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5 あらた ~そして朝を迎えるまでの時間、三人目が目覚める前の朝~
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コーヒー屋でコーヒーを飲んで、水鳥が勝手にホテルを予約して、引きたてられるように年上二人もついてきた。
面倒だったのは確かに。
なんだか疲れてた。
あの飲み会なんてキャンセルしたいくらいだと思ってたんだから。
だからちょっとお酒が入ったら、どうにも動くのが面倒で。
それなのに寝るより先に、水鳥に買わされたお酒を飲んでしまったんだ。
何でこんなホテルをアイツが知ってるんだ?
一体、誰と来たんだ?
それは彼氏だろう。
自分と彼女みたいに出会ったその日だとは思いたくない。
まさか前にも友達同士だったなんて事もないだろう。
広い部屋に落ち着いて、そんな事を思ってた。
さっさとシャワーを浴びてきて、彼女の事を聞いてくる水鳥。
もしこいつにあの場で会わなかったら、どうなってただろう?
飲み会の時に隣に座った。自然とそうなっただけだ。
チラリと見た時に隠せないほど赤くなった彼女の顔も見た。
その後、自分に向かって話しかけてくる感じにちょっとだけ自惚れそうになったし。
教える前から名前を知っていてもらって、そんなに自分が有名だななんて思ってもいない。
社内での接点はないはずなのに。
いろいろと聞きだされるように話をして、嬉しそうに聞いてくれてるし、体がこっちを向いて、正面の席の男には全く顔も向けてない。
これが違うタイプだとうんざりしそうだけど、見た感じは地味だし、自分を売り込むよりはいろいろと話が弾んで、帰ってくる反応も程よくて、実に話しやすいと思った。
少なくともいい印象しかない。
ずっと顔は赤いままで、酔ってるのか、そうじゃないのか。
お互いに同じペースで食べて飲んで。
すっかり楽しく酔った時間だった。
その中でも妹の水鳥の話が一番多かったと思う。
自分とは正反対で、彼女とも違うタイプで、大体ガチャガチャと騒がしい奴だから、そんなネタはたくさんあった。
自分のことより水鳥の事を話した気がする。
それでも変にも思わず面白がってくれて。
『仲がいいんですね。』『可愛いがってるんですね。』など。
まさかその数時間後に紹介する羽目になるとは思ってもいなかった。
やっぱりアイツはそんな星の元に生まれたんじゃないだろうか?
シャワーを浴びる間もそんな事を思って。
シャワーを浴びてスッキリして出た。
備え付けのバスローブを着た。
そう言えば水鳥はというと・・・・あいつはなんでそんな服を持ってたんだ?
いつでも備えてたんだろうか?
飲み会が盛り上がった時にはたびたび活躍してたんだろうか?
まあ、あえて聞くまい。
もう大学生だ。あと一年少しで社会人だろう。
何も言うまい。
既に盛り上がってるような二人。
広いソファに並んで座ってたはずなのに、水鳥が移動して一人掛けにだらしなく足を上げて座ってる。
俺は・・・・・彼女の隣に座った。
振り返られた表情はまた酔ってる感じだった。
少なくとも笑顔ではあった。
水鳥もそのあたりは器用だろう。
まあまあ同じ年だし。
彼女にビールを手渡され、二人で乾杯をした。
水鳥は離れてて、わざわざ手を伸ばしてもこなかったから。
その後も水鳥がネタ提供で、騒がしく二次会は進み。
後は記憶がとぎれとぎれで。
水鳥はソファに寝たのか?
まさかな?
一体どうやって川の字の並びを決めたんだろう。
どんな並びでも違和感があるけど・・・。
「お兄ちゃん、楽しかったね。」
確かに盛り上がったんだろう。
水鳥ががんがんと籠に入れたお酒はテーブルの上で全て空になっている。
飲み過ぎた後に、さらに結構な量を飲んだらしい。
部屋が酒臭い気がしてきた。
彼女が起きたら換気したい。
「頭が痛い。どんだけ飲んだんだ?結局どうなった?」
「どうもなってないよ。まさか妹の前で知り合ったばかりの後輩を襲うなんてしないでしょう?本当に邪魔したんだったらごめんね。」
「そんな訳ない。酔いを醒まして帰るつもりだったし。」
そう言ったら嬉しそうに体を寄せてきて、小声で聞いてきた。
「ねえねえ、少しくらい手をつないだ?」
はぁ?いつ?
