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第十三章:予兆
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「……まだまだかなって思いますけど……まあ、いいか」
「……っ、」
「で、冬廣会長……気持ちいいんですよね? もっと気持ちよくさせてあげます」
「そ、んな……もう……」
もう、無理。心と身体が乖離している。こんなにも嫌なのに、感じてしまっているのが苦痛でたまらない。縄がぎしぎしときしんで、身体ががくがくといって。勝手にこぼれてくる自分の嬌声が、やかましい。
虚ろな目で、篠崎をみつめていれば、彼はまた新たな道具を取り出す。それをみて、波折は息を呑んだ。鞭だ。先端が数本に分かれている、バラ鞭と呼ばれるもの。一度、波折は「ご主人様」にそれを使われたことがあった。しかし、「ご主人様」は波折の身体に傷がつかないようにと、そこまで強く叩いてこなかった。バラ鞭は一本鞭と比べれば痛くはない。しかし……篠崎が使ったらどうだろう。今の、まともな理性を持ち合わせていない彼が使ったら……
「あっ……いや……」
「バイブもマックスにしてあげますね」
「いや……あっあぁああっ……!」
鞭を持ちながら、篠崎は波折に取り付けたローターとバイブのスイッチを最強まであげた。ぶるぶると震えながら達した波折を……篠崎は、パァン! と鞭で叩く。
「ひぁっ!」
突き出された尻に、何度も何度も。パァン! パァン! と激しい音が部屋に鳴り響く。叩かれるたびに鋭い痛みが走って波折は身体をビクつかせたが、同時にオモチャの刺激による快楽も迫ってきて、わけがわからなくなる。悲鳴なのか嬌声なのかわからない声を、波折は泣きながらあげていた、
「やぁっ!」
「鞭で叩かれても、可愛い声だすんですね……ほら、もっと強く叩きますよ!」
「ひぃっ! いやっ! あぁっ!」
「もっといやらしい声、出してください!」
「いたいっ……! あぁあっ! はぅッ!」
波折の尻が真っ赤に染まる。白い肌に紅い跡、絶妙なコントラストに篠崎は恍惚とした笑みを浮かべた。
「……もう、……いや……」
「何か言いましたか?」
「……いいえ」
「もっと叩いて欲しいんですね」
「……はい。もっと……ぶって、ください……あっ、ひぁっ!」
篠崎は徐々に加減を失ってゆく。思い切り、イイ音を出すことに必死になっているように、強く強く波折の身体を叩いた。尻の他にも、色んなところを叩いてゆく。全身に跡がついてしまって、その体は痛々しい。篠崎は波折が嗚咽をあげながら泣いているということにも、気付いていないのかもしれない。
「う、う……」
「あんなに甘い声をあげて……そんなに鞭でぶたれるのが気持ちよかったですか?」
「……っ、きもち、よかったです……」
「それはよかった……そろそろ挿れて欲しいでしょう、こんなにここヒクヒクさせて」
篠崎が波折の後孔にささったバイブをぴんっとはじく。波折は全身の痛みに浮かされて、もはやそこの感覚もよくわからなくなっていた。ズルリとバイブが引き抜かれ、篠崎のかたくなったものが押し当てられる。がしりと尻肉を掴まれて、一気に奥まで貫かれて、波折の身体はビクビクッと仰け反った。
「ぁあっ……!」
ガクン、と身体が大きく揺れる。波折の苦しそうな反応などお構いなしに、篠崎は抽挿を始めてしまった。吊るされている身体は、突かれるとゆらゆらと揺れて、辛い。篠崎はガツガツとひたすらに腰を振って、波折の奥をズンズンと突き上げる。
「あっ……うっ……あぁっ……!」
「冬廣会長のなかっ……すごいです……しめつけて、くる……!」
一突きくらうたびに、吐き気がこみ上げてくる。チョコレートを飲んでいなければ、悲鳴をあげて暴れていたかもしれない。それくらいに、気持ちよくない。身体は一応快楽を感じているのかビクビクと震えてはいるけれど、苦痛でしかなかった。早く終わってくれとずっと思っていた。
そのうち慣れるのかな、とか。こんなレイプまがいのセックスも気持ちいいって感じられるようになるのかな、とか。そんなことを考えているうちに、篠崎はなかに精液を注ぎ込んでいた。びゅるるっとひとしきり出すと、引きぬいたペニスを波折の口に押し当ててくる。
「……」
篠崎のものを咥えて、涙を流しながら。この苦しみから早く開放されたいと祈るばかりであった。
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