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第五章:溺愛と執着と、時々ヤキモチ
ヤキモチ焼きの恋人
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会社の飲み会で、僕は珍しく酔いつぶれてしまった。
頭がぼんやりとして、足元がふらついてしまう。意識が朦朧として、まるで海斗に抱かれたときにみたいに身体がふわふわしていた。
お酒は苦手だと思ったが、今日みたいに酔い方は気持ちがいい気がする。
「大丈夫ですか、結城さん」
同僚の佐藤が、僕の肩を支えてくれた。佐藤は営業部の同僚で、三十代前半のアルファだ。がっしりとした体格で、女性社員には人気がある。面倒見の良い人で、入社してから僕はお世話になりっぱなしだった。
「すみません……佐藤さん。いつもはこんなに酔わないのに」
僕が謝ると、佐藤が笑った。
「気にしないで。結城さんの珍しい一面が見れて嬉しいですよ」
佐藤が僕を支えながら、アパートまで送ってくれた。
エレベーターに乗って、三階まで上がる。廊下を歩いて、僕の部屋の前まで来た。ドアの前で立ち止まると、佐藤が僕を支えたまま待っていてくれる。
鍵を取り出そうとしたが、手が震えて上手くいかなかった。
ポケットに手を入れて、鍵を探る。やっと鍵を取り出して、ドアに差し込もうとするが、鍵穴が定まらず、何度も外してしまう。
「あれ、おかしいな」
「貸してください」
佐藤が鍵を受け取って、ドアを開けてくれた。ドアが開いて、部屋の中が見える。室内は暗い。海斗は、もう寝ているのだろうか。
「佐藤さん、送っていただきありがとうございます」
僕はふらつきながら、佐藤から離れようとする。彼の男らしい胸をぐっと押すが、微動だにしなかった。腰に回された手に力が入り、佐藤の顔が近づいてくる。
「結城さん――」
「ちょっと……」
僕は顔を背けると、佐藤の唇に手をあてて拒否の姿勢を見せた。
「足元がふらついているから、ベッドまで送りますよ」
「いえ、大丈夫です」
さっきまで心地よかった酔いが、急激に冷めていく。現実に引き戻されて、僕は身の危険を初めて感じた。
優しい先輩だと思っていた。
僕が性の対象に見られているとは微塵も感じてなかったのに。
部屋の明かりが、突然ついた。
「遥」
低い声で名前を呼ばれて、僕はびくっと肩が跳ねた。
視線をあげると海斗が、玄関に立っていた。Tシャツとハーフパンツ姿で、深い黒瞳が、佐藤を冷たく睨みつけている。
腕を組んで立っている海斗の威圧感が凄かった。『俺のに何してんの?』と言わんばかりの態度に、腰に回されている佐藤の手がゆっくりと離れていった。
「遥、こっち」
佐藤の腕から解放された僕は、ぐいっと腕を掴まれて海斗の腕の中に引っ張られた。
「あの、結城さんを送ってきました」
佐藤もアルファだが、海斗の圧迫感に圧倒されているようで声が震えていた。額からは冷や汗が流れ落ちていく。
海斗から放たれる気迫は、とても高校生とは思えない。すごいパワーを放っていた。
「遥を送っていただき、ありがとうございます」
「あ、いえ――」
海斗の手が、僕の腰に回されて、支えられる。
「じゃあ、結城さん、月曜日に。お疲れ様」
佐藤がぎこちない笑みを作ると、アパートを去っていった。玄関のドアが閉まり、足音が遠ざかっていくのが聞こえた。
「はーちゃん……」
僕を強く抱きしめると、海斗が呆れた声で僕の名前を呼ぶ。
「海ちゃん……た、ただいま」
僕が言うと、海斗が僕に顔を近づけてきた。首筋に鼻を寄せて、匂いを嗅いでいる。深く息を吸って、何度も匂いを確かめている。
「他のαの匂いがする」
海斗が低い声で言った。
(これは怒っているよね?)
「仕事だって……飲み会で、酔いつぶれて……佐藤さんが送ってくれて」
僕が説明しようとすると、海斗が僕を壁に押し付けてきた。玄関の壁に背中を押し付けられて、海斗に見下ろされる。
「はーちゃんは、飲み会のたびに酔い潰れてるの?」
「いや、今回が初めてで――」
「さっきの奴に家まで送ってもらったのは?」
「今回が初めて、です」
海斗が静かに怒っている。
「俺以外のαに触らせたくない」
海斗が囁いた。僕の顎を掴んで、激しく、荒々しいキスをしてきた。海斗の舌が侵入してきて、口内を蹂躙していく。抗う暇もなく、僕の身体は海斗に支配されていく。
唇を離すと海斗が膝をつくと、海斗の手が、僕のズボンに触れてきた。
「海ちゃん……?」
僕が尋ねると、海斗がベルトを外し始めた。ファスナーを下ろして、ズボンを引き下ろしていく。下着も一緒に下ろされて、下半身が露わになった。
「海ちゃん、ちょっと……」
海斗の手が、僕の熱に触れてきた。
「待って、ここ――玄関、だから」
「わかってるよ。俺以外のアルファの匂いをさせたはーちゃん、家にあがってほしくない」
(ここ、僕の家!)
