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第四十話 覚醒
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バルコニーから突き落とされた私は、ラルフと共に地面に真っ逆さまに落ちて行く。このまま落ちれば、きっと命は助からないだろう。
これは、もう助からない。ラルフと明るい未来に向かって歩みたかったけど、そんなのは私には相応しくなかったんだね。
……いや、今は悲観している場合じゃない。こうなってしまった以上、ほんの少しでもラルフが助かる可能性を増やしたい。そう思い、私はラルフの体を強く抱きしめた。
こうやって私が少しでもクッションの代わりになれば、ラルフが助かるかもしれない。
「大丈夫だよラルフ。私があなたを守るから! あなたがずっとそうしてくれたように……!」
死の恐怖よりも、ラルフのことを思っていると、私の体が淡い青色の光に包まれた。
なに、この光は……優しくて、暖かい光……って、私の体から出てる!?
「よくわからないけど、この際何でもいい! お願い、ラルフを助けて! 私なんてどうなってもいいから!!」
私の想いに呼応して、更に光が強くなっていく。すると、ガラスが割れたような音がした。
今のは一体何の音だろう。わからないけど、気にしている余裕なんて無かった。何故なら、もう地面が目前まで迫ってきていたからだ。
あんな身勝手な家族のために、私達の幸せは奪われてしまった。でも、最後まで私は諦めない。私はもう助からなくても、最後の最後までラルフを助けることを……諦めない!
「っ……!!」
ラルフを守るように抱きしめたまま、私は目をギュッと閉じる。それから間もなく、私の体に衝撃が伝わってきた。
あぁ、これで私の人生終わりかぁ……きっと今頃骨がバラバラになって、血も凄いことになってるんだろうなぁ……ラルフ、ナディア様、お義母様、マーヴィン様、先に天国で待ってるね……。
「……って、あれ?」
あれだけ高いところから落ちたんだから、凄まじい衝撃と痛みの後に、意識は無くなっちゃうと思っていたのに、衝撃も痛みもあまり無いし、意識は一向に無くならない。
もしかして、打ちどころが悪くて、痛みとかを感じる前に死んじゃって、意識もそれに気づいていないとか? え、そんな間抜けな話なんてあるの?
と、とにかく目を開ければわかるよね……ちょっと怖いけど、目を開けてみよう。
「な、なにこれ……大きなクッション? どうして……??」
落ちる前は、ここにあったのは確かに硬い地面だけだったはずなのに、今は私達が余裕で寝転がれるほど大きなクッションが敷いてあった。それも、凄くフカフカで、どんな衝撃でも吸収してくれそうだ。
こんなの、誰が用意してくれたの? もしかして、さっきの青い光が関係しているの?
何から何までわからない……って、それよりもラルフが無事かどうかの確認をしないと!
「ラルフ、怪我は――」
「お怪我はありませんか、シエル様」
「……えっ……?」
怪我がないか確認をしようと思ったのに、逆にラルフに心配をされてしまった私は、声になっていない声を漏らした。
「ら、ラルフ……なの……? 元に戻ったの?」
「はい。あなたに仕える執事であり、あなたの未来の夫であるラルフです」
「本当に、元に戻って……ら、ラルフ~!!」
まだ解決したわけじゃないのに、ラルフが元に戻ったことで緊張の糸が切れてしまい、ボロボロと涙を流しながらラルフに抱きつくと、ラルフは優しく私を抱きしめ返してくれた。
「よ、よかった……あなたが元に戻ってくれて……あなたが助かってくれて……本当に良かった……!!」
「ご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」
ラルフの胸の中で泣きじゃくっていると、先程の青い光がまた私の体から出てきた。そして、その光に触れたクッションが、光の粒子となって消えてしまった。
「い、いたた……急にクッションが消えちゃったよ……」
「大丈夫ですか?」
「うん、高さはほとんどなかったから大丈夫! ラルフは?」
「私も問題ございません。本当に……無事で本当に良かった。とにかく、ここにいては彼女達に見つかってしまうかもしれないので、どこかに隠れましょう」
私はラルフに手を引かれて、近くにある茂みの中に身を隠した。ここなら少しの間は見つからないだろう。
それにしても、一体何がどうしてこうなったんだろう? あの青い光とか、このクッションとか、わからないことが多い。
「ぐすっ……どうして元に戻れたの?」
「私にもわかりません。あの時、お二人に魔法をかけられた私は、頭の中を異物でかき混ぜられるような感覚を覚えました。それと同時に、ヴィオラ様の言葉がすべて正しく、そしてリンダ様がとても魅力的に見えておりました」
それって、マーヴィン様も同じ様なことを言ってたよね? 二人の魔法をかけられると、みんな同じような感覚になるってことかな?