「私は朝までぐっすりと寝たけど、途中、ちょっとくらい仲良くしてたかなって。」
「馬鹿か、するか。だいたい、ほとんど覚えてない。いつベッドに行った?」
赤くなってしまう。
多分だが・・・そんな事はしてない、記憶にはない。
彼女もすぐ寝ただろう。自分一人であの量のお酒を飲んだとは思えない。
「昨日はお兄ちゃんが最初にギブアップして、ベッドの端っこに行って、その後ちなみさんが眠そうにしてたから真ん中に寝てもらった。」
「そのあと私。」
記憶を取り戻したい。
全体が斑だが、そこの部分は斑の黒い部分で、本当に思い出せない。
それでも特に問題なかったんだろうと思う。
とりあえず先にシャワーを浴びたい。
スッキリ目を覚まそう。
昨日の服を着て出てきたら。
「ねえ、それじゃあちなみさんが寝坊したみたいになるじゃん。」
服を指された。
「いつまでもバスローブも変だろう。大体お前だって着替えてるじゃないか。」
「私は別にいいよ。」
ちょっとは自分の服を見て、水鳥の言うことも確かにと思ってしまう。
「もういいよ。ねえ、朝ごはんどっかで食べる?」
「お前はこの上朝ごはんまで奢らせるつもりか?」
「私は帰る。でもせっかくだからちなみさんと朝ごはん食べたら?私はここを出たら離れます。二人で仲良くどうぞ、もう邪魔はしません。」
そう言っても何と言って誘う?
気まずくないか?
「昨日はあんなに嬉しそうに話をしてたのに。」
「ちなみさんに話しかけられて楽しかったって、ちゃんと伝えてたよ。」
じっと見られた。
「本当だよ。週末にでも出かければいいのにって言ったらちなみさんは照れたけど、お兄ちゃんはちゃんと考えた後、そうだなって、良かったらって。」
申し訳ないがその辺もまったく記憶がない。
そんな話の流れになったのか?
勝手に言って、勝手に忘れるなんて、それは失礼過ぎる。
だいたいなんで全部覚えてるんだ?
一緒に飲んでたんじゃないのか?
「・・・・ちゃんと、約束してたか?」
「そこまではしてないと思う。でもちなみさんが覚えてたら、お兄ちゃんが忘れてるって分かったらがっかりだから。」
「他には?なにか、大切なことを言ったり、失礼なことをしたり・・・。」
「失礼な事って?」
笑って聞いてくる。
「ないならいい。あるわけないし。」
「ないよ。だから楽しかったってば。みんな笑顔だったから。」
「お前も飲んでたのに酔ってなかったのか?」
「うん、ちびりちびりやってただけ。だってちなみさんがいじらしくて。」
「いじらしい?」
「やっぱり覚えてないんだね。ちなみさんにとってはすごく衝撃的でうれしくて忘れられない出来事だったけど、お兄ちゃんはまったく覚えてないんだ。ああ~あ、可哀想。薄情、罪深い。」
「水鳥、何だよ、はっきり言え!」
「もう、大きな声を出さないで。ちなみさんが起きちゃうじゃない。」
首を伸ばしてベッドの方を見た二人、動きはないと分かって、また兄妹が向き合う。
急に声を落とした二人。今更だろう。
本当にぐっすり寝てるらしい彼女。
なかなか起きてこない。
「ねえ、ちなみさんはずっとお兄ちゃんの事、憧れてた先輩だったって。」
憧れとは、なんだ、いつ?何に?どこが?
まったく気配は感じなかったが。
それでも名前を知っていてくれた彼女。
それは、何でだろう?
「会社ですれ違いざまに一目ぼれされたとか思ってるの?」
ムッ。
「引っかかる言い方だな。」
接点がなかったんだから、その可能性も全くのゼロじゃないじゃない・・・か?
「だから何かきっかけがあったんだってば。思い出さない?半年くらい前の話だよ。ほらほら、思い出してみて。」
そう聞いて、上を向いたまま目を閉じた。
しばらく、時間をかけて思い出そうとしたのだが・・・・。
残念、無理だ。
なんで水鳥が知ってる?
それは聞いたんだろう。
簡単に教えてくれたのか?
「私は教えないよ、直接聞いて。きっとちなみさんは言いたいと思うよ。だからいったん忘れて。」
真面目な顔をしてそう言った。
思い出せない自分も真面目に受けた。
「じゃあ、起きたら朝ごはんに誘うこと。」
「・・・ああ。分かった。」
「ついでに明日デートに誘うこと。」
頷いた。
「よし。」
妹の分際で、偉そうに仕切ってきた。
とりあえずは彼女が起きてからだ。
面倒だったのは確かに。
なんだか疲れてた。
あの飲み会なんてキャンセルしたいくらいだと思ってたんだから。
だからちょっとお酒が入ったら、どうにも動くのが面倒で。
それなのに寝るより先に、水鳥に買わされたお酒を飲んでしまったんだ。
何でこんなホテルをアイツが知ってるんだ?
一体、誰と来たんだ?
それは彼氏だろう。
自分と彼女みたいに出会ったその日だとは思いたくない。
まさか前にも友達同士だったなんて事もないだろう。
広い部屋に落ち着いて、そんな事を思ってた。
さっさとシャワーを浴びてきて、彼女の事を聞いてくる水鳥。
もしこいつにあの場で会わなかったら、どうなってただろう?
飲み会の時に隣に座った。自然とそうなっただけだ。
チラリと見た時に隠せないほど赤くなった彼女の顔も見た。
その後、自分に向かって話しかけてくる感じにちょっとだけ自惚れそうになったし。
教える前から名前を知っていてもらって、そんなに自分が有名だななんて思ってもいない。
社内での接点はないはずなのに。
いろいろと聞きだされるように話をして、嬉しそうに聞いてくれてるし、体がこっちを向いて、正面の席の男には全く顔も向けてない。
これが違うタイプだとうんざりしそうだけど、見た感じは地味だし、自分を売り込むよりはいろいろと話が弾んで、帰ってくる反応も程よくて、実に話しやすいと思った。
少なくともいい印象しかない。
ずっと顔は赤いままで、酔ってるのか、そうじゃないのか。
お互いに同じペースで食べて飲んで。
すっかり楽しく酔った時間だった。
その中でも妹の水鳥の話が一番多かったと思う。
自分とは正反対で、彼女とも違うタイプで、大体ガチャガチャと騒がしい奴だから、そんなネタはたくさんあった。
自分のことより水鳥の事を話した気がする。
それでも変にも思わず面白がってくれて。
『仲がいいんですね。』『可愛いがってるんですね。』など。
まさかその数時間後に紹介する羽目になるとは思ってもいなかった。
やっぱりアイツはそんな星の元に生まれたんじゃないだろうか?
シャワーを浴びる間もそんな事を思って。
シャワーを浴びてスッキリして出た。
備え付けのバスローブを着た。
そう言えば水鳥はというと・・・・あいつはなんでそんな服を持ってたんだ?
いつでも備えてたんだろうか?
飲み会が盛り上がった時にはたびたび活躍してたんだろうか?
まあ、あえて聞くまい。
もう大学生だ。あと一年少しで社会人だろう。
何も言うまい。
既に盛り上がってるような二人。
広いソファに並んで座ってたはずなのに、水鳥が移動して一人掛けにだらしなく足を上げて座ってる。
俺は・・・・・彼女の隣に座った。
振り返られた表情はまた酔ってる感じだった。
少なくとも笑顔ではあった。
水鳥もそのあたりは器用だろう。
まあまあ同じ年だし。
彼女にビールを手渡され、二人で乾杯をした。
水鳥は離れてて、わざわざ手を伸ばしてもこなかったから。
その後も水鳥がネタ提供で、騒がしく二次会は進み。
後は記憶がとぎれとぎれで。
水鳥はソファに寝たのか?
まさかな?
一体どうやって川の字の並びを決めたんだろう。
どんな並びでも違和感があるけど・・・。
「お兄ちゃん、楽しかったね。」
確かに盛り上がったんだろう。
水鳥ががんがんと籠に入れたお酒はテーブルの上で全て空になっている。
飲み過ぎた後に、さらに結構な量を飲んだらしい。
部屋が酒臭い気がしてきた。
彼女が起きたら換気したい。
「頭が痛い。どんだけ飲んだんだ?結局どうなった?」
「どうもなってないよ。まさか妹の前で知り合ったばかりの後輩を襲うなんてしないでしょう?本当に邪魔したんだったらごめんね。」
「そんな訳ない。酔いを醒まして帰るつもりだったし。」
そう言ったら嬉しそうに体を寄せてきて、小声で聞いてきた。
「ねえねえ、少しくらい手をつないだ?」
はぁ?いつ?