主導権は僕にあるんじゃないの?
「玄関は、やだぁ」
包み込まれて、優しく擦られる。酔いのせいで感覚が鋭敏になっていて、海斗の手の温もりが鮮明に感じられる。
「声、抑えてね。玄関だから、外まで響くよ、はーちゃんの甘い声が」
(わかってるから……嫌だって言ったのに)
海斗に触れられるだけで、勝手に甘い声が出てしまう。我慢しろなんて、無理な話だ。
「あ、ん……」
声が漏れた。海斗の手が動いて、先端を親指で擦ってくる。敏感な場所を刺激されて、腰が自然と揺れてしまう。
海斗の唇が、先端に触れてきた。
温かく、柔らかい感触。海斗の舌が、先端を舐めていく。ゆっくりと、丁寧に、愛撫されていく。海斗の口が、僕を咥え込んでいく。
「あ、ああっ……海ちゃん」
甘い声が漏れる。海斗の口の中が、熱くて、濡れていて、気持ちいい。舌が絡みついてきて、上下に動いていく。快感が身体中に走り回り、立っているのが辛くて海斗の頭に手を置いて、髪を掴んでしまう。
海斗の口が、僕のを深く咥え込んでくる。
(気持ちいい)
「海ちゃん、もう、あ……」
限界が、近づいてくる。
「イッちゃうから……口、離して」
海斗は動きを止めない。さらに深く咥え込んできて、吸い上げてきた。
「ああっ!」
(だめ、出ちゃうっ)
海斗の口の中で、達してしまった。身体が痙攣して、白濁の液を飛ばした。海斗の喉仏が上下して、僕の体液を飲む込むのが見えた。
「海ちゃん! 吐き出さないと」
海斗が顔を上げた。
唇を舐めて、僕を見上げている。深い黒瞳が、熱を帯びて僕を見つめていた。
「なんで?」
「なんでって、不味いでしょ?」
「美味しいよ。はーちゃんのだもん」
「え?」
「――っていうか」
海斗が立ち上がると、僕の耳たぶを甘噛みしてくた。
「はーちゃんはなんで、精液が不味いって知っているの? 教えてよ」
嫉妬のこもった声に、僕の背筋がぞくっと寒気が走る。
「知って……知らないけど」
「誰のを飲んだの?」
「誰のも飲んでないし!」
なんとなく出回っている世の中の情報だ。知らないうちに、知っていた――というか、友人たちの風の噂というか。
経験者は語るみたいな……ひと足先に経験した友人たちから聞いただけだ。
「ねえ、俺以外の人とヤッた?」
「ヤッてない!」
「じゃあ、なんで最初からあんなにエッチなの?」
「しっ……知らないし! え……、え、え、エッチじゃなかったと思う! 海ちゃんのを受け止めるので必死だった」
(なんでそんなことを聞くの?)
僕はずっと海斗が好きで、それ以外の人には興味がなかった。誰かを性的対象で見たこともない。抱かれたいのは常に海斗だった。
「そう? 『もっと――海ちゃんのを僕に注いで』って言ったのは覚えてる?」
「――は? 誰が?」
「はーちゃん。すごいエッチだったよ」
(そんなこと言った記憶ないけど?)
「『海ちゃんの子を産みたい』って言って、腰振ってたけど」
「誰が?」
「だからはーちゃん」
(僕、そんなことを海ちゃんに言ってるの?)
