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5 プレゼントが役に立ったらしい、小さな一歩。
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何だかやっぱり変なのだ。
もちろん変なのは私じゃない、太郎でもない、お兄ちゃんだ。
先週からの一週間と今週、ずっと変だ。
珍しく早く帰って来た夜、またぼんやりし過ぎて太郎の頭がゴチゴチと音を立て始めた。
前回同様、お兄ちゃんの手には太郎用のブラシがあって。
さすがに今回、太郎は数回で逃走した。
それでもブラシを動かしてる虚ろなお兄ちゃん。
何してるの?
太郎を見ると申し訳なさそうに途中で止まってお座りをしている。
「太郎、大丈夫だよ。」
そう言ったらこっちを見た。
『どうしたんでしょうか?』
その目がそう言っていた。
「太郎のせいじゃないから。」
そう言って頭を撫でてあげた。
少し安心しただろうか?
その場で伏せをして心ここにあらずのお兄ちゃんを見ている。
お兄ちゃんの後ろから近寄り両手で目隠しをする。
ビックリしたのにも時間がかかった。
何も見てなくて、聞こえてなくて、感じてなかったらしい。
どこまでも腑抜けになれるらしい。
何があったの?振られたかな?
「お兄ちゃん、何してるの?」
「あ?」
手に持ったブラシを見ると、当然そこに太郎はいなくて。
「あれ?」
「もう、ブラシをかけてあげるんだったらちゃんと太郎の毛並みを考えてね。また頭にブラシが当たってて痛そうだったよ。太郎が禿げたらお兄ちゃんのせいだよ。」
そう言ったら太郎を見てごめんなとつぶやいた。
「ねえ、どうしたの?もしかして振られたの?ダメだったの?」
「何でそう思うんだ?」
思いっきりムッとした顔をされた。
「だって先週からおかしいよ。ぼんやりしてたりため息ついたり。相変わらず時々変な顔するし。」
「相談にのるよ。話をするだけでも、よくない?」
まさか仕事のこととは思わない。
きっとこの間の話の続きだろう。進歩はあったんだろうか?
「前に言ってた怯えてる後輩の子の事でしょう?」
そう言ったら分かりやすいほど動揺を見せて、太郎のブラシを自分の頭に使う。
何してるの?
頭に太郎の毛がちょっとだけついてるけど。
視線に気がついて、ハッとしてブラシを下ろす。
むしろそこまで・・・・・・・なの?
可哀想だから頭の太郎の毛は取ってあげる。
ブラシは床に置かれてるから、その上に乗せる。
「全然ダメそうなの?」
「少しは、慣れてくれたかも。」
「そうなの?よかったじゃない。」
「そうだけど、それでも全然目を合わせてはくれない。やっと怯えた態度が隠せてるくらいには小さくなっただけだよ。」
「もう、そこ喜ぼうよ。絶対その内慣れてくれるから、そうしたら優しい事にも気がついてくれるよ。むしろ今までがマイナスイメージだったからジャンプアップでいい人に昇格だよ。」
「そうだといいけど。」
「すこし仲良くなったら太郎の話して、写真を見せて。絶対いけるよ、太郎込みでイメージアップを狙おう!」
思わグーにした手を振りあげた。
名前を呼ばれて太郎もこっちに来てくれた。
「ほら、太郎も応援してるって、ね。」
太郎の顎を二回指で撫でる。
「ワン。」
「ほら!」
太郎にこっそり仕込んだ。そこを二回撫でるとワンと元気よく答えてくれるのだ。
ここぞという時に披露できてよかった。
さすが太郎!あとでおやつをあげよう。
「二人きりは無理でも、なんとか話しできないの?」
「金曜日・・・・・。」
「何?金曜日、約束したの?」
「多分、同期が・・・・。」
「夜ご飯とお酒ね。その人は協力してくれるの?知ってるの?」
「バレた。バレてた。すっかり丸わかりだって言ってた。」
恥ずかしい。どうやってバレたのかは聞かないであげる。
まさか今みたいに真っ赤になるとかないよね。
今までどうだったのよ!!
高校生の私にそう思われるのはどうなのよ?
「じゃあ、その人の気配りに期待したいね。楽しみだね。」
「ああ・・・・・。」
「もう、何でそんなに暗いのよ。」
「だから、彼女はその同期のことが好きなんだって。」
何?それは・・・こんがらがるじゃん。
「その人彼女いないの?」
「いる。」
「その子は知らないの?」
「知ってる。」
「じゃあ大丈夫じゃない。憧れとかじゃないの?それとも奪いたいってオーラ出すような強気な子なの?」
「いや、違う。全然思ってないと思う。」
「じゃあ・・・・・。」
そうは言っても簡単じゃないかもしれないけど。
「とりあえず仲良くなろう。何事もはじめの一歩はあるよ。ちょっとだけ踏み出してもらえたんだから、あと少し頑張ろう!」
ああ、こんなこと聞いたら、私の方が金曜日の夜不安でしょうがない。
帰ってくるお兄ちゃんの顔色をうかがいそう。
ニコニコして帰ってくる?
太郎の顎の下を二回。
「わん。」
「取りあえず頑張れって太郎も言ってる。」
太郎にはおやつを二個あげよう。
でも今日は遅いから明日ね。
木曜日、犬のネクタイをして行ったお兄ちゃん。
たまにしてくれてる、私からの誕生日プレゼントだ。
よく見ないと犬とは分からない。
キャラに合わないけど、可愛いから。
気に入ってくれたみたいでちゃんとローテーションに入れて、してくれてる。
夜、そのネクタイのまま私の部屋に飛び込んできた。
ノックくらいして欲しい、乙女の部屋に勝手に入るとは!
そう文句を言いたかったのに嬉しそうにネクタイを振り振りしてきたお兄ちゃん。
「椎名、ネクタイに気がついてくれた。少し話が出来た。太郎の話をしたんだ、椎名の話もしたんだぞ。」
多分あの話の続きでしょう?
この浮かれ具合を彼女に教えてあげたい!
ちょっと話が出来たらしい。ただそれだけらしいが。
自分の家族とペットの話、すごく個人的な話が出来たと思いたいらしい。
天気の話よりいいかもね。
自分のテンションも一気に頑張ってあげて、褒める、おだてる、持ち上げる。
せーの!!
「本当?そのネクタイ役に立った?うれしい。賢い太郎と可愛い妹の話もできたんだ。興味持ってくれたんじゃない?」
「それは・・・・さすがに、ちょっとだけ二人きりになったから、話をしたんだ。」
そこで落ち込むな!!
頑張ってテンション上げて反応してあげたんだから。
「もう、善進前進、いい一歩、凄い一歩。これで金曜日も楽しくお話しできそうじゃない。」
「そうだといいけど。」
ああ、ここに太郎がいたらまた顎を二回撫でるんだけど。
それにしても毎回この程度の進歩を報告に来るんだろうか?
しばらくは付き合うけど、それでもノックはして欲しい。
「楽しみ、金曜日。目標どうする?週末二人での食事を目標にする?太郎を一緒に散歩させようって誘えたらいいのに。まさかこの近くに住んでるとかないの?」
「ない。」
「残念。一人暮らしなの?」
「ああ。」
「じゃあ、とりあえずは目標週末デート!」
それにはそれとなく告白しないといけないけど、OKの返事をもらわないといけないけど、どうだろう?
やっぱり無理かな。
考えてる・・・・というか、想像してるようでネクタイを持ったまま上を向いてる。
ぼんやりは部屋でやって欲しいけど。
「お兄ちゃん、早くお風呂、ちゃんと着て行く服とネクタイも決めて、勝負の金曜日。男らしく、でも優しくだよ。」
天井を向いていた顔が下を向いた。
「・・・・お休み。」
そう言って部屋を出て行った。
やっぱり目標が高すぎたかも。
しまった。私の無策がここに出た。
だって、いきなり進歩と言えば進歩で、そんな小さな一歩で喜んで報告に来るなんて想像もしてないから。
もっと計画的に進めないと。責任重大だ。
いつも甘えてる分、還元しておいて、そのうちドーンとお礼を。
よし、やる気が出てくる。
でも、大人は大変だなあ。
仲良くなりたいだけじゃすまないんだよなぁ。
もちろん変なのは私じゃない、太郎でもない、お兄ちゃんだ。
先週からの一週間と今週、ずっと変だ。
珍しく早く帰って来た夜、またぼんやりし過ぎて太郎の頭がゴチゴチと音を立て始めた。
前回同様、お兄ちゃんの手には太郎用のブラシがあって。
さすがに今回、太郎は数回で逃走した。
それでもブラシを動かしてる虚ろなお兄ちゃん。
何してるの?