「それでも必死に抵抗をしておりましたが、最後には頭の中に、濁流の様にお二人の力が流れ込んできて、意識が闇の中に閉じ込められてしまいました」
「そんな酷いことを……絶対に許せない……!」
「もうどうすることも出来なくなっていた私の意識の中に、突然青い光が降りてきました。その光が段々と広がっていって、私の頭の中を支配していた魔法を消し去ってくれたんです」
ということは、やっぱりラルフを助けてくれたのは、あの青い光だったんだ! あれは結局何だったんだろう? 私の体から出てたけど……。
「その光のおかげで意識を取り戻した私は、落下しながらも私を守るあなたを見て、咄嗟に自分の魔法を使いました。その結果が、あのクッションでしょう」
ラルフの魔法……一日一回だけ仕える、私が欲しいと思った物を出せる魔法。そうか、あの時の私はラルフを助けたいって一心だった。それに、ラルフを守るために自分をクッションにしようとした。だから、ラルフを落下から助けられるもの……クッションが出てきたってことだね。
「そうだったんだね。ラルフが助けてくれなかったら、私は今頃死んじゃってたよ。本当にありがとう!」
「私こそ、あなたがいなければ、あのまま操り人形として一生を過ごしておりました。助けていただき、ありがとうございます」
「私は守られてばかりで、結局何も出来なかったよ。ラルフを助けたのも、あの謎の光のおかげだったし……」
「あの光について、シエル様はご存じなのですか?」
「うん。なんか急に私の体から出て来て……ラルフを助けてくれたの」
私は落ちていた時の状況を、わかる範囲でラルフに説明した。すると、ラルフは何か考え込むような表情を浮かべながら、顔を俯かせた。
「……これはあくまで推測ですが、その光はシエル様の魔法なのではありませんか?」
「わ、私の魔法? ないない、だって私は魔法が使えないんだよ?」
魔法なんて、極一部の凄い人しか使えない神秘の力だよ? 私みたいな凡人が使えるような代物じゃないよ。
「今まではそうでしたが、今回の一件で覚醒したと考えられませんか?」
「そんな都合の良いことってある……?」
「一説によると、魔法は術者の想いによって顕現するといわれています。例えば私の力は、あなたに幸せになってほしい、笑顔になってほしいと強く想い、それを叶えるように使えるようになりました。あなたの魔法も、強い想いによって覚醒したのでしょう」
そ、そうだったんだ……全然知らなかったよ。それならラルフの魔法も、ヴィオラお姉様やリンダの魔法も、術者の想いを叶える効果だね。
「仮にそうだとして、私の力って何なんだろう?」
「私にもそれははっきりとはわかりません。きっと、その時のシエル様が強く想ったことが関係していると思われます」
私が強く想ったこと? それは……。
「……ラルフを二人の魔法から助けたいって……元に戻ってほしいって……」
「なるほど。私にかけられた魔法の力が無くなり、あのクッションも消していた……もしかしたら、シエル様の魔法は、魔法の効果を消し去る効果なのかもしれません」
魔法の効果を消す魔法……そっか、だからラルフを元に戻せたし、魔法で作られたクッションも消えちゃったんだ。ラルフを魔法から助けたいっていう私の想いにも合っているし、きっとそれで間違いない。
……自分にもっと力があれば大切な人が助けられるのにって思ってたけど……その力を、本当に手に入れられるなんて……凄く嬉しい!
「ねえ、この力があれば、ヴィオラお姉様とリンダに操られた人達を、助けることができるんじゃないかな!?」
「理論的には可能かもしれませんが、効果がはっきりとわかったわけではございませんし、魔法を使い慣れていない状態では、危険な賭けでしょう。ここは一旦引くのが賢明かと」
「そうかもしれないけど……今しか助けられないかもしれないよ! それに、二人の言葉を信じるなら……マーヴィン様も同じ目に合ってる可能性がある!」
何の罪もないのに、魔法であんな人形みたいにされて、道具の様に操られるなんて、可哀想すぎる。助けられる力があるかもしれないのに、放ってなんておけないよ!
「……わかりました。最後まで私はあなたの隣にいます」
「ありがとう、ラルフ。無事に帰れたら、必ずお礼をさせてね」
「まずは、なにかあった時のための退路の確保をしましょう」
「退路……あっ! あの門番のところだね! まずは彼らを元に戻して、あの門を使えるようにするってことだね」
「さすがシエル様。その通りでございます」
「そうと決まれば、早く行こう!」
私はラルフの手を強く握ると、さっき行った門に向かって走り出した。
ぶっつけ本番で上手くいく保証は無いし、私の魔法の力が別の可能性もあるし、そもそも魔法なんて使えるようになっていないかもしれない。
それでも、私は行くよ。マーヴィン様や、巻き込まれてしまった可哀想な人達を助けるために!
