◈ナルシス学園の美少年

ストーリー

◈土曜日

翌日の土曜日。
この日の天気は雨。
勇斗には予定があって雪弥は手持ち無沙汰になっていた。
元々勇斗が雪弥を脅かす形で知り合ったのだが、いつの間にか勇斗のペースに乗せられてなのか？雪弥は勇斗と寮で一番親しくなっていた。

雪弥も勇斗を部屋でただ待つのも暇なので、欲しかった買い物に行く事にした。
昨日勇斗と屋上で一緒に過ごした時にプラスチックカップでカフェオレを飲んだのだが、もう少しおしゃれなカップが欲しいと思っていたのだ。
勇斗はアウトドア用マグカップをティーカップとして使うのを見て、また屋外では、間違って風に飛ばされてしまうかもなので、落としても丈夫なアウトドア用カップを購入に来ていた。
アウトドア用マグカップは保温効果に優れた物もあるので、屋上などの屋外で飲むにはうってつけだった。

ナルシス学園の制服が大好きな雪弥は土日も制服を着て出掛ける事が多い。この日も雨にも関わらず雪弥は制服で出掛けて行った。
マグカップはとても良い物を購入出来た。銀製のカップで青で猫のイラストが入っている物。
雪弥は猫が大好きで大人になって一人暮らしをするようになったら猫と暮らす生活をしたいと夢見ている。

目的のマグカップを購入した雪弥は古着屋で部屋で着る室内着などを購入してマックスバーガーに向かう。
土日は寮の食事は提供されず、寮生は学園と契約している弁当屋に前もって頼んでおくか、スーパーやコンビニなどで弁当を買ってくるか、もしくは寮のキッチンを使い自分で作るかなどをしている。
雪弥は昼間は買い物ついでにマックスバーガーのバーガーセットで済ませて寮に戻る事にした。
マックスバーガーでバーガーセットを味わいながら、スマホでお気に入りのYouTubeを見ているともう時間はもう14:30過ぎ。
雪弥は繁華街から寮に戻る。
雨はいつしかあがり、繁華街から住宅地に差し掛かった信号を待つ雪弥は背中からポンと肩を叩かれる。

「ハハハハハハ。悪い悪い。驚かせちゃったかな？」

「あれっ…勇斗。今帰り？」

「ああ。用は終わったから。八王子に住む伯母の所に顔を出さなきゃいけない用事があってね。
俺の日本での保証人だからさ。」

勇斗の母はキャリアウーマンで仕事でインドネシアに赴任している。
母の妹が八王子でサロン経営をしていて勇斗は学園生活において伯母に保証人になってもらっているのだ。

「雪弥は今日は買い物なのか？」

「うん…勇斗と屋上でコーヒーなんかを飲む時に使うマグカップが欲しくなってさ。見てみる？」

雪弥が勇斗に猫柄マグカップを見せると、勇斗も顔を綻ばせた。

「へえ…この猫柄マグカップいいなあ。どこで買ったの？」

「ホームセンター『ミヤギ』で買ったんだ。」

「ふうーん…そういえば俺あんまり『ミヤギ』で買い物した事なかったな。
今度二人で一緒に行こうぜ。」

たわいのない会話をしているうちに寮に着いた二人。
勇斗が含み笑いしながら雪弥の耳元で何か囁く。

「雪弥…今日は土曜日。出掛けてる寮生も多いし。帰ったら直ぐに俺の部屋に来いよ。
お待ちかねの気持ちいい事…雪弥に悪戯してみたい…❤️」