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10章

仲間入り

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先月の生誕イベントから…約3日。

今日は…BSSアンダーグループの結成日だ。
今日の13時より、最終選考通過者が発表される。
香菜がチーム代表としてアンダー発表に携わることになっている。
しかし、BSSの他のメンバーも顔合わせがあるため、全員が控え室に集まっている。

一哉『香菜…ちょっと聞いていいか?』
香菜『うん?どしたの?』
一哉『アンダーのグループ名ってBSSなの?』
香菜『いや?違うよ?』
一哉『じゃあ…名前なんなの?』
香菜『それは…発表の時に言うから、よく聞いててよ笑』
一哉『そ、そうなの?…わかった』
香菜『でも…ちょっと私たちも気を抜けないよ』
玲香『どういうこと?』
香菜『アンダーが決まったら…BSSのメンバーも変えられることがあり得るみたいなんだ』
瑠菜『は!?私達はBSS正規メンバーでしょ!?』
香菜『だから…今まではそうだよ?だけも…BSSのアンダーができた以上…アンダーにもBSSという活動をさせなきゃいけないの』
一哉『それはわかるけど…BSSはこの6人だろ…?』
香菜『例えば…私が問題起こしたり、私よりダンスや歌、努力がすごかったメンバーがいたら…私はアンダーグループに落とされる』
一哉『落とされたメンバーはもう戻れないの?』
香菜『いや…このシステムは1年間続けるらしいんだけと…1年…つまり来年の今日までなら、いくらでも戻るチャンスがある』
七瀬『…来年の今日を過ぎてたら?』
香菜『もう戻れない。来年…仮に入れ替わったままだった場合
その日にBSSメンバーになってた者が正規メンバーに決まる』
一哉『少しでも気を抜けば…永遠にアンダーとして活動していかなければいけないこともある…ってことか』
香菜『そう…メンバーの2.3人には話したけど…今回の予選を突破して最終選考に残ってる12人は…かなりの凄腕だらけだから…気は抜けない』
一哉『(もし…6thのときにメンバーが変わってたら…アンダーメンバーが俺らと6thを歌うことになるのか…)』
香菜『今回は…リーダーも変えられる可能性があるから』
一哉『なっ!?』
香菜『まあ…リーダーにアンダーがなることはないけど…万が一一哉が落とされたら…玲香とか七瀬に変わったりすることもある』
一哉『なんだそれ…(俺も人の心配する暇がないってことか…)』
香菜『…そろそろ私は発表にいかなきゃいけないから…じゃあね』
5人『…おう』

いきなり…とてつもないことを言われてしまった俺たち…。

俺達は楽屋のモニターでアンダーメンバー発表を見守った。




ー会場ー

相楽『お集まり頂いた皆様…大変長らくお待たせ致しました。
これより、Blue-Sky-Starアンダーグループ発表を行いたいと思います…まずは最終選考に残った12名に入場していただきます。
では…どうぞ』

12人の入場。

相楽『では…これより発表を行います。発表をしてもらうのは…
BSS正規メンバーの水野香菜です』
香菜『よろしくお願いいたします…では1人目から発表していきますので呼ばれた方は、1歩前へ出てきてください』
12人『…はい』
香菜『今回のアンダーグループメンバー最終選考…合格者数は…6名です』

香菜『では、1人目の名前を呼ばさせてもらいます』
『1人目…エントリーNo.48番 清水友香』
友香『は、はい!』

香菜『2人目…エントリーNo.64番 七瀬茉緒』
茉緖『はい』

香菜『3人目…エントリーNo.89番 植田七海』
七海『はい…』

香菜『4人目…エントリーNo.18番 鈴木美月』
美月『はい!』

香菜『5人目…エントリーNo.34番 堀静香』
静香『…はい』

香菜『6人目は今回のメンバー発表には都合が合わず参加できないメンバーになります』
  『6人目…エントリーNo.100番 齋藤紗奈』

私がそう言った瞬間…会場がざわついた。

相楽『今回、6人目として迎える齋藤紗奈は…現在の事務所より
我が事務所に転籍して、活動をしていくこととなっております。
しかし、契約期間が来月10日までなので…齋藤紗奈に関しては
11日よりメンバー加入となります』



ー楽屋ー

明日香『齋藤紗奈って…たしか…』
瑠菜『一哉のスキャンダルの相手…』
一哉『その言い方より…31日のライブの人の方がわかりやすいだろ…』
七瀬『いや…そこはどうでもいいの。問題は…』
玲香『一哉と問題疑惑を起こした齋藤紗奈さんが…普通に
BSSのメンバーに加入していいのか…っていうこと』
七瀬『だよね』
一哉『だからか…』
明日香『え?』
一哉『チームの入れ替えを行う理由…俺らを試す意味でもあるんだな。俺は今の6人じゃないとBSSではないと思っている。
そこに一時は無実だと伝えた齋藤紗奈が入ってくる。…本当に無実なら…なにもないはず。疑惑が本当だったら…齋藤紗奈が正規メンバーになるように仕向けたりする…そういうのもあるんだろ』
玲香『で、でも…それが証明になるなんて…わからないし…』
一哉『俺の責任感が試されるね。大丈夫…はっきり言って
この6人以外…俺はBSSじゃないと思うし…アンダーの世話はするけど席を譲る気はないから』
瑠菜『…』
玲香『絶対6人で来年まで残るよ』
明日香『…』
一哉『明日香は俺とか玲香がなんとしてもBSSに残らせるから…
でも自分の力でも頑張るんだよ?』
明日香『はい!』
瑠菜『よし…がんばろう』
一哉『おう…あ!グループ名発表されるぞ』


ー会場ー

香菜『そして…今回決まった6人はBSSアンダーメンバーとして頑張ってもらいますが…場合によっては正規メンバー昇格もありえます。アンダーにいる間は…このチーム名で活動してもらいます』

香菜『Black Angel Star…直訳で黒い天使の星という意味です』
相楽『普通の天使のように人を明るくするだけじゃ…だめなんです。先程もあったように先輩メンバーだろうが正規だろうが…
そんなのきにせず、自分が上にいくという腹黒さをもってもらいたい。もちろん、angelなので明るく元気には絶対条件ですがね。
Starはそのまま…アンダーグループということでBSSからとって
つけました』



ー楽屋ー

一哉『かなり…凄いこといってるな…』
瑠菜『BAS…Black Angelが本来の名前なんだね』
明日香『頑張らないと…』
玲香『黒い天使か…』
七癖『私達は負けないけどね!』
一哉『おう!…香菜いないけど…円陣やっとくか!』
4人『うん!』
一哉『来年も…このメンバー(香菜も)で行くぞ!!
アンダーなんかに負けるな!一心不乱!!』
4人『一心不乱!!!』



俺たちは…気を引き締めて、頑張ることを心で誓った。
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