これは、もう助からない。ラルフと明るい未来に向かって歩みたかったけど、そんなのは私には相応しくなかったんだね。
……いや、今は悲観している場合じゃない。こうなってしまった以上、ほんの少しでもラルフが助かる可能性を増やしたい。そう思い、私はラルフの体を強く抱きしめた。
こうやって私が少しでもクッションの代わりになれば、ラルフが助かるかもしれない。
「大丈夫だよラルフ。私があなたを守るから! あなたがずっとそうしてくれたように……!」
死の恐怖よりも、ラルフのことを思っていると、私の体が淡い青色の光に包まれた。
なに、この光は……優しくて、暖かい光……って、私の体から出てる!?
「よくわからないけど、この際何でもいい! お願い、ラルフを助けて! 私なんてどうなってもいいから!!」
私の想いに呼応して、更に光が強くなっていく。すると、ガラスが割れたような音がした。
今のは一体何の音だろう。わからないけど、気にしている余裕なんて無かった。何故なら、もう地面が目前まで迫ってきていたからだ。
あんな身勝手な家族のために、私達の幸せは奪われてしまった。でも、最後まで私は諦めない。私はもう助からなくても、最後の最後までラルフを助けることを……諦めない!
「っ……!!」
ラルフを守るように抱きしめたまま、私は目をギュッと閉じる。それから間もなく、私の体に衝撃が伝わってきた。
あぁ、これで私の人生終わりかぁ……きっと今頃骨がバラバラになって、血も凄いことになってるんだろうなぁ……ラルフ、ナディア様、お義母様、マーヴィン様、先に天国で待ってるね……。
「……って、あれ?」
あれだけ高いところから落ちたんだから、凄まじい衝撃と痛みの後に、意識は無くなっちゃうと思っていたのに、衝撃も痛みもあまり無いし、意識は一向に無くならない。
もしかして、打ちどころが悪くて、痛みとかを感じる前に死んじゃって、意識もそれに気づいていないとか? え、そんな間抜けな話なんてあるの?
と、とにかく目を開ければわかるよね……ちょっと怖いけど、目を開けてみよう。
「な、なにこれ……大きなクッション? どうして……??」
落ちる前は、ここにあったのは確かに硬い地面だけだったはずなのに、今は私達が余裕で寝転がれるほど大きなクッションが敷いてあった。それも、凄くフカフカで、どんな衝撃でも吸収してくれそうだ。
こんなの、誰が用意してくれたの? もしかして、さっきの青い光が関係しているの?
何から何までわからない……って、それよりもラルフが無事かどうかの確認をしないと!
「ラルフ、怪我は――」
「お怪我はありませんか、シエル様」
「……えっ……?」
怪我がないか確認をしようと思ったのに、逆にラルフに心配をされてしまった私は、声になっていない声を漏らした。
「ら、ラルフ……なの……? 元に戻ったの?」
「はい。あなたに仕える執事であり、あなたの未来の夫であるラルフです」
「本当に、元に戻って……ら、ラルフ~!!」
まだ解決したわけじゃないのに、ラルフが元に戻ったことで緊張の糸が切れてしまい、ボロボロと涙を流しながらラルフに抱きつくと、ラルフは優しく私を抱きしめ返してくれた。
「よ、よかった……あなたが元に戻ってくれて……あなたが助かってくれて……本当に良かった……!!」
「ご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」
ラルフの胸の中で泣きじゃくっていると、先程の青い光がまた私の体から出てきた。そして、その光に触れたクッションが、光の粒子となって消えてしまった。
「い、いたた……急にクッションが消えちゃったよ……」
「大丈夫ですか?」
「うん、高さはほとんどなかったから大丈夫! ラルフは?」
「私も問題ございません。本当に……無事で本当に良かった。とにかく、ここにいては彼女達に見つかってしまうかもしれないので、どこかに隠れましょう」
私はラルフに手を引かれて、近くにある茂みの中に身を隠した。ここなら少しの間は見つからないだろう。
それにしても、一体何がどうしてこうなったんだろう? あの青い光とか、このクッションとか、わからないことが多い。
「ぐすっ……どうして元に戻れたの?」
「私にもわかりません。あの時、お二人に魔法をかけられた私は、頭の中を異物でかき混ぜられるような感覚を覚えました。それと同時に、ヴィオラ様の言葉がすべて正しく、そしてリンダ様がとても魅力的に見えておりました」
それって、マーヴィン様も同じ様なことを言ってたよね? 二人の魔法をかけられると、みんな同じような感覚になるってことかな?
