずかしさから開放された。
「ぷかぷかするのって気持ちいい」
「そうだな。あっちの方に行ってみよう。波が出てるみたいだから」
光星が花純の浮き輪を押して、広いエリアに出た。
その途端、ふわっと身体が波で浮き上がる。
わっ!と、慌てて花純は光星の首に抱きついた。
「ははっ! 花純、浮き輪つけてるのにそんなにしがみついたら顔だけ溺れるぞ?」
「だって、びっくりして。きゃっ……」
再び大きな波がやって来て、花純はバランスを崩す。
光星は花純のウエストをグッと抱き寄せた。
身体が真っ直ぐに戻りホッとしていると、すぐ目の前に光星の顔があってドキッとする。
水の中では、光星の大きな手が、肌に直接触れている。
「光星さん、あの……」
ドギマギしていると、光星も戸惑ったようにうつむいた。
「花純、こんなにウエスト細いんだな。肌もすごく綺麗だ」
「えっと、あの……」
「なんか、色々ヤバくなる」
そう言うと光星は花純から手を離し、浮き輪に両腕を載せる。
「波、もう少し近くまで行こうか」
「うん。あっ! 足がつかなくなっちゃった!」
「ははは! 大丈夫だよ。俺が支えるから」
光星は今度はそっと優しく花純の身体を抱き寄せた。
しばらく波のプールを楽しんでから、プールサイドのカフェでランチにする。
「ハッシュドビーフ、とっても美味しいです」
「そうだな。本格的なホテルの味だな」
「トロピカルドリンクも美味しい! ガトーショコラも食べていいですか?」
「もちろん」
お腹がいっぱいになると、屋外ジャグジーに行ってみた。
「はあー、極楽だー」
光星は嬉しそうに目を細める。
「ふふっ、日頃の疲れがとれますね」
「ああ。景色もいいし、最高だな」
「本当に」
二人並んでジェットバスに身体を預けていると、お湯の中でそっと光星が花純と手を繋いだ。
花純もキュッとその手を握り返すと、優しく微笑みかけられる。
言葉はなくとも気持ちが重なり合うのを感じ、花純は胸いっぱいに幸せを感じていた。
「おはようございます、光星さん」
2日後、旅行の日がやって来た。
朝、花純のマンションに車で迎えに来た光星は、ラフな半袖シャツに軽い素材のサマージャケットを羽織っている。
花純の手から荷物を受け取り、車のトランクに入れる光星に見とれた。
「なんだか新鮮です。光星さんの私服姿」
「そう? 花純のワンピース姿もめちゃくちゃ可愛い」
「え、ありがとうございます」
花純は気恥ずかしさにうつむく。
オフホワイトのワンピースは、スカートの裾や袖口と襟が黒のバイカラーになっていて甘すぎない。
髪はサイドを編み込みにして、ふわっと緩くまとめた。
「どうぞ、乗って」
「はい」
光星が開けてくれたドアから助手席に乗ると、運転席に回った光星は改めて花純に笑いかける。
「花純と旅行なんて、最高に嬉しい」
「私もです。お仕事は大丈夫でしたか?」
「ああ。夕方、少しだけオンラインミーティングに参加しなきゃいけないんだ。その間、花純はエステに行っておいで。予約入れておいたから」
「えっ、いつの間に?」
「楽しみすぎて、あれこれ予定を立ててしまった。勝手にごめん。迷惑だったか?」
「ううん、嬉しいです」
「良かった。じゃあ、出発しよう」
平日の早朝は高速道路も空いていて、快適なドライブを楽しむ。
「光星さん。コーヒー、ここに置きますね」
「ありがと」
缶コーヒーをドリンクホルダーに置き、花純は光星の横顔をそっと盗み見る。
「ん? 俺の顔に何かついてる?」
「え、ううん」
花純は慌てて視線をそらした。
「なんだか、ちょっと不思議な気がして。私、ほんとに光星さんと旅行に行くんだなって」
「実感湧かない? じゃあ、あとで片時も花純を離さないでおこう」
「そんな、どうぞご無理なさらず」
「ははっ! 俺がそうしたいんだよ」
楽しそうに笑う光星につられて、花純も笑顔になる。
(私、ちゃんと光星さんの彼女にしてもらったんだよね?)
もう最初の頃のような寂しさは感じない。
ようやくデートを楽しいと思えるようになっていた。
その一方で、おとといの滝沢の告白が頭から離れない。
(もちろん滝沢くんとはつき合えない。だけど、今すぐ返事するなって言われたら……。いつ言えばいいの?)
