57 / 233
57話 水着見れます!
しおりを挟む
いつもと違い、朝から皆が教科書を凝視しながら、勉学に勤しむ。
「響…俺大丈夫かな?大丈夫だよな!?」
「大丈夫なんじゃないか」
「せめてこっちを見て話してくれよぉ」
響が座る席に、机を挟み佑馬が声をかける。
「源さんからも何か言ってくれよぉ」
「響さん!佑馬さんが可哀想です!!」
「『こんなやつに時間を割く必要はないですよー』ってさ」
聞こえていないことをいいことに、適当なことを伝え、二人からツッコミを入れられる。
そんな響たちの元に、目元に隈を作った透子がやって来る。
「道元ーここって出ると思う?」
「そこは今からやっても間に合わないし、出たとしても配点低いから大丈夫だ」
「りょーかいっ」
この赤点候補者たちは当初、やる気も学も無かったが、今はどちらも見違えるほど上がっている。
「菖蒲ちゃん、あたしを元気付けてぇ」
『よーしっよしよしよしぃー』
菖蒲は、大型犬とじゃれるように透子のことを撫で、それに対し透子も『くぅーん』と犬のような声を上げていた。
それを羨ましそうに見る佑馬は、響に頭を差し出す。
「響!俺も俺も!」
「よーしっよしよしよしー」
「痛い痛いっ!」
響は、そんな佑馬の頭を火が出そうな勢いで思い切り撫でた。
佑馬は自分の頭を優しく撫で、熱くなった頭皮を冷ます。
そんな中、ワイシャツを着崩した四郎が教室に入ってきた。
「よーし、待ちに待ったテストだ。俺もこのクラスから補習出したくないから頑張れよー、ホームルームはやらないから勉強しろな」
四郎のものぐさな性格が、こんなところで役に立つと思っていなかった。
伸びた勉強時間を有意義に使い、その日のテストに全力を尽くした。
数時間後、テストが終わり響の机にデジャブを感じるメンバーが集まっていた。
「響!今回は行けた気がする!」
「おぉ!」
「道元!今回はなんかいい感じ!」
「おぉ!!」
前回は、死相漂う顔で言い訳を並べていた二人だったが、今回はどちらも自信に満ち溢れた顔をしていた。
そして数週間後、いつものメンバーでテスト結果の確認をしていた。
「…まじか」
「…水着写真送ってくれな」
「…菖蒲ちゃんのはあたしにも」
二人の自信と実力的に、まず赤点は取らないだろうと思っていたのだが、二人のテストには一つずつボーダーラインを下回る点数があった。
「うちも今回は、二人大丈夫だと思ってたんだけどなー」
「有咲ちゃん!それは今の二人にはめちゃくちゃ刺さるよっ」
言葉の矢が刺さった二人は、互いに慰めあっていた。
『皆さん!ちょっと待ってください!!』
突然、菖蒲が手を広げながらジャンプをし、皆の注意を引く。
『お二人のテストをよく見てください!!』
「テスト?よく見てっ…て…」
二人のテストは何度見ても赤点。今更、何も変わらないと思っていたが、有咲がある発見をする。
「あ、透子の採点間違ってる」
「え!?」
透子のテストを確認すると、正解しているはずの問題にペケが付けられていた。
「ってことは、この点数足したら…っギリ赤点回避だ!」
「おぉ!!」
透子はテスト用紙を持ち、勢いよく職員室へ向かって行った。
「透子さんも行ってしまうのか…俺を置いて…」
「佑馬…」
佑馬は響の膝に顔を埋め、補習に一人残されたことに悲しみを爆発させていた。
すると、菖蒲が佑馬のテストを凝視しながら、『これは!』と声を上げる。
「どうした菖蒲?」
「これよく見てください!!!」
佑馬のテストは『21』と書かれているが、よく見ると『2』と『1』が離れて見えていただけで、くっつけると十の位は『4』のようにも見える。
そして、その横には元々ミミズのような書き間違えがあったのだが、こうなってくるとミミズではなく『2』である可能性が出てきた。
「これ、ワンチャンあるぞ!早く職員室行って聞いてこい!」
「おぉっ!い、行ってくる!!源さん信じてて!!」
『はい!信じてます!』
佑馬は、ドアを勢いよく開き、職員室向かって行った。
思いがけない気付きのおかげで、二人には未来が生まれた。
そして、補習を免れそうな二人が満を持して戻ってきた。
「…どうだった?」
透子は、机の上に勢いよくテストを叩きつける。
「…四十一、赤点回避でした!」
「「「おぉ!!!」」」
透子のテスト用紙の点数には、修正が入っており、そこにはボーダーラインを超える点数が刻まれていた。
「っで、ゆまはどうだったん?」
佑馬は、「勝訴!」のようにテスト用紙を顔の前に広げる。
「この夏目佑馬…水着見れます!!」
「「「おぉ!!!」」」
佑馬の点数の横には汚い字で『ごめんよぉ』と書かれていた。
今思えば、この先生は字が汚いことで有名だった。
「ということは…?」
『みんなで夏休み遊べます!!』
菖蒲の勢いのある文字に皆が喜びを炸裂させる。
待ちに待った夏休みが、ここに約束された。
