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第四話 暖かい家族
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「し、失礼します! その、今日は突然押しかけて申し訳ございませんでした!」
私は部屋に入って早々に、深々と頭を下げて謝罪しました。
私がやった身勝手な行為は、怒られてもおかしくはないでしょう。そのはずなのに、私を怒る人は誰もないどころか、一人の男性が、優しく肩に手を乗せられました。
「気にする事は無いさ。君は我らベルモンド家の大恩人なのだから」
「クリス様! お、お久しぶりです!」
「ああ、久しぶりだね聖女様。いや、今はシエルと呼んだ方が良いのか」
目の前の男性は、にこやかに笑いながら、私の肩から手を下ろしました。
彼はクリス・ベルモンド様。ベルモンド家の長男で、ジーク様の実のお兄様にあたる方です。煌びやかな金の髪と、ジーク様と同じ赤い目、そして少し垂れ目が特徴的なお方です。
彼とも以前お会いはしてますが、当時私に接していたのは主にジーク様だったので、ジーク様に比べると面識は少ない方です。
「君がシエルか。私が現当主のグザヴィエ・ベルモンドだ。君が以前訪れた時は、仕事で屋敷を離れていたから挨拶が出来なくてな。すまなかった。それと、妻を治療してくれた事、心から感謝している」
白髪交じりでお年を感じさせるけど、とても眼光が鋭い男性が、私に小さく頭を下げました。ベルモンド家の当主様が私のような貧乏人に頭を下げるだなんて、あまりにも恐れ多すぎます。
「は、はじめまして! シエル・マリーヌです! 本日は突然押しかけて申し訳ありません!」
「とんでもない。我らの大恩人の来訪なのだから、喜ぶ事はあっても迷惑に思う事など、天地がひっくり返ってもありえない」
緊張しすぎて、さっきと同じような事を言ってしまった私なんかに、大恩人だなんて……私には勿体ないお言葉です。
「シエルさん、またあなたにこうして会えた事、本当に嬉しいわ」
「セシリー様! その後の調子はいかがですか?」
「おかげさまで、すこぶる好調よ。ほら、この通り」
クリス様と同じ金色の髪を揺らしながら、彼女は笑顔で小さな握り拳を作ってみせました。
彼女はセシリー・ベルモンド様。私が来た時には、病気でずっと眠っていたんですが……こうして元気な姿を見れて、心の底からホッとしました。
巡礼の旅は世界を旅しなければならなかったので、改めて様子を見に来る事が出来なかったんです。
「母上を治療してくれた事、改めてお礼をさせてほしい。母上の病気は原因不明の難病で、もう助からないと言われていたんだ」
「……以前から思ってたんだが……どうしてお前は治療できた? 他の回復術師では、無理だと言われた」
「わ、私にもよくわかりません……わからないというのは、あまり適切じゃないかもしれませんが。私の回復魔法は、最初は弱いものでしたが、回数を重ねるうちに、いつの間にか強い力になりました。もう治らない傷や病気が治る――いえ、まるで無かったかのようになるんです。怪我や病気の重さによって、治るまでの時間は変動しますが」
……この力がわかった時……急いで家に帰りたかった。でも巡礼を投げ出す事は出来ず……結果は知っての通り。全てがもう遅すぎました。
「それで……なにがあった?」
「じ、実は……」
私はなるべくわかりやすいように、私に振りかかった事を四人に説明しました。アンドレ様との事、聖女として巡礼に出た経緯、全て騙されていた事、お母さんの事……包み隠さず全てを。
……話していたら、また悲しみと寂しさが押し寄せて来て……いつの間にか涙が流れていました。
「もういい。つらい話をよく頑張って話してくれた。もうすぐ夕食だから、それまで休め」
「は、はい……ありがとうございます、ジーク様」
「ジークでいい」
「で、でも……」
「それなら私はクリスでいいよ」
「なら私はママって呼んでもらおうかしら? 初めて娘が出来た気分を味わえるなんて、生きててよかったわ」
