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15 少しくらいマッチョじゃなくてもいいと思った

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明日どこ行こう。
ワクワクしたいのに考える暇もなく、朝になった・・・・と思ったのに夜で。

やっぱり早く寝すぎたんだと思う。目が覚めた。
まだ夜中みたい。静かな部屋。
首だけ動かして先輩を見る。
寝てるみたい。

暇なので考え事の続きを。
明日はどこに行く?
動物園とかは?
くっついても変じゃない。思いっきり甘えても変じゃない。
ちょっとくらい先輩が変でも目立たない。
ご飯食べて、動物園に行ってお腹空いてデザート食べて。
またここに帰ってくる?

顔をあげて寝顔に聞いたら目が開いた。
ビックリした。

「緑ちゃん、まだ夜だよね。目が覚めたの?」

抱き寄せられた。

「先輩、明日どこ行きます?」

「・・・どこ行きたいの?」

「動物園。」

視線が合う。

「いいよ。顔出しパネルの写真撮る?」

「普通の写真でいいです。」

さすがにあれはいらない。

「パネルにハマって撮ったことあるんですか?」

「あるよ、子供のころだね。懐かしいなあ。またブームになってるみたいで、絶対あるよ。」

大人になってからはないらしい。

「動物園も久しぶり。いいね。」

「そうですか?楽しみですか?」

「うん、楽しみ。いただきます。」

話の途中ですが、辞めさせるつもりもなく。

引き締まった体にずっと触れていたいと思った。
やっぱり優しいマッチョ(やや難あり)。でもすごく好き。

「お腹くすぐったい。上に行きたいの?下に行きたいの?それとも本当にお腹がいいの?」

つい骨のないお腹のあたりをずっと触っていたら不審がられた。

「お腹がいいです。」

「微妙。さほどベッドの上では活躍してませんが。」

「いいんです。すごくきれいなの知ってるから。触れていたいんです。」

「みたらしの魅力には負けるよ。」

そう言われて舐められた。


今度こそ朝だった。そして一人で寝ていた。
まさかまた走りに行った?
時々勝手に抜け出して走ってるみたいで。
健康的過ぎる。

時計を見ると8時。
そろそろ走ってても帰ってくるかな?

「先にシャワーを浴びよう。」

パジャマを拾いゆっくりリビングの様子をうかがう。いない。
取りあえず上着を羽織ってバスルームに入ると。

何でいるの?
それはジョギングから帰って来たからでしょう。

ちょうど出るところだったらしく全裸もどきの私と、水濡れの全裸の先輩。
気が付かなかったのは電気がついてなかったから。
だって明るいし。

動きを止めたまま見つめ合い。
そのままこっちに寄られて腕を引き寄せられた。
手にしたパジャマは放り出した。

一緒にシャワーの下に立ち熱いお湯を浴びる。

「よく眠れた?」

「・・・・はい。」

「どうしたの?」

「何で一緒に浴びないといけないんですか・・・・。」

「だって入ってきたのは緑ちゃんじゃない。暖かくしないと風邪ひくよ。」

「先輩、今出るところでしたよね。」

「大切な忘れ物。」

「朝です・・・・・。」

「気にしない。」

泡を立てて髪を洗ってもらいながらキスをされて。お腹に当たるものが固くて熱い。
それでも離れないように腰に手を置かれて、そのままでいるのは自分。
泡立てたスポンジで体も洗われる。
先輩の体も泡だらけで。
浴室に響く自分の吐息。
我慢できなくて首に捕まり片足を巻き付けた。

「先輩・・・・。」

「うん、忘れ物ちゃんとしなきゃ。」

泡で滑る体。それでも自分のあげる声にどんどん興奮してしまう。

「先輩・・・、あぁ・・・・」

どんどん先輩の腰が早く動いて我慢できなくなった。
体を離して先輩の物をつかむ。
目を開けてお願いする。

「先輩、お願い。」

指を入れられてお互いに刺激し合う。手の力が緩みそうになるのをこらえる。

「一緒に・・・・。」

そう言ったのに手を離してしまって一人で叫んだ。
その後手を取られて先輩の物を一緒にしごいた。

飛び出したものを太ももで受けたけどシャワーで流された。

私もゆっくりシャワーで洗われた。
その刺激にまた声が止まらなくなった。
しがみついて座り込むのをこらえて、抱きついて。

シャワーを浴びて泡も落としてタオルでくるまれた。
洗面台にもたれて抱き合う。

「風邪ひくから。」

「落ち着いた?」

息が落ちついて髪を乾かされた。
それでもそのまま見つめ合った視線を読まれて。
手を引かれてまた暗いままの寝室に戻る。

朝だけど我慢できなくて。
膝に抱かれてちゃんっとつながった。

又汗をかいた。

先輩が走りに行くから・・・・・。
1人で起きださないで・・・・・・。

そう思った。返事をされたから、声に出してお願いしたのかもしれない。
朝から記憶をなくしそう。

一気に突き上げられて本当に記憶をなくした。

目を開けた時も先輩の膝の上で毛布で二人丸ごとくるまっていた。
顔をまた胸に押し付けられるようにされて目を閉じる。


「緑ちゃん。せっかく外に走りに行っても全然発散されないじゃない。」

「約束してください。行かないでください。お願いします。」

「分かった。」

「どうする?出かける?動物園の予定だよね。」

「先輩・・・・、またここに帰ってきていいですか?」

「もちろん。一緒にいるに決まってるでしょう。」

「じゃあ、動物園に行きます。」

「じゃあ、続きは夜ね。」

今そうお願いしたのは私。
一緒にいたくてたまらない、ジョギングさえ許さないほどに。
少しくらいマッチョじゃなくなってもいいから。

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