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56話 無気力少女の弄び
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響たちは、机に顔面を擦り付ける佑馬を眺めながら、冷房の効いた家で勉強をしていた。
「有咲さん…こいつはもうダメみたいだ」
「ゆまのことは置いてこ」
ついに期末試験が明日となり、最後の復習のために前回同様、三人ずつに別れ勉強会をしていた。
しかし、復習のつもりが佑馬にとっては、まだまだインプットの段階だった。
「そんなこと言わないでくれよぉ」
「ならまず、シャキっとしてペンを握れ」
佑馬は自分の枕に顔を埋め込むと、『あぁぁ』と声を漏らす。
「雨だからって、ゆまの家にしたのは間違いだったっぽいね」
「同感だ」
時は数時間ほど遡る。
『明日のテスト、俺の全身全霊を賭ける!!』
『賭けてもいいが、払い戻しがあるとは限らないぞ』
『破産かくてー』
昼頃、三人は勉強をするため街中のカフェに向かっていた。
『ありゃ、今日休みだってよ?』
『まじかよ!カフェで勉強って憧れだったのに!』
元々行こうと思っていたカフェは、たまたま定休日だったらしく、仕方がなく別のカフェを探す。
しかし、その途中ポツリポツリと雨が頭に降り注ぐ。
『ちょ、雨は聞いてないって』
『と、とりあえず俺ん家がこっからすぐだから、そこに!』
佑馬の背中を追いかけ、走って数分で佑馬の家に辿り着いた。
『飲み物入れてくるから、二階上がってすぐの部屋で待っててくれ』
二階の部屋に入ると、男子高校生らしく、綺麗でもなければ汚くもない、オーソドックスな内装が広がっていた。
「もうダメぽよぉー」
そして今に至る。
「海行くんだろ?やる気出せって」
「行きたいけど…試験が億劫すぎて…」
やる気がイマイチ出ない佑馬に対し、有咲は大きな独り言を呟く。
「あーあ、ゆま海行けないなんて残念だなー。みんなで水着買いに行ったのに、見せるのは響っちだけかー」
「…水着!?」
「うさっちのバインバインのビキニ姿も、透子の引き締まったくびれも、あやっちの…これは響っちの楽しみのために取っておくねっ」
有咲に変な気を使われたことは癪だが、有咲の呟きによって佑馬のやる気が高まり始めた。
「ちなみに有咲さんも?」
「今回のために新調したけど残念だなー」
佑馬は頭にタオルを巻き、コーヒーを一気に飲み干し、ペンを握る。
さっきまでの佑馬の何十倍も集中力を発揮し、みるみるうちに試験範囲を終わらせる。
「こんだけやる気出してくれて、うちは嬉しいよー」
「今回は有咲さんのお手柄だな」
その後も佑馬の集中力は凄まじく、二人に質問を投げかけながら次々のインプットを終わらせていく。
「ここはこの解き方でいいんだよな?」
「おー、ゆま冴えてるー」
今までの勉強会が要らなかったと思えるほど、今日だけで一通り頭に入れることが出来た。
「よし、これなら赤点はまず取らないだろうな」
「やるじゃーん」
佑馬は鼻を天狗にしながら、自画自賛を始める。
「なんていうか、勉強ってのは積み重ねが大事なんだよね?やっぱり俺ともなると、その積み重ねをいつの間にやってるってゆーか?」
女性陣の水着姿に釣られてやる気出しただけだろ、と言いたい気持ちを抑え、スマホを見ながら『うんうん』と適当に頷く。
「ゆーま!?お友達来てるのー?ちょっと荷物運ぶの手伝ってー」
「母さん帰ってきたのかよ…今行くー!ってことですまん、ちょっと行ってくる」
面倒くさがりながらも手伝いに向かう佑馬は、やはり根っから良い奴なのだろう。
元々、この三人は珍しい組み合わせだったのだが、有咲と二人きりになったのは、片手で数えられる程しかない。
少し気まずさがあったが、有咲の方から話題を振ってくる。
「響っちは誰の水着が楽しみ?」
「はっ?別に」
有咲は響の反応を面白がりながら、話を続ける。
「そんなこと言ってるけど、本当は一番楽しみなんじゃないのー?」
「水着なんてただの布だろ?そんなものに欲情するほど、落ちぶれてない」
すると、有咲はスカートの裾を持ち、ゆっくりとたくしあげていく。
「な、何してんだ!?」
「ほんとか試そうかなーって」
有咲は、ギリギリのラインまで上げると一気に上まで持ち上げる。
「お、おい!」
響は自分の手で目を隠すが、その隙間から細目で確認する。
「残念、短パン履いてましたー」
「知ってたが?」
響の男心を弄んだ有咲は、笑いながら寝転ぶ。
「あー響っちの反応は飽きないなー」
「俺の純情を弄んで何を言う」
そんな二人が居る部屋のドアがガチャっと開くと、佑馬がショートケーキが乗ったお皿を運んでくる。