恥ずかしさで顔が一気に熱くなった。記憶に一切、残っていない。
海斗と抱き合い始めると、後半はほとんど覚えていない。何回かの絶頂を味わうと、もう意識が朦朧として、気持ちいいに支配されてふわふわしてしまう。
まさに今日の酒に酔った感覚によく似ている。
「記憶にないんだけど」
「そうみたいだね。じゃあ、ちょっと待ってね」
そう言って、海斗がズボンからスマホを出すとボイス録音を開始した。
「何してるの?」
「はーちゃん、どんなふうに俺に強請っているか……記憶しておいてあげる」
海斗がにっこりと微笑むと、「壁に手をついて」と耳元で囁いた。
僕は言われるまま、壁に手をついた。後ろを向いて、壁に手をつくと、お尻を突き出す格好になって、恥ずかしさが込み上げてけた。
海斗の手が、僕のシャツを捲り上げてきた。
背中が露わになって、冷たい空気が肌に触れる。海斗の手が、背中を撫でていく。腰を撫でられて、お尻を掴まれる。
海斗の指が、秘所に触れてきた。
割れ目をなぞられて、入口を探られる。濡れた指先が、ゆっくりと中へと侵入してくる。酔いのせいで、身体が敏感になっている。指が入るだけで、快感が走る。
「はーちゃん、もう濡れてる」
指を動かしながら、僕の反応を確かめている。内壁を撫でられて、敏感な場所を擦られて、身体が勝手に反応してしまう。
指が増えていく。
二本、三本と増えて、内壁を広げられていく。海斗の指が、器用に動いて僕の身体をほぐしていく。玄関で、立ったまま、しかも音声を録音されながら、後ろから指を入れられていると思うと、いつも以上に身体が敏感になっているように感じた。
「んっ……海ちゃん……恥ずかしい」
「そう? 俺の指には気持ちいいって言ってるように感じるけど。すごい締め付けだよ?」
海斗の熱いものが、入口に押し当てられた。先端が、ゆっくりと侵入してくる。立ったままの体勢で、後ろから入ってくる。
「あ、ああっ」
声が漏れた。海斗が、一気に奥まで入ってくる。いつもとは違う角度から入ってきて、奥を擦ると身体が震えた。
海斗がゆっくりと腰を引き、激しく突き上げてくる。後ろから、腰を掴まれて、引き寄せられるように突かれる。
「あっ、あっ」
海斗の手が、僕の胸に回ってきた。
シャツの上から、胸を揉まれる。乳首を探られて、服の上から摘まれる。敏感な場所を刺激されて、身体が跳ねた。
「ん、あ……海ちゃん」
海斗が首筋にキスをしてきて、強く吸い付いてくる。キスマークをつけられて、何度も吸われる。痛いくらい強く吸われて、肌に徴がついていく。
「他のαの匂い、全部消してやる」
首筋を舐めて、噛んで、しつこく吸い付いてくる。
「ああ、あっ、海ちゃん……海ちゃん」
海斗の腰の動きが、だんだんと激しくなっていく。
奥を何度も突かれて、快感が積み重なっていく。息が荒くなり、下腹部に熱が集まっていきのがわかった。
(イキそう――)
「あ、海ちゃん、もう……」
僕が言うと、海斗が耳元で囁いた。
「ここでイッたら玄関が汚れちゃうよ?」
低く、甘い声に身体がゾクっと快感で震えた。
海斗の言う通り、今イッたら玄関の壁を自分の体液で汚してしまう。わかっているが、込み上がってくる強い欲求に抗える気もない。
(どうしたら――)
「海ちゃん、抜いてぇ」
「やだ」
「出ちゃうっ……汚しちゃうから」
唇を噛んで、快感を抑え込もうとする。身体の奥から湧き上がってくる快楽を、理性で押さえつけようと頑張ってみる。
「海ちゃん、お願い。抜いてぇ」
「だめ、抜かないよ」
海斗は動きを止めないどころかさらに激しく、さらに深く、容赦なく突き上げてきた。奥の敏感な場所を何度も擦られて、我慢などできない。
「ん、あ……だめ、我慢、しないと――なのにぃ、あっ、あっ……イキたいっ」
必死に耐えようとしているのに、海斗が胸を揉んで新たな刺激を与えてくる。乳首を摘まれて、転がされて、強く引っ張られる。敏感な場所を同時に刺激されて、身体が限界を迎えていく。
「海ちゃん、お願い……ちょっと、待って」
懇願するが、海斗は聞いてくれない。首筋にキスをしてきて、強く吸い付いてくる。キスマークをつけられて、肌を噛まれる。痛みと快感が混ざり合って、理性が飛んだ。
(だめ、無理――イク)
もう我慢できない。身体が震えて、下腹部の熱が臨界点に達した。
海斗が、さらに深く突いてきた。
奥の一番敏感な場所を、ピンポイントで突かれる。電流のような快感が、全身を駆け巡っていく。
「あ、ああっ、だめ……我慢、できない! イッ、くぅ――あああっ」
身体が言うことを聞いてくれなかった。快楽に抗えずに身体が痙攣して、前から白濁の液が勢いよく吐き出されていく。玄関の壁と床に、白い液体が飛び散って汚してしまった。
「ああっ、ごめん……海ちゃん、ごめん」
僕が謝ると、海斗が優しく笑った。耳元で囁くように、甘い声で言う。
「可愛い。我慢できなかったんだね」
