てんあま(転生したけど無双できるほど現実甘くないよね)

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第一章︰転生

第06話

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まいった・・・
まさか半日も弁明することになるとは・・・

あの後、俺達は集まってきた者達に弁解し、
ラルフを触らせるなどして何とか敵意を持ってないことを理解してもらった。

「・・・・俺のプライドはボロボロだ。」

我慢してくれ。

「お前のために集落にきて、さらに俺がここまでしてやるというのが気に食わん。」

「すまない。これが最後だラルフェ・・・・」

「念話とはいえ、棒読みな気がするんだが馬鹿にしてんのか?」

「すまん・・・」

「何をタヌキと見つめあっているんだ?」

横槍を入れてきたのはこの集落の長であるハリンというおっさん。
弁解した後、道端で突っ立ってオロオロしていた俺を長の家に招きいれてくれた。

「いえ、何かラルフが訴えかけているような気がして。」

集落に着く前にラルフから提案があった。
コネクターだという話は避けたほうがよいというもの。
理由としては以下の2つがある。

1つ目
 新しいコネクターは数十年現れていない。
 ここでバラしてしまえば人間の国どころか多種族まで大騒ぎになる。

2つ目
 そこから転生者のコネクターだと知られれば、
 最悪の場合、呪いを恐れて殺される。
 話から薄々感じていたが、邪神も転生者の可能性があり、
 その邪神の呪いを受けているかもしれない俺は非常に危険である。


でもなんか試すって言っていたような・・・まぁいいか。
そんなわけで俺はコネクターだという事を隠しつつ情報を入手する。

「ここから先にいくとニンゲ・・・ヒューマンの国があるのですか?」

「ああ。お前が行くのも止めないが、タヌキだけは連れて行くなよ?」

「えぇ。(先ほどの騒ぎ方から見てもそちらの方がいい)」

「その国の名と詳細を教えてもらいたいです。」

「国の名はアグワート。王は・・・あー実際には王女が治めているかな?
 大国で南の海の向こうの亜人や東のドラゴンとも交易がある。」

「ドラゴンとも交流があるということはコネクターが?」

「あぁいる。存命なのはこの世で二人しかおられないが、
 その内の一人である紅き旋風のシエン様がおられる。」

・・・はずい。二つ名って実際に聞くとこんな恥ずかしいのか。

俺も二つ名がつくとしたら・・・この世界に来て結構漏らしてるからな
ブラウンバースト(意味深)のイレーとかになりそうだ。

イレーでカレーってか。・・・・・・・激寒だな。

「何を無言で半笑いになっているんだ?」

「え、いやなんでもないです。
 あ!亜人と交流しているのにタヌキは怖がられるんですか?」

「お前さん本当に何も知らないのか?
 記憶がないってのも怪しいが・・・まぁ亜人と魔物は違うぞ。」

話を要約すると、亜人は人型で外見は様々。言葉で会話も出来る。
しかし人間とは別格の力を持っており、魔法も生まれながらにして使える者が多い。
知能も高く、秩序があり、ヒューマン種とも交流する。上位種といわれる存在。
しかし妖精には嫌われており、コネクターが亜人から生まれることはない。

「ま、ヒューマンと違って亜人はピンキリだけどな。」

「なるほど・・・ん?魔法?魔法って火とかだせるんですか?」

「・・・当たり前だろう。んーよし分かった。
 もうお前が何にも知らない体で話してやる。この集落にも魔法の使い手はいる。
 亜人ほど使いこなせないが、それなりの使い手だ。」

「おい。」

ハリンが手招きすると、後ろに控えていた20代位の華奢な男がこちらに来た。

「この旅人に魔法を見せてやれ。お前の得意なのでいい。」

華奢な男は一礼しコチラに向き直る。

「はじめまして。僕はタカハラと申します。じゃあ早速ですが見せますね。」

え・・・?タカハラ?日本語?

「あの的に向かって撃ちますね。」

タカハラという男は30mほど先にあるカカシっぽいものを指差す。
次の瞬間、バチバチと音がしたと思ったら男の体が光り・・・
カカシが炎をあげて燃え盛る。

「これは雷の魔法でライコウといいます。」

ライコウ・・・雷光・・・?また日本語が・・・

「どうしました?」

「あ、いえありがとうございます。凄い威力ですね。」

「ははは。まだまだですよ。修行を積めば天から雷を落とせるらしいですし。」
「じゃあ次はー・・・・」




・・・魔法を堪能したが危険だなありゃ。
普通に受けたら死ぬ。沖縄戦で見たような火炎放射が手から出るんだぞ。
あれで中級魔法だってんだからどうなってんだ。

「さて、イレーさん。理解しましたか?」

「あぁ十分だ。多種多様な魔法があるんだな。」

雷系の魔法はライコウといっていたが、他の魔法は別に日本語っぽくなかった。
俺の気にしすぎか?

「他に知りたいことはありませんか?」

「なんでも聞いていいぞ。」

俺が素直に驚くので上機嫌になったタカハラとハリンの二人が聞いてくる。

「じゃあ・・・この集落では食べ物ってどんなものを食べてるんですか?」

昨日から木の実しか食べてないし、今後食べるとなったら知っておかないと。
また漏らすのは嫌だし・・・既に何回か漏らしている気がするけどな。

「あーそうだな。遅くなったし食べていくか?」

「ありがたい。ぜひお願いします。」




「・・・・・」

「どうだ。今日は客人だからなご馳走だぞ?」

「・・・・」

「どうした?早く食えよ。」

「・・・・・・・・・・」

でかいカブト虫。

「ふざけんな!(声だけ迫真)」
「俺を脱糞キャラにするつもりか!」

脱糞はしてるのは事実なんだが。

「うっせえな。何いきなり大声あげてんだよ。」

「相当なご馳走じゃないか。年1で食えるかどうかだぞ。」

「・・・普段はどんな食事を?」

「普段は木の実とアワとか、あと卵とかだな。」

確かに貧相といえば貧相だがご馳走のカブト虫の位置付けはなんなんだろうか。
しかし出してくれた物を食わないわけには・・・・・ん?

少し開いた扉から子供達がカブト虫を見て指をくわえている。

「ハリンさん、これは子供達にやってくれ。」

「馬鹿言うな。客人に出したものをそのようなことは出来ん。」

「勘違いするな。子供は大人の背中を見て育つ。器を見せてやりたい( ・´ー・`)。」

「ほう・・・漢だなアンタ。いいぞお前ら食え。」

子供達がカブト虫に群がる。手で千切ってカニの足みたいに吸っとる。

「・・・・俺は木の実とかでいいから。」

「そうそう、こっちのタヌキはどうするんだ?」

「(・・・ラルフどうするんだ?)」

「(外で狩ってくるから気にするな。)」

「要らないそうです。」

「お前タヌキの言葉分かるのか?コネクターみたいだな。」

あっ・・・

「いやいや長い付き合いなもんで目を見ていると分かるんです。」

「まぁそうか。コネクターなんていたらもっと騒いでるもんな。」

「まぁでも酒は飲めるだろ?ほら」

「あ、ありがとうご・・・・・」

酒の中にクワガタが浮いていた。
いや・・・さすがに食べなければ大丈夫かもしれないし。
注がれた酒は飲まないと恥だ。持ってくれよ!俺の体!1倍だ!




勿論漏らしたわけだが、ふんばりながら俺は頭の中である言葉が思い浮かぶ。

鋼の脱糞術師。
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