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第十四章:彼らにとっては最後の青い春
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「花火大会」……とは、毎年そう呼ばれているからそう呼んでいるのであって、そこまで花火大会らしくはない。毎年、生徒会がそれぞれ演出を考えて、パフォーマンスをするのである。今年のパフォーマンスは、簡単な演劇。外野ステージで『ロミオとジュリエット』を演じ、そのバックで花火をあげる。その生徒会のパフォーマンスを想い人とみることができれば両想いになれるという噂が何故か回っているため、ステージをみる生徒たちは男女のペアばかりだ。
「神藤ー超似合ってるよー!」
衣装を着た沙良がうずくまっている。周りを囲む生徒会のメンバーが吹き出すのをこらえていた。
「……どう考えてもジュリエットは可織先輩がやるべきですって……」
「そう? 波折は学園の王子様だし演技でも女の子と結ばれるところみんなみたくないんじゃないかなーって思ったんだけど。っていうか単純に女装が面白いから、こっちのほうがいいよ!」
「……なんで俺がジュリエットなんですか!」
「汚れ役は一年生がやってね!」
「パワハラだ!」
そう……その配役に沙良は納得がいっていなかった。ロミオが波折、そしてジュリエットが沙良。生徒会のメンバーに女子がいるのに女装をさせられて自分がヒロイン役なんて……そもそもなんでラブストーリーを選んだんだ……と色々言いたいことはあるが、ここまできてしまった。露出の少ないドレスではあるが、着てみるとやはり恥ずかしくて、どうしても文句を言ってしまう。
「まあ恥ずかしいのはわかるけど、本番でセリフ忘れたりはしないでね」
「それは……大丈夫ですよ!」
かっこいい衣装を着た波折は、沙良に他人事のように言う。さすがに沙良もそこまで抜けてはいない。今回はあの有名な一場面のみを演じるのであって、メインはバックの花火だ。短いワンシーンのセリフが飛ぶほど沙良は焦ってはいない。
沙良は恨めしそうに波折を見上げ、その飄々とした顔を拝む。クッソほんとみんなの前では王子様ヅラしやがって、と心の中で毒付いて、唇を尖らせた。本当は淫乱ビッチのかわいこちゃんのくせにィィィィ!と叫びたい。とにかく、自分が女装をさせられているのが気に食わなかった。
「まあまあ、とにかく頑張ってくれよ、ジュリエット」
「くっ」
鑓水は完全に茶化している。俺がジュリエットじゃなくてよかった、とでも言いたげに、沙良の脇にしゃがみこんで肩を組んできた。鑓水はそのままふくれている沙良の耳元に唇を寄せて、囁く。
「もうこの際セックスも逆でやれば? おまえジュリエットなんだからセックスも女役やれよ」
「う! る! さ! い!」
べし、と鑓水の腕を払って沙良が叫ぶ。好きな人とのセックスだったらまあ女役をやってもいいとは思わなくもないが、波折が相手となると……イマイチそれは想像できない。鑓水はただバカにしたいのだと感じ取った沙良はきーっと怒って鑓水から離れていく。
そうこうしているうちに、時間が迫ってきていた。波折が近づいてきて、軽くセリフの練習をしようと声をかけてくる。沙良も心を落ち着けてそれに応じた。
「ロミオ、ロミオ、どうして貴方はロミオなの?――」
「神藤ー超似合ってるよー!」
衣装を着た沙良がうずくまっている。周りを囲む生徒会のメンバーが吹き出すのをこらえていた。
「……どう考えてもジュリエットは可織先輩がやるべきですって……」
「そう? 波折は学園の王子様だし演技でも女の子と結ばれるところみんなみたくないんじゃないかなーって思ったんだけど。っていうか単純に女装が面白いから、こっちのほうがいいよ!」
「……なんで俺がジュリエットなんですか!」
「汚れ役は一年生がやってね!」
「パワハラだ!」
そう……その配役に沙良は納得がいっていなかった。ロミオが波折、そしてジュリエットが沙良。生徒会のメンバーに女子がいるのに女装をさせられて自分がヒロイン役なんて……そもそもなんでラブストーリーを選んだんだ……と色々言いたいことはあるが、ここまできてしまった。露出の少ないドレスではあるが、着てみるとやはり恥ずかしくて、どうしても文句を言ってしまう。
「まあ恥ずかしいのはわかるけど、本番でセリフ忘れたりはしないでね」
「それは……大丈夫ですよ!」
かっこいい衣装を着た波折は、沙良に他人事のように言う。さすがに沙良もそこまで抜けてはいない。今回はあの有名な一場面のみを演じるのであって、メインはバックの花火だ。短いワンシーンのセリフが飛ぶほど沙良は焦ってはいない。
沙良は恨めしそうに波折を見上げ、その飄々とした顔を拝む。クッソほんとみんなの前では王子様ヅラしやがって、と心の中で毒付いて、唇を尖らせた。本当は淫乱ビッチのかわいこちゃんのくせにィィィィ!と叫びたい。とにかく、自分が女装をさせられているのが気に食わなかった。
「まあまあ、とにかく頑張ってくれよ、ジュリエット」
「くっ」
鑓水は完全に茶化している。俺がジュリエットじゃなくてよかった、とでも言いたげに、沙良の脇にしゃがみこんで肩を組んできた。鑓水はそのままふくれている沙良の耳元に唇を寄せて、囁く。
「もうこの際セックスも逆でやれば? おまえジュリエットなんだからセックスも女役やれよ」
「う! る! さ! い!」
べし、と鑓水の腕を払って沙良が叫ぶ。好きな人とのセックスだったらまあ女役をやってもいいとは思わなくもないが、波折が相手となると……イマイチそれは想像できない。鑓水はただバカにしたいのだと感じ取った沙良はきーっと怒って鑓水から離れていく。
そうこうしているうちに、時間が迫ってきていた。波折が近づいてきて、軽くセリフの練習をしようと声をかけてくる。沙良も心を落ち着けてそれに応じた。
「ロミオ、ロミオ、どうして貴方はロミオなの?――」
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