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17 表と裏の表 ②
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目を開けた時、こっちを見ている萩原さんがにっこりと笑った。
ガバッと背中を向けたのはどうしてだろう。
優しい笑顔に照れただけ・・・そう、それだけ・・・
・・・思い出したくない、思い出したくない・・・。体も頭も拒否。
なんだか無我夢中でまたしても・・・すっごく恥ずかしい・・・。
自分の叫びが耳の中によみがえってきて自分を苦しめる。
貪欲さを全開にした後の自分。
「あ~あ、どんなに頑張っても琴は満足してくれない・・・・またダメだった?もっともっと努力したけど、僕じゃあ足りなかった?またがっかりさせた?」
背後で当てつけのように意地悪な攻めが繰り返される。
絶対わざとだ、絶対わざとだ、もう・・・。
後ろからそっと、ゆっくり耳を触られる。
「琴、そんな怒らないで・・・耳まで真っ赤にして怒るなんて。僕今度こそ頑張るからさぁ・・・。いっぱいいっぱい気持ちよくなるように頑張るからさあ・・・。」
「もう、いじめないでください。」
振り向いて体を起こすと掛けてあったものがはだけて・・忘れてた。
「お、リベンジの機会が、そんなにすぐに頂けるんですか?」
タオルケットを首まで上げて潜り込む。
「琴、かわいすぎるけど・・・ちょっとショックだってば。にっこり微笑んだのに全身で無視って。」
「すみません。」
さすがにそこは失礼だろうと謝る。
「で、どうしたの?何でも聞いてあげよう、さあ。」
耳に手を当てて聞くポーズ。
恨めしそうに見るとさすがに手を外して顔を寄せてくれた。
「どうした?」
一点急に甘やかしモードに突入する。
「いいです。もう恥ずかしくて思い出したくもないです。」
「何が?」
これは普通のトーン。からかってるわけではないようだ。それでも表情を見ずにはいられない。
「自分が、貪欲に・・・その・・・。」
「琴、本当にかわいいんだから。もう手放せない。欲しいものは欲しいって言うこと、欲しい時は欲しいっていうこと。たいていは努力するから。」
頭を撫でられる。
「ねえ、お互いに求めあって与え合ってそれでいいでしょ。あんなに欲しがられたらあげたい、あげる、全部持ってけって思ったし。俺はうれしい。どんどん好きになる。昨日より、午前中より、一回目より、今の琴が好きになってる。」
私の大好きなきれいな顔がそう言う。
「琴は?どう?思ってた性格と違うってクレームの嵐だったけど、こんな奴だけど。」
それは・・・・
「大好き、全部大好き。クールじゃなくても、意地悪なところがあっても・・・萩原さんなら。」
「良かった。」
キスをしてにっこり笑う。
「まだまだ慣れてないだけだから。その内もっとすごい体験ができるから。ね、楽しみだね。」
ポンポンと頭を撫でられた。
なんだか怖い予言をされた。
想像つく気もするけど、毎回自分の欲望に呆然としてしまいそうで怖い。
こんなに欲張りだったとは自分でも驚きだ。
欲張りというか・・・・こんなことが好きだということか・・・・。いいの?
普通を知りたいけど他の人のことなんて分からないし、平均が分からない。
萩原さんがドン引きしないってことは飛びぬけて・・・ってわけではないのよね。
午前中、バスルームであんなに悩んいた自分は遠すぎる。
本当に一日で環境だけじゃなく性格も変わってしまった・・・もう戻れない予感がする。
戻りたいかと言われれば、そういう訳でもないような・・・・。
このままの自分でいいのなら、萩原さんがいいのならこのまま突き進む、いいの?
ガバッと背中を向けたのはどうしてだろう。
優しい笑顔に照れただけ・・・そう、それだけ・・・
・・・思い出したくない、思い出したくない・・・。体も頭も拒否。
なんだか無我夢中でまたしても・・・すっごく恥ずかしい・・・。
自分の叫びが耳の中によみがえってきて自分を苦しめる。
貪欲さを全開にした後の自分。
「あ~あ、どんなに頑張っても琴は満足してくれない・・・・またダメだった?もっともっと努力したけど、僕じゃあ足りなかった?またがっかりさせた?」
背後で当てつけのように意地悪な攻めが繰り返される。
絶対わざとだ、絶対わざとだ、もう・・・。
後ろからそっと、ゆっくり耳を触られる。
「琴、そんな怒らないで・・・耳まで真っ赤にして怒るなんて。僕今度こそ頑張るからさぁ・・・。いっぱいいっぱい気持ちよくなるように頑張るからさあ・・・。」
「もう、いじめないでください。」
振り向いて体を起こすと掛けてあったものがはだけて・・忘れてた。
「お、リベンジの機会が、そんなにすぐに頂けるんですか?」
タオルケットを首まで上げて潜り込む。
「琴、かわいすぎるけど・・・ちょっとショックだってば。にっこり微笑んだのに全身で無視って。」
「すみません。」
さすがにそこは失礼だろうと謝る。
「で、どうしたの?何でも聞いてあげよう、さあ。」
耳に手を当てて聞くポーズ。
恨めしそうに見るとさすがに手を外して顔を寄せてくれた。
「どうした?」
一点急に甘やかしモードに突入する。
「いいです。もう恥ずかしくて思い出したくもないです。」
「何が?」
これは普通のトーン。からかってるわけではないようだ。それでも表情を見ずにはいられない。
「自分が、貪欲に・・・その・・・。」
「琴、本当にかわいいんだから。もう手放せない。欲しいものは欲しいって言うこと、欲しい時は欲しいっていうこと。たいていは努力するから。」
頭を撫でられる。
「ねえ、お互いに求めあって与え合ってそれでいいでしょ。あんなに欲しがられたらあげたい、あげる、全部持ってけって思ったし。俺はうれしい。どんどん好きになる。昨日より、午前中より、一回目より、今の琴が好きになってる。」
私の大好きなきれいな顔がそう言う。
「琴は?どう?思ってた性格と違うってクレームの嵐だったけど、こんな奴だけど。」
それは・・・・
「大好き、全部大好き。クールじゃなくても、意地悪なところがあっても・・・萩原さんなら。」
「良かった。」
キスをしてにっこり笑う。
「まだまだ慣れてないだけだから。その内もっとすごい体験ができるから。ね、楽しみだね。」
ポンポンと頭を撫でられた。
なんだか怖い予言をされた。
想像つく気もするけど、毎回自分の欲望に呆然としてしまいそうで怖い。
こんなに欲張りだったとは自分でも驚きだ。
欲張りというか・・・・こんなことが好きだということか・・・・。いいの?
普通を知りたいけど他の人のことなんて分からないし、平均が分からない。
萩原さんがドン引きしないってことは飛びぬけて・・・ってわけではないのよね。
午前中、バスルームであんなに悩んいた自分は遠すぎる。
本当に一日で環境だけじゃなく性格も変わってしまった・・・もう戻れない予感がする。
戻りたいかと言われれば、そういう訳でもないような・・・・。
このままの自分でいいのなら、萩原さんがいいのならこのまま突き進む、いいの?
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