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第七章:そのイジワルが嬉しくて
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鑓水はトイレに入ると、人がいないことを確認して波折を個室に連れ込んだ。そして、中で壁に寄りかかり、少しだけ距離をとる。
「流石、モテモテじゃん? 生徒会長」
「……慧太」
「すっげーね。改めてみると、ほんとおまえってすげぇモテるんだなぁ。みーんなおまえにギラギラした羨望の眼差し送っちゃってさ。は、でもさ……おまえ、そうしてみんなに見つめられて……今日1日何考えてたの?」
「……!」
ふん、と鑓水が鼻をならす。波折がほんのりと頬を染めたことを確認すると、くつくつと笑い出した。そして、「ほら」と優しく低い声で囁き、腕を広げる。それを見た波折は……あ、と小さな声を漏らして……飛び込むようにして鑓水に抱きついた。
「慧太様にめちゃくちゃにされること……考えていました……」
「あっは、予想通り。おまえ根っからのド淫乱だな! チョコレートとか食べなくてもやーらしいことしか考えてないんだろ? 昨日の性奴隷にされた瞬間の嬉しそうな顔ったらさぁ!」
自分の胸にすり、と頬を擦り付ける波折を、侮蔑するように鑓水は見下ろした。
波折にとってチョコレートは起爆剤のようなもの……鑓水はそう予想していた。波折は普段から淫乱で、頭も身体もそういうことでいっぱい。しかし、理性によってそれを押さえつけている。チョコレートは波折の身体を更に敏感にさせると同時に、その理性を取っ払う役割を果たしているのだ。
だから、チョコレートを食べれば淫乱になるというわけではなく……波折は元から、そういったことが大好き。そんな鑓水の予想は正解だったようだ。人に触られることが大好きな波折は、こうして自分の胸に縋り付いて、嬉しそうに頬を染めている。
「めちゃくちゃって、ね、例えばどんなことされるの妄想してたの?」
「慧太様に……酷いことたくさん言われながら、みんなの前で犯されたり……」
「おっ、いいね。この変態」
鑓水は波折をぎゅっと抱きすくめ、耳元で囁いてやる。それだけで波折はビクンビクンと身体を震わせて、ため息のような熱い吐息を零す。
「慧太様……」
「……ふん、」
うっとりとした声で自分の名を呼ぶ波折に、鑓水はもう笑いが止まらなかった。そして、同時に思う。沙良がなんて不憫なんだろうと。純粋に波折を好きになってしまったばかりに振り向いてもらえない。こうしてドロドロで醜悪な想いを抱えている自分に、波折は酔いしれている。
(いいんだよ神藤クン……こいつに愛情なんて注いでやる必要ねぇ、無理矢理ブチ犯してやったほうがかえってこのド淫乱は悦ぶんだよ)
「……!」
扉の外から、話し声が聞こえた。数人の男子生徒がトイレに入って来たらしい。鑓水はぐっと波折を抱きしめながら、外の話し声に耳をすませる。
「ぶっちゃけ俺、思うんだよねー」
「なにー?」
「俺、冬廣にだったら抱かれてもいいわー!」
内容を聞いて、鑓水は吹き出しそうになってしまった。タイミングが良すぎる、と。この状況で波折の話題をだすなんて、なんていい仕事をしてくれるのだろうと、鑓水は内心大笑いだ。
当の波折は、そんな話には興味ないと言った風に、鑓水の胸に顔をうずめて目を閉じている。鑓水はするりと波折の髪を撫でてやると、耳に唇をそっとよせて、外には聞こえないような声で囁く。
「おまえの話してるぜ、波折」
「ん……」
「抱かれてもいいってさ。おまえ、タチはいけるの?」
「わからない……」
「まあ、抱く側より抱かれる側のほうがいいんだよな、おまえは。めちゃくちゃに虐められるの大好きな、淫乱会長?」
鑓水が波折のシャツの中に手をいれて、すうっと背中を撫で上げる。ぴくんっ、と波折は震えて、「あっ……」と小さな声をあげた。ぎゅっと鑓水のカーディガンを握りしめ、唇をその肩口に押し当てて、震えながら必死に声をこらえている。
「んっ……んっ……」
「もっと鳴いてもいいんだぜ? まあ、あいつらに聞かれるけど」
「やっ……けいたさま……」
くたりと鑓水に身を預けながら、波折ははくはくと息をする。うっすらと開かれた瞳はにはゆらゆらとたまった涙が光っていて、まばたいた瞬間にぽろりとこぼれ落ちてしまいそうだ。ふーふーと荒く息を吐いて、いやらしい声が零れそうに鳴るのを堪え、波折の全身の肌は真っ赤に染め上がる。
しばらく、ゆるゆると背中を撫でまわし、耳元にキスをして静かに波折を責め立てていた鑓水だったが、外の男子生徒たちがトイレを出て行ったのを確認すると、動きを止める。
「いい子だ、波折。よく我慢出来たな」
「慧太様……」
鑓水が波折の顎をもちあげて、唇を覆うようなキスをする。そうすれば波折は、涙を零し顔を蕩けさせて、腰をガクガクさせて、ひと目でわかるほどに悦んだ。
「は……」
唇を離すと、銀の糸がひく。もっとください……そう請うように、波折は潤んだ瞳で鑓水を見上げる。しかし鑓水は、とん、と軽く波折の胸を押して波折を突き飛ばした。そして、わざとらしく腕時計を眺め、にやにやとしながら言う。
「あー、そろそろ生徒会室いかねーと」
「あ……」
波折も自分の時計を確認して、残念そうに声をあげた。そんな波折をみつめる鑓水の瞳は愉悦にまみれている。
「あー……そうだ、波折。ちょっと、ゲームでもしようか」
「……ゲーム?」
