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14 ランチに誘われない理由。
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土曜日。
昨日もやっぱりそうだった。
毎日となった先輩とのランチ、そしてお疲れ様会というお別れ会もどき、嫌々私のせいで付き合わされてるからかと、そう思ってた。
ちょっとだけ申し訳ないとも思っていた。
でも今日も、やっぱり同じ。
目の前の佐々木さんはやはり美味しそう食べてるようには見えない。
おごる立場から言わせてもらえば、美味しそうに食べてもらいたい。
「これもあんまりだった?」
つい我慢出来ずに聞いてみた。指は料理を指す。
「あ、いや。そんなんじゃないんだ。」
そんなんじゃなきゃ、何よ?
お礼はしてもらうって、最初の頃に冗談のように言ってたじゃない。
それでも楽しくないって言うわけ?
目つきがきつくなりそうだ。
「ほんとに気にしないで。味覚障害っぽくて、ほとんどわからないんだ。昔から。」
最後は弱く笑われた。本人はそのつもりは無かったかもしれないけど、悲しそうでもあったし、申し訳なさそうでもあった。
そんなの知らない。
だから昼も食べずに、飲み会も参加してないの?
先輩達は知ってるの?
だってまた飲みに行こうって昨日もそう言って別れた。
実際誘われるかはわからないけど、また一人のランチに戻るの?
自分の表情がいろんな思いを表してしまう。
林を見る。
知ってたらしい。
まったく驚いてない。
飲みに行ったりするって言ってたし、それなら教えてると思う。
「ごめん、知らなくて。ランチにも行かないのも、ただ付き合いが悪いのかと思ってた。」
昨日も聞いたけど、内緒だとしたらさすがにあそこでは言えなかっだろう。
「だから、気にしないで。」
「・・・・うん。」
「佐々木君、じゃあ、歯ごたえのある物とかは?」
浩美がメニューを手にする。
「うん、適当に食べてる。」
「飲む方で楽しめるからいいんだよ。今日はおごりだからガンガン飲もう。帰るのが面倒だったらコイツの部屋に転がって寝てればいいし。」
「何でよ。」
「悪い、俺はダメなんだよな。明日さすがに予定があるんだよ、朝早いし。お前はどうせ暇だろう?お互いにゆっくり起きればいいじゃないか。」
「普通に帰れる。」
佐々木さんが言う、当たり前だ。
それでも私の失言が遠くに行ったから、林の目論見は、多分それだったんだろう。
お酒の味はわかるの?楽しく酔えるの?
それでも顔を少し赤くしながら少しだけ良くしゃべるようになり、打ち解けた気がしないでもない。
そして、一時間くらいしたら浩美が帰って行って、今は三人。
昨日もやっぱりそうだった。
毎日となった先輩とのランチ、そしてお疲れ様会というお別れ会もどき、嫌々私のせいで付き合わされてるからかと、そう思ってた。
ちょっとだけ申し訳ないとも思っていた。
でも今日も、やっぱり同じ。
目の前の佐々木さんはやはり美味しそう食べてるようには見えない。
おごる立場から言わせてもらえば、美味しそうに食べてもらいたい。
「これもあんまりだった?」
つい我慢出来ずに聞いてみた。指は料理を指す。
「あ、いや。そんなんじゃないんだ。」
そんなんじゃなきゃ、何よ?
お礼はしてもらうって、最初の頃に冗談のように言ってたじゃない。
それでも楽しくないって言うわけ?
目つきがきつくなりそうだ。
「ほんとに気にしないで。味覚障害っぽくて、ほとんどわからないんだ。昔から。」
最後は弱く笑われた。本人はそのつもりは無かったかもしれないけど、悲しそうでもあったし、申し訳なさそうでもあった。
そんなの知らない。
だから昼も食べずに、飲み会も参加してないの?
先輩達は知ってるの?
だってまた飲みに行こうって昨日もそう言って別れた。
実際誘われるかはわからないけど、また一人のランチに戻るの?
自分の表情がいろんな思いを表してしまう。
林を見る。
知ってたらしい。
まったく驚いてない。
飲みに行ったりするって言ってたし、それなら教えてると思う。
「ごめん、知らなくて。ランチにも行かないのも、ただ付き合いが悪いのかと思ってた。」
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「だから、気にしないで。」
「・・・・うん。」
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