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赤
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夏の入り口の季節。
近くの泉で水泳の訓練をすることになった。
水泳は、いざというときに役に立つからだ。
ただ、一般的に、淡水には塩分が少ないので、浮力を得にくい。
ゆえに身体が沈みやすくて、泳ぎにくく、溺れやすいのだ。
だから、それを防ぐために【水泳魔法】を覚えた。
水泳魔法とは、水中での浮力確保をアシストしてくれる魔法である。
これで川だろうが湖だろうが海だろうが、どこでも泳ぐことができる。
まあ、水中に魔物がいるかもしれないので、迂闊には泳いじゃいけないらしいけどね。
さて――――
真夏。
昼。
寝室にて。
その日、私は、カカオマス、ホワイトチョコレートに次ぐ、新しいチョコレートを覚えた。
ストロベリーチョコレートである。
いちごのチョコ。
私にとって三種類目のチョコレートだ。
(これ……いったいどれぐらいの種類があるんだろう?)
そんな疑問を覚える。
チョコレート魔法については、だいぶわかってきたけど……
まだまだ、未解明の部分は多い。
最終的には、私が食べてきた全種類のチョコレートが網羅されるのだろうか?
まあ、いい。
とにかく、ストロベリーチョコレートを覚えたのだ。
なんといってもストロベリーチョコの魅力は、酸味だろう。
異世界に来てから長らく、ビターなカカオマス、あまやかなホワイトチョコばかり食べてきたが……
甘酸っぱさ担当のストロベリーが加わるだけで、チョコレートの世界観は一気に広がりを見せることは間違いない。
たとえば、
カカオチョコレート、
ホワイトチョコレート、
ストロベリーチョコレートを、
順番に、一つずつ、
「もぐもぐ」
と、食べてみると……
「ん~、幸せ!!」
となる。
まあ、当然だね。
「お姉ちゃん」
と、そのとき、寝室にやってきたアイリスが言ってきた。
「目の色、変わってるよ?」
「え?」
「赤くなってる」
とアイリスが指摘してくる。
充血している、と言いたいのだろうと思った私は、以下のように答えた。
「充血してる? まあ、放っておけば治りますよ」
「いや、充血じゃなくて」
とアイリスが否定する。
どう説明したらいいかと悩んでいる様子だった。
ややあってアイリスが言った。
「……鏡見てきたら?」
「はぁ」
要領を得ないまま、私は言われた通り、鏡のもとへいく。
鏡を眺め、自分の顔を見つめた。
「え?」
と驚いた。
なぜなら本当に目が赤くなっていたからだ。
充血ではない。
瞳の色が変わっているのだ。
これって……まさか。
(ストロベリーの色?)
いちごの赤色。
それが目に反映された?
いつもなら、新しいチョコレートを使えるようになっても、反映されるまでにタイムラグがあった。
しかも髪色が変わるだけで、目の色には影響はなかったのに。
(ま、まあ、髪の色が二色から三色になるよりはいいけどさ……)
と、私は思う。
これ以上、髪の色が増えても困るからね。
それにしても瞳の色が変わるのか。
摩訶不思議にも程があるな。
これで私は、黒髪・緑の瞳から、
髪の右半分が茶色、
髪の左半分が薄い黄色、
両目が赤色、
……に、変わったわけだ。
後日。
村の4人に、瞳の色が変わったことを報告すると。
テオくんに、
「やっぱりお前、頭おかしいな!」
と言われた。
頭はおかしくないけど、いろいろおかしいことは認めるよ。
近くの泉で水泳の訓練をすることになった。
水泳は、いざというときに役に立つからだ。
ただ、一般的に、淡水には塩分が少ないので、浮力を得にくい。
ゆえに身体が沈みやすくて、泳ぎにくく、溺れやすいのだ。
だから、それを防ぐために【水泳魔法】を覚えた。
水泳魔法とは、水中での浮力確保をアシストしてくれる魔法である。
これで川だろうが湖だろうが海だろうが、どこでも泳ぐことができる。
まあ、水中に魔物がいるかもしれないので、迂闊には泳いじゃいけないらしいけどね。
さて――――
真夏。
昼。
寝室にて。
その日、私は、カカオマス、ホワイトチョコレートに次ぐ、新しいチョコレートを覚えた。
ストロベリーチョコレートである。
いちごのチョコ。
私にとって三種類目のチョコレートだ。
(これ……いったいどれぐらいの種類があるんだろう?)
そんな疑問を覚える。
チョコレート魔法については、だいぶわかってきたけど……
まだまだ、未解明の部分は多い。
最終的には、私が食べてきた全種類のチョコレートが網羅されるのだろうか?
まあ、いい。
とにかく、ストロベリーチョコレートを覚えたのだ。
なんといってもストロベリーチョコの魅力は、酸味だろう。
異世界に来てから長らく、ビターなカカオマス、あまやかなホワイトチョコばかり食べてきたが……
甘酸っぱさ担当のストロベリーが加わるだけで、チョコレートの世界観は一気に広がりを見せることは間違いない。
たとえば、
カカオチョコレート、
ホワイトチョコレート、
ストロベリーチョコレートを、
順番に、一つずつ、
「もぐもぐ」
と、食べてみると……
「ん~、幸せ!!」
となる。
まあ、当然だね。
「お姉ちゃん」
と、そのとき、寝室にやってきたアイリスが言ってきた。
「目の色、変わってるよ?」
「え?」
「赤くなってる」
とアイリスが指摘してくる。
充血している、と言いたいのだろうと思った私は、以下のように答えた。
「充血してる? まあ、放っておけば治りますよ」
「いや、充血じゃなくて」
とアイリスが否定する。
どう説明したらいいかと悩んでいる様子だった。
ややあってアイリスが言った。
「……鏡見てきたら?」
「はぁ」
要領を得ないまま、私は言われた通り、鏡のもとへいく。
鏡を眺め、自分の顔を見つめた。
「え?」
と驚いた。
なぜなら本当に目が赤くなっていたからだ。
充血ではない。
瞳の色が変わっているのだ。
これって……まさか。
(ストロベリーの色?)
いちごの赤色。
それが目に反映された?
いつもなら、新しいチョコレートを使えるようになっても、反映されるまでにタイムラグがあった。
しかも髪色が変わるだけで、目の色には影響はなかったのに。
(ま、まあ、髪の色が二色から三色になるよりはいいけどさ……)
と、私は思う。
これ以上、髪の色が増えても困るからね。
それにしても瞳の色が変わるのか。
摩訶不思議にも程があるな。
これで私は、黒髪・緑の瞳から、
髪の右半分が茶色、
髪の左半分が薄い黄色、
両目が赤色、
……に、変わったわけだ。
後日。
村の4人に、瞳の色が変わったことを報告すると。
テオくんに、
「やっぱりお前、頭おかしいな!」
と言われた。
頭はおかしくないけど、いろいろおかしいことは認めるよ。
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