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第2章 これは生き残りのゲーム(2日目)
2ー8 恋人たち2
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サントーシュの話を聞きたい、と広間に残った。だが先にヤトヴィックにも声をかけていてコマラにとっては彼のそばにいる口実という方が大きかった。
シャキーラを誘い、他にナイナとカマリ、バドリが広間のテーブル回りに座る。すぐそばの絨毯上ではスティーブンたち三人組がダンボールを見ながら何か相談していて、時折こちらに耳を傾け口を挟んだりしてきた。
結局サントーシュは昨夜の肝心なところをほとんど見ていない。
確かなのはルクミニー先生が殺されて刃物が刺さっていた状態だったこと。
帰りがけにシャンティとすれ違ったこと。この二つは大きい。
ラーム、キラン、タヒラ、サニタはその時点でまだ外にいた。
後はこの棟も二階建てで、外は高い柵で囲われ、庭は夜でも外灯で照らされていることくらいだろうか。
シュルティの方が直接ことを見ているのだろうが、まだまともに話せる状態ではない。アディティやニルマラが断片的に聞き取った話が回っているくらいでー
何の騒ぎかとコマラは思った。
女子棟に引き上げてみれば、サントーシュに話を聞くしかなかった原因のシュルティ含め女子がロビーと廊下で踊り狂っている。
「何て余裕。恐くないの?」
冷たく言ったナイナの腕をアディティがぐいと自分の腕で押した。
「踊ってないとやってられないほど恐いの。わからない? シュルティが元気になってきたから変に刺激しないでくれないかな」
低く伝えてくる。
確かにシュルティのまなざしは普通で、他の女子と笑顔を合わせ視線を交わしながら踊る様子は普段とそう変わらない。これなら後で本人から話を聞けるかもしれない。
「行こ」
ナイナが誘う後に着いて部屋に向かった。
帰りがけヤトヴィックがささやいた、
『気をつけてな。なるだけひとりになるなよ』
との言葉を反芻しながら。
ーーーーー
スティーブンたちがシャンティの死因はどうのと議論し始めたのにひやひやした。
女子の前で血生臭いことを話すのはどうかと思う。
カマリやアディティあたりなら平気かもしれない。だがコマラは気持ちの優しい子だ。
つまり、ヤトヴィックは彼女が心配なのだ。
頭も見た目も良い訳ではない自分が、高校で女の子と付き合うことになるなど思ってもみなかった。
会うたびにコマラが可愛くてたまらない。大切にしたい気持ち、母や姉妹へとはまた別の守りたい思いが滲み出るように湧いてくる。昨日からこの酷い場所に閉じ込められ思いはますます募った。
出来るならコマラにずっと着いて歩いて守りたい。
何が起こるかわからない夜は、部屋替えが出来るなら自分の部屋に呼び寄せておきたい。
変な意味ではない。コマラには安心してベッドで寝てもらい、自分はその前で寝ずの番をする。
ルールとやらでそれが許されないならばー
今の自分に出来るコマラを守る方法は?
バドリと共に部屋へ向かいながらヤトヴィックは考え始めた。
シャキーラを誘い、他にナイナとカマリ、バドリが広間のテーブル回りに座る。すぐそばの絨毯上ではスティーブンたち三人組がダンボールを見ながら何か相談していて、時折こちらに耳を傾け口を挟んだりしてきた。
結局サントーシュは昨夜の肝心なところをほとんど見ていない。
確かなのはルクミニー先生が殺されて刃物が刺さっていた状態だったこと。
帰りがけにシャンティとすれ違ったこと。この二つは大きい。
ラーム、キラン、タヒラ、サニタはその時点でまだ外にいた。
後はこの棟も二階建てで、外は高い柵で囲われ、庭は夜でも外灯で照らされていることくらいだろうか。
シュルティの方が直接ことを見ているのだろうが、まだまともに話せる状態ではない。アディティやニルマラが断片的に聞き取った話が回っているくらいでー
何の騒ぎかとコマラは思った。
女子棟に引き上げてみれば、サントーシュに話を聞くしかなかった原因のシュルティ含め女子がロビーと廊下で踊り狂っている。
「何て余裕。恐くないの?」
冷たく言ったナイナの腕をアディティがぐいと自分の腕で押した。
「踊ってないとやってられないほど恐いの。わからない? シュルティが元気になってきたから変に刺激しないでくれないかな」
低く伝えてくる。
確かにシュルティのまなざしは普通で、他の女子と笑顔を合わせ視線を交わしながら踊る様子は普段とそう変わらない。これなら後で本人から話を聞けるかもしれない。
「行こ」
ナイナが誘う後に着いて部屋に向かった。
帰りがけヤトヴィックがささやいた、
『気をつけてな。なるだけひとりになるなよ』
との言葉を反芻しながら。
ーーーーー
スティーブンたちがシャンティの死因はどうのと議論し始めたのにひやひやした。
女子の前で血生臭いことを話すのはどうかと思う。
カマリやアディティあたりなら平気かもしれない。だがコマラは気持ちの優しい子だ。
つまり、ヤトヴィックは彼女が心配なのだ。
頭も見た目も良い訳ではない自分が、高校で女の子と付き合うことになるなど思ってもみなかった。
会うたびにコマラが可愛くてたまらない。大切にしたい気持ち、母や姉妹へとはまた別の守りたい思いが滲み出るように湧いてくる。昨日からこの酷い場所に閉じ込められ思いはますます募った。
出来るならコマラにずっと着いて歩いて守りたい。
何が起こるかわからない夜は、部屋替えが出来るなら自分の部屋に呼び寄せておきたい。
変な意味ではない。コマラには安心してベッドで寝てもらい、自分はその前で寝ずの番をする。
ルールとやらでそれが許されないならばー
今の自分に出来るコマラを守る方法は?
バドリと共に部屋へ向かいながらヤトヴィックは考え始めた。
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