コスプレ少年◈諏訪時雪

本篇

ショタコス撮影開始

リビングに入って来た柊高校組は思ったより広い部屋なので驚く。
広さは18畳。キッチンと寝室は別にあるようだが。
それ以上に皆が驚いたのは部屋の殺風景さ。
とても紫苑のような美女が住んでいるような部屋には見えない。
また広い壁の一面はカーテンで仕切ってあり、どうやら壁一面が棚になっているようだが、中は全く分からない。
まだ昼間なのに大窓にもカーテンが引かれている。
それ以上に不思議なのが壁カーテンと逆の位置に置いてある鏡が等身大以上に大きいものでキャスターで部屋中を自由に動かせるようになっていた。
また鏡の横には灰色の大きな布がかかっている置物が置いてある。
いったいこれは何なのか？
そして部屋の中には簡素なスチール製のパイプを組んで作った簡易ベッドが置いてあるだけ。
さらに時雪は天井を見て妙な悪寒に襲われた。
天井の数カ所に吊り金具が設置されていたのだ。

✧あんなとこに金具なんていったい何を吊るすんだろう？

勇吾「じゃあ撮影会を始めよう。
時雪、まずはいつもみたいにポーズを取って。
そうだなまずはベッドに登って色々なポーズを取るんだ。
大輔はスマホで動画撮影。
あっ…二戸さんはどうしますか？」

勇吾は本格的な撮影用のデジカメを三脚にセットした。
勇吾はアマチュアカメラマンとしては良い腕で時雪以外にも風景写真を撮ったり、時には栃木県にあるツインリンクもてぎサーキットにレーシングカーなどを撮りにいく事もあった。

克己はスマホ。新型だからカメラも高性能のもの。
紅一点の紫苑はなぜかスマホもカメラも手にしてはいない。

克己「ああ。俺もスマホで時雪くんを撮影させてもらおうか。
しかし時雪くんは本当に美少年だよね。」

大輔「全くかっちゃんは本当にショタ好きだよなあ。
女には全く興味がないくせにさ。」

克己「それは大だって同じだろ。
なあ、そういえば大と部長の勇吾くんはそういう関係なのか？」

✧えっ…それって部長と榊先輩って…ゲイ…って事？

時雪はポーズを取りながら勇吾や大輔の会話に聞き耳を立てていた。
もっとも時雪に色々なコスプレをさせて撮影を始めた頃からなんとなく疑ってはいたが。
ただ今までは撮影をするだけで時雪の身体に振れてきたりする事は無かったのだが。
時雪自身はまだ精神的にも子供で自分が異性愛者か同性愛者かはまだよく分かってはいなかった。
ただ人には言えない性癖がある事は自覚していたのだが。
時雪はまるでグラビアタレントのように頭の後ろで手を組んだり、ベッドに腰掛けてハイソックスを履いた右足の膝を両手で抱いて上目遣いに勇吾のデジカメを見たりしていた。
デニム半ズボンから剥き出しの太腿やライン入り白ハイソックスに覆われたふくらはぎがなんとも艶めかしい。
そして時雪の大きな深緑の瞳が艶っぽい目つきで勇吾の構えるデジカメのレンズを見る。
そして部長と榊先輩が付き合っているのがどうかに聞き耳を立てていたのだが。

大輔「やだなあ。俺と部長はそんな関係ではないですよ。
ただ俺たちは気が合ってるから友人として付き合ってるだけです。」

勇吾「そうですよ。確かに俺は男好きだけど大輔は好みとはほど遠いし。
ただ俺たちはどっか似たもの同士だからつるんでいて楽なんですよね。」

✧へえ…部長と大輔さんは付き合ってる訳じゃないんだな…
でも二人共女の娘に興味がないって。
じゃあやっぱりゲイって事。
えっ…それじゃ二人が興味があるのって…
まさか…僕…？

大輔「それよりかっちゃんと…え～と遠見さん。
お二人の関係こそ気になっちゃうよ。」

紫苑「ハハハ。ないない！私と二戸は全然そんなのないわよ。
だいたい私にとって相手が男か女かは重要じゃないわ！
大事なことはね。
じゃあそろそろ次の撮影会に移行しない。」

紫苑はそう話すと座っていたパイプ椅子から立ち上がり壁一面に引かれたカーテンをシャッと開けていく。
時雪は壁一面に備えられた棚に置かれている物を見てギョッとした。
そこには束ねられた麻縄や首輪、太い枷、鎖などの拘束具。
さらにはいろんな種類の鞭。
そして何本も並べられている赤い蠟燭。
そして何に使うのか先端がプラスチックで出来ている大きな注射器など。

✧えっ…いったい…あの棚に置かれている道具は…
何なの❓️『震え』