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オムライス2

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軽く味見あじみをしてみる。

(うん、美味しい!)

調理環境ちょうりかんきょうなどが発展していない異世界。

さすがに前世のオムライスにはおとる。

しかし、悪くない仕上しあがりだった。

私は3人ぶんのオムライスをテーブルに運んだ。

それから、寝室にいたアイリス、外にいたクレアベルを、それぞれ呼んでくる。

「できました。オムライスです」

クレアベルとアイリスがテーブルに座る。

まじまじと、オムライスを見つめた。

クレアベルは言った。

「すごいな……思ったよりも、ちゃんと料理になってる。初めてだし、失敗もあるかと思ったのに」

まあ、初めてじゃないからね。前世で散々さんざん料理はやったし。

アイリスも言う。

「良い匂い……もう食べていいの?」

「はい。どうぞ」

クレアベルとアイリスが、食前の祈りをする。

それから、食事を始めた。

木製のスプーンを手に取る。

私は言った。

「赤いソースと、卵と、ご飯を絡めて食べるのがオススメです」

「……こうか?」

クレアベルは、オムライスを崩して見せた。

私は、それでよし、という意味を込めて、サムズアップした。

クレアベルが、スプーンにのせたライスを口に運ぶ。

「……!?」

すぐに目を見開いた。

上気じょうきしたように顔を赤らめる。

「う、美味い……!?」

クレアベルが、たまらないといわんばかりに、オムライスをバクバクと高速で食べ始めた。

一方、アイリスも、スプーンを口に運ぶ。

「ほんとだ! 美味しいーー! なにこれ!?」

アイリスも顔を紅潮こうちょうさせて、勢いよくオムライスをほおばっていく。

クレアベルが言った。

「スプーンが止まらん。だが、悔しいな。私が作る料理より美味いじゃないか」

「お母さんの料理もおいしいですよ」

謙遜けんそんするな。コレにはどう考えても負けるだろう。というか、こんなレベルの料理、今まで食べたことがないぞ」

「さ、さすがにそれは大げさじゃないですか?」

と、私は言った。

しかしクレアベルは、真剣だった。

アイリスも同調する。

「お母さんの言ってることわかるよ。ほんとにコレ、美味しいもん。お姉ちゃんって、料理も得意なんだね!」

さすがにここまで絶賛されると、照れてしまう。

とにかく私も、食べることにしよう。

もぐもぐ。

うん。

美味しい。

ふっくら焼けた卵の甘味あまみ

パサつきのあるライス。

自家製じかせいトマトケチャップの甘味。

鶏肉やたまねぎも、しっかりと旨味うまみをかもしている。

トマトの匂い、卵の匂いが鼻を刺激して、幸せな気持ちにさせてくれる。

(あ~、やっぱりオムライスは美味しいなぁ)

と、思いながら、

私は、楽しい食事の時間を過ごした。

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