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『凶なこと』
理由 Ⅰ
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「…この世界? 新しい…俺…?」
理解ができない、今から何をされるというのか、そして今何が起きているのか。
「まぁー、いきなり言われてもって感じだろうと思うので、一から説明してあげますね! やさしーでしょ、あたし!! えっへん!」
そう威張った後、エイレネは話し出した。
「じゃあ、説明をわかりやすくするのに、何個か質問だったりクイズだったりを出しまーす!」
「まず1問目です! あなたは、" 質量保存の法則 "って知ってますかー?」
質量保存の法則?
たしか、" 化学反応の前後でそれに関与する元素の種類と質量の総和が変化しない "という、主に自然科学で用いられる法則、だったと思う。
あるいは物質はなんの理由も無しに増えたり消えたりしない、という解釈でも良いのかもしれない。
「……知ってる」
「お、さすが! 知ってるねー!」
「じゃー、2問目! 次は難しいぞー?」
「えー、この国で! ……あれ、なんだっけ、この国の名前?」
数秒の時間が流れる。小さい声でぶつぶつ独り言を溢している。
「んーーー、あっ、日本だ! …ふぅ。」
「じゃあ改めて2問目! “ 日本の年間行方不明者数 "は何人でしょーか?」
「行方不明者数…?」
これは、…皆目見当もつかない。 年間、だと…4,000人くらいだろうか? まさかとは思うが、間違えてもペナルティはないだろうな…?
こう思いながらも恐る恐る答える。
「よ、4,000人くらい…?」
「4,000人? ……ぶっぶー、はずれ!!」
「正解は、だいたい80,000人! でした~!」
「不正解だった人にはー、、」
思わず息を呑む。
「……考えてなかった、えへ」
杞憂だった。
「まぁ、80,000人といいつつも、大体が見つかってて、実質でいうと8,000人くらいなんだけどね!!」
へー、そうなのか。 …いや、何を感心してるんだ俺は。
「じゃー、3問目! この8,000人のうち、神隠しにあった人は何人でしょう?」
「神隠し…? …人が何の前触れもなく突如消えるっていうあれ?」
「うん、そう! それそれ!!」
間違えたところで何もないらしいので、適当に答える。
「それは、えっと、超常現象ってのもあるし…1人とか、かな。」
エイレネの顔色を伺う。
すると少し嬉しいような、驚いたような表情をしていた。
「えっ、当たり!! すごいね!! 年によって2人とか3人の時もあるんだけど、ほとんどの場合1人なの!」
どうやら当たったらしい。
「よーし、次で最後!! じゃあ、この国が誕生してから、えっと、2,700年前くらいからかな? の間で、この国で神隠しにあった人は、通算何人でしょーか?」
「今度は通算…? 年間1人で、たまに2~3人になるとすると、2,800人とか、かな。」
「あ!! いい線いってるんだけど、おしい!! はずれー!」
「正解は、2,950人でした!」
「……2,950人?」
そうなのか、とは思ったものの、それと同時に不思議にも思った。
なぜこの問題だけ" 大体 "、とか" ほとんど "、ではなく正確な値なのだろう。
「よーし、ここまで話したら説明が楽になるはず!!」
「じゃあ始めるね!」
今の質問には繋がりがないように思えたが…、やっと説明が始まるらしい。
「さっきも話したけれど、神隠しってあるでしょ? あれをされてしまった人達はね、身体を神の生命エネルギーに変換されているのよ」
「まぁ、神隠しの対象は神がランダムに決めるから選ばれた人は残念、としか言えないんだけどね」
「もともと人間は神が創り出したものだし、前に放出したエネルギーを戻しているって感じだから、創造主としての権利なのかなー」
「で、生命エネルギーに戻る人間がどうなるかを簡単に言うと、まず周りの生物から認識されなくなって、その後対象が息絶える。」
「あ、息絶えるって言っても安楽死のようなものだから、本人が苦しむってことはないよ! で、徐々にこの地球上から消えて、神の下に還るって感じなの!」
「ここまでおっけー?」
説明がぶっ飛び過ぎて半信半疑な思いもあるものの、エイレネの目を見つめ、ゆっくり頷く。
「それでねー、1個問題が出てくるのよー」
「それは人間の魂 」
空気が張り詰めたような気がした。
「人間の魂にはね、重さがあるの」
「1人あたり" 21g "」
「そしてこの魂はね、人が死ぬと消失しちゃうのよ」
「つまり神の下に戻るエネルギーはね、創った時に与えたエネルギーよりも少ないの」
「これがさー、" 質量保存の法則 "に矛盾してるのよ」
「『いや、その現象は自然科学じゃないじゃん!』とか言うかもしれないけどさー」
「私は、いえ、私達は、この世界に調和が取れてて欲しいのよ」
「だからね、今までの損失エネルギーの帳尻を合わせなくちゃならない」
「つまり、21g ×2,950人 = 61,950g! そんで、61,950g = 61.95kg分の損失をね」
「ね、若干わかってきたー?」
俺は気付く、" 61.95kg "は、俺の体重である。
理解ができない、今から何をされるというのか、そして今何が起きているのか。
「まぁー、いきなり言われてもって感じだろうと思うので、一から説明してあげますね! やさしーでしょ、あたし!! えっへん!」
そう威張った後、エイレネは話し出した。
「じゃあ、説明をわかりやすくするのに、何個か質問だったりクイズだったりを出しまーす!」
「まず1問目です! あなたは、" 質量保存の法則 "って知ってますかー?」
質量保存の法則?
たしか、" 化学反応の前後でそれに関与する元素の種類と質量の総和が変化しない "という、主に自然科学で用いられる法則、だったと思う。
あるいは物質はなんの理由も無しに増えたり消えたりしない、という解釈でも良いのかもしれない。
「……知ってる」
「お、さすが! 知ってるねー!」
「じゃー、2問目! 次は難しいぞー?」
「えー、この国で! ……あれ、なんだっけ、この国の名前?」
数秒の時間が流れる。小さい声でぶつぶつ独り言を溢している。
「んーーー、あっ、日本だ! …ふぅ。」
「じゃあ改めて2問目! “ 日本の年間行方不明者数 "は何人でしょーか?」
「行方不明者数…?」
これは、…皆目見当もつかない。 年間、だと…4,000人くらいだろうか? まさかとは思うが、間違えてもペナルティはないだろうな…?
こう思いながらも恐る恐る答える。
「よ、4,000人くらい…?」
「4,000人? ……ぶっぶー、はずれ!!」
「正解は、だいたい80,000人! でした~!」
「不正解だった人にはー、、」
思わず息を呑む。
「……考えてなかった、えへ」
杞憂だった。
「まぁ、80,000人といいつつも、大体が見つかってて、実質でいうと8,000人くらいなんだけどね!!」
へー、そうなのか。 …いや、何を感心してるんだ俺は。
「じゃー、3問目! この8,000人のうち、神隠しにあった人は何人でしょう?」
「神隠し…? …人が何の前触れもなく突如消えるっていうあれ?」
「うん、そう! それそれ!!」
間違えたところで何もないらしいので、適当に答える。
「それは、えっと、超常現象ってのもあるし…1人とか、かな。」
エイレネの顔色を伺う。
すると少し嬉しいような、驚いたような表情をしていた。
「えっ、当たり!! すごいね!! 年によって2人とか3人の時もあるんだけど、ほとんどの場合1人なの!」
どうやら当たったらしい。
「よーし、次で最後!! じゃあ、この国が誕生してから、えっと、2,700年前くらいからかな? の間で、この国で神隠しにあった人は、通算何人でしょーか?」
「今度は通算…? 年間1人で、たまに2~3人になるとすると、2,800人とか、かな。」
「あ!! いい線いってるんだけど、おしい!! はずれー!」
「正解は、2,950人でした!」
「……2,950人?」
そうなのか、とは思ったものの、それと同時に不思議にも思った。
なぜこの問題だけ" 大体 "、とか" ほとんど "、ではなく正確な値なのだろう。
「よーし、ここまで話したら説明が楽になるはず!!」
「じゃあ始めるね!」
今の質問には繋がりがないように思えたが…、やっと説明が始まるらしい。
「さっきも話したけれど、神隠しってあるでしょ? あれをされてしまった人達はね、身体を神の生命エネルギーに変換されているのよ」
「まぁ、神隠しの対象は神がランダムに決めるから選ばれた人は残念、としか言えないんだけどね」
「もともと人間は神が創り出したものだし、前に放出したエネルギーを戻しているって感じだから、創造主としての権利なのかなー」
「で、生命エネルギーに戻る人間がどうなるかを簡単に言うと、まず周りの生物から認識されなくなって、その後対象が息絶える。」
「あ、息絶えるって言っても安楽死のようなものだから、本人が苦しむってことはないよ! で、徐々にこの地球上から消えて、神の下に還るって感じなの!」
「ここまでおっけー?」
説明がぶっ飛び過ぎて半信半疑な思いもあるものの、エイレネの目を見つめ、ゆっくり頷く。
「それでねー、1個問題が出てくるのよー」
「それは人間の魂 」
空気が張り詰めたような気がした。
「人間の魂にはね、重さがあるの」
「1人あたり" 21g "」
「そしてこの魂はね、人が死ぬと消失しちゃうのよ」
「つまり神の下に戻るエネルギーはね、創った時に与えたエネルギーよりも少ないの」
「これがさー、" 質量保存の法則 "に矛盾してるのよ」
「『いや、その現象は自然科学じゃないじゃん!』とか言うかもしれないけどさー」
「私は、いえ、私達は、この世界に調和が取れてて欲しいのよ」
「だからね、今までの損失エネルギーの帳尻を合わせなくちゃならない」
「つまり、21g ×2,950人 = 61,950g! そんで、61,950g = 61.95kg分の損失をね」
「ね、若干わかってきたー?」
俺は気付く、" 61.95kg "は、俺の体重である。
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