きょとんとした波折の瞳に映ったのは――鑓水のポケットから取り出された、バイブレーターだった。
「流石、モテモテじゃん? 生徒会長」
「……慧太」
「すっげーね。改めてみると、ほんとおまえってすげぇモテるんだなぁ。みーんなおまえにギラギラした羨望の眼差し送っちゃってさ。は、でもさ……おまえ、そうしてみんなに見つめられて……今日1日何考えてたの?」
「……!」
ふん、と鑓水が鼻をならす。波折がほんのりと頬を染めたことを確認すると、くつくつと笑い出した。そして、「ほら」と優しく低い声で囁き、腕を広げる。それを見た波折は……あ、と小さな声を漏らして……飛び込むようにして鑓水に抱きついた。
「慧太様にめちゃくちゃにされること……考えていました……」
「あっは、予想通り。おまえ根っからのド淫乱だな! チョコレートとか食べなくてもやーらしいことしか考えてないんだろ? 昨日の性奴隷にされた瞬間の嬉しそうな顔ったらさぁ!」
自分の胸にすり、と頬を擦り付ける波折を、侮蔑するように鑓水は見下ろした。
波折にとってチョコレートは起爆剤のようなもの……鑓水はそう予想していた。波折は普段から淫乱で、頭も身体もそういうことでいっぱい。しかし、理性によってそれを押さえつけている。チョコレートは波折の身体を更に敏感にさせると同時に、その理性を取っ払う役割を果たしているのだ。
だから、チョコレートを食べれば淫乱になるというわけではなく……波折は元から、そういったことが大好き。そんな鑓水の予想は正解だったようだ。人に触られることが大好きな波折は、こうして自分の胸に縋り付いて、嬉しそうに頬を染めている。
「めちゃくちゃって、ね、例えばどんなことされるの妄想してたの?」
「慧太様に……酷いことたくさん言われながら、みんなの前で犯されたり……」
「おっ、いいね。この変態」
鑓水は波折をぎゅっと抱きすくめ、耳元で囁いてやる。それだけで波折はビクンビクンと身体を震わせて、ため息のような熱い吐息を零す。
「慧太様……」
「……ふん、」
うっとりとした声で自分の名を呼ぶ波折に、鑓水はもう笑いが止まらなかった。そして、同時に思う。沙良がなんて不憫なんだろうと。純粋に波折を好きになってしまったばかりに振り向いてもらえない。こうしてドロドロで醜悪な想いを抱えている自分に、波折は酔いしれている。
(いいんだよ神藤クン……こいつに愛情なんて注いでやる必要ねぇ、無理矢理ブチ犯してやったほうがかえってこのド淫乱は悦ぶんだよ)
「……!」
扉の外から、話し声が聞こえた。数人の男子生徒がトイレに入って来たらしい。鑓水はぐっと波折を抱きしめながら、外の話し声に耳をすませる。
「ぶっちゃけ俺、思うんだよねー」
「なにー?」
「俺、冬廣にだったら抱かれてもいいわー!」
内容を聞いて、鑓水は吹き出しそうになってしまった。タイミングが良すぎる、と。この状況で波折の話題をだすなんて、なんていい仕事をしてくれるのだろうと、鑓水は内心大笑いだ。
当の波折は、そんな話には興味ないと言った風に、鑓水の胸に顔をうずめて目を閉じている。鑓水はするりと波折の髪を撫でてやると、耳に唇をそっとよせて、外には聞こえないような声で囁く。
「おまえの話してるぜ、波折」
「ん……」
「抱かれてもいいってさ。おまえ、タチはいけるの?」
「わからない……」
「まあ、抱く側より抱かれる側のほうがいいんだよな、おまえは。めちゃくちゃに虐められるの大好きな、淫乱会長?」
鑓水が波折のシャツの中に手をいれて、すうっと背中を撫で上げる。ぴくんっ、と波折は震えて、「あっ……」と小さな声をあげた。ぎゅっと鑓水のカーディガンを握りしめ、唇をその肩口に押し当てて、震えながら必死に声をこらえている。
「んっ……んっ……」
「もっと鳴いてもいいんだぜ? まあ、あいつらに聞かれるけど」
「やっ……けいたさま……」
くたりと鑓水に身を預けながら、波折ははくはくと息をする。うっすらと開かれた瞳はにはゆらゆらとたまった涙が光っていて、まばたいた瞬間にぽろりとこぼれ落ちてしまいそうだ。ふーふーと荒く息を吐いて、いやらしい声が零れそうに鳴るのを堪え、波折の全身の肌は真っ赤に染め上がる。
しばらく、ゆるゆると背中を撫でまわし、耳元にキスをして静かに波折を責め立てていた鑓水だったが、外の男子生徒たちがトイレを出て行ったのを確認すると、動きを止める。
「いい子だ、波折。よく我慢出来たな」
「慧太様……」
鑓水が波折の顎をもちあげて、唇を覆うようなキスをする。そうすれば波折は、涙を零し顔を蕩けさせて、腰をガクガクさせて、ひと目でわかるほどに悦んだ。
「は……」
唇を離すと、銀の糸がひく。もっとください……そう請うように、波折は潤んだ瞳で鑓水を見上げる。しかし鑓水は、とん、と軽く波折の胸を押して波折を突き飛ばした。そして、わざとらしく腕時計を眺め、にやにやとしながら言う。
「あー、そろそろ生徒会室いかねーと」
「あ……」
波折も自分の時計を確認して、残念そうに声をあげた。そんな波折をみつめる鑓水の瞳は愉悦にまみれている。
「あー……そうだ、波折。ちょっと、ゲームでもしようか」
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きょとんとした波折の瞳に映ったのは――鑓水のポケットから取り出された、バイブレーターだった。
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