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4 水鳥~九時間前の想定外の夜の始まり~
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もうあんな人混みで見つけたんだからラッキーって思ったのに。
目の前に行って、改めて気がついた。
一人じゃなかったらしい。
サッと体を起こした女の人。
顔は赤く、ちょっとだけ年上かどうか。
多分上だろう、明らかに見た目は会社員って感じだった。
しまった~、ダメじゃん、なんてことをしたんだろう、私。
そう思ったけど、ここに来るまでに走って、余計に目が回って、ついお兄ちゃんにつかまってしまった。
「なんだ、水鳥、大学生が何してるんだ、こんなところで。」
怒ってる?ちょっと目が怖い、やっぱり邪魔だった?
「飲み会だったの。帰ろうと思ったけど、だるくて。で、泊めてもらおうかなあ・・・って思ったんだけど、やっぱり帰ろうかな。少し休めば帰れるかも、いっそ電車でウトウトすればなんとかなるしね。」
さっきのお願いを取り消すようにそう言ったけど、最後の一言は余計だったらしい。
「少し酔いを醒ますから、お前も一緒に来い。電車で乗り過ごしたらどうするんだ。」
そう言われて腕を掴まれた。
「じゃあ、あそこで席をとっててください。コーヒーを買ってきます。」
隣の女の人にそう言って、少しだけふらふらとして歩いていくお兄ちゃん。
確かにいくらか酔ってるみたいだ。
残された二人、知らない同士。
「すみません、お邪魔をしてしまって。妹の水鳥です。少し目を覚ましたら消えますので、自宅だし、ちゃんと帰れますし。」
「いえ、こちらこそ・・・・・。あの後輩の朝霧ちなみです。」
「よろしくお願いします。席をとっておきましょうか?」
「そうですね。」
そう言って適当な場所で空いてるテーブルをくっつけて座る場所を確保した。
「あの、本当に妹ですので。」
似てないけど、あんな不愛想な兄とは少しも、あんな細かい兄とも少しも。
でも誤解されないように言った。
「はい、さっきまで妹さんの話も聞いてました。イメージした通りでした。」
「あの、兄とは?」
そこ、大事。
付き合ってるんだよね。これから兄の部屋に?
「えっと、今日の会社の飲み会で、隣に座りました。」
うんうん、それで?皆にバレたとか?
「・・・・・多分、新藤先輩にとっては、それだけです。」
ええっ。確かくっついてたよね。
真っ赤になってるのは、酔ってるんじゃなくて?
「ずっと憧れてて、今日初めて飲み会で一緒になれて、しかも隣の席で、うれしくて・・・。」
マジですか?
「ありがとうございます。兄もこの一年くらいは寂しい生活っぽいので、よかったらどうぞ。あ、これ内緒でお願いします。」
「・・・・いえ、こちらこそ・・・・。」
と、何とか聞こえた。
お兄ちゃんがコーヒーを三杯持って来た。
本当にただのアイスコーヒーだ。
「牛乳入れてくる、ちなみさんは?」
そう言ったら首を振られた。
既にアイスコーヒーを大事そうに持っている。特別感が出てる気がする。
『初めてご馳走になります。』感、なのかな。
一人席を離れた。
牛乳を入れてカフェオレにして、席の方へ視線をやる。
無言状態のようだ。
まだまだ他人、あの時くっついてた思ったのは気のせいだったのだろうか?
しょうがない、邪魔をしたかもしれないし、少しは協力しよう。
手に持ったカフェオレを飲んで、そこに置いて、携帯のメモ機能を立ち上げた。
『お兄ちゃんと連絡先は交換できましたか?』
『はい いいえ』
『明日の朝はゆっくりでもいいですか?』
『はい いいえ』
とりあえず何とかしよう。
席に戻った。
既に目が覚めていた。
滅多にない場面にぼんやり酔ってる場合じゃない。
今までの人生、いろいろとお兄ちゃんにはお世話になった気もするから、今最高に役に立つ時だと思う。さっきの飲み会の分も頑張る!!