海斗が囁いた。腰の動きを止めず、さらに奥を突いてくる。達したばかりの敏感な身体に、容赦なく快感が叩き込まれていく。
「ちょっと、海ちゃん……さっき、達したばかり……ていうか、まだ中が……」
「うん、知ってる。はーちゃんの中がうねってる」
海斗がさらに激しく突き上げてくる。奥の敏感な場所を執拗に擦られて、またすぐに快感が高まっていく。
(すぐにイッちゃう……海ちゃんの意地悪)
さっきより早く、快楽の波が押し寄せてくる。身体が敏感になっていて、少しの刺激でも大きな快感になる。海斗が奥を突くたびに、世界がどんどんと白くなっていく。
(だめ、もう――イキそう。我慢、できない)
必死に耐えようとするが、またすぐに限界が来てしまった。唇を噛んで、快感を抑え込もうとするが、一度快感を得た身体は全く言う通りになってくれない。
海斗の攻めも容赦ない。胸を揉まれて、首筋を舐められて、奥を突かれて、全身が快感に支配されていく。
「海ちゃん、お願い……もう、耐えられない……」
懇願するが、海斗はさらに深く突いてきた。奥の一番敏感な場所を、何度も突かれる。
「あ、また、ああっ!」
二度目の頂点が、訪れた。また前から吐き出されて、玄関の床を汚していく。身体が震えて、立っていられなくなる。足から力が抜けて、崩れ落ちそうになった。
海斗が、僕を支えてくれた。
腕が僕の身体を支えて、崩れ落ちないようにしてくれる。
「はーちゃん、もう一回。今度は一緒にイこう」
海斗が囁いた。また腰を動かし始めて、激しく突き上げてくる。もう限界だと思うのに、身体は正直に反応してしまう。
三度目の頂点が、すぐに迫ってくる。
海斗も限界なのだろう。呼吸が乱れて、腰の動きが加速していく。
「海ちゃん、一緒に、あ、ああっ!」
あっという間に三度目の限界を超えた。今度は海斗と一緒に、頂点を迎える。海斗が奥で止まって、熱いものが最奥に注がれていく。身体が激しく痙攣して、制御が効かなくなる。
立っていられなくなって、ずるずると体勢が崩れていく。海斗が支えてくれるが、僕の身体は重力に逆らえない。床に膝をついて、四つん這いの姿勢になってしまった。
海斗が抜けて、中から精液が流れ出てきて床を汚してしまった。
荒い息を吐きながら、床に手をついている。身体がビクビクと痙攣して、余韻が続いている。頭がぼんやりとして、酔いと快楽で意識が朦朧としている。
(ふわふわして……心地いいのがきた)
僕は海斗の方に身体を向けた。
床に座り込んで、海斗を見上げる。海斗の顔が、驚いたように目を見開いている。僕は足を開いて、ピンク色の秘部を海斗に見せつけた。
トロリと中からさっき飲み込んだばかりの海ちゃんの精液が溢れてくる。
「海ちゃん、もっと」
掠れた声で、おねだりした。
(もっとほしい)
「海ちゃんのでいっぱいにして」
海斗が、僕を抱き上げた。床に落ちているスマホも一緒に手にしていた。
(ああ、そうだった。録音してるんだった)
「はーちゃん、今後からお酒禁止ね」
海斗が苦笑しながら言った。僕を抱き上げて、寝室へと運んでいく。ベッドに横たえられて、柔らかい感触が背中に伝わった。
スマホが枕元に置かれる。
「海ちゃん、ほしい。僕にちょうだい」
僕が甘えると、海斗が優しく微笑んだ。海斗を押し倒して、自分から上に乗る。
自分で腰を下ろして、海斗を奥まで受け入れる。全部入ったところで、腰を動かし始めた。上下に動いて、海斗を奥まで受け入れたり、浅く抜いたりを繰り返す。
「気持ちいい?」
僕が尋ねると、海斗が頷いた。
「すんごい気持ちいいよ」
海斗が答えた。嬉しそうに笑って、僕の腰を掴んでくる。僕が腰を動かすのに合わせて、下から突き上げてきた。
「ああっんぅ、キスして」
僕がおねだりすると、海斗が起き上がってきた。対面座位の姿勢になって、海斗が僕を抱き締めてくる。唇が重ねられて、濃厚で甘いキスをされる。
海斗の舌が、優しく僕の舌と絡み合っていく。
さっきの激しいキスとは違う、愛情に満ちたキスだ。海斗の想いが、キスを通して伝わってくる。
(海ちゃんのキス、美味しい)
キスをしながら、二人で腰を動かし続けた。
お互いの身体が密着して、汗が混ざり合っていく。
(また……イキそう。もっとキスしてたいのに)
キスをしながら、快楽が高まっていく。海斗の手が、僕の背中を撫でていく。優しく、愛おしむような手つき。
「海ちゃん、一緒に……」
僕が囁くと、海斗が頷いた。キスを深めて、お互いの舌を絡め合わせる。海斗の腕が、僕を強く抱き締めてきた。
(イク……っ)
キスをしたまま、二人で一緒に頂点を迎える。身体が痙攣して、海斗を強く抱き締めた。深い場所で繋がり合うと熱いものが、奥に注がれていった。
ゆっくりと唇が離れていく。息が荒くなり、胸が激しく上下している。海斗も息を荒げていて、額に汗が滲んでいた。
海斗の胸に顔を埋めて、そのまま倒れ込んだ。海斗が僕を抱き締めたまま、ベッドに横になる。海斗の温もりに包まれて、安心感が広がっていく。
「ごめん……酔っ払って」
僕が謝ると、海斗が髪を撫でてくれた。
「いいよ。可愛かったから」
海斗が優しく言った。額にキスを落として、抱き締めてくれる。海斗の腕の中で、僕は深い眠りに落ちていった。疲れ果てた身体が、休息を求めて意識を手放していった。
頭がぼんやりとして、足元がふらついてしまう。意識が朦朧として、まるで海斗に抱かれたときにみたいに身体がふわふわしていた。
お酒は苦手だと思ったが、今日みたいに酔い方は気持ちがいい気がする。
「大丈夫ですか、結城さん」
同僚の佐藤が、僕の肩を支えてくれた。佐藤は営業部の同僚で、三十代前半のアルファだ。がっしりとした体格で、女性社員には人気がある。面倒見の良い人で、入社してから僕はお世話になりっぱなしだった。
「すみません……佐藤さん。いつもはこんなに酔わないのに」
僕が謝ると、佐藤が笑った。
「気にしないで。結城さんの珍しい一面が見れて嬉しいですよ」
佐藤が僕を支えながら、アパートまで送ってくれた。
エレベーターに乗って、三階まで上がる。廊下を歩いて、僕の部屋の前まで来た。ドアの前で立ち止まると、佐藤が僕を支えたまま待っていてくれる。
鍵を取り出そうとしたが、手が震えて上手くいかなかった。
ポケットに手を入れて、鍵を探る。やっと鍵を取り出して、ドアに差し込もうとするが、鍵穴が定まらず、何度も外してしまう。
「あれ、おかしいな」
「貸してください」
佐藤が鍵を受け取って、ドアを開けてくれた。ドアが開いて、部屋の中が見える。室内は暗い。海斗は、もう寝ているのだろうか。
「佐藤さん、送っていただきありがとうございます」
僕はふらつきながら、佐藤から離れようとする。彼の男らしい胸をぐっと押すが、微動だにしなかった。腰に回された手に力が入り、佐藤の顔が近づいてくる。
「結城さん――」
「ちょっと……」
僕は顔を背けると、佐藤の唇に手をあてて拒否の姿勢を見せた。
「足元がふらついているから、ベッドまで送りますよ」
「いえ、大丈夫です」
さっきまで心地よかった酔いが、急激に冷めていく。現実に引き戻されて、僕は身の危険を初めて感じた。
優しい先輩だと思っていた。
僕が性の対象に見られているとは微塵も感じてなかったのに。
部屋の明かりが、突然ついた。
「遥」
低い声で名前を呼ばれて、僕はびくっと肩が跳ねた。
視線をあげると海斗が、玄関に立っていた。Tシャツとハーフパンツ姿で、深い黒瞳が、佐藤を冷たく睨みつけている。
腕を組んで立っている海斗の威圧感が凄かった。『俺のに何してんの?』と言わんばかりの態度に、腰に回されている佐藤の手がゆっくりと離れていった。
「遥、こっち」
佐藤の腕から解放された僕は、ぐいっと腕を掴まれて海斗の腕の中に引っ張られた。
「あの、結城さんを送ってきました」
佐藤もアルファだが、海斗の圧迫感に圧倒されているようで声が震えていた。額からは冷や汗が流れ落ちていく。
海斗から放たれる気迫は、とても高校生とは思えない。すごいパワーを放っていた。
「遥を送っていただき、ありがとうございます」
「あ、いえ――」
海斗の手が、僕の腰に回されて、支えられる。
「じゃあ、結城さん、月曜日に。お疲れ様」
佐藤がぎこちない笑みを作ると、アパートを去っていった。玄関のドアが閉まり、足音が遠ざかっていくのが聞こえた。
「はーちゃん……」
僕を強く抱きしめると、海斗が呆れた声で僕の名前を呼ぶ。
「海ちゃん……た、ただいま」
僕が言うと、海斗が僕に顔を近づけてきた。首筋に鼻を寄せて、匂いを嗅いでいる。深く息を吸って、何度も匂いを確かめている。
「他のαの匂いがする」
海斗が低い声で言った。
(これは怒っているよね?)
「仕事だって……飲み会で、酔いつぶれて……佐藤さんが送ってくれて」
僕が説明しようとすると、海斗が僕を壁に押し付けてきた。玄関の壁に背中を押し付けられて、海斗に見下ろされる。
「はーちゃんは、飲み会のたびに酔い潰れてるの?」
「いや、今回が初めてで――」
「さっきの奴に家まで送ってもらったのは?」
「今回が初めて、です」
海斗が静かに怒っている。
「俺以外のαに触らせたくない」
海斗が囁いた。僕の顎を掴んで、激しく、荒々しいキスをしてきた。海斗の舌が侵入してきて、口内を蹂躙していく。抗う暇もなく、僕の身体は海斗に支配されていく。
唇を離すと海斗が膝をつくと、海斗の手が、僕のズボンに触れてきた。
「海ちゃん……?」
僕が尋ねると、海斗がベルトを外し始めた。ファスナーを下ろして、ズボンを引き下ろしていく。下着も一緒に下ろされて、下半身が露わになった。
「海ちゃん、ちょっと……」
海斗の手が、僕の熱に触れてきた。
「待って、ここ――玄関、だから」
「わかってるよ。俺以外のアルファの匂いをさせたはーちゃん、家にあがってほしくない」
(ここ、僕の家!)
