スイートアンドビターエゴイスト〜淫乱生徒会長の調教日記〜

うめこ

文字の大きさ
226 / 357
第十三章:予兆

5(2)

「……活動が終わってからくるってことは、個人的な話なんでしょ?  何?  篠崎くんは随分と俺を嫌っているみたいだけど」


 生徒会室の前からメンバーが姿を消したころ、波折はずっと感じていたことを篠崎に問う。鑓水は篠崎が生徒会の邪魔をしている……と言っていたが、それは誤りだ。篠崎は生徒会の邪魔をしているのではなく、波折の邪魔をしている。鑓水や沙良とは会話をする気がなく、波折と会話をすることだけを求めていた、ということでそれは明確である。普段も出会うたびに嫌味を言ってきたりとしているため、それはもう、風紀委員として波折が嫌いなのではなく、個人として波折のことを嫌っているに違いない。


「……」

「何?  言いづらいこと?  いいよべつに、俺は何を言われても」

「……冬廣会長。貴方の目に、僕はどう映っていますか」

「え……?  いつも突っかかってくる風紀委員長……?」

「風紀委員としてではなく……!」

「な、何?  篠崎くんのこと?  えー……たくましそうな……人?  俺以外の人には優しそうだよね……?  これでいいの?」

「そう、ですか……気持ち悪いデブでは、ないんですね……」

「太ってないよね?  気持ち悪くもないよ?  え?」


 突拍子もない篠崎の言葉に、波折は戸惑った。しかしわけがわからないといった表情をしている波折とは裏腹に、篠崎は今にも泣きそうな顔をしている。感極まっているような。何がそんなに悲しいのか……もしくは、嬉しいのか。それが波折にはさっぱりわからなかった。


「……みんなの憧れの冬廣会長の隣に立っても恥ずかしくないように……僕は、頑張って体型も変えて、」

「……篠崎くん?」

「どうにか冬廣会長に意識してもらいたくて、生徒会と対立する風紀委員会にはいって、そしてこの学校で唯一貴方を嫌う存在になって、」


 一歩、篠崎が波折に近づいてくる。突然篠崎に泣かれてしまった波折は混乱していて、まともに言葉を紡ぐこともできなかった。そもそも篠崎が何を言っているのかわからない。


「冬廣会長……!  好きです……一年前の、あのときから……!」

「えっ」


 篠崎の告白と共に、波折の視界がぐらりと反転する。ソファに押し倒されたのだ。がっしりとした篠崎の腕で体をソファに縫いとめられて、波折は抵抗できない。もがくこともできないまま……波折は篠崎に唇を奪われた。


「……!?」


 波折は全く状況についていくことができなかった。なんで自分のことを嫌っていたはずの風紀委員長に告白されてキスされているんだ、と頭のなかがぐるぐるとしてしまう。篠崎に唇を離されて、波折がただ驚きの眼差しで見つめていれば……篠崎は波折の手首をまとめてネクタイで縛り上げてしまう。


「ま、待て……篠崎くん、待って……!」

「……冬廣会長。僕と、付き合ってください」

「い、いや……えっと、……それはできないから、……」

「……これをみても!?」

「えっ……」


 篠崎が波折の目の前にスマートフォンを突き出す。そして、動画のようなものを再生し始めた。そこに映っていたものをみて、波折は寒気を覚える。


「こ、これ……」

「……冬廣会長……鑓水くんとこんな関係だったんですね」


 スマートフォンに映しだされていたのは……波折の部屋だ。そこで、鑓水と波折がセックスをしているところ。音声もばっちりだ。自分の性行為をみせつけられていることよりも、自分の部屋がなぜか撮られているということに恐怖を覚えた。部屋に、隠しカメラが設置されていたということだ。


「……し、篠崎くん……これ、なに……」

「鑓水くんと冬廣会長が付き合っているって噂……前にもありましたけど、あくまで噂でしたもんね。どうなんでしょう、みんなの羨望の的の会長と副会長がこんな関係で、毎日のように淫らなことをしているのって」

「……人が何をしようが勝手だろ……」

「そうかもしれませんけど。これ、みんながみたらどうなりますかね。男同士でこんなことを……貴方はどう思うかしらないですけど、鑓水くんにも確実に迷惑がかかるんじゃないでしょうか」

「……」

「それから」


 篠崎が画面をタップして、違う動画を表示させる。そこに映っていたものに――波折は目を見開いた。


『――ご主人様……!』

「こ、これ……」


 動画に映っていたのは……今度は「ご主人様」と波折がセックスをしているところ。いつから隠しカメラが設置されていたのか、と思ったが、それよりも……


「……まずくないですか。「ご主人様」って……この人と生徒会長がこんな関係にあるの知られたら大問題でしょ」


 動画には、はっきりと「ご主人様」の顔が映し出されている。篠崎に、「ご主人様」と自分の関係がバレてしまった。

感想 3

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。