上 下
1 / 1

最新イージス艦が1945年4月にタイムスリップしたと思ったら別の世界線だった?

しおりを挟む
イージス艦やはぎ


やはぎ型イージス艦一番艦

満載排水量 13000トン

兵装
Mk45 mod4 62口径5インチ砲  1
高性能20ミリ機関砲(block1b) 2
Mk41VLS 128セル(SM2 SM3 SM6 ESSM VLA) 
20式対艦誘導弾 8
3連装短魚雷発射管 2
ヘリコプター (SH60K) 1

2028年4月7日、SM6実射訓練のためハワイ沖に向け航行中、全乗組員と共に消息を絶つ

(wikiより抜粋。最終更新3日前 NetrightHunter)



空母ホーネット VT-17 TBM ウェルシュ大尉

「1945年4月7日 呉を空襲した帰りだった。最初は自分の目を疑った。
おかしな言い方だと分かってるが、それは突然そこに現れたように見えた。
敵であれ味方であれ、あんな所に船がいるはずない。
それに見たことのない不思議な船だった。
タカオ・クラスにシルエットが似ていたが砲は一門だけ、それも単装のようだった。
機銃手のマーチン三等射撃兵が、あれはJAPの新型艦ですか?と尋ねてきた。双眼鏡を使ったら後甲板にJAPの海軍旗が見えたらしい。
残念ながら魚雷も爆弾もない。燃料も少ない。
ウィリアム二等通信兵に状況と謎の敵艦の現在地、進行方向を打電させ空母への帰還を続けた。
対空砲の射程内のはずだが何故か一発も撃って来なかった」


空母バンカーヒル 通信士官 ウェイド中尉

「ホーネットの攻撃隊が敵の新型艦を発見。ヤマト型戦艦が護衛9隻と共に出港した情報で艦内は興奮に満ちていたが、これは想定外。位置も全然違うが相互に関連性はないのか?
ミッチャー中将からスプルーアンス中将に打電。貴方の艦艇部隊で攻撃するか?我々の航空機部隊か?返信は貴殿の部隊でやれ。その時はあんな事になるとは誰も思ってなかった」


空母エセックス 軍医 ロイド少佐

「呉から帰る攻撃隊に負傷者がいないと無線で連絡がありホッとした直後だった。
急に飛行甲板上が慌ただしくなった。発艦準備が始まった。
廊下ですれ違ったギブソン大尉は興奮していた。敵の新型艦を攻撃すると言う。
彼にはポーカーの借りがあった。勝ち逃げは許さないぞと言うと笑っていたが、それがギブソン大尉を見た最後になった」



空母エセックス VBF-83 F4U ムーア大尉

「奇妙な事だらけだった。あんな所に敵の新型艦が、しかも一隻だけで。
速力は20ノットくらいか?目視できる距離だが対空砲火はない。上空に直掩機の姿もない。
雷撃隊が高度を下げて行く。上空から絶好の射点に付くのがよく見えたが何故か撃ってこなかった」
 


空母エセックスVT-83 TBM マクベイン三等射撃兵 



「訓練より簡単で気味が悪かった。教科書通りの絶好の射点に付いているのに対空砲火どころか回避運動すらない。
4機とも魚雷を投下して敵艦の前後を全速で通過している時それは起こった。
敵艦が突然速力を上げ急激に転舵した。1万トンクラスに見えたが、まるで駆逐艦並みの俊敏さに驚いた。
前甲板のたった一門の砲がこちらに向けられてるのが見えてゾッとした。」



空母エセックス VBF-83 F4U ムーア大尉

SB2Cが急降下を始めても敵艦は回避する様子を見せなかった。
しかし爆弾が投下されほぼ同時に雷撃隊が魚雷を落とした時それは起きた。
急加速そして駆逐艦のような急激転舵。
魚雷はすべて回避され4機のTBMと4機のSB2Cはすべて撃墜された。
一瞬の出来事だった。
その対空砲火の正確さには驚いたが信じられないことに投下された爆弾にも命中したように見えた。
偶然か目の錯覚か?」



空母エセックス マクベイン3等射撃兵

前甲板の砲のマズルフラッシュが見えた瞬間、機体に衝撃。左翼に大穴が空いた。
着水した瞬間、気絶したが海水の冷たさで意識を取り戻した。
バンドを外し海に飛び込んだ。機は沈んでいったが脱出できたのは私だけだった。



空母エセックス F4U ムーア大尉


ウィングマンのルイス中尉の機体が突然爆発した。何かが白い煙を吐きながら飛んでくるのが見えたような気がした。もう1つのペアのF4U2機も空中爆発。キャノピーを飛ばし機体を背面にして操縦桿を押しバンドを外し座席を思いっきり蹴った。
考えてやった行動ではなかったが、結果的にそれで助かった。
パラシュートが開いた時、機が爆発するのが見えた」


空母エセックス VF-83 F6F ハミルトン中尉

「JAPの新型艦を攻撃した奴らから連絡が途絶え心配していたが、まさか全滅してるとは思わなかった。
カミカゼ対策の戦闘哨戒飛行中に奇妙なモノと遭遇した。後からガンカメラのフィルムを見た情報将校はジャイロコプターだと言ったが…
真っ白の機体にミートボール。これもJAPの新兵器か?
僚機と共に後上方から近づき射撃しようとした瞬間、そいつは突然、垂直に上昇して目の前から消えやがった」



空母エセックス 軍医 ロイド少佐

「医務室でコーヒーを飲みながら情報将校と話していた。敵の新型艦を攻撃した編隊が帰還する時間だが連絡すらないと言う。まさか、あんな結果になっているとは夢にも思わなかった。それを言えば自分の乗っている艦にあんな事が起きるとも…
突然の衝撃でコーヒーカップが床に落ち、割れてコーヒーと破片を撒き散らした。
続いて、もっと大きな振動。情報士官も私も椅子から放り出され壁に叩きつけられた」


