17 / 58
第十七話 学園のツートップ
しおりを挟む
「何度来ても大きいなぁ……」
無事に登校時間に間に合った私は、馬車の窓から見える校舎を見つめながら、ポカンと口を開けていました。
こんなすごい規模の学園にこれから通うなんて、今でも信じられません。これが夢だと言われても、何一つ疑わずに信じてしまうくらいです。
「そうだ、今日のお昼は三人で食べませんか?」
「僕は構わないよ。ジークは?」
「問題ない」
「ありがとうございます! それにしても……馬車で登校してる方が多いですね」
「国の二大学園と呼ばれているくらいだから、自然と権力者の家や裕福な家の子供が多く入学するんだ。だから、こうして馬車で登下校する生徒が多いのさ」
「ベルモンド家も領主の家ですもんね。納得です」
「領主と言っても、さほど大きな領ではないがな」
話をしている間に、いつの間にか私達が乗っている馬車は開けた場所へと到着しました。周りの馬車もここに集まっていますし、ここで乗り降りをするのでしょう。
「今更ですが、スラム出身の私が来ていい場所なのでしょうか……?」
「多いというだけで、貧しい者が来てはいけない場所ではないよ。それに、今はうちの人間という扱いだから、何も問題は無い」
「……文句を言う人間がいたら、実力で黙らせればいい。お前にはその実力がある。もっとも……そんな事をする輩がいたら、俺が許さないが」
「あ、ありがとうございます」
ジーク様、頼もしいですけど……その表情と声色はちょっとだけ怖いですよ……。守ってくれるのはいいですけど、穏便にしてくださいね?
「さて、のんびりしてる時間は無い。私はシエルを職員室へと案内するから、ジークは先に教室に行っていてくれ」
「……俺が行く」
「頼みたいのは山々なんだが、先生から頼まれていてね」
「それなら仕方ないか」
お二人は淡々と会話をしながら馬車を降りると、外が少しザワザワし始めました。
何かあったのでしょうか……? 窓から外を確認してみましょう。
「おい見ろよ、生徒会長のクリス様と、弟のジーク様だぜ……」
「やっぱり学年のツートップが並ぶと全然違うな……」
「兄弟そろって、最強の剣の使い手と、最強の魔法の使い手だろ? ベルモンド家、恐るべしだ……」
どうやらお二人の話でざわついているようです。生徒会長というのは……なんなのでしょうか? それに、ツートップというのもわかりません。
改めて思うと、私って本当に世間知らずというか……普通とはかけ離れた生活をしていたんだと思い知らされます……。
あ、でもでも! 最後にお話してたところは分かります! きっと剣の使い手がジーク様で、魔法がクリス様ですよね! 以前ジーク様が剣を使っているのを見た事があるので!
「キャ~! クリス様、ジーク様~! こっち向いて~!」
「あはは、おはよう諸君」
「……ふん」
「キャアアアアア!! あの爽やかな笑顔も、そっけない態度も素敵~!」
「アタシ、あのお二人と同じ空気を吸えるだけで幸せだわ……!!」
……な、なんなのでしょうあの女性達は……? 物凄い熱気と言いますか……勢いが凄まじいです。正直、ちょっと怖いですね……。
「シエル、そんな所で何をしているんだい? 早く行かないと遅刻してしまう」
「……手を出せ」
「あ、ありがとうございます」
お二人に同時に手を出されてしまい、どちらの手を取ればわからなくなってしまったので、両方の手を取って馬車を降りました。
すると……周りの人達の視線が、私に一斉に向きました。その目は、かつてスラムにいた時に、この真っ白な髪のせいで虐められていた時と似ていました。
「え、なんだあの子……ベルモンド兄弟と同じ馬車から降りてきたぞ? あんな真っ白な髪の子、うちにいたか?」
「いや、見た事の無い女性だな……転入生か?」
「俺、どこかであの人見た事ある気がするんだが……」
私の勘違いじゃなければ、みなさん私の話をしているように思います。あまりいい気はしないですし、スラムにいた頃を思い出して、ちょっとつらくなっちゃいます。
あの頃は道を歩いているだけで、気持ち悪いとかバケモノとか言われ、酷い時は物を投げられた事もありましたっけ……。髪が白いというだけで、随分と虐められたものです……。
「ちっ。シエルは見世物じゃないというのに……」
「まあ仕方ないさ。さあ、ここにいても仕方がないし、行こうか」
「はい」
「ちょっと何あれ……私達のクリス様とジーク様と馴れ馴れしくしてるとか、生意気じゃない?」
さっきまで大騒ぎをしていた女性達も、私の事を見て来ました。違う点は、周りの人と比べて、完全に敵を見る目でした。
私、あの人達に何もしていないのですが……なんでそんなに睨みつけてくるんでしょうか……。
「アタシ達のベルモンド兄弟に近づくなんて、いい度胸してるわね」
「ていうか~? 何あの髪~? 真っ白で年寄りかっての! 病気とか持ってるのかも~?」
「なにそれ怖いんだけど! そもそもそれだと、クリス様とジーク様が感染しちゃうじゃん! もしかして、病気を移すとか脅されて優しくさせるように仕向けてるのかも!」
彼女達のあまりにも品が無く、非人道的な言葉は……私の心に深く突き刺さってきました。
私はそんな病気なんて持ってません。この髪は生まれつきなのに……どうしてそんなに酷い事を言うんですか? 私、あなた達に恨まれるような事をしましたか……?
