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第二話『俺たちの旅立ち』

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店員や周囲の客の悲鳴などお構いなしに、その男は塩コショウ&オリーブオイル入りのコーヒーをすすった。
金髪の髪をリーゼントにして、黒革のライダースーツに身を包んでいる。
そして男は俺たちのテーブルにドカッと座り、おもむろに自己紹介を始めた。


ファジィ「俺はベース担当のファジィだ。夜露死苦!お前さんは?」

はじめ「俺はギターのはじめです。んでこっちが…」

楠本「ドラム担当の楠本かっ屁だス。よろしく」

ファジィ「OK、OK。あともう一人、仲間を連れてきてんだ。オイ!こっち来な!」


ファジィに手招きされ、一人の男が静々と歩いてくる。目元まで伸びた黒い髪、そして全身黒服の見るからに暗そうな雰囲気の男だ。


ファジィ「俺の昔からのツレさ。聖(ひじり)ってんだ。ホラ、挨拶しな」

聖「…よろしく…」

ファジィ「ちょっと無口で暗いけど、趣味が黒魔術っていうファンキーな野郎だ」

はじめ「いや、見たまんまじゃないスか!ファンキーさのかけらも無いな!」

楠本「あと一人は…」

ファジィ「ボーカルのルロイが来てねぇようだな」



その時…

ファンファンファン!!

外でけたたましいパトカーのサイレン音がし、店の前で停車した。



警察「あのー、坂本はじめさんいらっしゃいますか?」

はじめ「え?あ、俺……ですけど…」

ルロイ「オゥ!ハジッメサーン!私ルロイ!ボーカル担当ルロイ!」


警官に付き添われながら、浅黒い肌の陽気な外人が小躍りしてこちらへ歩いてくる。


警官「いや、アンパンを万引きしようとしているところを捕まえましてね。まぁ初犯のようですし、お店の方も品物を返せば許してくれるという寛大な対応をしてくれまして。引取り人を探してたんですよ。話を聞いたら、あなたとここで待ち合わせてるということでしてね。えっと…身内の方…ですかね?」

ルロイ「ハジメサーン!ミナ友達!密貿易!」

はじめ「意味は分かりませんが一応俺の知り合いです。ご迷惑おかけしました」


頭を下げ、ひとまずルロイは警官から解放された。
自分がやったことを分かってるのか分かってないのか、ファミレスのメニューを広げて嬉々としているルロイに不安を感じたが、これで5人が揃った。


ファジィ「まぁひとまずこれでメンバーが揃ったわけだ!そんじゃ行くか!」








つづく
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