「母さんが『みんなで食べてー』だってさ」
「ちょうど小腹減ってたんだよ」
「ゆまのお母さんありがとー」
三人でケーキを食べ、夏休みへ思いを馳せながら、試験範囲の復習をみっちり行った。
「有咲さん…こいつはもうダメみたいだ」
「ゆまのことは置いてこ」
ついに期末試験が明日となり、最後の復習のために前回同様、三人ずつに別れ勉強会をしていた。
しかし、復習のつもりが佑馬にとっては、まだまだインプットの段階だった。
「そんなこと言わないでくれよぉ」
「ならまず、シャキっとしてペンを握れ」
佑馬は自分の枕に顔を埋め込むと、『あぁぁ』と声を漏らす。
「雨だからって、ゆまの家にしたのは間違いだったっぽいね」
「同感だ」
時は数時間ほど遡る。
『明日のテスト、俺の全身全霊を賭ける!!』
『賭けてもいいが、払い戻しがあるとは限らないぞ』
『破産かくてー』
昼頃、三人は勉強をするため街中のカフェに向かっていた。
『ありゃ、今日休みだってよ?』
『まじかよ!カフェで勉強って憧れだったのに!』
元々行こうと思っていたカフェは、たまたま定休日だったらしく、仕方がなく別のカフェを探す。
しかし、その途中ポツリポツリと雨が頭に降り注ぐ。
『ちょ、雨は聞いてないって』
『と、とりあえず俺ん家がこっからすぐだから、そこに!』
佑馬の背中を追いかけ、走って数分で佑馬の家に辿り着いた。
『飲み物入れてくるから、二階上がってすぐの部屋で待っててくれ』
二階の部屋に入ると、男子高校生らしく、綺麗でもなければ汚くもない、オーソドックスな内装が広がっていた。
「もうダメぽよぉー」
そして今に至る。
「海行くんだろ?やる気出せって」
「行きたいけど…試験が億劫すぎて…」
やる気がイマイチ出ない佑馬に対し、有咲は大きな独り言を呟く。
「あーあ、ゆま海行けないなんて残念だなー。みんなで水着買いに行ったのに、見せるのは響っちだけかー」
「…水着!?」
「うさっちのバインバインのビキニ姿も、透子の引き締まったくびれも、あやっちの…これは響っちの楽しみのために取っておくねっ」
有咲に変な気を使われたことは癪だが、有咲の呟きによって佑馬のやる気が高まり始めた。
「ちなみに有咲さんも?」
「今回のために新調したけど残念だなー」
佑馬は頭にタオルを巻き、コーヒーを一気に飲み干し、ペンを握る。
さっきまでの佑馬の何十倍も集中力を発揮し、みるみるうちに試験範囲を終わらせる。
「こんだけやる気出してくれて、うちは嬉しいよー」
「今回は有咲さんのお手柄だな」
その後も佑馬の集中力は凄まじく、二人に質問を投げかけながら次々のインプットを終わらせていく。
「ここはこの解き方でいいんだよな?」
「おー、ゆま冴えてるー」
今までの勉強会が要らなかったと思えるほど、今日だけで一通り頭に入れることが出来た。
「よし、これなら赤点はまず取らないだろうな」
「やるじゃーん」
佑馬は鼻を天狗にしながら、自画自賛を始める。
「なんていうか、勉強ってのは積み重ねが大事なんだよね?やっぱり俺ともなると、その積み重ねをいつの間にやってるってゆーか?」
女性陣の水着姿に釣られてやる気出しただけだろ、と言いたい気持ちを抑え、スマホを見ながら『うんうん』と適当に頷く。
「ゆーま!?お友達来てるのー?ちょっと荷物運ぶの手伝ってー」
「母さん帰ってきたのかよ…今行くー!ってことですまん、ちょっと行ってくる」
面倒くさがりながらも手伝いに向かう佑馬は、やはり根っから良い奴なのだろう。
元々、この三人は珍しい組み合わせだったのだが、有咲と二人きりになったのは、片手で数えられる程しかない。
少し気まずさがあったが、有咲の方から話題を振ってくる。
「響っちは誰の水着が楽しみ?」
「はっ?別に」
有咲は響の反応を面白がりながら、話を続ける。
「そんなこと言ってるけど、本当は一番楽しみなんじゃないのー?」
「水着なんてただの布だろ?そんなものに欲情するほど、落ちぶれてない」
すると、有咲はスカートの裾を持ち、ゆっくりとたくしあげていく。
「な、何してんだ!?」
「ほんとか試そうかなーって」
有咲は、ギリギリのラインまで上げると一気に上まで持ち上げる。
「お、おい!」
響は自分の手で目を隠すが、その隙間から細目で確認する。
「残念、短パン履いてましたー」
「知ってたが?」
響の男心を弄んだ有咲は、笑いながら寝転ぶ。
「あー響っちの反応は飽きないなー」
「俺の純情を弄んで何を言う」
そんな二人が居る部屋のドアがガチャっと開くと、佑馬がショートケーキが乗ったお皿を運んでくる。
「母さんが『みんなで食べてー』だってさ」
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