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第二章:チョコレートの甘い甘い罠
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しおりを挟む「はあ……はあッ……」
がむしゃらに、走る。生徒会室を飛び出して、校舎から出て……それからも沙良はずっと走っていた。
なんてことをしてしまったんだろう。頭のなかはその想いだけでいっぱいだった。
自分がしたことは、レイプなのだろうか。でも、はじまりはあっちが人の身体を使って自慰なんてしているからで。いやそもそも、あの態度の変わり様は一体なんだ。チョコレートを食べた瞬間から急に発情しだした、なんてそんな馬鹿みたいな話が。
『しんどうくん……』
甘い声で自分の名を呼ぶ波折の表情が、脳裏に浮かぶ。あれは夢とか、そんなものじゃないのか。あの波折があんなに淫靡な姿をするのか。
明日から、どんな顔をして彼に会えばいいのだろう……。
自分が悪いことをしたのかどうかもよくわからない状況。沙良はとにかく明日からのことが不安で、何も考えたくなくて、ひたすらに家までの道を走ることしかできなかった。
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