苦手なものを克服する一番いい方法は?

羽月☆

文字の大きさ
6 / 21

6 ジャイ子と呼んでいた妹の本当の姿とは。

しおりを挟む
困惑してしまう。
何でそうなるのか?
だってこの席並び。絶対おかしいし。

何で私の向かいに・・・・郷里さん?

当然隣の美沙子はさっきから原市さんと楽しそうに話をしてる。
郷里さんには無関心の・・・ふり?
すごく楽しそうに過ごしてるとしか見えない。
正面じゃないから視線がどのくらい動いてるのか分からない。

ねえ、原市さん気がつかないの?
ついチラチラ見てしまう。
ついため息をついてしまった。
何なのよ、二人とも。

お酒を見てぼんやりしてたかもしれない。

気がついたら横の二人も静かになっていたらしい。

「阿里、疲れてるの?」

「ううん、ごめんなさい。全然です。ちょっとだけお酒を堪能してました。」

「阿里ちゃん、いつもはあんまり飲まないの?」

「そうです。だっていつもまっすぐ帰ってました。」

「じゃあ、久しぶりなんだ。美沙ちゃんとも飲まないの?」

「夜はあんまり。時々週末ランチするくらいです。」

「私がジムに通い始めたんです。へへ、かっこいいインストラクターさんに会いたくてせっせと通ってます。」

「へえ、好みの人いたんだ。」

また原市さんと楽しく会話が弾んでる。
そんなインストラクターの話も聞いた、でも冗談だと思ってた。
そういえば週末も随分会ってないかも。

でも、これは嫉妬させよう作戦?
郷里さんを見る、目が合った。
えっと・・・・、美沙子・・・よくわからない作戦だよ、何でよ、先に教えてよ。

「続報ご期待あれです。」

「期待していいの?」

「数人で、グループから始めてます。」

マジですか?初耳です。

「文土、お前も桃太郎ばっかりとのデートじゃ色気ないだろう、相手が犬で、しかもオス、はっきり中年。」

「お前、人のペットを中年扱いするな。」

さすがに怒った?
やっぱり可愛がってるからね。

「ねえ、美沙ちゃん、こいつのネクタイ注意してて。たまに犬柄のネクタイしてるから。」

美沙子が口を開けて両手で口を押えてる。
多分本人がいなかったら大爆笑だろう。
手を打つくらいの爆笑かもしれない。
多分想像してるよりは地味です。
誰も気がついてないくらいには。

「俺もずっとそれが犬柄だって気がつかなかったんだけどね、阿里ちゃんが気がついたんだよ。」

「そうなの?阿里?すごい!」

吹き出しそうな笑い顔のままそう言われた。

「じゃあ、今度から注意して見ます。阿里にこっそり教えてもらいますね。楽しみです。」

「自分で買ったのか?」

「椎名からのプレゼントだ。」

しいな・・・・?

「ああ、妹ちゃんからのプレゼントか。」

ジャイ子は『しいなちゃん』らしい。
可愛い名前、ジャイ子なんて失礼なくらい。
ちゃんと『しいなちゃん』にしよう。

「で、桃太郎の写真はないの?できれば椎名ちゃん込みの写真がいい。お前はいらない。」

そう言ってササっとポケットの携帯を抜き取って勝手に操作した原市さん。

「お前、勝手に見るなよ。」

「何か隠したいものでもあるのか?」

「あるか、無いよ。」

「じゃあいいね。」

そう言って渡された画面に女の子と柴犬が写ってた。
明かな自宅での勝手撮り。
三人でのぞく。
あ、本当にジャイ子じゃない、『しいなちゃん』だった。
思ってたより年齢は大きかった。

「かわいい。」

「本当に似てなくて良かったよな。どんなパンチある女の子かと思ったけど、まったく似てない。」

『椎名ちゃん』と書くらしい。

「可愛いですね。本当にまったく似てないなあ。」

美沙子もそう言う。
似てなくて可愛いは失礼だからせめて似てるところを探そう。

「唇の笑った角度は似てるかもしれませんよ。」

そう言ってみた。

「桃太郎と?」

原市さんにそう言われて写真の柴犬を見る、郷里さんを見る。

「そんな訳ないです。妹さんとです。」

「分からない。阿里ちゃんの目はすごいね。さすがにあの犬柄を見つけただけあるんだね。」

「笑顔と言われても、そんなに・・・・記憶にない。」

美沙子、ラッキーアイテムレベルのものですから、そうそうはないですが。

「なんとなくです。」

恥ずかしい。そんな真剣に見なくても。
顔は全然似てないって私も思ったし。

「桃太郎君、可愛いですね。」

美沙子が勝手にスライドさせていく。

椎名ちゃんが撮ったらしい写真があった。
笑顔でご機嫌におやつタイムを楽しむ一人と一匹。
郷里さんの手には犬のおやつが、テーブルには人間用のデザートがある。
デザートを撮りたかったのか、仲良しの一人と一匹を撮りたかったのか。

「ああ、ちょっと・・・。」

さすがに美沙子が携帯を持ってるので奪い返せないらしい。
原市先輩だったら殴ってでも取り上げただろう。
私を見てにっこり笑った美沙子が次々に写真をスライドさせる。
色んな柴犬の表情に癒される。
椎名ちゃんも可愛い。
郷里さんも無邪気・・・・に見える。

「すごい桃太郎君と椎名ちゃんへの愛情が分かるアルバムでした。」

携帯を渡されたけど、私はそのまま郷里さんに返した。
そそっとポケットにしまってる。

私の写真はどうだろう?
やっぱりどこかの猫とか、花とか、空とか食べ物とか・・・・・。
そんなものだ。

「仲良しなんですね。椎名ちゃんの隠し撮りもお兄さんへの愛情がいっぱいですね。」

「そろそろ椎名ちゃんも兄貴の相手は嫌がるだろう。阿里ちゃん、明日暇?」

私?なんで?

「暇です!」

元気よく答えた、隣の美沙子が。なんで?

ちょっと言い返す。

「美沙子も暇でしょう?」

「私は明日もジム&グループ交際。」

「本当に?」

「うん、写真見る?かっこいいよ~。」

そう言ってさっさと携帯を見せる美沙子。
郷里さんの頭も寄って来て。

見せるの?いいの?ねえ、見せるの?本当にいいの?
皆の顔が中央に寄る。

「かっこいい・・・・。」

思わずつぶやいた。
確かにかっこいい。
大人数の中の一人を拡大して見せてくれた。
隣にいるのは美沙子だと分かる。
ジムじゃない、外で本当にアフター・・・というか、遊んでるみたい。

楽しそうに酔ってる笑顔。
ああ・・・・タイプは違う。
やっぱり細マッチョだろうけど顔はスッキリタイプ。
美沙子を見る。

「頑張る、絶対!ただいま至近距離にライバル無し。」

にっこりと笑う。嬉しそうに。綺麗に。

「だから週末は忙しいの。」

「じゃあ、阿里ちゃんに付き合ってもらえばいいじゃん。女の子目線で選んでもらえばいいじゃん。」

あ・・・・もしかして。

「もしかして、椎名ちゃんへのプレゼントですか?」

「塾の成績が上がったら、ご褒美をあげるって約束だったらしいんだ。」

「ううっ。」

うめき声が入った。郷里さんだ。

「ねえ、阿里ちゃん明日ダメ?」

ダメ押しの原市さん。

「え・・・と、暇です。私で良ければ・・・・お付き合いします。・・・買い物なら。」

「ほら、絶対むさくるしい兄が選ぶより、可愛い女の子が選んだほうがいいよね?写真も見たし、選びやすいよね。ヒントをもらって、一緒に買いに行けばいいよ。俺も行きたいくらいだけど、俺もデートだし。」

週末ですもんね。
原市さんもデート。美沙子もデート。いいなあ。

「阿里ちゃん、買い物が終わったら、ご飯でもご馳走してもらうといいよ。なんなら夜のお酒も。明日なら遅くなっても送って行けば済む話だし。」

買い物ならなんとか商品を見ながら話が出来るけど。
食事・・・・お酒なんて、無理でしょう?
なんで、美沙子じゃなくていきなり私になるの?
美沙子の応援に来てるのに、ラッキーアイテム出番なし?
そもそも美沙子の目的は・・・何?違うの?

今の約束は決定ですか?

周りが言うほど本人は必要としてなかったりして、何も言われてないけど。
そっと本人、郷里さんを見る。
むさくるしい兄・・・・って感じじゃないとは・・・・思うけど。
多少は、原市さんに比べると、まあ、濃いとか圧があるとか、なんとか。

でも明らかに美沙子の好きなタイプじゃないのは分かってる。最初から分かってる。
じゃあ、なんであんなに嬉しそうに、楽しそうに、飲みたそうにしてたの?
明日に備えてパックでもして、さっさと寝て、楽しい夢を見たいでしょう?
だってもし私も明日買い物の付き合いを頼まれるなら、同じようにする。
お風呂に入って、パックして、洋服をいろいろ考えて、落ち着かなくてもさっさとベッドに入って、よく寝て、明日早く起きて、化粧はいつもより頑張って、あれでもないこれでもないって鏡の前で悩んで、時間を気にしながら家を出て、朝ご飯も抜きでドキドキしそう・・・・・って・・・・想像できる。

ほら、もう落ち着かないし。どうするんだろう?
やっぱり一人で買い物に行った方が多分楽だよ。
椎名ちゃんは行かないの?

「本当に、迷惑じゃなかったら、一緒に選んでもらえると嬉しい。椎名に聞いてくる。少しは絞ってくるから。時間とか、空いてて、大丈夫だったらお礼に食事はご馳走する。」

ああ・・・・本人にお願いされてしまった。
決定・・・。美沙子、いいの?

「・・・・はい。大丈夫です。」

「じゃあ、ほら、連絡先交換して、椎名ちゃんが欲しいものによってどこに行くか分からないし、待ち合わせ場所も決めるだろう?」

郷里さんは何も答えない。
携帯をまた勝手に取り出して、私も出すように言われて連絡先を交換した。
桃太郎のアイコンだったから分かる。
『文土』そのまま名前。
でもパッと見て、名前だとは思えない。知らなきゃ読めないし。
私は『空』の写真で『ALLY』
ああ、見られるとなると恥ずかしい。
普通に『アリ』で良かったのに、せめて『ARI』の方が良かったか。

「阿里ちゃん、『空』の写真なんだ。せっかくだから明日公園で二人で『蟻』でも探して写真撮ればいいのに。ついでに幸運のクローバーを見つけたらラッキーじゃない?」

「さりげなく傷つきます。小さいころから散々言われました。」

「ああ、ごめんね。可愛いと思うけど。」

あんまりフォローになってない。
蟻が可愛いなんて、そんな事言う人は少ないです。
空の写真でいいです。つまんなくてもいいです。

「可愛い名前だよ。」

いきなり褒められたような言葉が聞こえて、皆がきょとんとした。
皆で郷里さんを見つめて。

「可愛い名前だと思う・・・からそう言ったけど。」

「あ、ありがとうございます。」

お礼は私しか言えない。

「そうだよね。似合ってる。ねえ、郷里さん。」

美沙子がフォローしてくれる。

「ああ、似合ってると思う。」


「あの、椎名ちゃんも可愛いし、似合ってます。ああ、郷里さんも、その・・・下の名前も。」

「安定感ある名前だよな。顔を見て決められたんじゃないか?」

市原さんが言った。どういう意味か分かるような・・・・。

「親父がケンドなんだよ。生まれる前から決まってたよ。」

「ケンドってどんな字だ?」

「捲土重来の捲土。」


「書けないかも。」

皆で思い浮かべて、誰もが自信なく思う。
土を巻き上げるお父さんだろうか?・・・・荒々しいお父さんだろうか?
野武士のような人を思い浮かべてしまう。
似てるって言ってたし。

「じゃあ、子供は~アンド、インド、オンド、カンド、キンド~、コンド、サンド、ナンド、ポンド・・・・凄い活用できるな。面白い!」

「勝手に決めるな。別にこだわらなきゃいいだろう。」

「まあな、子供をつけて『子文』で『シモン』もいいしな。そうなると紫がいいな。『紫文」」

「詩歌の詩文もきれいです。女の子なら。」

つい言ってしまう。

「指の指紋はないな。」

「あるか、勝手に遊ぶな。一応母親の漢字もいれてつけたんだから。」

「あやさん?ふみこさん?」

「あやさんの方だ。」

「ああ、阿理の阿と文で『アモン』も。」

美沙子が言う。

「何で、別に私の阿じゃなくても他の『ア』でもいいし。」

「お前の名前、凄い。面白い。是非子供の名前が決まったら教えて欲しい。絶対裏切るなよ。」

「いつぐらいですか?あ、今更ですが、郷里さん、彼女いるんですか?」

ええっ~、いたらその人に買い物に付き合ってもらうでしょう?
てっきりいない設定で話が進んでたよね?

「阿里ちゃん、安心して、いないから。明日は阿里ちゃんが付き合ってくれないと寂しい一人買い物になるんです。遠慮なく奢ってもらっていいからね。」

勝手に原市さんが答えた。
本人も異議なし、のよう。
いないらしい。

「安心しました。」

そう言ったらみんなの注目を浴びた。

「あ、だって、変です。彼女がいるのにしゃしゃり出て買い物に付き合うのは。」

「阿里もまったくいないから、付き合えるんだから。美味しいご飯奢ってもらえるといいね。郷里さん、よろしくお願いします。好き嫌いはないです。」

美沙子が必要なことは全部言った。
私もそこは異議なしです。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

鬼隊長は元お隣女子には敵わない~猪はひよこを愛でる~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「ひなちゃん。 俺と結婚、しよ?」 兄の結婚式で昔、お隣に住んでいた憧れのお兄ちゃん・猪狩に再会した雛乃。 昔話をしているうちに結婚を迫られ、冗談だと思ったものの。 それから猪狩の猛追撃が!? 相変わらず格好いい猪狩に次第に惹かれていく雛乃。 でも、彼のとある事情で結婚には踏み切れない。 そんな折り、雛乃の勤めている銀行で事件が……。 愛川雛乃 あいかわひなの 26 ごく普通の地方銀行員 某着せ替え人形のような見た目で可愛い おかげで女性からは恨みを買いがちなのが悩み 真面目で努力家なのに、 なぜかよくない噂を立てられる苦労人 × 岡藤猪狩 おかふじいかり 36 警察官でSIT所属のエリート 泣く子も黙る突入部隊の鬼隊長 でも、雛乃には……?

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

【完結】結婚式の隣の席

山田森湖
恋愛
親友の結婚式、隣の席に座ったのは——かつて同じ人を想っていた男性だった。 ふとした共感から始まった、ふたりの一夜とその先の関係。 「幸せになってやろう」 過去の想いを超えて、新たな恋に踏み出すラブストーリー。

処理中です...