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第十一章:彗星のように
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波折のクラスの5限目の授業は、特別教室での授業だった。授業が終わって自分のクラスの教室に戻ろうと階段を降りたところで、走ってきた生徒の荷物にぶつかって、その荷物がバラバラと落ちてしまう。波折が慌ててその荷物を拾って、落とし主へ渡そうと顔をあげると――
「……あ」
波折が顔をあげた先にいたのは、昼休みに沙良と一緒に食事をしていた女子生徒だった。波折が拾ったノートに書いてある名前をちらりとみてみれば、そこには「雨宮華子」と書いてある。
「……雨宮さん、でいいのかな。ごめんね、ぶつかっちゃって」
「わ、私こそ走ったりしちゃって……って、え、ふ、冬廣先輩!? ひゃあ冬廣先輩だ……! あ、はい、雨宮です……冬廣先輩に名前呼んでもらっちゃった……!」
彼女の名前はノートにある通り雨宮華子で間違いないらしい。波折はさっと彼女に下から上へと視線をすべらせてみる。スタイルがよく、ギャルっぽい雰囲気だがケバくはない。はっきりいって可愛い。波折から荷物を受け取る瞬間におろおろとしている様子は見た目の派手さとギャップがある。
……実に、女の子らしい。そう思った。
「……雨宮さん、今日神藤くんと一緒にご飯食べていたよね」
「えっ、なんで知っているんですか!?」
「見たから」
「……!」
どうしても気になって昼休みのことを尋ねてみると、華子はぎょっとしたようにぱちぱちと瞬く。そして周りをきょろきょろと見渡したかと思うと、波折にすっと近寄って小声で言ったのだ。
「ひ、秘密にしてくださいね! 特に生徒会のみなさんには!」
「どうして?」
「秘密の関係なんですー! 私と神藤くん!」
「えっ、秘密の関係……」
「あっ……もういかなきゃ! 冬廣先輩、さようなら!」
秘密の関係、なんて意味深な言葉を吐いたかと思えば華子はあっという間に走り去っていってしまった。残された波折は、なんだか脱力してしまう。だって、心の中でぐるぐると渦巻いていた疑問が解決したのだから。「沙良とあの子の関係は?」って。秘密の関係なんて、もうそれは「そういうこと」だ。
は、と波折は嗤う。華子は波折の肩のあたりに頭がある、小柄な美少女だった。きっと、沙良と並べば見栄えがいいだろうな、と思った。性格も素直そうで、話していてきっと楽しい。自分みたいなめんどくさい男なんかよりもずっといいだろうな、そう思った。
「……」
一体どうしたのかな、俺は。
目頭が熱くなってきて、鼻のおくがツンとして。でもこんなところで泣くわけにもいかなくて。なんでもないといった顔をして、波折は教室へ戻っていった。
「……あ」
波折が顔をあげた先にいたのは、昼休みに沙良と一緒に食事をしていた女子生徒だった。波折が拾ったノートに書いてある名前をちらりとみてみれば、そこには「雨宮華子」と書いてある。
「……雨宮さん、でいいのかな。ごめんね、ぶつかっちゃって」
「わ、私こそ走ったりしちゃって……って、え、ふ、冬廣先輩!? ひゃあ冬廣先輩だ……! あ、はい、雨宮です……冬廣先輩に名前呼んでもらっちゃった……!」
彼女の名前はノートにある通り雨宮華子で間違いないらしい。波折はさっと彼女に下から上へと視線をすべらせてみる。スタイルがよく、ギャルっぽい雰囲気だがケバくはない。はっきりいって可愛い。波折から荷物を受け取る瞬間におろおろとしている様子は見た目の派手さとギャップがある。
……実に、女の子らしい。そう思った。
「……雨宮さん、今日神藤くんと一緒にご飯食べていたよね」
「えっ、なんで知っているんですか!?」
「見たから」
「……!」
どうしても気になって昼休みのことを尋ねてみると、華子はぎょっとしたようにぱちぱちと瞬く。そして周りをきょろきょろと見渡したかと思うと、波折にすっと近寄って小声で言ったのだ。
「ひ、秘密にしてくださいね! 特に生徒会のみなさんには!」
「どうして?」
「秘密の関係なんですー! 私と神藤くん!」
「えっ、秘密の関係……」
「あっ……もういかなきゃ! 冬廣先輩、さようなら!」
秘密の関係、なんて意味深な言葉を吐いたかと思えば華子はあっという間に走り去っていってしまった。残された波折は、なんだか脱力してしまう。だって、心の中でぐるぐると渦巻いていた疑問が解決したのだから。「沙良とあの子の関係は?」って。秘密の関係なんて、もうそれは「そういうこと」だ。
は、と波折は嗤う。華子は波折の肩のあたりに頭がある、小柄な美少女だった。きっと、沙良と並べば見栄えがいいだろうな、と思った。性格も素直そうで、話していてきっと楽しい。自分みたいなめんどくさい男なんかよりもずっといいだろうな、そう思った。
「……」
一体どうしたのかな、俺は。
目頭が熱くなってきて、鼻のおくがツンとして。でもこんなところで泣くわけにもいかなくて。なんでもないといった顔をして、波折は教室へ戻っていった。
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