主導権は僕にあるんじゃないの?
「玄関は、やだぁ」
包み込まれて、優しく擦られる。酔いのせいで感覚が鋭敏になっていて、海斗の手の温もりが鮮明に感じられる。
「声、抑えてね。玄関だから、外まで響くよ、はーちゃんの甘い声が」
(わかってるから……嫌だって言ったのに)
海斗に触れられるだけで、勝手に甘い声が出てしまう。我慢しろなんて、無理な話だ。
「あ、ん……」
声が漏れた。海斗の手が動いて、先端を親指で擦ってくる。敏感な場所を刺激されて、腰が自然と揺れてしまう。
海斗の唇が、先端に触れてきた。
温かく、柔らかい感触。海斗の舌が、先端を舐めていく。ゆっくりと、丁寧に、愛撫されていく。海斗の口が、僕を咥え込んでいく。
「あ、ああっ……海ちゃん」
甘い声が漏れる。海斗の口の中が、熱くて、濡れていて、気持ちいい。舌が絡みついてきて、上下に動いていく。快感が身体中に走り回り、立っているのが辛くて海斗の頭に手を置いて、髪を掴んでしまう。
海斗の口が、僕のを深く咥え込んでくる。
(気持ちいい)
「海ちゃん、もう、あ……」
限界が、近づいてくる。
「イッちゃうから……口、離して」
海斗は動きを止めない。さらに深く咥え込んできて、吸い上げてきた。
「ああっ!」
(だめ、出ちゃうっ)
海斗の口の中で、達してしまった。身体が痙攣して、白濁の液を飛ばした。海斗の喉仏が上下して、僕の体液を飲む込むのが見えた。
「海ちゃん! 吐き出さないと」
海斗が顔を上げた。
唇を舐めて、僕を見上げている。深い黒瞳が、熱を帯びて僕を見つめていた。
「なんで?」
「なんでって、不味いでしょ?」
「美味しいよ。はーちゃんのだもん」
「え?」
「――っていうか」
海斗が立ち上がると、僕の耳たぶを甘噛みしてくた。
「はーちゃんはなんで、精液が不味いって知っているの? 教えてよ」
嫉妬のこもった声に、僕の背筋がぞくっと寒気が走る。
「知って……知らないけど」
「誰のを飲んだの?」
「誰のも飲んでないし!」
なんとなく出回っている世の中の情報だ。知らないうちに、知っていた――というか、友人たちの風の噂というか。
経験者は語るみたいな……ひと足先に経験した友人たちから聞いただけだ。
「ねえ、俺以外の人とヤッた?」
「ヤッてない!」
「じゃあ、なんで最初からあんなにエッチなの?」
「しっ……知らないし! え……、え、え、エッチじゃなかったと思う! 海ちゃんのを受け止めるので必死だった」
(なんでそんなことを聞くの?)
僕はずっと海斗が好きで、それ以外の人には興味がなかった。誰かを性的対象で見たこともない。抱かれたいのは常に海斗だった。
「そう? 『もっと――海ちゃんのを僕に注いで』って言ったのは覚えてる?」
「――は? 誰が?」
「はーちゃん。すごいエッチだったよ」
(そんなこと言った記憶ないけど?)
「『海ちゃんの子を産みたい』って言って、腰振ってたけど」
「誰が?」
「だからはーちゃん」
(僕、そんなことを海ちゃんに言ってるの?)
恥ずかしさで顔が一気に熱くなった。記憶に一切、残っていない。
海斗と抱き合い始めると、後半はほとんど覚えていない。何回かの絶頂を味わうと、もう意識が朦朧として、気持ちいいに支配されてふわふわしてしまう。
まさに今日の酒に酔った感覚によく似ている。
「記憶にないんだけど」
「そうみたいだね。じゃあ、ちょっと待ってね」
そう言って、海斗がズボンからスマホを出すとボイス録音を開始した。
「何してるの?」
「はーちゃん、どんなふうに俺に強請っているか……記憶しておいてあげる」
海斗がにっこりと微笑むと、「壁に手をついて」と耳元で囁いた。
僕は言われるまま、壁に手をついた。後ろを向いて、壁に手をつくと、お尻を突き出す格好になって、恥ずかしさが込み上げてけた。
海斗の手が、僕のシャツを捲り上げてきた。
背中が露わになって、冷たい空気が肌に触れる。海斗の手が、背中を撫でていく。腰を撫でられて、お尻を掴まれる。
海斗の指が、秘所に触れてきた。
割れ目をなぞられて、入口を探られる。濡れた指先が、ゆっくりと中へと侵入してくる。酔いのせいで、身体が敏感になっている。指が入るだけで、快感が走る。
「はーちゃん、もう濡れてる」
指を動かしながら、僕の反応を確かめている。内壁を撫でられて、敏感な場所を擦られて、身体が勝手に反応してしまう。
指が増えていく。
二本、三本と増えて、内壁を広げられていく。海斗の指が、器用に動いて僕の身体をほぐしていく。玄関で、立ったまま、しかも音声を録音されながら、後ろから指を入れられていると思うと、いつも以上に身体が敏感になっているように感じた。
「んっ……海ちゃん……恥ずかしい」
「そう? 俺の指には気持ちいいって言ってるように感じるけど。すごい締め付けだよ?」
海斗の熱いものが、入口に押し当てられた。先端が、ゆっくりと侵入してくる。立ったままの体勢で、後ろから入ってくる。
「あ、ああっ」
声が漏れた。海斗が、一気に奥まで入ってくる。いつもとは違う角度から入ってきて、奥を擦ると身体が震えた。
海斗がゆっくりと腰を引き、激しく突き上げてくる。後ろから、腰を掴まれて、引き寄せられるように突かれる。
「あっ、あっ」
海斗の手が、僕の胸に回ってきた。
シャツの上から、胸を揉まれる。乳首を探られて、服の上から摘まれる。敏感な場所を刺激されて、身体が跳ねた。
「ん、あ……海ちゃん」
海斗が首筋にキスをしてきて、強く吸い付いてくる。キスマークをつけられて、何度も吸われる。痛いくらい強く吸われて、肌に徴がついていく。
「他のαの匂い、全部消してやる」
首筋を舐めて、噛んで、しつこく吸い付いてくる。
「ああ、あっ、海ちゃん……海ちゃん」
海斗の腰の動きが、だんだんと激しくなっていく。
奥を何度も突かれて、快感が積み重なっていく。息が荒くなり、下腹部に熱が集まっていきのがわかった。
(イキそう――)
「あ、海ちゃん、もう……」
僕が言うと、海斗が耳元で囁いた。
「ここでイッたら玄関が汚れちゃうよ?」
低く、甘い声に身体がゾクっと快感で震えた。
海斗の言う通り、今イッたら玄関の壁を自分の体液で汚してしまう。わかっているが、込み上がってくる強い欲求に抗える気もない。
(どうしたら――)
「海ちゃん、抜いてぇ」
「やだ」
「出ちゃうっ……汚しちゃうから」
唇を噛んで、快感を抑え込もうとする。身体の奥から湧き上がってくる快楽を、理性で押さえつけようと頑張ってみる。
「海ちゃん、お願い。抜いてぇ」
「だめ、抜かないよ」
海斗は動きを止めないどころかさらに激しく、さらに深く、容赦なく突き上げてきた。奥の敏感な場所を何度も擦られて、我慢などできない。
「ん、あ……だめ、我慢、しないと――なのにぃ、あっ、あっ……イキたいっ」
必死に耐えようとしているのに、海斗が胸を揉んで新たな刺激を与えてくる。乳首を摘まれて、転がされて、強く引っ張られる。敏感な場所を同時に刺激されて、身体が限界を迎えていく。
「海ちゃん、お願い……ちょっと、待って」
懇願するが、海斗は聞いてくれない。首筋にキスをしてきて、強く吸い付いてくる。キスマークをつけられて、肌を噛まれる。痛みと快感が混ざり合って、理性が飛んだ。
(だめ、無理――イク)
もう我慢できない。身体が震えて、下腹部の熱が臨界点に達した。
海斗が、さらに深く突いてきた。
奥の一番敏感な場所を、ピンポイントで突かれる。電流のような快感が、全身を駆け巡っていく。
「あ、ああっ、だめ……我慢、できない! イッ、くぅ――あああっ」
身体が言うことを聞いてくれなかった。快楽に抗えずに身体が痙攣して、前から白濁の液が勢いよく吐き出されていく。玄関の壁と床に、白い液体が飛び散って汚してしまった。
「ああっ、ごめん……海ちゃん、ごめん」
僕が謝ると、海斗が優しく笑った。耳元で囁くように、甘い声で言う。
「可愛い。我慢できなかったんだね」
海斗が囁いた。腰の動きを止めず、さらに奥を突いてくる。達したばかりの敏感な身体に、容赦なく快感が叩き込まれていく。
「ちょっと、海ちゃん……さっき、達したばかり……ていうか、まだ中が……」
「うん、知ってる。はーちゃんの中がうねってる」