「響…俺大丈夫かな?大丈夫だよな!?」
「大丈夫なんじゃないか」
「せめてこっちを見て話してくれよぉ」
響が座る席に、机を挟み佑馬が声をかける。
「源さんからも何か言ってくれよぉ」
「響さん!佑馬さんが可哀想です!!」
「『こんなやつに時間を割く必要はないですよー』ってさ」
聞こえていないことをいいことに、適当なことを伝え、二人からツッコミを入れられる。
そんな響たちの元に、目元に隈を作った透子がやって来る。
「道元ーここって出ると思う?」
「そこは今からやっても間に合わないし、出たとしても配点低いから大丈夫だ」
「りょーかいっ」
この赤点候補者たちは当初、やる気も学も無かったが、今はどちらも見違えるほど上がっている。
「菖蒲ちゃん、あたしを元気付けてぇ」
『よーしっよしよしよしぃー』
菖蒲は、大型犬とじゃれるように透子のことを撫で、それに対し透子も『くぅーん』と犬のような声を上げていた。
それを羨ましそうに見る佑馬は、響に頭を差し出す。
「響!俺も俺も!」
「よーしっよしよしよしー」
「痛い痛いっ!」
響は、そんな佑馬の頭を火が出そうな勢いで思い切り撫でた。
佑馬は自分の頭を優しく撫で、熱くなった頭皮を冷ます。
そんな中、ワイシャツを着崩した四郎が教室に入ってきた。
「よーし、待ちに待ったテストだ。俺もこのクラスから補習出したくないから頑張れよー、ホームルームはやらないから勉強しろな」
四郎のものぐさな性格が、こんなところで役に立つと思っていなかった。
伸びた勉強時間を有意義に使い、その日のテストに全力を尽くした。
数時間後、テストが終わり響の机にデジャブを感じるメンバーが集まっていた。
「響!今回は行けた気がする!」
「おぉ!」
「道元!今回はなんかいい感じ!」
「おぉ!!」
前回は、死相漂う顔で言い訳を並べていた二人だったが、今回はどちらも自信に満ち溢れた顔をしていた。
そして数週間後、いつものメンバーでテスト結果の確認をしていた。
「…まじか」
「…水着写真送ってくれな」
「…菖蒲ちゃんのはあたしにも」
二人の自信と実力的に、まず赤点は取らないだろうと思っていたのだが、二人のテストには一つずつボーダーラインを下回る点数があった。
「うちも今回は、二人大丈夫だと思ってたんだけどなー」
「有咲ちゃん!それは今の二人にはめちゃくちゃ刺さるよっ」
言葉の矢が刺さった二人は、互いに慰めあっていた。
『皆さん!ちょっと待ってください!!』
突然、菖蒲が手を広げながらジャンプをし、皆の注意を引く。
『お二人のテストをよく見てください!!』
「テスト?よく見てっ…て…」
二人のテストは何度見ても赤点。今更、何も変わらないと思っていたが、有咲がある発見をする。
「あ、透子の採点間違ってる」
「え!?」
透子のテストを確認すると、正解しているはずの問題にペケが付けられていた。
「ってことは、この点数足したら…っギリ赤点回避だ!」
「おぉ!!」
透子はテスト用紙を持ち、勢いよく職員室へ向かって行った。
「透子さんも行ってしまうのか…俺を置いて…」
「佑馬…」
佑馬は響の膝に顔を埋め、補習に一人残されたことに悲しみを爆発させていた。
すると、菖蒲が佑馬のテストを凝視しながら、『これは!』と声を上げる。
「どうした菖蒲?」
「これよく見てください!!!」
佑馬のテストは『21』と書かれているが、よく見ると『2』と『1』が離れて見えていただけで、くっつけると十の位は『4』のようにも見える。
そして、その横には元々ミミズのような書き間違えがあったのだが、こうなってくるとミミズではなく『2』である可能性が出てきた。
「これ、ワンチャンあるぞ!早く職員室行って聞いてこい!」
「おぉっ!い、行ってくる!!源さん信じてて!!」
『はい!信じてます!』
佑馬は、ドアを勢いよく開き、職員室向かって行った。
思いがけない気付きのおかげで、二人には未来が生まれた。
そして、補習を免れそうな二人が満を持して戻ってきた。
「…どうだった?」
透子は、机の上に勢いよくテストを叩きつける。
「…四十一、赤点回避でした!」
「「「おぉ!!!」」」
透子のテスト用紙の点数には、修正が入っており、そこにはボーダーラインを超える点数が刻まれていた。
「っで、ゆまはどうだったん?」
佑馬は、「勝訴!」のようにテスト用紙を顔の前に広げる。
「この夏目佑馬…水着見れます!!」
「「「おぉ!!!」」」
佑馬の点数の横には汚い字で『ごめんよぉ』と書かれていた。
今思えば、この先生は字が汚いことで有名だった。
「ということは…?」
『みんなで夏休み遊べます!!』
菖蒲の勢いのある文字に皆が喜びを炸裂させる。
待ちに待った夏休みが、ここに約束された。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる