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第七話 恩返しの為にお掃除です!
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「……あれ?」
お母さんをお花畑に囲まれたお墓に埋葬した翌日、私は自室の机に突っ伏した状態で目を覚ましました。
私、どうしてこんな所で……あ、そうだ。昨日の夜、どうすればベルモンド家の方々にお返しが出来るか考えている最中に、そのままウトウトして……。
あうう、こんな所で寝たせいで、体が痛いです。でも、巡礼中に森の中に葉っぱだけ敷いて寝た時や、ごつごつした岩の隙間で寝た時に比べれば、大した事はないです。
「少し体操して、体をほぐそう……いっちに、さんしー……」
「シエル、入るぞ」
「ごーろく、しちは……?」
一人なのを良い事に、私ははしたなく両腕を上げたり足を広げていたりしていると、ジーク様が部屋に入って来ました。
……え、えっと……い、今の見られてしまいましたか……?
「あの、そのえっと……これは……!」
「……? 何を慌てている。体操していただけだろ」
「そうですけど、あんな腕を上げて、足まで……!」
「別に気にする必要は無いと思うが……とりあえず、次に来る時はノックをする」
「そうしてもらえると嬉しいです……」
普通部屋に入るときはノックをするのが普通では? という疑問は置いておきましょう。まだ早朝だというのに、ジーク様はすでに身支度がバッチリ整えられています。今から出かけるのでしょうか?
……あれ? いつもは黒いジャケットを羽織っているのに、今日は別の服装です。まるで、学校の制服のような……?
「ジーク様、お出かけですか?」
「俺も兄上も……今日は学校だ」
「学校……」
そうですよね、ジーク様もクリス様も、私とさほど歳が離れていないんですから、学校に行きますよね。
私は貧乏だったうえに巡礼に行っていたから、学校に通った事がないです。それどころか、まともに勉強もしてません。羨ましいです。
「ジェニエス学園……この辺りでは名の知れている学園だ」
「えっ!? わ、私知ってます! 凄く頭の良い人しか行けないところだって、巡礼中に聞いた事があります!」
ジェニエス学園――文武両道をモットーにした、由緒ある学園の名前。この国にある、二大学園と呼ばれる学園でもあります。
私の聞いたお話だと、入学するのにたくさん勉強をして、魔法も使えないと入学できないそうです。そんな所に二人共通っているんですね。
「お前は屋敷でのんびりしているといい。それじゃ」
「あ、はい! いってらっしゃいませ!」
短く挨拶を残して、ジーク様は部屋を後にしました。ジーク様がいなくなってしまったからか、部屋がとても静かで寂しく感じてしまいます。
「……学校、か。私もジーク様やクリス様と一緒に通ってみたいな……」
貧乏だし、魔法も聖女として使っていた魔法しか使えない私には学校……ましてやジェニエス学園なんて、夢のまた夢でしょう。そんな妄想をしてないで、早く恩返しの方法を考えましょう。
「……あれは……」
窓から外を眺めながら考えようとした私の視界に、執事の方がお洗濯を干しているのが目に入りました。
「今日も良いお天気だから、お洗濯もきっとよく乾きそう……そうだ!」
良い方法を思いついた私は、自分の荷物を漁ると、中から雑巾を取り出しました。これは、巡礼中に泊った宿屋のお部屋を掃除するために使っていたものです。
「うーん、動きやすい服があればいいのですが……」
「失礼致します」
「あ、おはようございます!」
どうしようか考えていると、ノックの音と共に、私の身の周りのお世話をしてくれているメイド様が来てくれました。
そうだ、彼女に聞けば、動きやすい服がどこにあるか教えてくれそうですね。聞いてみましょう。
「あの、ドレスじゃなくて動きやすい服はありませんか?」
「動きやすい服……ですか? エプロンドレスなら用意がございますが……」
「それ、貸してもらえないでしょうか?」
「構いませんが……何をされるのですか?」
「あーえっと……ちょっとお散歩する時に、動きやすい方がいいかと思いまして!」
「なるほど。かしこまりました。準備しますので、少々お待ちを」
彼女の手を借りて着替えた私は、以前の美しいドレスではなく、コンパクトで可愛らしいエプロンドレスを身に纏いました。この動きやすさなら、きっと大丈夫でしょう。
「朝食はもう少しかかるようなので、しばしお待ちいただけるでしょうか?」
「大丈夫です。あ、ちょっとお散歩してもいいですか?」
「はい、どうぞ。三十分程でお戻りくださいね」
「わかりました」
私は雑巾をもって、一度外にある井戸に行き、水を汲んで屋敷に戻りました。
これからやる事は、至極単純――雑巾がけです! これだけ広いお屋敷なんですから、お掃除はきっと大変でしょう。だから、そのお手伝いをして、ちょっとでも恩返しになればいいなと思ってます!
「よーし、がんばりますっ!」
私は気合を入れてから、雑巾がけを始めます。これでも巡礼で鍛えた身――激流の川を泳ぎ切ったり、崖を登った事もあります。そんな私に、雑巾がけなど簡単――
「ふべぇ!?」
――と思っていたのも束の間、私は顔から床にダイブしてしまいました。
うぅ……初めてだけど、うまくいくと思ったのですが……思った以上に力の入れ方が難しいです。強すぎると雑巾が滑りませんし、弱すぎると汚れが落ちません。
極めつけは、変に力を入れすぎると、体だけが前に行ってしまい……さっきみたいになるわけです。
痛いけど、私はめげません! 私なんかでも出来る事をやって、少しでもベルモンド家に恩を返すんです!
「いきます……とりゃああああ!!」
あ、いい感じです!このまま一度奥まで行きましょう! 頑張れ私ー!
「あっ……ぼひゃん!?」
今度は止まる事が出来ず……壁に顔をぶつけてしまいました。痛いし恥ずかしいしで……踏んだり蹴ったりです……。
「ま、負けません!」
顔が凄く痛いですが、そんなの走った事ではありません。とにかく頑張ってお掃除をするのです!
うおおおおおおおおおお!!
とりゃあああああああ!!
ほわああああああああ!!
……ふう、とりあえずここの廊下は綺麗に……うん、なったと思います! 元々が綺麗でしたが、掃除して無駄になる事は無いでしょう!
「なにをしているのかしら?」
「え……? あ、セシリー様!」
「ママって呼んでほしいんだけど、まあいいわ。掃除なんてしちゃ駄目じゃない」
え、駄目……だったんですか? どうしよう、恩返しのつもりがご迷惑になってしまったなんて!
「も、申し訳ありませんでした! 出過ぎた真似を! その、色々やってもらってるので……ちょっとでも恩返しになればって……!」
「……そうだったの……あなたって子は、本当に真面目ね」
そう言いながら、セシリー様は私の事をそっと抱きしめながら、頭を撫でてくださいました。なんだか、お母さんに抱きしめられた時の事を思い出しちゃいます。
「私が駄目と言ったのはね、巡礼で大変だったあなたに、少しでも静かに過ごしてほしかったからなの。掃除なんて、大変でしょう?」
「いえ! なにか少しでも恩を返したいので!」
「……わかったわ、それじゃ今から指示する場所で、みんなでお掃除してもらえる?」
「わかりました!」
セシリー様に言われた通り、少し離れた所にある廊下に行くと、さっきよりかは汚れていました。そして、十人ものメイド様が準備をして待っていました。
ど、どうしてこんなに人数がいるのでしょうか? 雑巾がけなら、多くても二、三人で良いと思うんですが。
「お待ちしておりました。ではここに絵がありますよね。その縁を拭き掃除しましょう」
「は、はい!」
壊してしまわないように、優しく丁寧に拭きだす事五分。何気なく後ろを振り返ると、そこでは完璧に掃除が終わっていました。
……色々思う事がありましたが、このまま私は皆様と一緒に、屋敷を回っていきます。その全てで、私が何かやる前に皆様が掃除してくれてしまうんです。
あぁ……これじゃほとんど意味がありません……お手伝いにはなってるかもですが、恩返しにはなってません。もっと別の方法を考えなきゃ……。
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私、どうしてこんな所で……あ、そうだ。昨日の夜、どうすればベルモンド家の方々にお返しが出来るか考えている最中に、そのままウトウトして……。
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「……? 何を慌てている。体操していただけだろ」
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「別に気にする必要は無いと思うが……とりあえず、次に来る時はノックをする」
「そうしてもらえると嬉しいです……」
普通部屋に入るときはノックをするのが普通では? という疑問は置いておきましょう。まだ早朝だというのに、ジーク様はすでに身支度がバッチリ整えられています。今から出かけるのでしょうか?
……あれ? いつもは黒いジャケットを羽織っているのに、今日は別の服装です。まるで、学校の制服のような……?