海斗がさらに激しく突き上げてくる。奥の敏感な場所を執拗に擦られて、またすぐに快感が高まっていく。
(すぐにイッちゃう……海ちゃんの意地悪)
さっきより早く、快楽の波が押し寄せてくる。身体が敏感になっていて、少しの刺激でも大きな快感になる。海斗が奥を突くたびに、世界がどんどんと白くなっていく。
(だめ、もう――イキそう。我慢、できない)
必死に耐えようとするが、またすぐに限界が来てしまった。唇を噛んで、快感を抑え込もうとするが、一度快感を得た身体は全く言う通りになってくれない。
海斗の攻めも容赦ない。胸を揉まれて、首筋を舐められて、奥を突かれて、全身が快感に支配されていく。
「海ちゃん、お願い……もう、耐えられない……」
懇願するが、海斗はさらに深く突いてきた。奥の一番敏感な場所を、何度も突かれる。
「あ、また、ああっ!」
二度目の頂点が、訪れた。また前から吐き出されて、玄関の床を汚していく。身体が震えて、立っていられなくなる。足から力が抜けて、崩れ落ちそうになった。
海斗が、僕を支えてくれた。
腕が僕の身体を支えて、崩れ落ちないようにしてくれる。
「はーちゃん、もう一回。今度は一緒にイこう」
海斗が囁いた。また腰を動かし始めて、激しく突き上げてくる。もう限界だと思うのに、身体は正直に反応してしまう。
三度目の頂点が、すぐに迫ってくる。
海斗も限界なのだろう。呼吸が乱れて、腰の動きが加速していく。
「海ちゃん、一緒に、あ、ああっ!」
あっという間に三度目の限界を超えた。今度は海斗と一緒に、頂点を迎える。海斗が奥で止まって、熱いものが最奥に注がれていく。身体が激しく痙攣して、制御が効かなくなる。
立っていられなくなって、ずるずると体勢が崩れていく。海斗が支えてくれるが、僕の身体は重力に逆らえない。床に膝をついて、四つん這いの姿勢になってしまった。
海斗が抜けて、中から精液が流れ出てきて床を汚してしまった。
荒い息を吐きながら、床に手をついている。身体がビクビクと痙攣して、余韻が続いている。頭がぼんやりとして、酔いと快楽で意識が朦朧としている。
(ふわふわして……心地いいのがきた)
僕は海斗の方に身体を向けた。
床に座り込んで、海斗を見上げる。海斗の顔が、驚いたように目を見開いている。僕は足を開いて、ピンク色の秘部を海斗に見せつけた。
トロリと中からさっき飲み込んだばかりの海ちゃんの精液が溢れてくる。
「海ちゃん、もっと」
掠れた声で、おねだりした。
(もっとほしい)
「海ちゃんのでいっぱいにして」
海斗が、僕を抱き上げた。床に落ちているスマホも一緒に手にしていた。
(ああ、そうだった。録音してるんだった)
「はーちゃん、今後からお酒禁止ね」
海斗が苦笑しながら言った。僕を抱き上げて、寝室へと運んでいく。ベッドに横たえられて、柔らかい感触が背中に伝わった。
スマホが枕元に置かれる。
「海ちゃん、ほしい。僕にちょうだい」
僕が甘えると、海斗が優しく微笑んだ。海斗を押し倒して、自分から上に乗る。
自分で腰を下ろして、海斗を奥まで受け入れる。全部入ったところで、腰を動かし始めた。上下に動いて、海斗を奥まで受け入れたり、浅く抜いたりを繰り返す。
「気持ちいい?」
僕が尋ねると、海斗が頷いた。
「すんごい気持ちいいよ」
海斗が答えた。嬉しそうに笑って、僕の腰を掴んでくる。僕が腰を動かすのに合わせて、下から突き上げてきた。
「ああっんぅ、キスして」
僕がおねだりすると、海斗が起き上がってきた。対面座位の姿勢になって、海斗が僕を抱き締めてくる。唇が重ねられて、濃厚で甘いキスをされる。
海斗の舌が、優しく僕の舌と絡み合っていく。
さっきの激しいキスとは違う、愛情に満ちたキスだ。海斗の想いが、キスを通して伝わってくる。
(海ちゃんのキス、美味しい)
キスをしながら、二人で腰を動かし続けた。
お互いの身体が密着して、汗が混ざり合っていく。
(また……イキそう。もっとキスしてたいのに)
キスをしながら、快楽が高まっていく。海斗の手が、僕の背中を撫でていく。優しく、愛おしむような手つき。
「海ちゃん、一緒に……」
僕が囁くと、海斗が頷いた。キスを深めて、お互いの舌を絡め合わせる。海斗の腕が、僕を強く抱き締めてきた。
(イク……っ)
キスをしたまま、二人で一緒に頂点を迎える。身体が痙攣して、海斗を強く抱き締めた。深い場所で繋がり合うと熱いものが、奥に注がれていった。
ゆっくりと唇が離れていく。息が荒くなり、胸が激しく上下している。海斗も息を荒げていて、額に汗が滲んでいた。
海斗の胸に顔を埋めて、そのまま倒れ込んだ。海斗が僕を抱き締めたまま、ベッドに横になる。海斗の温もりに包まれて、安心感が広がっていく。
「ごめん……酔っ払って」
僕が謝ると、海斗が髪を撫でてくれた。
「いいよ。可愛かったから」
海斗が優しく言った。額にキスを落として、抱き締めてくれる。海斗の腕の中で、僕は深い眠りに落ちていった。疲れ果てた身体が、休息を求めて意識を手放していった。
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