囁き少女のシークレットボイス

うみだぬき

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68話 ナンパ撃退には男不要

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 響たちはようやく落ち着くことができ、菖蒲は冷めきった焼きそばを食べながら、二重の意味で胸を撫で下ろしていた。

「一華さん…凄いですね」
「俺はノーコメントで」

 泳ぐことにも飽き始めてきた一華たちは、簡易的にコートを作りビーチバレーをしていた。
 運動神経が良い一華は、スパイクを次々に決めるのだがその度に、大きく揺れ動くものが響たちを魅了していた。

「響たちも来いよー」
「んー、もうちょい休憩させてくれー」


 ビーチパラソルの下は涼しく、外も中も熱くなった身体を冷ましてくれる。
 その横で焼きそばを食べ終えた菖蒲は、ラムネを飲みながら足をバタバタとし、地平線を見つめていた。

「響さん、私今日皆さんで海に来れてよかったです」
「俺も同意見だ」
「私たちもビーチバレーに混ざりましょっか」

 響たちもビーチバレーに参加し、砂浜らしい遊びを存分に楽しんだ。

「じゃああたし、あっちの方見てくるわ」
『私もご一緒します!!』
「あっ!私も行くー!」

 透子たちは遊び疲れたと、軽い散歩をしに行った。
 残った響たちは、ビーチパラソルの下で悠々自適に涼んでいた。

「やっぱり海はいいねー」
「だよなー」
「なー」


 脳死で会話していると『あっ』と有咲が声を上げた。

「今思ったけど、海で女の子三人にさせたら良くなくない?」
「確かにやばいか、佑馬見に行こうぜ」
「俺は有咲さん見守ってるー」

 恐らくもう少しゆっくりしたいのと、響一人で十分だと思っているのか佑馬は響に『行ってこーい』と手を振る。

 響は透子たちの方へ向かうと、砂浜付近で案の定絡まれていた。

「胸大っきいねー!一緒にちょっと遊ぼうよー」
「あははー、私たち友達と来てるからー」
「なら君だけでいいからさー、他の子は…ねぇ?あんま無いじゃん?」

 その『無い』という言葉に反応したのか、透子と菖蒲が今まで見たことの無いような顔で目配せをしていた。

「菖蒲ちゃん」

 ここからは菖蒲のタブレットの文字は見えなかったが、恐らく何かしらの了承をしたように見える。
 すると二人は、響に水をかけていたよりも凄い威力と速度で男にかける。

「ちょ!痛い痛い!痛いって!!」

 男はしっぽを巻きすごい速度で逃げて行った。

「俺が来なくても大丈夫そうだったな」
「あれ?道元来たんだ」
「一応な」

 一華は男が居なくなり、透子と菖蒲に感謝をする。

「気にしないでいいよ、悪いのはその胸…じゃなくてあいつだから」
『そうですよ、悪いのはその胸…すみません誤字です。あの人ですから』

 男に敵対心を向けていた二人だったが、他の物に対しても向けているようだった。
 響たちは、パラソルの元に戻り先程の話をすると、佑馬は腹を抱えて笑っていた。


 辺りは暗くなり、遊ぶ人たちも少なくなり始め、響たちは一度別荘に戻った。
 この砂浜では、BBQをすることができるスペースがあるらしく、そこを貸切で使うために材料を取りに来ていた。

「重いけど男子二人がいれば楽だねー」
「っいやいや…普通に無理無理」

 響たちは、引越し業者程の荷物を足をプルプルと震わせながら運びきった。

「貸切だから人も居ないし、海も見えて最高だね!」
『贅沢です!』
「もう焼こうぜ!!」

 待ちきれなくなった佑馬は、肉を焼こうとするが一華に手を掴まれ『私がやるから』と制止されていた。
 焼かれた肉はどれも元が良い事もあり、肉汁がすごく食欲を刺激する。

「焼けたところから食べていってねー、まだまだあるし」
「「「いただきまーす!!」」」

 海風を感じ、水着のまま肉を食べると、いつもと違った雰囲気に包まれ、より美味しさが倍増している。
 肉だけでなく、ピーマンや玉ねぎも焼き、腹がはち切れるまで焼肉を堪能した。


「ふぅー…食べたな」
「…食べましたね」

 焼肉を食べ終え、時間的には遅いが食後のデザートのためにスイカ割りをしていた。

「透子右右ー」
「こんぐらい?」
「透子ちゃん行きすぎ!行きすぎ!」

 透子のラジコンをする有咲たちは、少しふざけながら方向を伝える。

「ここでいいの!?」
「待て待て!」
「そのままいくと、ゆまの頭がスイカみたいになっちゃうかも」

 佑馬はバットから逃げ、透子は案内の末綺麗にスイカを割ることに成功した。

「食後のスイカ美味しいー!」
「あんたら、あたしで遊びすぎっ」

 スイカを食べ終わり、ここまで来たら夏らしいことをやり切ろうということで、歩いて十数分の距離にあるコンビニへ、手持ち花火を買いに行った。

「着いてきてくれてサンキュー」
「夜に女子一人は何があるか分からないからな」

 道を知っている有咲に着いてきた響は、堤防を歩きながら今も波打ちつ海を眺めていた。

「危ないぞー」
「大丈夫、大丈夫ー」

 有咲は堤防の段差になっているところで、両手を広げながら歩いている。
 すると有咲が、いつもと変わらないテンション感で質問をしてくる。



 響は歩きを止めた。
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