異世界転生したら・・・幼児体型になりました。(旧題:異世界転生したら性悪王子になりました?)

めんとうふ

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6. 異世界転生の真実「マッシュ・クルーシオ」

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 僕の異世界転生先の器である「マッシュ・クルーシオ」。
 生後11ヶ月でありながら人の心を読み取り、『言霊』という特殊能力を完全に使いこなす事が出来たという神童。
 ベッド上のヌイグルミは勿論、庭の木や草、小鳥などの動物に至るまでの声を聞き取り、その声を『言霊』として魔法のように扱う事が出来たという。その力は強大で無機物に命を吹き込み、ヌイグルミに命を宿す事が出来た程だった。

 これは熊のヌイグルミである「ベアー・テディグマ」。マッシュに命を吹き込まれたテディグマから聞いた話である。
 その話を聞いた僕の感想は「あぁ、異世界転生でよくあるチートって感じだなぁ」と何処か他人事のようだった。
 
 ちなみに、生後間もないのに親が何故一緒に寝ないんだ? という疑問は、マッシュから溢れ出る力が、人に害を及ぼす為にマッシュ本人が、母親・父親・使用人に至るまで『言霊』で人体の遺伝子に語り掛け、本能的に遠ざけるように仕向けていたらしい。抱っこが嫌いなのも人に悪影響を与えない為、本当は甘えたいけどとテディグマに相談していたらしい。この話を聞いた時、僕は悲しくなった。

 身心の成長状態は、歩行は物を掴んでの伝い歩き、発語は「マンマ、パッパ」と言えるレベルだったらしいが、脳の発達は異常に早く言語は完璧に理解し、赤ちゃんを演じている節があったらしい。

 マッシュの人格は大体把握した。次は大問題である「賢者の刻印」についてだ。
 歴史に名を残す偉大なる魔法使い・大賢者に必ずあったとされる刻印、賢者の刻印。それは類まれない才能と途方もない努力を掛け合わせ、幾度となる試練を乗り越えてから生まれる体内魔素組み換え遺伝子による奇跡の贈り物。その刻印は体に宿るだけで空気中にある魔素と呼ばれるエネルギーを吸収し、自分の力にする事が出来るという。その力は膨大であり、定期的に吸収した魔素を放出しないと体内で暴走し体に状態異常が出るらしい。

 マッシュは幼い身体で賢者の刻印が宿り、魔素を放出出来ずに暴走、体に状態異常が生じて本能的にマッシュという人格が封印され、それと同時に僕が入れ替わりに入った。
 僕が無意識的に声を出す場面があったが、それはマッシュの意思が一瞬だけ出てきていたらしい。

 ここで大事なのは、僕の人格の時は、魔素は吸収されず、魔素の暴走は起きない。
 テディグマいわく、マッシュは破滅しないように本能的に自らを封印、その際に強大な力を使って僕を日本から異世界転生させた。つまり、賢者の刻印の封印さえ解ければ僕は現世に帰れるらしい。

 「拝啓、お母様。僕は異国の地で赤ちゃんとして生きております。僕のPCは絶対に見ないで下さい。なんなら部屋を覗かないで下さい。僕の息子さんが露出しているかもしれません、すぐに戻ります。お体には気をつけて」

 テディグマの話を聞き、少し希望が持てた僕は神に祈るように囁いた。

(こりゃ、ダメだグマ)、と小さな声で呟くテディグマであった。
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