次から次へと予想外の事が起こるせいで、私の頭はパニックになり始めました。そんな私を救うように、グザヴィエ様が大きく咳ばらいを一つしました。
「全くセシリーは、そんな事を言われても戸惑うだろう。シエル、ここは我が家と思い、ずっとくつろいでくれて構わない」
「ずっとって……?」
「ここに住んでいいと言っている。大変な事情を抱える大恩人を追い出すなど、末代までの恥になる。シエルへの恩返しの一つとして住んでもらいたいのだよ」
「いいんですか……? ありがとうございます!」
正直、いつ追い出されても良いと思っていたました。それなのに、まさかのベルモンド家の長から住んでいいと言われるなんて……思ってもみませんでした。
「部屋はすでに用意してある。彼女を案内してくれ」
「かしこまりました。では行きましょう」
「ああそうだ。この後に家族で食事をするんだが、君も是非一緒に参加してほしいんだ。父上、母上、ジーク、いいでしょう?」
「私は構わん」
「もちろん良いわよ」
「……ああ」
一人だけあまり歓迎されてない気もしましたが、ジーク様は感情を表に出すのが苦手な人って前回お会いした時に学んだので、特に何も思いません。
客間を出てからさほど歩かずに、私は一つの部屋に到着しました。豪華な机や暖炉、テーブルに椅子……ベッドなんて天蓋があるじゃないですか! さすが領主の住むお屋敷……貧乏人には理解できない領域です。
「そうだ、お母さんは……」
「あそこにおりますよ」
部屋の中央に置かれたテーブルの上に、お母さんが入ったバッグが置いてありました。中は……うん、特に壊れたりしてません。安心しました。
「では夕食の時間になったらお呼びしますので、ここでおくつろぎください。何かあれば、そのベルを鳴らせばすぐに伺いますので」
「はい、ありがとうございます」
「では失礼しま――あ、ジーク坊ちゃま!」
「……シエルと二人きりになりたい」
「は、はい!」
メイドの人と交代するように、ジーク様が部屋に入ってくると、私の前にゆっくりと立った。相変わらず表情に乏しいのに、目つきは鋭いから、人によっては誤解されてしまいそうです。
「何か御用ですか?」
「……これを渡しにきた」
ジーク様は二輪のバラを取り出すと、一輪を私に、もう一輪をお母さんが入っているバッグの前に置き、両手を合わせました。
きっとお母さんの為に祈ってくれてるのでしょう……それが嬉しくて、気づいたら大粒の涙と嗚咽が漏れてしまいました。
「……お、おいどうした? 腹でも痛いか? それとも腹が減ったのか?」
「い、いえ……ジーク様が……」
「俺のせいか? 俺に出来る事があるなら、何でも言え」
「ジーク様が優しい事をしてくれたからですよぉ……うえぇぇぇぇん……」
「優しい……? もしかして、この花か? これくらい普通だろう」
「私がらじだら、普通じゃらいんれすよ~!!」
「わ、わかったから……少し落ち着け」
子供のように泣き続ける私を、なんとか慰めようとするジーク様は、私の頭を優しく撫でてくれました。
それだけの事をされただけなのに……私の胸の奥は暖かくなり、気付いたら涙は止まってました。
「あらら、見ちゃいましたわね」
「見てしまったな、妻に息子よ」
「はい、見てしましましたね。我が弟にあんないじめる趣味があったなんて」
涙を拭っていると、何処からか私達以外の声が聞こえてきました。部屋の中を確認しましたが、どうやら部屋の入り口でクリス様達が覗いていたようです。
「なっ……!? いつのまに部屋にいたんだ!? いや待て、どこから見ていた!?」
「強いて言えば……ほぼ全部だよ。ジークが急いで出て行ったから、何事かと思って追いかけたのさ」
「余計な事を……!」
「まあ息子の成長に言いたい事はあるが、まずはこれを」
グザヴィエ様とセシリー様、そしてクリス様はそれぞれ手に持った花束を、お母さんの前に置いてくれました。
いつの間にこんな立派なものを用意してくれたのでしょうか? きっとお母さんも喜んでくれているでしょう。
「……これでは俺のが陳腐に見えてしまう」
「いいじゃないか。見た目は違っても、お前はシエルや彼女を想って行動した。それが一番大切な事であろう?」
「……そうだといいな、兄上」