空母エセックス  F6F ハミルトン中尉


「ジャイロコプターを探しているとウィングマンのヤンシー中尉の声がレシーバーの中で炸裂した。
糞やられた!
最初はヤンシー中尉が、あのジャイロコプターに撃たれたのかと思ったが違った。
さっき発艦したエセックスの飛行甲板の真ん中で黒い煙が上がっている。
次の瞬間、別の空母の飛行甲板でオレンジ色の炎が吹き上がる。
あれはバンカーヒルか?
そして又別の空母でも爆発が…
高速で海面スレスレを飛ぶ白っぽい何かが一瞬見えた。
バカ・ボム?
しかしベティをレーダー探知したなんて話聞いてない。
あのジャイロコプターを見つけた。2時の方向、低空でなんと空中に停止している。
こいつの仕業か?
こちらに気づいたらしく海面上を這うように移動し始めた。
CAP小隊4機で追いかけまわしたが、恐ろしくトリッキーな飛び方をするので結局燃料切れで取り逃がした。
エセックスは着艦不能だったので、小隊全機、名前も忘れた護衛空母に降りた。
結局、エンタープライズもバンカーヒルもイントレピッドもフランクリンもやられていた。
一体何が起きたんだ?
超低空で飛ぶ何かが空母の近くで急上昇しほぼ垂直に命中したようにも見えたが…」


空母エセックス 軍医 ロイド少佐


「幸い我が艦のダメージはそれ程でもなかった。
他の艦も攻撃を受けたと聞いた時は信じられなかった。
しかも正規空母ばかりエンタープライズ、バンカーヒル、イントレピッド、フランクリンもやられ、特にエンタープライズとバンカーヒルは大破だと言う。
一体、何が起きたのか?」




水上機母艦シャンデルール VPB-21 PBMマリナー飛行艇 シムズ大尉

「JAPの新型艦を攻撃した部隊が消息を経ち捜索救難のため離陸した。
又、ヤマト型戦艦が護衛を伴い出港したという情報もあり発見したら触接しろとも言われていた
予定海域に近づいた時、一隻の船を発見した。巡洋艦クラスの大きさだがなんだか起伏の少ない奇妙なシルエット。
こいつに攻撃隊はやられたのか?
緊張し高度を下げようとした時、思いもかけなかった事が起きた。
奇妙な船の近くの海面が高く盛り上がった。
それが何度か繰り返される。
砲撃されている?
「あれです」
副操縦士のスチュワート少尉が指差す方に目をやると確かに遠方に幾つかの船影が見えた。
ひときわ大きな船のシルエットからオレンジ色のマズルフラッシュが瞬く。
「ヤマトです」
双眼鏡で確認したスチュワート少尉の声は上ずっていた。私の鼓動も高まる。無電手が暗号表を見ながら電文の作成を始める。
奇妙な船の前甲板から何かが白い煙を吐きながら打ち上げられた。幾つか数えられなかったが多分10くらい。
一瞬身がこわばったが、それらはこちらには向かってこなかった。
奇妙な船とヤマトの間の空中で幾つもの爆発が起きた。
ヤマトが発砲し奇妙な船から何かが打ち上げられ空中で爆発が起きると弾着がなくなる。
まさか、主砲弾を撃ち落としているのか?
それを何度か繰り返したあと、弾着があっても何かが打ち上げられる事はなくなった。
そして後甲板で大爆発が起き、キールが折れたのだろう。奇妙な船は真っ二つになり海面から消えた。
しばらく全乗員呆然としていたが尾部機銃手が海上に浮かんでいるライフボートを発見した。
着水救助。エセックスのF4UのパイロットとTBMの機銃手だった。
発見したのは彼らだけで2人とも酷いショック状態だったが外傷はなかった。
奇妙な船の生存者はいないようだった。
ヤマトと護衛9隻としばらく触接を保ち情報を報告した後、その海域を離れた。
自分が見たものが信じられない。まるで夢のようだ」 








空母エセックス 元軍医少佐 ジョン・ロイド


あれから50年。
結局あの奇妙な船はなんだったのだろう?
わたし自身の体験と公開されている記録によれば
あの船は1945年4月7日に突然現れエセックスの攻撃隊12機を全滅させ空母エンタープライズとバンカーヒルを大破させエセックスとフランクリンとイントレピッドを損傷させた。

そしてヤマトに撃沈され…

ヤマトはその数時間後、デイヨ司令官の戦艦部隊によって沈められた。
ミズーリの沈没を含むかなりの犠牲と共に。
ヤマトに随伴していた巡洋艦の主砲と魚雷による損害も大きかったと言われている。



あの奇妙な船は日本軍の新型艦ではなかった。日本側にとっても謎の存在。
では一体?


デイヨ司令官の戦艦群と砲撃戦になった時、ヤマトは無傷だった。
あの奇妙な船は何故、我が空母群に大打撃を与えた攻撃力をヤマトに向けなかったのか?



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~

歴史・時代 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:17

タイムワープ艦隊2024

SF / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:3

時代小説の愉しみ

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:242pt お気に入り:2

中世を駆ける~尼子家領地に転移した男~

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:85pt お気に入り:2

【第十回 歴史・時代小説大賞投稿】帝国の海 外伝~風翔搭乗員戦記

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:1

海自イージス艦架空戦記書いてみた

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:71pt お気に入り:1

生残の秀吉

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:2

【架空戦記】蒲生の忠

歴史・時代 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:21

処理中です...