太郎を見ると申し訳なさそうに途中で止まってお座りをしている。
「太郎、大丈夫だよ。」
そう言ったらこっちを見た。
『どうしたんでしょうか?』
その目がそう言っていた。
「太郎のせいじゃないから。」
そう言って頭を撫でてあげた。
少し安心しただろうか?
その場で伏せをして心ここにあらずのお兄ちゃんを見ている。
お兄ちゃんの後ろから近寄り両手で目隠しをする。
ビックリしたのにも時間がかかった。
何も見てなくて、聞こえてなくて、感じてなかったらしい。
どこまでも腑抜けになれるらしい。
何があったの?振られたかな?
「お兄ちゃん、何してるの?」
「あ?」
手に持ったブラシを見ると、当然そこに太郎はいなくて。
「あれ?」
「もう、ブラシをかけてあげるんだったらちゃんと太郎の毛並みを考えてね。また頭にブラシが当たってて痛そうだったよ。太郎が禿げたらお兄ちゃんのせいだよ。」
そう言ったら太郎を見てごめんなとつぶやいた。
「ねえ、どうしたの?もしかして振られたの?ダメだったの?」
「何でそう思うんだ?」
思いっきりムッとした顔をされた。
「だって先週からおかしいよ。ぼんやりしてたりため息ついたり。相変わらず時々変な顔するし。」
「相談にのるよ。話をするだけでも、よくない?」
まさか仕事のこととは思わない。
きっとこの間の話の続きだろう。進歩はあったんだろうか?
「前に言ってた怯えてる後輩の子の事でしょう?」
そう言ったら分かりやすいほど動揺を見せて、太郎のブラシを自分の頭に使う。
何してるの?
頭に太郎の毛がちょっとだけついてるけど。
視線に気がついて、ハッとしてブラシを下ろす。
むしろそこまで・・・・・・・なの?
可哀想だから頭の太郎の毛は取ってあげる。
ブラシは床に置かれてるから、その上に乗せる。
「全然ダメそうなの?」
「少しは、慣れてくれたかも。」
「そうなの?よかったじゃない。」
「そうだけど、それでも全然目を合わせてはくれない。やっと怯えた態度が隠せてるくらいには小さくなっただけだよ。」
「もう、そこ喜ぼうよ。絶対その内慣れてくれるから、そうしたら優しい事にも気がついてくれるよ。むしろ今までがマイナスイメージだったからジャンプアップでいい人に昇格だよ。」
「そうだといいけど。」
「すこし仲良くなったら太郎の話して、写真を見せて。絶対いけるよ、太郎込みでイメージアップを狙おう!」
思わグーにした手を振りあげた。
名前を呼ばれて太郎もこっちに来てくれた。
「ほら、太郎も応援してるって、ね。」
太郎の顎を二回指で撫でる。
「ワン。」
「ほら!」
太郎にこっそり仕込んだ。そこを二回撫でるとワンと元気よく答えてくれるのだ。
ここぞという時に披露できてよかった。
さすが太郎!あとでおやつをあげよう。
「二人きりは無理でも、なんとか話しできないの?」
「金曜日・・・・・。」
「何?金曜日、約束したの?」
「多分、同期が・・・・。」
「夜ご飯とお酒ね。その人は協力してくれるの?知ってるの?」
「バレた。バレてた。すっかり丸わかりだって言ってた。」
恥ずかしい。どうやってバレたのかは聞かないであげる。
まさか今みたいに真っ赤になるとかないよね。
今までどうだったのよ!!