「私が思うに……誰よりも早く、でも綺麗な花を! って急いで走り回った結果、バラ一輪になったんだと思うわ」
「なっ……!? 母上、見ていたのか!?」
「あ、やっぱりそうなのねぇ。ふふふ、うちの子はとっても可愛くて素直に育ったのね~」
「は、母上……!」
少し恥ずかしそうにそっぽを向くジーク様と、それを見て楽しそうに笑うクリス様達を見ていたら、いつの間にか私もつられて笑ってました――
私は部屋に入って早々に、深々と頭を下げて謝罪しました。
私がやった身勝手な行為は、怒られてもおかしくはないでしょう。そのはずなのに、私を怒る人は誰もないどころか、一人の男性が、優しく肩に手を乗せられました。
「気にする事は無いさ。君は我らベルモンド家の大恩人なのだから」
「クリス様! お、お久しぶりです!」
「ああ、久しぶりだね聖女様。いや、今はシエルと呼んだ方が良いのか」
目の前の男性は、にこやかに笑いながら、私の肩から手を下ろしました。
彼はクリス・ベルモンド様。ベルモンド家の長男で、ジーク様の実のお兄様にあたる方です。煌びやかな金の髪と、ジーク様と同じ赤い目、そして少し垂れ目が特徴的なお方です。
彼とも以前お会いはしてますが、当時私に接していたのは主にジーク様だったので、ジーク様に比べると面識は少ない方です。
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「は、はじめまして! シエル・マリーヌです! 本日は突然押しかけて申し訳ありません!」
「とんでもない。我らの大恩人の来訪なのだから、喜ぶ事はあっても迷惑に思う事など、天地がひっくり返ってもありえない」
緊張しすぎて、さっきと同じような事を言ってしまった私なんかに、大恩人だなんて……私には勿体ないお言葉です。
「シエルさん、またあなたにこうして会えた事、本当に嬉しいわ」
「セシリー様! その後の調子はいかがですか?」
「おかげさまで、すこぶる好調よ。ほら、この通り」
クリス様と同じ金色の髪を揺らしながら、彼女は笑顔で小さな握り拳を作ってみせました。
彼女はセシリー・ベルモンド様。私が来た時には、病気でずっと眠っていたんですが……こうして元気な姿を見れて、心の底からホッとしました。
巡礼の旅は世界を旅しなければならなかったので、改めて様子を見に来る事が出来なかったんです。
「母上を治療してくれた事、改めてお礼をさせてほしい。母上の病気は原因不明の難病で、もう助からないと言われていたんだ」
「……以前から思ってたんだが……どうしてお前は治療できた? 他の回復術師では、無理だと言われた」
「わ、私にもよくわかりません……わからないというのは、あまり適切じゃないかもしれませんが。私の回復魔法は、最初は弱いものでしたが、回数を重ねるうちに、いつの間にか強い力になりました。もう治らない傷や病気が治る――いえ、まるで無かったかのようになるんです。怪我や病気の重さによって、治るまでの時間は変動しますが」
……この力がわかった時……急いで家に帰りたかった。でも巡礼を投げ出す事は出来ず……結果は知っての通り。全てがもう遅すぎました。
「それで……なにがあった?」
「じ、実は……」
私はなるべくわかりやすいように、私に振りかかった事を四人に説明しました。アンドレ様との事、聖女として巡礼に出た経緯、全て騙されていた事、お母さんの事……包み隠さず全てを。
……話していたら、また悲しみと寂しさが押し寄せて来て……いつの間にか涙が流れていました。
「もういい。つらい話をよく頑張って話してくれた。もうすぐ夕食だから、それまで休め」
「は、はい……ありがとうございます、ジーク様」
「ジークでいい」
「で、でも……」
「それなら私はクリスでいいよ」
「なら私はママって呼んでもらおうかしら? 初めて娘が出来た気分を味わえるなんて、生きててよかったわ」
次から次へと予想外の事が起こるせいで、私の頭はパニックになり始めました。そんな私を救うように、グザヴィエ様が大きく咳ばらいを一つしました。
「全くセシリーは、そんな事を言われても戸惑うだろう。シエル、ここは我が家と思い、ずっとくつろいでくれて構わない」