「私は朝までぐっすりと寝たけど、途中、ちょっとくらい仲良くしてたかなって。」
「馬鹿か、するか。だいたい、ほとんど覚えてない。いつベッドに行った?」
赤くなってしまう。
多分だが・・・そんな事はしてない、記憶にはない。
彼女もすぐ寝ただろう。自分一人であの量のお酒を飲んだとは思えない。
「昨日はお兄ちゃんが最初にギブアップして、ベッドの端っこに行って、その後ちなみさんが眠そうにしてたから真ん中に寝てもらった。」
「そのあと私。」
記憶を取り戻したい。
全体が斑だが、そこの部分は斑の黒い部分で、本当に思い出せない。
それでも特に問題なかったんだろうと思う。
とりあえず先にシャワーを浴びたい。
スッキリ目を覚まそう。
昨日の服を着て出てきたら。
「ねえ、それじゃあちなみさんが寝坊したみたいになるじゃん。」
服を指された。
「いつまでもバスローブも変だろう。大体お前だって着替えてるじゃないか。」
「私は別にいいよ。」
ちょっとは自分の服を見て、水鳥の言うことも確かにと思ってしまう。
「もういいよ。ねえ、朝ごはんどっかで食べる?」
「お前はこの上朝ごはんまで奢らせるつもりか?」
「私は帰る。でもせっかくだからちなみさんと朝ごはん食べたら?私はここを出たら離れます。二人で仲良くどうぞ、もう邪魔はしません。」
そう言っても何と言って誘う?
気まずくないか?
「昨日はあんなに嬉しそうに話をしてたのに。」
「ちなみさんに話しかけられて楽しかったって、ちゃんと伝えてたよ。」
じっと見られた。
「本当だよ。週末にでも出かければいいのにって言ったらちなみさんは照れたけど、お兄ちゃんはちゃんと考えた後、そうだなって、良かったらって。」
申し訳ないがその辺もまったく記憶がない。
そんな話の流れになったのか?
勝手に言って、勝手に忘れるなんて、それは失礼過ぎる。
だいたいなんで全部覚えてるんだ?
一緒に飲んでたんじゃないのか?
「・・・・ちゃんと、約束してたか?」
「そこまではしてないと思う。でもちなみさんが覚えてたら、お兄ちゃんが忘れてるって分かったらがっかりだから。」
「他には?なにか、大切なことを言ったり、失礼なことをしたり・・・。」
「失礼な事って?」
笑って聞いてくる。
「ないならいい。あるわけないし。」
「ないよ。だから楽しかったってば。みんな笑顔だったから。」
「お前も飲んでたのに酔ってなかったのか?」
「うん、ちびりちびりやってただけ。だってちなみさんがいじらしくて。」
「いじらしい?」
「やっぱり覚えてないんだね。ちなみさんにとってはすごく衝撃的でうれしくて忘れられない出来事だったけど、お兄ちゃんはまったく覚えてないんだ。ああ~あ、可哀想。薄情、罪深い。」
「水鳥、何だよ、はっきり言え!」
「もう、大きな声を出さないで。ちなみさんが起きちゃうじゃない。」
首を伸ばしてベッドの方を見た二人、動きはないと分かって、また兄妹が向き合う。
急に声を落とした二人。今更だろう。
本当にぐっすり寝てるらしい彼女。
なかなか起きてこない。
「ねえ、ちなみさんはずっとお兄ちゃんの事、憧れてた先輩だったって。」
憧れとは、なんだ、いつ?何に?どこが?
まったく気配は感じなかったが。
それでも名前を知っていてくれた彼女。
それは、何でだろう?
「会社ですれ違いざまに一目ぼれされたとか思ってるの?」
ムッ。
「引っかかる言い方だな。」
接点がなかったんだから、その可能性も全くのゼロじゃないじゃない・・・か?
「だから何かきっかけがあったんだってば。思い出さない?半年くらい前の話だよ。ほらほら、思い出してみて。」
そう聞いて、上を向いたまま目を閉じた。
しばらく、時間をかけて思い出そうとしたのだが・・・・。
残念、無理だ。
なんで水鳥が知ってる?
それは聞いたんだろう。
簡単に教えてくれたのか?
「私は教えないよ、直接聞いて。きっとちなみさんは言いたいと思うよ。だからいったん忘れて。」
真面目な顔をしてそう言った。
思い出せない自分も真面目に受けた。
「じゃあ、起きたら朝ごはんに誘うこと。」
「・・・ああ。分かった。」
「ついでに明日デートに誘うこと。」
頷いた。
「よし。」
妹の分際で、偉そうに仕切ってきた。
とりあえずは彼女が起きてからだ。
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