って、駄目ですよね。私は元とはいえ聖女。ああいった心の無い言葉も受け止めないと。
そう思っていた矢先、私の隣にいたジーク様が、物凄い形相で女子生徒達の所に向かっていきました――が、クリス様に肩を掴まれて止められました。
「離せ……!」
「落ち着け。気持ちは分かるが、何にでも噛みつきに行くな」
「だが……!!」
「変に事を大きくすれば、シエルに被害が行く可能性もある」
「……それもそう、か……すまない兄上……ついカッとなった。シエルの事になると、つい……」
「なに、気にするな。私も腹が立ったのは事実だからね。だから……」
近くにいた私にしか聞こえないくらいの、小声で話していたお二人でしたが、終わった矢先にクリス様が私の肩に、そっと手を乗せてきました。
それは、遠回しに私に病気なんて無いからこんなに触っても平気だという事と、あなた達よりも私の方が大切と言っているようでした。
……ちなみに最後のは、私の勝手な妄想です。別に大切に思ってなかったら、ただの勘違い女になってしまいますね……。
「お、おい兄上……!」
「お前がやらないから私が代わりにやったのさ。代わってもいいぞ?」
「ちっ……!」
「ひゃわぁ!?」
やや強引に私達の間に割って入ったジーク様は、私の肩に手を回す――どころか、思い切り抱き寄せるように密着しながら、校舎の中へと入っていきました。
こ、これはなんていうか……守ってくれて嬉しい反面、とんでもなく目立っちゃって恥ずかしいです! それに、後ろからあの女性達の恨めしそうな目が……目が……すっごく怖いです!!
無事に登校時間に間に合った私は、馬車の窓から見える校舎を見つめながら、ポカンと口を開けていました。
こんなすごい規模の学園にこれから通うなんて、今でも信じられません。これが夢だと言われても、何一つ疑わずに信じてしまうくらいです。
「そうだ、今日のお昼は三人で食べませんか?」
「僕は構わないよ。ジークは?」
「問題ない」
「ありがとうございます! それにしても……馬車で登校してる方が多いですね」
「国の二大学園と呼ばれているくらいだから、自然と権力者の家や裕福な家の子供が多く入学するんだ。だから、こうして馬車で登下校する生徒が多いのさ」
「ベルモンド家も領主の家ですもんね。納得です」
「領主と言っても、さほど大きな領ではないがな」
話をしている間に、いつの間にか私達が乗っている馬車は開けた場所へと到着しました。周りの馬車もここに集まっていますし、ここで乗り降りをするのでしょう。
「今更ですが、スラム出身の私が来ていい場所なのでしょうか……?」
「多いというだけで、貧しい者が来てはいけない場所ではないよ。それに、今はうちの人間という扱いだから、何も問題は無い」
「……文句を言う人間がいたら、実力で黙らせればいい。お前にはその実力がある。もっとも……そんな事をする輩がいたら、俺が許さないが」
「あ、ありがとうございます」
ジーク様、頼もしいですけど……その表情と声色はちょっとだけ怖いですよ……。守ってくれるのはいいですけど、穏便にしてくださいね?
「さて、のんびりしてる時間は無い。私はシエルを職員室へと案内するから、ジークは先に教室に行っていてくれ」
「……俺が行く」
「頼みたいのは山々なんだが、先生から頼まれていてね」
「それなら仕方ないか」
お二人は淡々と会話をしながら馬車を降りると、外が少しザワザワし始めました。
何かあったのでしょうか……? 窓から外を確認してみましょう。
「おい見ろよ、生徒会長のクリス様と、弟のジーク様だぜ……」
「やっぱり学年のツートップが並ぶと全然違うな……」
「兄弟そろって、最強の剣の使い手と、最強の魔法の使い手だろ? ベルモンド家、恐るべしだ……」
どうやらお二人の話でざわついているようです。生徒会長というのは……なんなのでしょうか? それに、ツートップというのもわかりません。
改めて思うと、私って本当に世間知らずというか……普通とはかけ離れた生活をしていたんだと思い知らされます……。
あ、でもでも! 最後にお話してたところは分かります! きっと剣の使い手がジーク様で、魔法がクリス様ですよね! 以前ジーク様が剣を使っているのを見た事があるので!