「お兄ちゃん、珍しいね、酔うなんて。楽しかったんだね?」
「まあな。」
随分コーヒーを飲んでる。
喋れない分、コーヒーに集中したらしい。
もう、ゆっくりしようよ。
話を盛り上げて何とかいい夜にして欲しい。
「私も飲み会で盛り上げ役だったの。全然役に立たなかった。空しかった・・・・。」
「男がいたのか?」
「いたよ、おんなじ数。だいたいお願いしてきた男の子がさっさと酔っぱらって半分寝てたんだよ。じゃあ私には女の子を集めた責任ってあるでしょう?だから頑張ったの。」
「それで?」
「メンズが無反応。」
「そうか。」
「ねえ、ちなみさん、がっかりだよね。」
軽く体を寄せるようにして、さりげなく携帯を縦置きして、さっきのページを見せる。
ちなみさんと目が合った。
コーヒーを掴んだ指がそっと伸びて、『いいえ』と『はい』を指す。
了解、そう目で伝えて、携帯を伏せた。
「ああ、本当にがっかり。ねえ、お兄ちゃん、帰るのだるいよね。三人でどこかに泊まらない?」
「ああっ?」
眉間にしわが寄ってる。
「だってちなみさんもだるそうだし、私ももう限界。お兄ちゃんもだるそうだよ。コーヒー持ってくる時ふらふらしてたよ。」
ちょっと大げさにそう言う。
「大体どこに泊まるんだよ。」
「いいじゃん、最近は広いベッドがあるらしいし、三人で割ればそんなに高くないよ。予約しちゃおうっと。」
返事も聞かずに携帯をちょちょちょいっと。
まさか友達から流れてきたシティホテルの情報をお兄ちゃんと共有するとは思わなかった。
しかも初めての利用がお兄ちゃん込みだとは。
お兄ちゃんも久しぶりが私も一緒なんて思ってないだろう。
いろいろ想定外です。
お酒を買って部屋で飲んで、もっといろいろ話が出来ればいいのに。
ラッキーにも空いてる部屋が一つあった。
さっさと予約してみる。
ここから近いし、料金は、まあまあだけど、払ってくれるだろう。
三人で割るなんてせせこまいことはしないよね。
無駄にはしないチャンス!
絶対感謝されたい夜に!!
途中、現実について行けてないちなみさんにも買い物を促して、どかどかとお酒を選んで、籠をお兄ちゃんに渡した。
喜んだ顔じゃないお兄ちゃんだけど、しぶしぶと払ってくれた。
「ああっ・・・・。」
ちなみさんの声がしたけど、大丈夫、と笑顔で答えた。
本当に部屋は広かった。
しばらく三人でその場に立ってぼんやりしたくらい。
「シャワーを順番に浴びて二次会しよう!!」
そう言ってさっさとシャワーを浴びて出てきた。
他人の距離を保って静かな二人。
テレビが騒がしいから何とかなってるけど。
ねえ、本当に楽しかったんだよね?
お兄ちゃん、ダメなの?
二番目にちなみさんをシャワーへ追いやった。
「ねえ、お兄ちゃん。かわいい人だね。大分年下でしょう?お兄ちゃんの事気にいったんじゃないの?」
ちらちらとシャワールームを見ながら意味ありげに小声で聞いてみた。
冷たい目で見返してきたお兄ちゃん。
あれ?違った?
「お兄ちゃん、全然?だって声かけるまで随分くっついてたよね。」
そう言ったらやっと赤くなった。
なんなの?
「嫌じゃなきゃ連絡先交換したら?あ、もしかして、もうした?」
「してないよ。一緒に飲んで話をしただけだし。」
「憧れてた先輩だって言ってたけど、聞き間違えたかな?気のせいかも。」
そう言ってビールを開けて飲む。
つられてお兄ちゃんも手にする。
「一年くらい大人しくしてたんでしょう?もしかしてお付き合いしてる人がいるとか?」
シャワーの音は止んだ。
早く聞いておこう。
「いない。」
「いいと思うけどなあ。まあ、私の意見じゃなんだけどね。」
そう言ってゴクリと飲む。
隣でもゴクゴクと音がする。
飲み足りてなかったの?
それとも緊張してる?
小さい足音がしてちなみさんが帰ってきた。
私はタンクトップにパジャマにも見えるかな?のショートパンツ姿。
まさのワンピースの下のこれが役に立ったなんて。
バスローブは二人分あった。
お兄ちゃんとちなみさんがお揃いになる。
「あ、ちなみさん、スッピンだと同じくらいの年に見える。お兄ちゃんのいくつ下?」
「五年、後輩です。」
「じゃあ、私の方が近い、二つ違いだね。まあまあ同じ年だよね。」
共感共感。ただ私と共感してもしょうがない。
「お兄ちゃんもまあまあ同じ年ってことにしてあげる。」
そう言っても嬉しそうじゃなかったけど。
「お兄ちゃん、それ飲んだらシャワー浴びて来なよ。」
「ああ。」
「ちなみさんもどうぞ。お兄ちゃんの奢りです。遠慮なくぐいっと。どうせのんびりな夜だしね。」
私の隣に座ったちなみさん。
バスローブ姿はくつろいで見えそうだけど、きっと緊張してるよね。
お兄ちゃんが一人掛けのソファを使ってるんじゃしょうがない。
お兄ちゃんがいなくなった隙にさりげなくそっちに移動した。
ちなみさんの基本情報を聞き出して、お兄ちゃんの印象を聞いて、ついでに憧れてた理由も聞き出せた。
まさか、そんな事があったの?
そして忘れてるんじゃないかと思う、お兄ちゃん。ダメじゃん。
目の前に行って、改めて気がついた。
一人じゃなかったらしい。
サッと体を起こした女の人。
顔は赤く、ちょっとだけ年上かどうか。
多分上だろう、明らかに見た目は会社員って感じだった。
しまった~、ダメじゃん、なんてことをしたんだろう、私。
そう思ったけど、ここに来るまでに走って、余計に目が回って、ついお兄ちゃんにつかまってしまった。
「なんだ、水鳥、大学生が何してるんだ、こんなところで。」
怒ってる?ちょっと目が怖い、やっぱり邪魔だった?
「飲み会だったの。帰ろうと思ったけど、だるくて。で、泊めてもらおうかなあ・・・って思ったんだけど、やっぱり帰ろうかな。少し休めば帰れるかも、いっそ電車でウトウトすればなんとかなるしね。」
さっきのお願いを取り消すようにそう言ったけど、最後の一言は余計だったらしい。
「少し酔いを醒ますから、お前も一緒に来い。電車で乗り過ごしたらどうするんだ。」
そう言われて腕を掴まれた。
「じゃあ、あそこで席をとっててください。コーヒーを買ってきます。」
隣の女の人にそう言って、少しだけふらふらとして歩いていくお兄ちゃん。
確かにいくらか酔ってるみたいだ。
残された二人、知らない同士。
「すみません、お邪魔をしてしまって。妹の水鳥です。少し目を覚ましたら消えますので、自宅だし、ちゃんと帰れますし。」
「いえ、こちらこそ・・・・・。あの後輩の朝霧ちなみです。」
「よろしくお願いします。席をとっておきましょうか?」
「そうですね。」
そう言って適当な場所で空いてるテーブルをくっつけて座る場所を確保した。
「あの、本当に妹ですので。」
似てないけど、あんな不愛想な兄とは少しも、あんな細かい兄とも少しも。
でも誤解されないように言った。
「はい、さっきまで妹さんの話も聞いてました。イメージした通りでした。」
「あの、兄とは?」
そこ、大事。
付き合ってるんだよね。これから兄の部屋に?
「えっと、今日の会社の飲み会で、隣に座りました。」
うんうん、それで?皆にバレたとか?
「・・・・・多分、新藤先輩にとっては、それだけです。」
ええっ。確かくっついてたよね。
真っ赤になってるのは、酔ってるんじゃなくて?
「ずっと憧れてて、今日初めて飲み会で一緒になれて、しかも隣の席で、うれしくて・・・。」
マジですか?
「ありがとうございます。兄もこの一年くらいは寂しい生活っぽいので、よかったらどうぞ。あ、これ内緒でお願いします。」
「・・・・いえ、こちらこそ・・・・。」
と、何とか聞こえた。
お兄ちゃんがコーヒーを三杯持って来た。
本当にただのアイスコーヒーだ。
「牛乳入れてくる、ちなみさんは?」
そう言ったら首を振られた。
既にアイスコーヒーを大事そうに持っている。特別感が出てる気がする。
『初めてご馳走になります。』感、なのかな。
一人席を離れた。
牛乳を入れてカフェオレにして、席の方へ視線をやる。
無言状態のようだ。
まだまだ他人、あの時くっついてた思ったのは気のせいだったのだろうか?
しょうがない、邪魔をしたかもしれないし、少しは協力しよう。
手に持ったカフェオレを飲んで、そこに置いて、携帯のメモ機能を立ち上げた。
『お兄ちゃんと連絡先は交換できましたか?』
『はい いいえ』
『明日の朝はゆっくりでもいいですか?』
『はい いいえ』
とりあえず何とかしよう。
席に戻った。
既に目が覚めていた。
滅多にない場面にぼんやり酔ってる場合じゃない。
今までの人生、いろいろとお兄ちゃんにはお世話になった気もするから、今最高に役に立つ時だと思う。さっきの飲み会の分も頑張る!!