俺をちゃんと一人の男として見てから、と言われても困るだけだった。
「花純? どうかした?」
「あ、ううん。何でもないです」
光星に聞かれて咄嗟に首を振る。
(今はとにかく光星さんとの時間を大切にしよう)
そう思い、気持ちを切り替えた。
◇
「わあ、素敵なところ! 緑がいっぱいで、建物もオシャレで」
「ああ。有名な建築家がデザインしたらしい。外国の小さな街みたいだな」
「本当に。お部屋も楽しみね」
2時間ほど走って着いたホテルは、空気の新鮮な高原の中にあった。
花純はわくわくしながら光星の手を引いて、ロビーに向かう。
「光星さん、早く!」
「ははっ! 花純、子どもみたいだな」
吹き抜けのロビーは自然光が降り注ぎ、明るく広々としている。
「森川様、いらっしゃいませ。本日はメゾネットスイートのお部屋を2名様ご一泊でご用意しております。チェックインの手続きをいたしますが入室は15時からですので、よろしければお先にプールやショッピングなどをお楽しみください」
フロントでカードキーを受け取り、荷物を預けた。
「花純、先にプールに行かないか? プールサイドにカフェもあるから、ランチもそこでどう?」
「プールにカフェがあるの? すごい!」
「じゃあ、決まりだ」
「うん! あ、でも……」
急に声のトーンを下げた花純に、光星は「どうした?」と顔を覗き込む。
「水着がね、あんまり可愛くないの」
あの日は滝沢の告白で気もそぞろになり、気に入った水着が見つけられず、結局3年前のものを仕方なく持って来ていた。
「なんだ、そんなこと。花純は何着ても可愛いよ」
「でも3年前のだから、デザインも古いし……」
「じゃあ新しくショップで買おう。ほら、行くよ」
今度は光星が花純の手を引いてプールに向かった。
「お、結構品揃えいいな。花純、どれがいい?」
プールの受付横のショップには、浮き輪やビーチボールと並んで色とりどりの水着が並んでいる。
「リゾートっぽい水着が多いですね。花柄とか、パレオとか。でも日焼けしないからパレオはいらないかな」
呟きながら、次々と手に取ってみる。
「あっ、これ可愛い!」
ネイビーのホルターネックのビキニは、サイドのレースのような飾りがアクセントになっていた。
だがよく考えてみると、まだつき合い始めたばかりの光星に、ビキニ姿を見られるのは恥ずかしい。
「えっと、やっぱりこっちにしようかな。あ、でもさすがにこれは似合わないか……」
キャミソールタイプの赤い水着は、胸元のシャーリングとスカートのフリルで露出も少ないが、どう見ても10代か20代前半向けだった。
「どれで迷ってる?」
光星に聞かれて、2つの水着を掲げてみる。
「んー、どっちも似合いそうだけど、花純のイメージだとこっちかな?」
ネイビーのビキニを指差され、そうだよね、と納得した。
「でも花純、ちょっと男の目が心配だからこれも一緒に着て」
そう言って光星は、透け感のある白いショートボレロを持って来た。
「あっ、こんなのあるのね。うん、そうする」
受付で水着の会計とロッカーキーを受け取り、更衣室の前で別れる。
花純は早速水着を着てみた。
(わっ、予想以上に露出が……)
水着を着るのが久しぶりなのもあり、ビキニは何とも心許ない。
(面積的に、下着と一緒じゃない? まだ光星さんに下着姿も見せてないのに)
そこまで考えて赤くなる。
(いやいや、何考えてんの、私ったら。これは水着で、ここはプール。うん)
顔を引き締めてからボレロを羽織り、これなら安心、と更衣室を出た。
通路を抜けてプールサイドに出ると、ビーチと海のような広い空間が広がっていて、花純は思わず目を見開く。
先に待っていた光星も、近づいて来た。
「花純」
「光星さん! すごいね、ここ。本当に南国のリゾートみたいね」
そう言って光星を見上げた途端、男らしいガッシリした裸の胸板が目に入り、花純は慌ててうつむく。
「髪、ポニーテールにしたんだ。可愛い。水着もよく似合ってる。ちょっと、目のやり場に困るけど」
「わ、私もです」
この歳になってこんなにもドキドキするとは、と恥ずかしくなった。
「浮き輪借りようか」
そう言ってさり気なく手を繋がれる。
花純は返事も出来ずに真っ赤になった。
大きな浮き輪を借りてプールに入ると、身体が水に浸かってようやく恥ずかしさから開放された。
「ぷかぷかするのって気持ちいい」
「そうだな。あっちの方に行ってみよう。波が出てるみたいだから」
光星が花純の浮き輪を押して、広いエリアに出た。
その途端、ふわっと身体が波で浮き上がる。
わっ!と、慌てて花純は光星の首に抱きついた。
「ははっ! 花純、浮き輪つけてるのにそんなにしがみついたら顔だけ溺れるぞ?」
「だって、びっくりして。きゃっ……」
再び大きな波がやって来て、花純はバランスを崩す。
光星は花純のウエストをグッと抱き寄せた。
身体が真っ直ぐに戻りホッとしていると、すぐ目の前に光星の顔があってドキッとする。
水の中では、光星の大きな手が、肌に直接触れている。
「光星さん、あの……」
ドギマギしていると、光星も戸惑ったようにうつむいた。
「花純、こんなにウエスト細いんだな。肌もすごく綺麗だ」
「えっと、あの……」
「なんか、色々ヤバくなる」
そう言うと光星は花純から手を離し、浮き輪に両腕を載せる。
「波、もう少し近くまで行こうか」
「うん。あっ! 足がつかなくなっちゃった!」
「ははは! 大丈夫だよ。俺が支えるから」
光星は今度はそっと優しく花純の身体を抱き寄せた。
しばらく波のプールを楽しんでから、プールサイドのカフェでランチにする。
「ハッシュドビーフ、とっても美味しいです」
「そうだな。本格的なホテルの味だな」
「トロピカルドリンクも美味しい! ガトーショコラも食べていいですか?」
「もちろん」
お腹がいっぱいになると、屋外ジャグジーに行ってみた。
「はあー、極楽だー」
光星は嬉しそうに目を細める。
「ふふっ、日頃の疲れがとれますね」
「ああ。景色もいいし、最高だな」
「本当に」
二人並んでジェットバスに身体を預けていると、お湯の中でそっと光星が花純と手を繋いだ。
花純もキュッとその手を握り返すと、優しく微笑みかけられる。
言葉はなくとも気持ちが重なり合うのを感じ、花純は胸いっぱいに幸せを感じていた。
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