「ジーク様、お出かけですか?」
「俺も兄上も……今日は学校だ」
「学校……」
そうですよね、ジーク様もクリス様も、私とさほど歳が離れていないんですから、学校に行きますよね。
私は貧乏だったうえに巡礼に行っていたから、学校に通った事がないです。それどころか、まともに勉強もしてません。羨ましいです。
「ジェニエス学園……この辺りでは名の知れている学園だ」
「えっ!? わ、私知ってます! 凄く頭の良い人しか行けないところだって、巡礼中に聞いた事があります!」
ジェニエス学園――文武両道をモットーにした、由緒ある学園の名前。この国にある、二大学園と呼ばれる学園でもあります。
私の聞いたお話だと、入学するのにたくさん勉強をして、魔法も使えないと入学できないそうです。そんな所に二人共通っているんですね。
「お前は屋敷でのんびりしているといい。それじゃ」
「あ、はい! いってらっしゃいませ!」
短く挨拶を残して、ジーク様は部屋を後にしました。ジーク様がいなくなってしまったからか、部屋がとても静かで寂しく感じてしまいます。
「……学校、か。私もジーク様やクリス様と一緒に通ってみたいな……」
貧乏だし、魔法も聖女として使っていた魔法しか使えない私には学校……ましてやジェニエス学園なんて、夢のまた夢でしょう。そんな妄想をしてないで、早く恩返しの方法を考えましょう。
「……あれは……」
窓から外を眺めながら考えようとした私の視界に、執事の方がお洗濯を干しているのが目に入りました。
「今日も良いお天気だから、お洗濯もきっとよく乾きそう……そうだ!」
良い方法を思いついた私は、自分の荷物を漁ると、中から雑巾を取り出しました。これは、巡礼中に泊った宿屋のお部屋を掃除するために使っていたものです。
「うーん、動きやすい服があればいいのですが……」
「失礼致します」
「あ、おはようございます!」
どうしようか考えていると、ノックの音と共に、私の身の周りのお世話をしてくれているメイド様が来てくれました。
そうだ、彼女に聞けば、動きやすい服がどこにあるか教えてくれそうですね。聞いてみましょう。
「あの、ドレスじゃなくて動きやすい服はありませんか?」
「動きやすい服……ですか? エプロンドレスなら用意がございますが……」
「それ、貸してもらえないでしょうか?」
「構いませんが……何をされるのですか?」
「あーえっと……ちょっとお散歩する時に、動きやすい方がいいかと思いまして!」
「なるほど。かしこまりました。準備しますので、少々お待ちを」
彼女の手を借りて着替えた私は、以前の美しいドレスではなく、コンパクトで可愛らしいエプロンドレスを身に纏いました。この動きやすさなら、きっと大丈夫でしょう。
「朝食はもう少しかかるようなので、しばしお待ちいただけるでしょうか?」
「大丈夫です。あ、ちょっとお散歩してもいいですか?」
「はい、どうぞ。三十分程でお戻りくださいね」
「わかりました」
私は雑巾をもって、一度外にある井戸に行き、水を汲んで屋敷に戻りました。
これからやる事は、至極単純――雑巾がけです! これだけ広いお屋敷なんですから、お掃除はきっと大変でしょう。だから、そのお手伝いをして、ちょっとでも恩返しになればいいなと思ってます!
「よーし、がんばりますっ!」
私は気合を入れてから、雑巾がけを始めます。これでも巡礼で鍛えた身――激流の川を泳ぎ切ったり、崖を登った事もあります。そんな私に、雑巾がけなど簡単――
「ふべぇ!?」
――と思っていたのも束の間、私は顔から床にダイブしてしまいました。
うぅ……初めてだけど、うまくいくと思ったのですが……思った以上に力の入れ方が難しいです。強すぎると雑巾が滑りませんし、弱すぎると汚れが落ちません。
極めつけは、変に力を入れすぎると、体だけが前に行ってしまい……さっきみたいになるわけです。
痛いけど、私はめげません! 私なんかでも出来る事をやって、少しでもベルモンド家に恩を返すんです!
「いきます……とりゃああああ!!」
あ、いい感じです!このまま一度奥まで行きましょう! 頑張れ私ー!
「あっ……ぼひゃん!?」
今度は止まる事が出来ず……壁に顔をぶつけてしまいました。痛いし恥ずかしいしで……踏んだり蹴ったりです……。
「ま、負けません!」
顔が凄く痛いですが、そんなの走った事ではありません。とにかく頑張ってお掃除をするのです!
うおおおおおおおおおお!!
とりゃあああああああ!!
ほわああああああああ!!
……ふう、とりあえずここの廊下は綺麗に……うん、なったと思います! 元々が綺麗でしたが、掃除して無駄になる事は無いでしょう!
「なにをしているのかしら?」
「え……? あ、セシリー様!」
「ママって呼んでほしいんだけど、まあいいわ。掃除なんてしちゃ駄目じゃない」
え、駄目……だったんですか? どうしよう、恩返しのつもりがご迷惑になってしまったなんて!
「も、申し訳ありませんでした! 出過ぎた真似を! その、色々やってもらってるので……ちょっとでも恩返しになればって……!」
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そう言いながら、セシリー様は私の事をそっと抱きしめながら、頭を撫でてくださいました。なんだか、お母さんに抱きしめられた時の事を思い出しちゃいます。
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「いえ! なにか少しでも恩を返したいので!」
「……わかったわ、それじゃ今から指示する場所で、みんなでお掃除してもらえる?」
「わかりました!」
セシリー様に言われた通り、少し離れた所にある廊下に行くと、さっきよりかは汚れていました。そして、十人ものメイド様が準備をして待っていました。
ど、どうしてこんなに人数がいるのでしょうか? 雑巾がけなら、多くても二、三人で良いと思うんですが。
「お待ちしておりました。ではここに絵がありますよね。その縁を拭き掃除しましょう」
「は、はい!」
壊してしまわないように、優しく丁寧に拭きだす事五分。何気なく後ろを振り返ると、そこでは完璧に掃除が終わっていました。
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