「お兄ちゃん、珍しいね、酔うなんて。楽しかったんだね?」
「まあな。」
随分コーヒーを飲んでる。
喋れない分、コーヒーに集中したらしい。
もう、ゆっくりしようよ。
話を盛り上げて何とかいい夜にして欲しい。
「私も飲み会で盛り上げ役だったの。全然役に立たなかった。空しかった・・・・。」
「男がいたのか?」
「いたよ、おんなじ数。だいたいお願いしてきた男の子がさっさと酔っぱらって半分寝てたんだよ。じゃあ私には女の子を集めた責任ってあるでしょう?だから頑張ったの。」
「それで?」
「メンズが無反応。」
「そうか。」
「ねえ、ちなみさん、がっかりだよね。」
軽く体を寄せるようにして、さりげなく携帯を縦置きして、さっきのページを見せる。
ちなみさんと目が合った。
コーヒーを掴んだ指がそっと伸びて、『いいえ』と『はい』を指す。
了解、そう目で伝えて、携帯を伏せた。
「ああ、本当にがっかり。ねえ、お兄ちゃん、帰るのだるいよね。三人でどこかに泊まらない?」
「ああっ?」
眉間にしわが寄ってる。
「だってちなみさんもだるそうだし、私ももう限界。お兄ちゃんもだるそうだよ。コーヒー持ってくる時ふらふらしてたよ。」
ちょっと大げさにそう言う。
「大体どこに泊まるんだよ。」
「いいじゃん、最近は広いベッドがあるらしいし、三人で割ればそんなに高くないよ。予約しちゃおうっと。」
返事も聞かずに携帯をちょちょちょいっと。
まさか友達から流れてきたシティホテルの情報をお兄ちゃんと共有するとは思わなかった。
しかも初めての利用がお兄ちゃん込みだとは。
お兄ちゃんも久しぶりが私も一緒なんて思ってないだろう。
いろいろ想定外です。
お酒を買って部屋で飲んで、もっといろいろ話が出来ればいいのに。
ラッキーにも空いてる部屋が一つあった。
さっさと予約してみる。
ここから近いし、料金は、まあまあだけど、払ってくれるだろう。
三人で割るなんてせせこまいことはしないよね。
無駄にはしないチャンス!
絶対感謝されたい夜に!!
途中、現実について行けてないちなみさんにも買い物を促して、どかどかとお酒を選んで、籠をお兄ちゃんに渡した。
喜んだ顔じゃないお兄ちゃんだけど、しぶしぶと払ってくれた。
「ああっ・・・・。」
ちなみさんの声がしたけど、大丈夫、と笑顔で答えた。
本当に部屋は広かった。
しばらく三人でその場に立ってぼんやりしたくらい。
「シャワーを順番に浴びて二次会しよう!!」
そう言ってさっさとシャワーを浴びて出てきた。
他人の距離を保って静かな二人。
テレビが騒がしいから何とかなってるけど。
ねえ、本当に楽しかったんだよね?
お兄ちゃん、ダメなの?
二番目にちなみさんをシャワーへ追いやった。
「ねえ、お兄ちゃん。かわいい人だね。大分年下でしょう?お兄ちゃんの事気にいったんじゃないの?」
ちらちらとシャワールームを見ながら意味ありげに小声で聞いてみた。
冷たい目で見返してきたお兄ちゃん。
あれ?違った?
「お兄ちゃん、全然?だって声かけるまで随分くっついてたよね。」
そう言ったらやっと赤くなった。
なんなの?
「嫌じゃなきゃ連絡先交換したら?あ、もしかして、もうした?」
「してないよ。一緒に飲んで話をしただけだし。」
「憧れてた先輩だって言ってたけど、聞き間違えたかな?気のせいかも。」
そう言ってビールを開けて飲む。
つられてお兄ちゃんも手にする。
「一年くらい大人しくしてたんでしょう?もしかしてお付き合いしてる人がいるとか?」
シャワーの音は止んだ。
早く聞いておこう。
「いない。」
「いいと思うけどなあ。まあ、私の意見じゃなんだけどね。」
そう言ってゴクリと飲む。
隣でもゴクゴクと音がする。
飲み足りてなかったの?
それとも緊張してる?
小さい足音がしてちなみさんが帰ってきた。
私はタンクトップにパジャマにも見えるかな?のショートパンツ姿。
まさのワンピースの下のこれが役に立ったなんて。
バスローブは二人分あった。
お兄ちゃんとちなみさんがお揃いになる。
「あ、ちなみさん、スッピンだと同じくらいの年に見える。お兄ちゃんのいくつ下?」
「五年、後輩です。」
「じゃあ、私の方が近い、二つ違いだね。まあまあ同じ年だよね。」
共感共感。ただ私と共感してもしょうがない。
「お兄ちゃんもまあまあ同じ年ってことにしてあげる。」
そう言っても嬉しそうじゃなかったけど。
「お兄ちゃん、それ飲んだらシャワー浴びて来なよ。」
「ああ。」
「ちなみさんもどうぞ。お兄ちゃんの奢りです。遠慮なくぐいっと。どうせのんびりな夜だしね。」
私の隣に座ったちなみさん。
バスローブ姿はくつろいで見えそうだけど、きっと緊張してるよね。
お兄ちゃんが一人掛けのソファを使ってるんじゃしょうがない。
お兄ちゃんがいなくなった隙にさりげなくそっちに移動した。
ちなみさんの基本情報を聞き出して、お兄ちゃんの印象を聞いて、ついでに憧れてた理由も聞き出せた。
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