高校生の私にそう思われるのはどうなのよ?
「じゃあ、その人の気配りに期待したいね。楽しみだね。」
「ああ・・・・・。」
「もう、何でそんなに暗いのよ。」
「だから、彼女はその同期のことが好きなんだって。」
何?それは・・・こんがらがるじゃん。
「その人彼女いないの?」
「いる。」
「その子は知らないの?」
「知ってる。」
「じゃあ大丈夫じゃない。憧れとかじゃないの?それとも奪いたいってオーラ出すような強気な子なの?」
「いや、違う。全然思ってないと思う。」
「じゃあ・・・・・。」
そうは言っても簡単じゃないかもしれないけど。
「とりあえず仲良くなろう。何事もはじめの一歩はあるよ。ちょっとだけ踏み出してもらえたんだから、あと少し頑張ろう!」
ああ、こんなこと聞いたら、私の方が金曜日の夜不安でしょうがない。
帰ってくるお兄ちゃんの顔色をうかがいそう。
ニコニコして帰ってくる?
太郎の顎の下を二回。
「わん。」
「取りあえず頑張れって太郎も言ってる。」
太郎にはおやつを二個あげよう。
でも今日は遅いから明日ね。
木曜日、犬のネクタイをして行ったお兄ちゃん。
たまにしてくれてる、私からの誕生日プレゼントだ。
よく見ないと犬とは分からない。
キャラに合わないけど、可愛いから。
気に入ってくれたみたいでちゃんとローテーションに入れて、してくれてる。
夜、そのネクタイのまま私の部屋に飛び込んできた。
ノックくらいして欲しい、乙女の部屋に勝手に入るとは!
そう文句を言いたかったのに嬉しそうにネクタイを振り振りしてきたお兄ちゃん。
「椎名、ネクタイに気がついてくれた。少し話が出来た。太郎の話をしたんだ、椎名の話もしたんだぞ。」
多分あの話の続きでしょう?
この浮かれ具合を彼女に教えてあげたい!
ちょっと話が出来たらしい。ただそれだけらしいが。
自分の家族とペットの話、すごく個人的な話が出来たと思いたいらしい。
天気の話よりいいかもね。
自分のテンションも一気に頑張ってあげて、褒める、おだてる、持ち上げる。
せーの!!
「本当?そのネクタイ役に立った?うれしい。賢い太郎と可愛い妹の話もできたんだ。興味持ってくれたんじゃない?」
「それは・・・・さすがに、ちょっとだけ二人きりになったから、話をしたんだ。」
そこで落ち込むな!!
頑張ってテンション上げて反応してあげたんだから。
「もう、善進前進、いい一歩、凄い一歩。これで金曜日も楽しくお話しできそうじゃない。」
「そうだといいけど。」
ああ、ここに太郎がいたらまた顎を二回撫でるんだけど。
それにしても毎回この程度の進歩を報告に来るんだろうか?
しばらくは付き合うけど、それでもノックはして欲しい。
「楽しみ、金曜日。目標どうする?週末二人での食事を目標にする?太郎を一緒に散歩させようって誘えたらいいのに。まさかこの近くに住んでるとかないの?」
「ない。」
「残念。一人暮らしなの?」
「ああ。」
「じゃあ、とりあえずは目標週末デート!」
それにはそれとなく告白しないといけないけど、OKの返事をもらわないといけないけど、どうだろう?
やっぱり無理かな。
考えてる・・・・というか、想像してるようでネクタイを持ったまま上を向いてる。
ぼんやりは部屋でやって欲しいけど。
「お兄ちゃん、早くお風呂、ちゃんと着て行く服とネクタイも決めて、勝負の金曜日。男らしく、でも優しくだよ。」
天井を向いていた顔が下を向いた。
「・・・・お休み。」
そう言って部屋を出て行った。
やっぱり目標が高すぎたかも。
しまった。私の無策がここに出た。
だって、いきなり進歩と言えば進歩で、そんな小さな一歩で喜んで報告に来るなんて想像もしてないから。
もっと計画的に進めないと。責任重大だ。
いつも甘えてる分、還元しておいて、そのうちドーンとお礼を。
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