「キャ~! クリス様、ジーク様~! こっち向いて~!」
「あはは、おはよう諸君」
「……ふん」
「キャアアアアア!! あの爽やかな笑顔も、そっけない態度も素敵~!」
「アタシ、あのお二人と同じ空気を吸えるだけで幸せだわ……!!」
……な、なんなのでしょうあの女性達は……? 物凄い熱気と言いますか……勢いが凄まじいです。正直、ちょっと怖いですね……。
「シエル、そんな所で何をしているんだい? 早く行かないと遅刻してしまう」
「……手を出せ」
「あ、ありがとうございます」
お二人に同時に手を出されてしまい、どちらの手を取ればわからなくなってしまったので、両方の手を取って馬車を降りました。
すると……周りの人達の視線が、私に一斉に向きました。その目は、かつてスラムにいた時に、この真っ白な髪のせいで虐められていた時と似ていました。
「え、なんだあの子……ベルモンド兄弟と同じ馬車から降りてきたぞ? あんな真っ白な髪の子、うちにいたか?」
「いや、見た事の無い女性だな……転入生か?」
「俺、どこかであの人見た事ある気がするんだが……」
私の勘違いじゃなければ、みなさん私の話をしているように思います。あまりいい気はしないですし、スラムにいた頃を思い出して、ちょっとつらくなっちゃいます。
あの頃は道を歩いているだけで、気持ち悪いとかバケモノとか言われ、酷い時は物を投げられた事もありましたっけ……。髪が白いというだけで、随分と虐められたものです……。
「ちっ。シエルは見世物じゃないというのに……」
「まあ仕方ないさ。さあ、ここにいても仕方がないし、行こうか」
「はい」
「ちょっと何あれ……私達のクリス様とジーク様と馴れ馴れしくしてるとか、生意気じゃない?」
さっきまで大騒ぎをしていた女性達も、私の事を見て来ました。違う点は、周りの人と比べて、完全に敵を見る目でした。
私、あの人達に何もしていないのですが……なんでそんなに睨みつけてくるんでしょうか……。
「アタシ達のベルモンド兄弟に近づくなんて、いい度胸してるわね」
「ていうか~? 何あの髪~? 真っ白で年寄りかっての! 病気とか持ってるのかも~?」
「なにそれ怖いんだけど! そもそもそれだと、クリス様とジーク様が感染しちゃうじゃん! もしかして、病気を移すとか脅されて優しくさせるように仕向けてるのかも!」
彼女達のあまりにも品が無く、非人道的な言葉は……私の心に深く突き刺さってきました。
私はそんな病気なんて持ってません。この髪は生まれつきなのに……どうしてそんなに酷い事を言うんですか? 私、あなた達に恨まれるような事をしましたか……?
って、駄目ですよね。私は元とはいえ聖女。ああいった心の無い言葉も受け止めないと。
そう思っていた矢先、私の隣にいたジーク様が、物凄い形相で女子生徒達の所に向かっていきました――が、クリス様に肩を掴まれて止められました。
「離せ……!」
「落ち着け。気持ちは分かるが、何にでも噛みつきに行くな」
「だが……!!」
「変に事を大きくすれば、シエルに被害が行く可能性もある」
「……それもそう、か……すまない兄上……ついカッとなった。シエルの事になると、つい……」
「なに、気にするな。私も腹が立ったのは事実だからね。だから……」
近くにいた私にしか聞こえないくらいの、小声で話していたお二人でしたが、終わった矢先にクリス様が私の肩に、そっと手を乗せてきました。
それは、遠回しに私に病気なんて無いからこんなに触っても平気だという事と、あなた達よりも私の方が大切と言っているようでした。
……ちなみに最後のは、私の勝手な妄想です。別に大切に思ってなかったら、ただの勘違い女になってしまいますね……。
「お、おい兄上……!」
「お前がやらないから私が代わりにやったのさ。代わってもいいぞ?」
「ちっ……!」
「ひゃわぁ!?」
やや強引に私達の間に割って入ったジーク様は、私の肩に手を回す――どころか、思い切り抱き寄せるように密着しながら、校舎の中へと入っていきました。
こ、これはなんていうか……守ってくれて嬉しい反面、とんでもなく目立っちゃって恥ずかしいです! それに、後ろからあの女性達の恨めしそうな目が……目が……すっごく怖いです!!
16
あなたにおすすめの小説
追放された聖女は幻獣と気ままな旅に出る
星里有乃
恋愛
精霊国家トップの魔力を持つ聖女ティアラは、王太子マゼランスの妃候補として約束された将来が待っているはずだった。ある日、空から伝説の聖女クロエが降りてきて、魔力も王太子も奪われ追放される。
時を同じくして追放された幻獣と共に、気ままな旅を始めることに。やがて運命は、隣国の公爵との出会いをティアラにもたらす。
* 2020年2月15日、連載再開しました。初期投稿の12話は『正編』とし、新たな部分は『旅行記』として、続きを連載していきます。幻獣ポメの種族について、ジルとティアラの馴れ初めなどを中心に書いていく予定です。
* 2020年7月4日、ショートショートから長編に変更しました。
* 2020年7月25日、長編版連載完結です。ありがとうございました。
* この作品は、小説家になろうさんにも投稿しております。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
日向はび
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
【完結】追放された大聖女は黒狼王子の『運命の番』だったようです
星名柚花
恋愛
聖女アンジェリカは平民ながら聖王国の王妃候補に選ばれた。
しかし他の王妃候補の妨害工作に遭い、冤罪で国外追放されてしまう。
契約精霊と共に向かった亜人の国で、過去に自分を助けてくれたシャノンと再会を果たすアンジェリカ。
亜人は人間に迫害されているためアンジェリカを快く思わない者もいたが、アンジェリカは少しずつ彼らの心を開いていく。
たとえ問題が起きても解決します!
だって私、四大精霊を従える大聖女なので!
気づけばアンジェリカは亜人たちに愛され始める。
そしてアンジェリカはシャノンの『運命の番』であることが発覚し――?
(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです
しまうま弁当
恋愛
伯爵令嬢のアニア・パルシスは婚約者であるバイル王太子に突然婚約破棄を宣言されてしまうのでした。
さらにはアニアの心の拠り所である、聖女の地位まで奪われてしまうのでした。
訳が分からないアニアはバイルに婚約破棄の理由を尋ねましたが、ひどい言葉を浴びせつけられるのでした。
「アニア!お前が聖女だから仕方なく婚約してただけだ。そうでなけりゃ誰がお前みたいな年増女と婚約なんかするか!!」と。
アニアの弁明を一切聞かずに、バイル王太子はアニアをお荷物聖女と決めつけて婚約破棄と追放をさっさと決めてしまうのでした。
挙句の果てにリゼラとのイチャイチャぶりをアニアに見せつけるのでした。
アニアは妹のリゼラに助けを求めましたが、リゼラからはとんでもない言葉が返ってきたのでした。
リゼラこそがアニアの追放を企てた首謀者だったのでした。
アニアはリゼラの自分への悪意を目の当たりにして愕然しますが、リゼラは大喜びでアニアの追放を見送るのでした。
信じていた人達に裏切られたアニアは、絶望して当てもなく宿屋生活を始めるのでした。
そんな時運命を変える人物に再会するのでした。
それはかつて同じクラスで一緒に学んでいた学友のクライン・ユーゲントでした。
一方のバイル王太子達はアニアの追放を喜んでいましたが、すぐにアニアがどれほどの貢献をしていたかを目の当たりにして自分達こそがお荷物であることを思い知らされるのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全25話執筆済み 完結しました
聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~
夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力!
絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。
最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り!
追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?
【完結】公爵家のメイドたる者、炊事、洗濯、剣に魔法に結界術も完璧でなくてどうします?〜聖女様、あなたに追放されたおかげで私は幸せになれました
冬月光輝
恋愛
ボルメルン王国の聖女、クラリス・マーティラスは王家の血を引く大貴族の令嬢であり、才能と美貌を兼ね備えた完璧な聖女だと国民から絶大な支持を受けていた。
代々聖女の家系であるマーティラス家に仕えているネルシュタイン家に生まれたエミリアは、大聖女お付きのメイドに相応しい人間になるために英才教育を施されており、クラリスの側近になる。
クラリスは能力はあるが、傍若無人の上にサボり癖のあり、すぐに癇癪を起こす手の付けられない性格だった。
それでも、エミリアは家を守るために懸命に彼女に尽くし努力する。クラリスがサボった時のフォローとして聖女しか使えないはずの結界術を独学でマスターするほどに。
そんな扱いを受けていたエミリアは偶然、落馬して大怪我を負っていたこの国の第四王子であるニックを助けたことがきっかけで、彼と婚約することとなる。
幸せを掴んだ彼女だが、理不尽の化身であるクラリスは身勝手な理由でエミリアをクビにした。
さらに彼女はクラリスによって第四王子を助けたのは自作自演だとあらぬ罪をでっち上げられ、家を潰されるかそれを飲み込むかの二択を迫られ、冤罪を被り国家追放に処される。
絶望して隣国に流れた彼女はまだ気付いていなかった、いつの間にかクラリスを遥かに超えるほどハイスペックになっていた自分に。
そして、彼女こそ国を守る要になっていたことに……。
エミリアが隣国で力を認められ巫女になった頃、ボルメルン王国はわがまま放題しているクラリスに反発する動きが見られるようになっていた――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる