251 / 357
第十四章:彼らにとっては最後の青い春
12
学園祭がはじまると、次々と教室に人が入りだした。JSの生徒はもちろん、外部からきたお客さんまで。迷路の裏に隠れている沙良と隣で違う仕掛けをする茉由が、通りすがる人々をみては小声で会話をする。
「さすがJS……色んな人がくるねー」
「あっ桜華(近所の女子校)の生徒だ」
「あー桜華の制服可愛い……」
違う高校の生徒がくると、なぜだか気分が高揚するもの。自分たちとは違う制服を纏う生徒がくるたびに、二人は色めき立っていた。
開始から1時間ほど経ったころ。そろそろ同じ作業をしているのも飽きたな、と沙良が思っているところで、裏方たちがざわめきだす。どうしたんだろうと思っていれば、茉由がぱっと飛びついてきて沙良に伝えてきた。
「可織様だって!」
「……可織先輩か」
――生徒会会計・牧石可織。校内一の美人で、そして成績優秀。男子生徒からは高嶺の花として崇められ、女子生徒からも羨望の眼差しを独り占めする、まるで漫画の世界の登場人物のような彼女。彼女の父は有名企業の社長で、振る舞いもお嬢様のよう。沙良のクラスメートにも彼女のファンは多く、彼女の登場にみんな動揺していたらしい。
可織は友人と思われる数人の女子生徒と来ていた。ただ、最後尾で縮こまっていてよく顔は見えない。いつもの堂々とした態度はそこにあまりなく……
「きゃあああ!!」
……どうやら、ものすごく怖がりのようだ。こんにゃく担当の男子生徒がなにやらいつもよりも多めと言わんばかりにこんにゃくでぺちぺちと可織を叩いている。顔がにやけていて、セクハラにしか見えないが……たしかに可愛い、と沙良はその男子生徒に心のなかで親指をたてていた。いつもはみれない彼女の姿に、学園祭っていいな、と改めて沙良は思っていた。
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー