異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ

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第45話:国会議事堂占拠!? 牛男 vs 勇者 vs 政治家、そしてヒナの買収工作

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「グモォォォォッ!! 我が主(あるじ)! ルシファー様を返せぇぇぇ!!」

永田町、国会議事堂正門前。 身長3メートルの巨漢、牛の頭を持つ魔人『剛力のバッファロー』が、機動隊のジュラルミン盾を紙切れのように弾き飛ばしていた。 彼の筋肉は岩盤のように隆起し、鼻息だけでパトカーが横転する。

「……やれやれ。あんな一等地で暴れるなんて、固定資産税の無駄遣いだよ」

現場に到着したコガネ・グループの装甲SUVの中で、私は頭を抱えた。

「ヒナさん、悠長なことを言っている場合ですか! あの魔族、国の中枢を破壊する気ですよ!」

隣に座るレオナルドが、テニスラケットケース(中身は聖剣)を握りしめて殺気立っている。

「……待ちな、レオくん。まずは対話だ」

「対話? 相手は四天王ですよ? 問答無用で斬るのが正義です!」

「正義で飯は食えないし、建物も直らないんだよ! ……いいかい、私の合図があるまで動くんじゃ……」

私が言い終わる前に、レオナルドはドアを開けて飛び出した。

「ハァッ!!」

「あ、こら!」

レオナルドは空中で聖剣を抜刀し、銀色の閃光となってバッファローに斬りかかった。

ガギィィィン!!

「グモッ!?」

聖剣の一撃が、バッファローの剛腕(に巻かれたミスリルの腕輪)と衝突し、凄まじい火花が散る。

「……貴様、何奴だ! その剣……勇者の気配!」 バッファローがレオナルドを睨む。

「いかにも! 勇者レオナルド! この国の平和を乱す悪鬼よ、ここで滅せよ!」

「笑止! 我が筋肉はダイヤモンドよりも硬い! 人間の刃など通じぬ!」

ドゴォォォォン!!

バッファローが拳を地面に叩きつけると、アスファルトが爆散し、衝撃波が国会議事堂の門柱を粉砕した。 瓦礫が雨のように降り注ぐ。

「ひぃぃぃ! 税金がぁぁ! 修理代がぁぁ!」 運転席で善さんが泣き叫ぶ。

「……チッ。派手にやってくれるねぇ」

私はスマホを取り出した。 レオナルドとバッファロー、力は互角か、やや勇者優勢。だが、このまま戦えば永田町は更地になる。 私が守るべきは平和じゃない。「資産価値」だ。

「……鏡。総理官邸の直通回線に繋ぎな」

「了解。……セキュリティ突破。繋がりました」

私はスマホを耳に当てた。

『……はい、こちら官邸対策室……』

「どうも、株式会社コガネの小金沢です」

『こ、小金沢!? 今それどころじゃ……!』

「あの牛男、ウチで引き取りますよ」

『……は?』

「自衛隊を出せば、被害は甚大になる。それに、あいつを殺せば死体処理も大変だ。……ウチなら、彼を『無力化』し、かつ『有効活用』できます」

『……条件は?』

「国会議事堂の修繕工事の受注。……それと、今後発生する『魔物災害』の独占処理権をください」

『……ぐっ……! 背に腹は代えられん! 許可する! ただし、失敗したら貴様の会社も責任を問うぞ!』

「商談成立だ」

私は電話を切り、ドアを開けた。

「……リオ、行くよ。私は魔法が使えない(ことになっている)から、盾になりな」

「へいへい。人使いが荒いねぇ」

私はリオを盾にしつつ、戦場のど真ん中へ歩み出た。

「そこまでだ!!」

私の声(拡声器使用)が響き渡る。 剣を交えていたレオナルドとバッファローが、同時に動きを止めた。

「ヒナさん!? 危ない、下がっていてください!」 レオナルドが叫ぶ。

「……ム? 貴様、何奴だ? その匂い……」 バッファローが鼻をひくつかせる。

「……ルシファー様の匂いがするぞ!?」

「当たり前さ。あのおじいちゃ……いや、あの方は、今ウチのリビングで煎餅食ってるよ」

「な、何だと!? 我が主が、人間に捕らわれているとでも……!」

バッファローが怒り狂い、私に向かって突進しようとする。

「待ちたまえ!」

私がバシッと手を突き出すと、バッファローの目の前に、スマホの画面を突きつけた。

画面に映っているのは、ビデオ通話中のルシファー(着物姿)。

『……騒がしいぞ、バッファロー』

画面の中のルシファーが、不機嫌そうに茶を啜っている。

「ル、ルシファー様!? ご無事でしたか!?」 バッファローがその場に土下座した。巨体による土下座で、また地面が割れる。

『無事も何も、ここは極楽じゃ。コタツはあるし、テレビはあるし、飯は美味い』

「し、しかし! 私は貴方様をお助けしようと……!」

『無用じゃ。……それより貴様、余計なことをしてくれたな。ヒナ(我が孫)が怒っておるぞ』

「ヒ、ヒナ……?」 バッファローが私を見上げる。

「……どうも。ルシファー様の身元引受人兼、家主の小金沢ヒナです」

私はニッコリと笑った(目は笑っていない)。

「バッファローさん。あんた、国会議事堂の門柱、一本いくらするか知ってるかい? ……数千万だよ」

「す、数千万……ゴールドか?」

「円だよ。……あんたの主君(ルシファー)の小遣いから天引きしてもいいんだけど?」

『やめろヒナ! 我のプリン代を減らすな!』 画面のルシファーが叫ぶ。

「……だ、そうだ。責任はあんたにある」

私はバッファローを見下ろした。

「選択肢は二つ。ここで勇者に斬り殺されるか……」

私は勇者を指差す。レオナルドはまだ警戒を解いていない。

「それとも、ウチの会社で働いて、借金(弁償代)を返すか」

「は、働く? 我が? 人間の下で?」

「衣食住は保証する。それに……ウチの社食には『プロテイン飲み放題』サーバーがあるよ」

ピクッ。 バッファローの耳が動いた。

「……ぷ、ぷろていん……? あの、筋肉の秘薬か……?」

「ああ。最新のホエイプロテインだ。イチゴ味もあるよ」

「……」

バッファローは、聖剣を構えるレオナルドと、スマホの中のルシファー、そして私の背後で不敵に笑うリオ(とプロテインの幻影)を見比べた。

「……分かった。従おう」

バッファローは戦意を喪失し、シュンと小さくなった(といっても3メートルあるが)。

「……ちょっと待ってくださいヒナさん!」

レオナルドが納得いかない顔で近づいてくる。

「何をしているんですか? 彼は魔族ですよ? 敵ですよ?」

「……レオくん。見てごらん、あのつぶらな瞳を」

私はバッファローの顔を指差した。

「彼はね……『迷子』だったんだよ」

「は?」

「ペットの牛が逃げ出して、飼い主(ルシファーおじいちゃん)を探してパニックになっていただけさ。……悪い子じゃないんだ」

「いや、喋ってますけど!? 完全に知性のある魔族ですよね!?」

「最近の品種改良された牛は喋るんだよ」

「そんな馬鹿な!」

「それに、彼を殺したら、動物愛護団体が黙ってないよ? 君は『牛殺しの勇者』としてネットで炎上したいのかい?」

「……くっ」

レオナルドは「炎上」という現代の魔法(呪い)には弱い。 彼は聖剣を鞘に収めた。

「……分かりました。今回は見逃しましょう。……ですが!」

レオナルドは私を鋭く睨んだ。

「君の家(タワー)、どうなってるんですか? 魔王(と称する老人)に、この牛男……。魔族が集まりすぎではありませんか?」

「……我が家は『ダイバーシティ(多様性)』を重んじる方針でね」

私は苦しい言い訳をして、バッファローの背中を叩いた。

「さあ、行くよ新入社員! まずは壊した門柱の片付けだ!」

「……御意。プロテインのため……いや、主のため……」

こうして。 国会議事堂占拠事件は、死者ゼロ、負傷者ゼロ、損害賠償数億円(バッファローの給料から天引き)で幕を閉じた。

私の会社には、また一人、強力な(脳筋の)社員が増えた。 建設部門・重機担当、バッファロー。 彼がいれば、解体工事もビル建設もコストゼロだ。

だが。 タワーに帰ると、さらなる問題が待っていた。

「……おい、ヒナ」

ルシファーが、真剣な顔で私を呼んだ。

「なんだい、おじいちゃん。プリンなら冷蔵庫だよ」

「違う。……感じぬか?」

ルシファーが窓の外、西の空を指差した。

「……強烈な『聖気』が近づいておる」

「聖気?」

「勇者(レオナルド)のものではない。……もっと古臭く、独善的で、厄介な……『教会』の気配じゃ」

私の背筋が寒くなった。 勇者が来たなら、そのバックアップ組織が来るのも道理。 異世界の宗教組織『聖光教会』。 魔族を絶対悪とし、彼らと関わる人間をも「異端」として火炙りにする、狂信者集団。

「……まさか、宣教師でも来たのかい?」

「いや。……あれは『聖女』の波長じゃ」

「……は?」

私は固まった。 聖女? 今の代の聖女ってことか? それとも……?

翌日。 私のクラスに、またしても転校生がやってきた。

「……初めまして。アリス・サンクチュアリと申します」

栗色の髪に、慈愛に満ちた碧眼。 清楚な修道服のような制服を着こなす美少女。 その全身から溢れ出るのは、隠しきれない「聖属性」の魔力。

そして、彼女は教壇でニッコリと微笑み、私を見た。

「……やっと見つけましたわ。『先代聖女』様?」

「……ッ!?」

レオナルドには「正体」はバレていない。 だが、同業者(聖女)の目は誤魔化せない。

最強の支援職(私)vs 現役最強の聖女。 まさかの「新旧聖女対決」、勃発!?

次回、「聖女アリスの『異端審問』! 学園祭は断罪のステージ!?」 お楽しみに!
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