特進クラスのふざけかた

やすを。

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39話 川北①

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 私は川北彩白。17歳のJ Kである。

 私は今日1日のために、1ヶ月前から準備してきたのだ!! 

 何をかって? 

 それはね、アイツへのクリスマスプレゼント!!

 手編みのマフラーを1から編んで作ったんだけど、喜んでくれるかな……。

 朝8時に起床……というか親に問答無用で起こされる。

 「彩白っ!! 8時よ、起きなさい!!」

 と、まあこんな感じに。

 その後はみんなと一緒の生活だよ。

 ご飯食べて、顔洗って歯磨きして。それから勉強タイムが始まる。

 特に重点的にやっているのは、アイツから教えてもらっている社会。

 毎日やらないと、成績上がらないからね。

 私は、ふとカレンダーを見た。今日の日付に丸がついてある。

 今日の夜に、キー君と過ごす予定があるのだ。

 何でそんなカップルの日にあいつと過ごすのかって? それはキー君から誘われたから。

 キー君から、誘われたから、仕方なく、過ごすだけだから。

 私はそんなことを考えながら、歴史の問題集を解き進めていた。

 そういえば、今キー君何してるのかな? 英語の勉強でもしてるのかな、それともゲームかな。

 私、最近気づいたことがあったんだよね。あんまり誰にも言ってないけどさ。

 キー君とラインしてると楽しいし、部屋で2人っきりでいるとドキドキするし、教室で勉強してる時は胸の鼓動が止まらない。

 いつからかなって、ずっと考えてたけど、多分、夏休みの肝試しのおんぶの時から。

 あんまり認めたくなかった。顔もカッコ良くない、性格は多分今まであった中で一番いい、背丈は普通くらい。

 スペックは正直低いと言ってもいいと思う。でも、一緒にいる時間が楽しくて、ドキドキして、飽きないで入れてる自分がいた。

 文化祭の夫婦役も、出来て嬉しかった。一緒に回れるのが楽しかった。

 思い出は一杯あるし、魅力も沢山ある。もちろんダサい部分も欠点もあるけど、そこも妥協できた。

 私はそんなことをペン回ししながら、ボケっとしながら考えていた。

 時々お母さんが入ってきて、怒られる時もある。でも、止まる気配がなかった。

 そんな中で誘われた約束。気合が入らない訳がなかった。

 私は、一回勉強に集中するために、頭を振って机に向かった。

 12時過ぎ。気分転換のために、散歩に出掛けていた。格好は家着に、厚めの上着を羽織って歩き出した。

 冬の快晴。太陽に光が温かく感じられたが、やはり元の気温が低く四肢の感覚が、徐々になくなっていくのが分かった。

 今日は気分的に、最寄り駅の方面に歩いていくつもりだった。

 人通りも多く、多種類の店が立ち並ぶ。私は何の気なしに周りを見回していた。

 そして、私はあるファミレスの前でまた立ち止まった。

 「えっ……キー君……?」

 私の目線の先には、見知らぬ女性と話すキー君の姿が見えた。

 約一年。私が毎日見てきた彼を見間違える訳がなかった。

 あの服装。いつかの休日にコンビニに買いにいった時に見た服装、そのままだった。

 私は体から感覚がなくなっているのを感じた。

 あの人は誰? 恐らくお姉さんはいないはず。だってここまで見たことがないから。

 じゃああの女性は誰だろう。見た感じ、うちの学校じゃない感じだし……。小学校の幼馴染なのかな。

 何で、ちょっとショック受けてるんだろう。やっぱりキー君のこと……いや、そんなことないと、思いたい……。

 私は少しだけ肩を落としながら家に帰ったのだった。


 

 

 






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