「ずっとって……?」
「ここに住んでいいと言っている。大変な事情を抱える大恩人を追い出すなど、末代までの恥になる。シエルへの恩返しの一つとして住んでもらいたいのだよ」
「いいんですか……? ありがとうございます!」
正直、いつ追い出されても良いと思っていたました。それなのに、まさかのベルモンド家の長から住んでいいと言われるなんて……思ってもみませんでした。
「部屋はすでに用意してある。彼女を案内してくれ」
「かしこまりました。では行きましょう」
「ああそうだ。この後に家族で食事をするんだが、君も是非一緒に参加してほしいんだ。父上、母上、ジーク、いいでしょう?」
「私は構わん」
「もちろん良いわよ」
「……ああ」
一人だけあまり歓迎されてない気もしましたが、ジーク様は感情を表に出すのが苦手な人って前回お会いした時に学んだので、特に何も思いません。
客間を出てからさほど歩かずに、私は一つの部屋に到着しました。豪華な机や暖炉、テーブルに椅子……ベッドなんて天蓋があるじゃないですか! さすが領主の住むお屋敷……貧乏人には理解できない領域です。
「そうだ、お母さんは……」
「あそこにおりますよ」
部屋の中央に置かれたテーブルの上に、お母さんが入ったバッグが置いてありました。中は……うん、特に壊れたりしてません。安心しました。
「では夕食の時間になったらお呼びしますので、ここでおくつろぎください。何かあれば、そのベルを鳴らせばすぐに伺いますので」
「はい、ありがとうございます」
「では失礼しま――あ、ジーク坊ちゃま!」
「……シエルと二人きりになりたい」
「は、はい!」
メイドの人と交代するように、ジーク様が部屋に入ってくると、私の前にゆっくりと立った。相変わらず表情に乏しいのに、目つきは鋭いから、人によっては誤解されてしまいそうです。
「何か御用ですか?」
「……これを渡しにきた」
ジーク様は二輪のバラを取り出すと、一輪を私に、もう一輪をお母さんが入っているバッグの前に置き、両手を合わせました。
きっとお母さんの為に祈ってくれてるのでしょう……それが嬉しくて、気づいたら大粒の涙と嗚咽が漏れてしまいました。
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「優しい……? もしかして、この花か? これくらい普通だろう」
「私がらじだら、普通じゃらいんれすよ~!!」
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それだけの事をされただけなのに……私の胸の奥は暖かくなり、気付いたら涙は止まってました。
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「はい、見てしましましたね。我が弟にあんないじめる趣味があったなんて」
涙を拭っていると、何処からか私達以外の声が聞こえてきました。部屋の中を確認しましたが、どうやら部屋の入り口でクリス様達が覗いていたようです。
「なっ……!? いつのまに部屋にいたんだ!? いや待て、どこから見ていた!?」
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「余計な事を……!」
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グザヴィエ様とセシリー様、そしてクリス様はそれぞれ手に持った花束を、お母さんの前に置いてくれました。
いつの間にこんな立派なものを用意してくれたのでしょうか? きっとお母さんも喜んでくれているでしょう。
「……これでは俺のが陳腐に見えてしまう」
「いいじゃないか。見た目は違っても、お前はシエルや彼女を想って行動した。それが一番大切な事であろう?」
「……そうだといいな、兄上」
「私が思うに……誰よりも早く、でも綺麗な花を! って急いで走り回った結果、バラ一輪になったんだと思うわ」
「なっ……!? 母上、見ていたのか!?」
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