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2 時空を超えてららたむを守る
2-6 結婚どうしよう?
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「ズワーと」
「と、年離れ過ぎてるだろっっ!!」
思わず叫んだ。
次の瞬間兄ふたりの怪訝な顔に焦る。
やらかした。前世の常識が出てしまった。
「勘違いしてないか? うちからすぐの、この間お前が水汲み代わってやった子だぞ」
「谷側のズワーだ」
バシルが加える。
「あ、うん」
(そ、そうだよね)
慌ててコクコク頷いた。
ズワーは弟と同い年の14歳。日本なら、というか世界で中学生の年代だ。
結婚なんてあり得ない!
おれはロリコンじゃない!
なので反射的に叫んでしまったが4歳差自体は別におかしくない。この辺りなら夫婦の年は離れていることが多く、
(かあさんととうさんも十以上違う)
「うちの村のズワーだよね。急で驚いたから」
「急だったか?」
冷や汗の自分にイサーンは不思議そうだ。どうしてだ?
「アブドゥラも知っている通りあの子の扱いは酷い」
女の子にだけ厳しい家はよくあるがあの家では両親ともズワーに冷たかった。
『うちの娘だったら色々な服着せて、一緒に料理してって思いっきり楽しむのにねえ』
男四人のみを授かった母はそう嘆いた。
息子には普通なのにズワーの扱いが悪い理由はわからない。かばうと当たりがきつくなるので見守るしかないー尋ねた自分にズワーの兄は伏目で答えたものだった。
「早く結婚させて救い出した方がいい。そう思ったんだが」
(それで?)
ー何でそんな当たり前の顔でおれを見る? イサーン兄さん。
「お前、ズワーが他の男の嫁さんになってもいいのか?」
(ハイ~~~っっっっ?)
そういうこと!?
「お前ならズワーを大事にするだろう」
バシルが低い声で駄目押しした。
そんな思われてたんだーがくりと脱力する。
自由恋愛なんてものは村には存在しない。
なら恋はタブーかといえばそうでもない。
好意がありそうなら責任を持てる人間ー兄や父親が話を持ちかけ、家と家で話を着けてお見合いから結婚へ進む。アブドゥラはズワーを多少なりとも好ましく思っていると兄たちは判断したのだ。
幼馴染の女の子が困っていたら助けるのは当たり前だろうに……?
『君がいなければ 冬だけが僕の友 凍った心そのまま保って』
失った恋を痛切に歌い上げるららたむの頬は外に降り続ける雪のように白かった。
彼女のために動き始めたばかりだ。他の女の子のことは考えられない。
推しへの気持ちは恋じゃない。何度だって繰り返す。けれども、
(ららたむより大事だと思えないんだ)
ズワーも、他に誰かお見合いに引っ張ってこられても。
だがー
この辺りですら14歳は結婚には早い。
(そういやこの国って法律上結婚幾つからなんだろ? 知らねえや)
兄たちもズワーの境遇に同情している。例の事件に巻き込まれ余計責められているのかもしれない。
児童相談所も若者支援のNGOの手もここにはない。
(21世紀の日本でも親が冷たくて悪口ばっかり、モラハラ野郎程度じゃ公的機関は介入できないかもな。でも学校の先生に相談するとかはできた)
いつもうつむきがちで、顔を上げれば肉食獣を警戒する小動物の目で見回して村を歩くズワー。
売り上げの上がらない新入社員だった頃の自分を見ているようで、胸が強く締め付けられた。
心は揺れる。
一日も早くあの環境から救い出せるなら。
前世の常識や推し活、ロリじゃないまともな男だなんて体裁を気にするより、今苦しい女の子に手を差し伸べることこそ神様が求めているのではないかー
(ららたむ。おれはどうすればいい?)
「と、年離れ過ぎてるだろっっ!!」
思わず叫んだ。
次の瞬間兄ふたりの怪訝な顔に焦る。
やらかした。前世の常識が出てしまった。
「勘違いしてないか? うちからすぐの、この間お前が水汲み代わってやった子だぞ」
「谷側のズワーだ」
バシルが加える。
「あ、うん」
(そ、そうだよね)
慌ててコクコク頷いた。
ズワーは弟と同い年の14歳。日本なら、というか世界で中学生の年代だ。
結婚なんてあり得ない!
おれはロリコンじゃない!
なので反射的に叫んでしまったが4歳差自体は別におかしくない。この辺りなら夫婦の年は離れていることが多く、
(かあさんととうさんも十以上違う)
「うちの村のズワーだよね。急で驚いたから」
「急だったか?」
冷や汗の自分にイサーンは不思議そうだ。どうしてだ?
「アブドゥラも知っている通りあの子の扱いは酷い」
女の子にだけ厳しい家はよくあるがあの家では両親ともズワーに冷たかった。
『うちの娘だったら色々な服着せて、一緒に料理してって思いっきり楽しむのにねえ』
男四人のみを授かった母はそう嘆いた。
息子には普通なのにズワーの扱いが悪い理由はわからない。かばうと当たりがきつくなるので見守るしかないー尋ねた自分にズワーの兄は伏目で答えたものだった。
「早く結婚させて救い出した方がいい。そう思ったんだが」
(それで?)
ー何でそんな当たり前の顔でおれを見る? イサーン兄さん。
「お前、ズワーが他の男の嫁さんになってもいいのか?」
(ハイ~~~っっっっ?)
そういうこと!?
「お前ならズワーを大事にするだろう」
バシルが低い声で駄目押しした。
そんな思われてたんだーがくりと脱力する。
自由恋愛なんてものは村には存在しない。
なら恋はタブーかといえばそうでもない。
好意がありそうなら責任を持てる人間ー兄や父親が話を持ちかけ、家と家で話を着けてお見合いから結婚へ進む。アブドゥラはズワーを多少なりとも好ましく思っていると兄たちは判断したのだ。
幼馴染の女の子が困っていたら助けるのは当たり前だろうに……?
『君がいなければ 冬だけが僕の友 凍った心そのまま保って』
失った恋を痛切に歌い上げるららたむの頬は外に降り続ける雪のように白かった。
彼女のために動き始めたばかりだ。他の女の子のことは考えられない。
推しへの気持ちは恋じゃない。何度だって繰り返す。けれども、
(ららたむより大事だと思えないんだ)
ズワーも、他に誰かお見合いに引っ張ってこられても。
だがー
この辺りですら14歳は結婚には早い。
(そういやこの国って法律上結婚幾つからなんだろ? 知らねえや)
兄たちもズワーの境遇に同情している。例の事件に巻き込まれ余計責められているのかもしれない。
児童相談所も若者支援のNGOの手もここにはない。
(21世紀の日本でも親が冷たくて悪口ばっかり、モラハラ野郎程度じゃ公的機関は介入できないかもな。でも学校の先生に相談するとかはできた)
いつもうつむきがちで、顔を上げれば肉食獣を警戒する小動物の目で見回して村を歩くズワー。
売り上げの上がらない新入社員だった頃の自分を見ているようで、胸が強く締め付けられた。
心は揺れる。
一日も早くあの環境から救い出せるなら。
前世の常識や推し活、ロリじゃないまともな男だなんて体裁を気にするより、今苦しい女の子に手を差し伸べることこそ神様が求めているのではないかー
(ららたむ。おれはどうすればいい?)
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