「それでも必死に抵抗をしておりましたが、最後には頭の中に、濁流の様にお二人の力が流れ込んできて、意識が闇の中に閉じ込められてしまいました」
「そんな酷いことを……絶対に許せない……!」
「もうどうすることも出来なくなっていた私の意識の中に、突然青い光が降りてきました。その光が段々と広がっていって、私の頭の中を支配していた魔法を消し去ってくれたんです」
ということは、やっぱりラルフを助けてくれたのは、あの青い光だったんだ! あれは結局何だったんだろう? 私の体から出てたけど……。
「その光のおかげで意識を取り戻した私は、落下しながらも私を守るあなたを見て、咄嗟に自分の魔法を使いました。その結果が、あのクッションでしょう」
ラルフの魔法……一日一回だけ仕える、私が欲しいと思った物を出せる魔法。そうか、あの時の私はラルフを助けたいって一心だった。それに、ラルフを守るために自分をクッションにしようとした。だから、ラルフを落下から助けられるもの……クッションが出てきたってことだね。
「そうだったんだね。ラルフが助けてくれなかったら、私は今頃死んじゃってたよ。本当にありがとう!」
「私こそ、あなたがいなければ、あのまま操り人形として一生を過ごしておりました。助けていただき、ありがとうございます」
「私は守られてばかりで、結局何も出来なかったよ。ラルフを助けたのも、あの謎の光のおかげだったし……」
「あの光について、シエル様はご存じなのですか?」
「うん。なんか急に私の体から出て来て……ラルフを助けてくれたの」
私は落ちていた時の状況を、わかる範囲でラルフに説明した。すると、ラルフは何か考え込むような表情を浮かべながら、顔を俯かせた。
「……これはあくまで推測ですが、その光はシエル様の魔法なのではありませんか?」
「わ、私の魔法? ないない、だって私は魔法が使えないんだよ?」
魔法なんて、極一部の凄い人しか使えない神秘の力だよ? 私みたいな凡人が使えるような代物じゃないよ。
「今まではそうでしたが、今回の一件で覚醒したと考えられませんか?」
「そんな都合の良いことってある……?」
「一説によると、魔法は術者の想いによって顕現するといわれています。例えば私の力は、あなたに幸せになってほしい、笑顔になってほしいと強く想い、それを叶えるように使えるようになりました。あなたの魔法も、強い想いによって覚醒したのでしょう」
そ、そうだったんだ……全然知らなかったよ。それならラルフの魔法も、ヴィオラお姉様やリンダの魔法も、術者の想いを叶える効果だね。
「仮にそうだとして、私の力って何なんだろう?」
「私にもそれははっきりとはわかりません。きっと、その時のシエル様が強く想ったことが関係していると思われます」
私が強く想ったこと? それは……。
「……ラルフを二人の魔法から助けたいって……元に戻ってほしいって……」
「なるほど。私にかけられた魔法の力が無くなり、あのクッションも消していた……もしかしたら、シエル様の魔法は、魔法の効果を消し去る効果なのかもしれません」
魔法の効果を消す魔法……そっか、だからラルフを元に戻せたし、魔法で作られたクッションも消えちゃったんだ。ラルフを魔法から助けたいっていう私の想いにも合っているし、きっとそれで間違いない。
……自分にもっと力があれば大切な人が助けられるのにって思ってたけど……その力を、本当に手に入れられるなんて……凄く嬉しい!
「ねえ、この力があれば、ヴィオラお姉様とリンダに操られた人達を、助けることができるんじゃないかな!?」
「理論的には可能かもしれませんが、効果がはっきりとわかったわけではございませんし、魔法を使い慣れていない状態では、危険な賭けでしょう。ここは一旦引くのが賢明かと」
「そうかもしれないけど……今しか助けられないかもしれないよ! それに、二人の言葉を信じるなら……マーヴィン様も同じ目に合ってる可能性がある!」
何の罪もないのに、魔法であんな人形みたいにされて、道具の様に操られるなんて、可哀想すぎる。助けられる力があるかもしれないのに、放ってなんておけないよ!
「……わかりました。最後まで私はあなたの隣にいます」
「ありがとう、ラルフ。無事に帰れたら、必ずお礼をさせてね」
「まずは、なにかあった時のための退路の確保をしましょう」
「退路……あっ! あの門番のところだね! まずは彼らを元に戻して、あの門を使えるようにするってことだね」
「さすがシエル様。その通りでございます」
「そうと決まれば、早く行こう!」
私はラルフの手を強く握ると、さっき行った門に向かって走り出した。
ぶっつけ本番で上手くいく保証は無いし、私の魔法の力が別の可能性もあるし、そもそも魔法なんて使えるようになっていないかもしれない。
それでも、私は行くよ。マーヴィン様や、巻き込まれてしまった可哀想な人達を助けるために!
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