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羽月☆

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12 フライングはやっぱり良くなかったらしい ~話の流れにがっかりした男

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まさかこんな話の流れに・・・、途中そう思ったりもした。
ただあの時のままでもいいのではないかと、それは伝えたいと思ってた。

なかなか話し出さない自分より、彼女が話を先に初めて、仕組まれた飲み会が二回続いただけで意味はない、と。まぁそんなことを言われた。
でも、謝られ、気を遣われ。
だから少しの希望ならあるかもしれないと思って。

先に立ち上がった彼女が足を止めてくれて、そう思えたから。

なのに、全部打ち明けた後、彼女が考えたあとの答えはただ首を振られただけだった。
言葉もなく。
すごくがっかりした。

タイミングを間違えたと思わないでもない。どうだろうか?
失恋して二週間くらいだろうか?
まだ、早すぎただろうか?

コーヒーを飲みきり、それでも同じ電車に少しの間だけは乗って。
そのまま言葉をかけて先に降りた。

振り向くこともせず、部屋に帰った。

あんなに元気をくれた動画も、寂しいだけの映像になった。
さすがに繰り返し見るのは苦痛で。

佐久間から探りをいれるメッセージが来た。
『振られた。』と結果だけは正直に教えた。
そうしないと、また飲み会を仕組んできそうで。

しばらくして『そうか。』とだけ返ってきた。

まぁ、そんなものだ、人生は。

月曜日にも詳細を求められることはなく。
あっちも営業の外回りでなかなか自分にかまってる場合じゃないだろう。

そう思ってたのに、仕事が終わってしばらくしたら連絡が来た。
直帰するから、外で会おうと。

月曜日から飲みに誘うのか?
確かにダラダラと過ごした週末ではあったが。

面倒と思いはしたがる断ることはせず、待ち合わせて食事をした。

「なぁ、彼女は全くそう言われた自覚はないらしいけど。むしろ自分はダメだと言われたって、早瀬に言ってたらしいけど。どうなってる?」

そう聞かれてもわからない。

「ちゃんと伝えたのか?それとも週末に誘ったのか?」

「伝えた。」・・・つもりだ。

まさか響いてない?でも顔を上げたよな。びっくりしてたし。
時系列で伝えて響かないことはないだろう。

そして最後に聞いた時に、考えたいとも言われなかった。

ジワジワとまたがっかり感がぶり返してくる。
全く傷を抉るには新しすぎるんだぞ。

話題を変えた。

「彼女とは何度くらい飲んだ?」

「う~ん、この間で五回目くらい。あんまし直接は話すことはなかったかな?」

お前はそんな薄い付き合いの彼女を俺に押し付けたのか?と思わないでもない。

「お前の言う彼女のイメージはどんなだ?」

「可愛いじゃないか。可愛い後輩の女の子ってそのままだよ。女の子らしいしぐさや表情が嫌いな奴はいないだろう?」

「じゃあ、彼女が、そうだなぁ、大酒飲みで、大声で笑って、オヤジのような生態とか、全然イメージが違ってたらどうする?」

「ああ、そんな子なんだと思うだけだけど。」

「まあ、多少はよそ行きだろうけど、可愛いは変わらないだろう?特殊メイクってほどでもないし性格も悪そうじゃないよ。まあ、俺が好きになったんじゃないから、そのへんはどうでもいいかなとも思うけど。なんか変か?別に変に媚びを売って、誰にでもすり寄るっていう感じはないし、鬱陶しい程でもないよな?」

多分想像してないんだろう、出来ないんだろう。
さっき言った姿が全然しっくりも来ないんだろう。
そりゃあ、驚くぞ。
でもこいつも気にしなそうだ。

「なあ、まさか、前の彼女の事か?一緒に暮らしたら、それは、それなりに隠してる部分も見えるけど。」

「いや、違うよ。別に前の彼女と別れた理由とか、全然、それは違う。うまく言えないけど。」

「そうか。」

それ以上は聞かれなかった。



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