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25 連休突入⑥
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ゆっくり時間を過ごした二日間。
一緒にいて、向き合ってる時間が長かった。
それでも振り返ると連休の前半はあっという間に終わっていた。
間に挟まれた二日間。
通勤電車は少し空いていた。
そしてこの二日の間、一度も葵から連絡が来なかった。
佐久間さんから連絡回ってない?
知らない?
それとも私と宇佐美さんの事なんて忘れるほど楽しんでた?
会社について遠くに葵がいるのを見て目が合った時に、知られているのだとはわかった。
我慢したか、邪魔しないように気を遣ったか、やっぱり自分のラブラブな連休に忙しかったかだろう。
すぐにこっちに来た。
「おはよう、小愛。元気?」
「おはよう、葵。もちろん普通に元気だよ。」
「普通にね。お昼のランチは外で、奢りがいいかなあ。」
探られるように言われた。
「・・・必要なら。」
「まあ、楽しみにしてる。」
そう言って手を振って去って行った。
今日は佐久間さんの外回りもないのでは?
だって連休とってたりする人も会社も多いと思う。
宇佐美さんも同じように奢らされてるかもしれない。
まあいいか、お世話になったし。
宇佐美さんに出会わなかったら、すごく寂しい連休を過ごしてたと思う。
一緒にいて、笑ってくれて、お酒を飲んでくれて。
優しくて、本当にいい人。
一緒にいられてすごくうれしくて満足なのに、時々それだけで足りないって心が主張したくなる。
ただ春斗がいなくなって寂しいだけなのか、不安でずっと見つめて考えてしまう。
視線を感じた優しい横顔がこっちを見て目が合う。
何?って聞いてくるような目をする宇佐美さん。
でも、言い出せるわけはなくて。
少しずつ一緒の時間を増やしてる今。
そんなに急には時間を伸ばせない、簡単には夜を越せない。
だって、宇佐美さんもまだ・・・・。
分かってる。
だから、今はまだだって、そう思ってる。
「小愛、ランチ行こう。」
ぼんやりしてたら、いつの間にかお昼になってたらしい。
やばい、仕事がすすんでない。
数人は連休の谷間に有休を当てて休んでる。
上司もいない。里帰り旅行中だ。
完全にゆるっとした日だった。
午後頑張ろう。
葵について行ったのは何度か来たことのあるスペイン料理のお店。
ランチにはお得なタパスセットがある。
ふたりで頼んで、目を合わせられた。
はいはい。
「宇佐美さんとご飯に行ったり、ライブに行ったりお酒を飲んだりしました。」
「楽しかった?」
「うん。すごく。」
「じゃあ、残りの連休も楽しく過ごせそう?」
「そうだといいな。」
「誘ってないの?」
「うん、まだ具体的には。でも一緒に楽しもうとは言ってもらえた。」
「良かった。宇佐美さん、いい人そうだし。」
葵は知らないのかもしれない。
宇佐美さんが少し前・・・・というかほぼ同じころに一緒に暮らしてた人と別れたと言うことを。結婚まで意識した人がいたこと。
失恋したとかも思ってないかも。
じゃあ、私が言うことじゃない。
食事をしながら、お互いに何をしてたか話をする。
「最初の時に、宇佐美さんが小愛の相手をしてくれてて、それを見てていいなあって思ったの。だから良かった、すごく満足しちゃってる。」
結局お礼だからと言って私が奢った。
ランチ代くらいだったら、いいよ。
「また、何かあったら相談していい?」
「勿論。でも最初は宇佐美さんに相談してもいいと思うよ。」
「それは相談になってるの?」
「多分なるんだよ。変に考えちゃうところあるんじゃないの?いい加減に自分に正直でいいからね。」
「いい加減でいいの?」
「ほんとのいい具合の加減の方ね。適当って事じゃないよ。」
「分かった。」・・・なんて言ったけど。
そんな加減がよくわからない。
午後は一生懸命仕事をして。
早めに部屋に帰った。
すっかりいろいろと済ませて、携帯を手にする。
もしかして佐久間さんと飲んでるかな?
『宇佐美さん、お疲れ様です。』
特に続く言葉がなくて。
どうしようと思ってたら電話がかかってきた。
『小愛ちゃん、お疲れ様。』
「お疲れ様です。もしかして佐久間さんと飲んでるかなって思ってました。」
『昼に奢って終わりにした。』
「そうですか。私も葵に奢りましたけど。」
『喜んでた?』
「はい。そうですね。」
『だと思った。』
『小愛ちゃん、後半の連休は?決めてないの?』
決めてると言えば行きたいところはある。
もう一カ月以上前からピックアップしてる。
「最初の日が雨予報なんです。」
『そうだね。お昼にはやむみたいだけどね。』
「宇佐美さん、雨がやんでからお出かけしませんか?」
『もちろんいいよ。』
「明日まで待って天気予報を見て考えます。宇佐美さんも行きたいところ考えててください。」
『じゃあ、宿題で。』
「お願いします。」
『じゃあ、明日、このくらいの時間に電話するよ。』
「はい、待ってます。」
『お休み。』
「おやすみなさい。」
宇佐美さんと一緒の予定。
明日電話をする約束ができた。
明後日の雨は何時にやむだろうか?
やっぱり次の日も中途半端な一日だった。
きっと私だけじゃない。
誰もがだらりとした二日だっただろう。
そして夜。
大人しく電話を待つ私。
天気予報はいろんなチャンネルやネットでチェックして確認した。
お昼にはやむらしい。
午後から会う約束をしてもいいんじゃない?
春斗と一緒に過ごすための計画書は捨てた。
まったく忘れたわけじゃない。
でも宇佐美さんと過ごすのは、初めから考えたいし、宇佐美さんが行きたいところも聞きたい。そう思って一度ゼロにした。
一緒にいて、向き合ってる時間が長かった。
それでも振り返ると連休の前半はあっという間に終わっていた。
間に挟まれた二日間。
通勤電車は少し空いていた。
そしてこの二日の間、一度も葵から連絡が来なかった。
佐久間さんから連絡回ってない?
知らない?
それとも私と宇佐美さんの事なんて忘れるほど楽しんでた?
会社について遠くに葵がいるのを見て目が合った時に、知られているのだとはわかった。
我慢したか、邪魔しないように気を遣ったか、やっぱり自分のラブラブな連休に忙しかったかだろう。
すぐにこっちに来た。
「おはよう、小愛。元気?」
「おはよう、葵。もちろん普通に元気だよ。」
「普通にね。お昼のランチは外で、奢りがいいかなあ。」
探られるように言われた。
「・・・必要なら。」
「まあ、楽しみにしてる。」
そう言って手を振って去って行った。
今日は佐久間さんの外回りもないのでは?
だって連休とってたりする人も会社も多いと思う。
宇佐美さんも同じように奢らされてるかもしれない。
まあいいか、お世話になったし。
宇佐美さんに出会わなかったら、すごく寂しい連休を過ごしてたと思う。
一緒にいて、笑ってくれて、お酒を飲んでくれて。
優しくて、本当にいい人。
一緒にいられてすごくうれしくて満足なのに、時々それだけで足りないって心が主張したくなる。
ただ春斗がいなくなって寂しいだけなのか、不安でずっと見つめて考えてしまう。
視線を感じた優しい横顔がこっちを見て目が合う。
何?って聞いてくるような目をする宇佐美さん。
でも、言い出せるわけはなくて。
少しずつ一緒の時間を増やしてる今。
そんなに急には時間を伸ばせない、簡単には夜を越せない。
だって、宇佐美さんもまだ・・・・。
分かってる。
だから、今はまだだって、そう思ってる。
「小愛、ランチ行こう。」
ぼんやりしてたら、いつの間にかお昼になってたらしい。
やばい、仕事がすすんでない。
数人は連休の谷間に有休を当てて休んでる。
上司もいない。里帰り旅行中だ。
完全にゆるっとした日だった。
午後頑張ろう。
葵について行ったのは何度か来たことのあるスペイン料理のお店。
ランチにはお得なタパスセットがある。
ふたりで頼んで、目を合わせられた。
はいはい。
「宇佐美さんとご飯に行ったり、ライブに行ったりお酒を飲んだりしました。」
「楽しかった?」
「うん。すごく。」
「じゃあ、残りの連休も楽しく過ごせそう?」
「そうだといいな。」
「誘ってないの?」
「うん、まだ具体的には。でも一緒に楽しもうとは言ってもらえた。」
「良かった。宇佐美さん、いい人そうだし。」
葵は知らないのかもしれない。
宇佐美さんが少し前・・・・というかほぼ同じころに一緒に暮らしてた人と別れたと言うことを。結婚まで意識した人がいたこと。
失恋したとかも思ってないかも。
じゃあ、私が言うことじゃない。
食事をしながら、お互いに何をしてたか話をする。
「最初の時に、宇佐美さんが小愛の相手をしてくれてて、それを見てていいなあって思ったの。だから良かった、すごく満足しちゃってる。」
結局お礼だからと言って私が奢った。
ランチ代くらいだったら、いいよ。
「また、何かあったら相談していい?」
「勿論。でも最初は宇佐美さんに相談してもいいと思うよ。」
「それは相談になってるの?」
「多分なるんだよ。変に考えちゃうところあるんじゃないの?いい加減に自分に正直でいいからね。」
「いい加減でいいの?」
「ほんとのいい具合の加減の方ね。適当って事じゃないよ。」
「分かった。」・・・なんて言ったけど。
そんな加減がよくわからない。
午後は一生懸命仕事をして。
早めに部屋に帰った。
すっかりいろいろと済ませて、携帯を手にする。
もしかして佐久間さんと飲んでるかな?
『宇佐美さん、お疲れ様です。』
特に続く言葉がなくて。
どうしようと思ってたら電話がかかってきた。
『小愛ちゃん、お疲れ様。』
「お疲れ様です。もしかして佐久間さんと飲んでるかなって思ってました。」
『昼に奢って終わりにした。』
「そうですか。私も葵に奢りましたけど。」
『喜んでた?』
「はい。そうですね。」
『だと思った。』
『小愛ちゃん、後半の連休は?決めてないの?』
決めてると言えば行きたいところはある。
もう一カ月以上前からピックアップしてる。
「最初の日が雨予報なんです。」
『そうだね。お昼にはやむみたいだけどね。』
「宇佐美さん、雨がやんでからお出かけしませんか?」
『もちろんいいよ。』
「明日まで待って天気予報を見て考えます。宇佐美さんも行きたいところ考えててください。」
『じゃあ、宿題で。』
「お願いします。」
『じゃあ、明日、このくらいの時間に電話するよ。』
「はい、待ってます。」
『お休み。』
「おやすみなさい。」
宇佐美さんと一緒の予定。
明日電話をする約束ができた。
明後日の雨は何時にやむだろうか?
やっぱり次の日も中途半端な一日だった。
きっと私だけじゃない。
誰もがだらりとした二日だっただろう。
そして夜。
大人しく電話を待つ私。
天気予報はいろんなチャンネルやネットでチェックして確認した。
お昼にはやむらしい。
午後から会う約束をしてもいいんじゃない?
春斗と一緒に過ごすための計画書は捨てた。
まったく忘れたわけじゃない。
でも宇佐美さんと過ごすのは、初めから考えたいし、宇佐美さんが行きたいところも聞きたい。そう思って一度ゼロにした。
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