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7. 王国の情勢「メイとシス婆」
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テディグマと意思疎通してから1週間、僕はテディグマにこの世界の情勢や言語などの文化を教えて貰っていた。
この王国の名前は「ベルセデス王国」。立地の良さから産業・畜産・漁業などが盛んで、鉱山などの資源に恵まれた自然豊かな王国らしい。言語は日本語に殆ど似ていて、物を表す単語や意味合いは共通である。一年の日数も三百六十五日と一緒で月の振り分けも一~十二月となっている。日本には四季が存在するが、この王国には二つの季節しかなく夏期と冬期に分けられ、春と秋はないらしい。だが、夏期から冬期にかけては、比較的穏やかに温度が変化し、桜などの季節の花は存在するという事から、実際は春・秋は存在するが、言葉で形容する事がなかったのだろうなと思った。
この1週間の間、僕の体に特に変化はなく、刻印についても何の進展もない。ただ、僕に関わる両親や使用人とは良好な関係を築き上げていた。
──クルーシオ邸宅 マッシュの部屋
「マッシュ様、もうそろそろで誕生祭がありますね」
可愛らしい声で話し掛けてきたメイド服を着た天使、マスティア・メイ。僕が両親に嘆願し、専属のメイドとして本日から起床時から就寝時まで僕の近くに居てくれる天使。「ぐへへぇ・・・」と穢れた大人の心の声が、今にも漏れ出しそうである。
(この変態ベアね、下心が顔に出ているグマよ)
胸元に抱いているテディグマに突っ込まれ、我を取り戻す。
「誕生祭? それって誕生日の事?」
「そうです。王子の初めての誕生日は、誕生祭として国でお祝いするんです。マッシュ様は賢者の刻印の継承者として国中で話題になっているので、誕生祭は普段より盛大に執り行われるらしいですよ」
メイは可愛い目を更に大きくしながら嬉しそうに話した。
僕は「なるほど」と小さな声で呟き、メイのメイド服姿、おもに胸元周辺を目に焼き付けていた。すると部屋のドアから勢い良く、メイの母親であるオバさn・・・、ではなくシーセスヴァー・メイ(愛称:シス婆)が飛び込んできた。
「マッシュ様ぁ~! 誕生祭でお召になる衣装の為に体の採寸を測りに参りました。マスティア、ちょっと手伝ってくれる?」
慌ただしく部屋に入ってきたシス婆は、メイと一緒に僕の体の採寸を丁寧に測ってくれた。それにしても今日のシス婆は何故か慌ただしく落ち着きがない。
「シス婆、ありがとう。けど、採寸を測るのってそんなに急ぐ事なの?」
僕がそう言うとシス婆は無言で土下座をしようとした。それを慌てて僕が止めるとシス婆は、半泣き状態で説明をする。
「実はマッシュ様の採寸は、執事長から一週間前に測るように申し付けられていました。ですが、マッシュ様の部屋を尋ねる度にマッシュ様は、膝元に抱いているクマのヌイグルミに向かって楽しそうに話し掛けていました。この王国の話や最近の出来事を報告するように話し掛ける姿があまりにも可愛くて、お邪魔をする訳にはいかないと、お声掛けをする事が出来ず、今に至ります。そして今日、お召になる衣装を作る職人が痺れを切らし、執事長に手紙を出したところ、私が不手際を働いていた事が発覚し、急いでマッシュ様の体の採寸を測り職人に渡すように命じられた所存でございます」
申し訳なさそうに話すシス婆に僕も申し訳なくなった。だって・・・(これってマッシュのせいベアね)ってテディグマが代弁してくれた。
「大丈夫! 全然大丈夫! 着るものなんてどうでもいい!」
僕がシス婆の肩に手を当てながら言うと、シス婆は勢い良く首を横に振った。
「なりませんっ! 一生に一度の国を挙げての誕生祭です。それに加えて賢者の刻印の件もあります。マッシュ様には、恥をかかないように職人が作った衣装で誕生祭に出席して貰うのが、私の願いであります。私の甘さが問題だったのです、申し訳ありません」
深々と頭を下げるシス婆を見て、隣に居たメイまで僕に対して頭を下げていた。僕は申し訳なくて何も言うことが出来ず、ただ慰める事しか出来なかった。
この王国の名前は「ベルセデス王国」。立地の良さから産業・畜産・漁業などが盛んで、鉱山などの資源に恵まれた自然豊かな王国らしい。言語は日本語に殆ど似ていて、物を表す単語や意味合いは共通である。一年の日数も三百六十五日と一緒で月の振り分けも一~十二月となっている。日本には四季が存在するが、この王国には二つの季節しかなく夏期と冬期に分けられ、春と秋はないらしい。だが、夏期から冬期にかけては、比較的穏やかに温度が変化し、桜などの季節の花は存在するという事から、実際は春・秋は存在するが、言葉で形容する事がなかったのだろうなと思った。
この1週間の間、僕の体に特に変化はなく、刻印についても何の進展もない。ただ、僕に関わる両親や使用人とは良好な関係を築き上げていた。
──クルーシオ邸宅 マッシュの部屋
「マッシュ様、もうそろそろで誕生祭がありますね」
可愛らしい声で話し掛けてきたメイド服を着た天使、マスティア・メイ。僕が両親に嘆願し、専属のメイドとして本日から起床時から就寝時まで僕の近くに居てくれる天使。「ぐへへぇ・・・」と穢れた大人の心の声が、今にも漏れ出しそうである。
(この変態ベアね、下心が顔に出ているグマよ)
胸元に抱いているテディグマに突っ込まれ、我を取り戻す。
「誕生祭? それって誕生日の事?」
「そうです。王子の初めての誕生日は、誕生祭として国でお祝いするんです。マッシュ様は賢者の刻印の継承者として国中で話題になっているので、誕生祭は普段より盛大に執り行われるらしいですよ」
メイは可愛い目を更に大きくしながら嬉しそうに話した。
僕は「なるほど」と小さな声で呟き、メイのメイド服姿、おもに胸元周辺を目に焼き付けていた。すると部屋のドアから勢い良く、メイの母親であるオバさn・・・、ではなくシーセスヴァー・メイ(愛称:シス婆)が飛び込んできた。
「マッシュ様ぁ~! 誕生祭でお召になる衣装の為に体の採寸を測りに参りました。マスティア、ちょっと手伝ってくれる?」
慌ただしく部屋に入ってきたシス婆は、メイと一緒に僕の体の採寸を丁寧に測ってくれた。それにしても今日のシス婆は何故か慌ただしく落ち着きがない。
「シス婆、ありがとう。けど、採寸を測るのってそんなに急ぐ事なの?」
僕がそう言うとシス婆は無言で土下座をしようとした。それを慌てて僕が止めるとシス婆は、半泣き状態で説明をする。
「実はマッシュ様の採寸は、執事長から一週間前に測るように申し付けられていました。ですが、マッシュ様の部屋を尋ねる度にマッシュ様は、膝元に抱いているクマのヌイグルミに向かって楽しそうに話し掛けていました。この王国の話や最近の出来事を報告するように話し掛ける姿があまりにも可愛くて、お邪魔をする訳にはいかないと、お声掛けをする事が出来ず、今に至ります。そして今日、お召になる衣装を作る職人が痺れを切らし、執事長に手紙を出したところ、私が不手際を働いていた事が発覚し、急いでマッシュ様の体の採寸を測り職人に渡すように命じられた所存でございます」
申し訳なさそうに話すシス婆に僕も申し訳なくなった。だって・・・(これってマッシュのせいベアね)ってテディグマが代弁してくれた。
「大丈夫! 全然大丈夫! 着るものなんてどうでもいい!」
僕がシス婆の肩に手を当てながら言うと、シス婆は勢い良く首を横に振った。
「なりませんっ! 一生に一度の国を挙げての誕生祭です。それに加えて賢者の刻印の件もあります。マッシュ様には、恥をかかないように職人が作った衣装で誕生祭に出席して貰うのが、私の願いであります。私の甘さが問題だったのです、申し訳ありません」
深々と頭を下げるシス婆を見て、隣に居たメイまで僕に対して頭を下げていた。僕は申し訳なくて何も言うことが出来ず、ただ慰める事しか出来なかった。
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