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第七話『空と海と大地と寂れたライブハウス』

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青々とした空と海…。都会とはかけ離れた光景に言葉を失う。


はじめ「ここが…与那国島…日本で一番西にある島か」

楠本「すげぇ~海の向こうに肉眼で台湾が見えるだスな」

はじめ「はは…アフロディスクと契約しとけば良かったかも…。カッコつけるんじゃなかったぜ…」

ファジィ「OKみんな!早速ウワサのライブハウスを探そうぜ!」



俺達は島民の方々から話を聞き、ライブハウスの情報を聞くことにした。
ルロイだけはアンパン情報をつたない日本語で聞き出し、売店を見つけてはしゃいでいた。

そして俺たちはついにそのライブハウスの場所をつきとめた。
この離島にある唯一のライブハウス。やや寂れた感じが漂っているが、入り口には間違いなく『Go To Hell』の文字がある。


はじめ「ここが…」

ファジィ「今は閉まってるみてぇだな」



俺はドアに手をかけた。

キィィ…



はじめ「あ…開いた」



ライブハウスの中は薄暗く、静寂の中で換気扇の回る音だけが聞こえてくる。

するとそこに一人の男がタバコをくわえて座っていた。



はじめ「あ、あの…」

地味ィ「あん?何だお前らは」

ファジィ「お前が誰なんだよ」

地味ィ「やれやれ…最近のガキは口の聞き方を知らねぇや…。俺はここのブッキングマネージャーをしてる“地味ィ”だ。面白がって“変ドリックスさん”と呼ぶ連中もいるがな…。とりあえずここはお前らみたいな乳毛どもの来るとこじゃねぇんだ。とっとと帰んな」

楠本「失礼だス!田舎モンのくせに!」

一同「(お前だよ…)」

はじめ「言っちゃ悪いけどな、俺達は東京でプロにスカウトされたんだぜ。こんな田舎のライブハウスレベルじゃないんだぜ」

地味ィ「ほぅ…じゃあ今から見せてもらおうか。そこのステージでな」

はじめ「あぁ!いくぜみんな!」



働いて金を稼いでいる間、俺らは必死で練習していた。その結果その場しのぎの演奏ではなく、一貫した曲としての演奏が出来るようになっていた。



はじめ「いこうか!」



ダダダダダダ!

ズーンジャーン!ズーンジャーン!ギュイ~ン♪



ルロイ「大丈夫ダヨ~心配ナイナイ♪怖クナイヨ!疲レガ嘘ミタイニ飛ンデクオクスリダカラ~♪一本ウットキナヨ~♪Jast moment!チョト待テ♪オ前授業中ハヤメトケェ~イェ~イェ~イェ~イ♪」







つづく
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