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第十二章:スイートアンドビター
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夕方になるころに、二人は帰路に就いた。もうちょっと外で遊んでもよかったかな、とも思ったが、そろそろ家で思う存分触れ合いたかった。そんなにお金があるというわけでもないため、夕食も波折のつくるご飯を食べようと決める。
帰りの電車で、波折は鑓水の肩に頭を乗せてくーくーと眠ってしまっていた。初めてのデートで疲れてしまったのだろう。がくんとズレ落ちてしまいそうになるのを鑓水がなおしてやって、波折が楽な体勢で眠れるようにしてやると、周囲にいた女性がちらちらと二人をみていた。「かわいい」などと言っているが、おまえらにほんとの波折の可愛さがわかるのか、と鑓水は心の中で笑う。
今日のデートは楽しかったな、と鑓水は思い返す。計画性もないし、特別なこともしなかったけれど、波折が楽しそうに笑っていたというだけで満足だ。それに外で手を繋いだりキスをしたりとできたのが鑓水にとってはすごく嬉しかった。いつも家のなかでセックスをしていてはわからなかった、男同士というマイノリティ。それを乗り越えたときの幸福感が、こんなにも優しいものだとは。自分が波折に恋をしていて、そして愛していて。それをより自覚できたというのが、今回のデートでの一番の収穫かな、と鑓水は思った。
目的の駅に近づいてきて、鑓水は軽く波折を叩いて起こしてやる。波折は「んんっ……」と身じろいで瞼をあけ、ぼんやりと鑓水を見上げた。そして、ふにゃ、と笑ってキスをしようとしてきたものだからペシリと波折の頭を叩いてやる。
「……あっ」
ようやく覚醒した波折は自分が電車の中にいると気付いてかあっと顔を赤らめた。さすがに電車でイチャイチャとするのはマナー違反だ。ぱっと鑓水から離れると、周囲の視線から逃れるように俯いてしまう。
「……駅、ついたぞ」
「う、うん……」
わあー、と周囲の女性が目をきらきらとさせているなか、二人がもだもだとしていれば、電車が駅に着いた。周囲の客は「男子高生かわいい」くらいにしか思っていないのか、怪訝な眼差しはむけてこない。しかしただでさえ注目を浴びるような容姿をしている二人がキスをする寸前だったためか、思い切り視線を集めていた。当然ながらはずかしくなって、二人は顔を赤らめながら逃げるようにして電車を出て行った。
帰りの電車で、波折は鑓水の肩に頭を乗せてくーくーと眠ってしまっていた。初めてのデートで疲れてしまったのだろう。がくんとズレ落ちてしまいそうになるのを鑓水がなおしてやって、波折が楽な体勢で眠れるようにしてやると、周囲にいた女性がちらちらと二人をみていた。「かわいい」などと言っているが、おまえらにほんとの波折の可愛さがわかるのか、と鑓水は心の中で笑う。
今日のデートは楽しかったな、と鑓水は思い返す。計画性もないし、特別なこともしなかったけれど、波折が楽しそうに笑っていたというだけで満足だ。それに外で手を繋いだりキスをしたりとできたのが鑓水にとってはすごく嬉しかった。いつも家のなかでセックスをしていてはわからなかった、男同士というマイノリティ。それを乗り越えたときの幸福感が、こんなにも優しいものだとは。自分が波折に恋をしていて、そして愛していて。それをより自覚できたというのが、今回のデートでの一番の収穫かな、と鑓水は思った。
目的の駅に近づいてきて、鑓水は軽く波折を叩いて起こしてやる。波折は「んんっ……」と身じろいで瞼をあけ、ぼんやりと鑓水を見上げた。そして、ふにゃ、と笑ってキスをしようとしてきたものだからペシリと波折の頭を叩いてやる。
「……あっ」
ようやく覚醒した波折は自分が電車の中にいると気付いてかあっと顔を赤らめた。さすがに電車でイチャイチャとするのはマナー違反だ。ぱっと鑓水から離れると、周囲の視線から逃れるように俯いてしまう。
「……駅、ついたぞ」
「う、うん……」
わあー、と周囲の女性が目をきらきらとさせているなか、二人がもだもだとしていれば、電車が駅に着いた。周囲の客は「男子高生かわいい」くらいにしか思っていないのか、怪訝な眼差しはむけてこない。しかしただでさえ注目を浴びるような容姿をしている二人がキスをする寸前だったためか、思い切り視線を集めていた。当然ながらはずかしくなって、二人は顔を赤らめながら逃げるようにして電車を出て行った。
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