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第四話 婚約破棄
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私に話しかけてきた男性は、このパーティーの主催者であり、私の婚約者であるヨルダン・イグウィス様だった。
その隣にいる方は……社交界で見かけたことはあるが、名前はわからない。
「まったく、婚約者の癖に挨拶にも来ないとは。礼儀がなっていなくて嫌になる」
「大変失礼いたしました、ヨルダン様。私のような人間が挨拶などに伺ったら、素敵なパーティーを楽しんでいるヨルダン様に、水を差してしまうかと思いまして」
「なるほどな。まあいい、今回は許してやろう」
別にヨルダン様のことを考えて、挨拶に行かなかったわけじゃない。ただ面倒事に繋がるようなことは、避けたかっただけだ。
「ねえヨルダンさまぁ、こんな女なんて放っておいて、一緒にパーティーを抜け出しましょうよ~」
「ははっ、そうしたいのは山々だけど、一応僕が主催者だから、勝手に抜けるわけにはいかないんだ。だから、楽しむのはパーティーが終わった後に……ね」
「きゃんっ」
一応、婚約者である私が目の前にいると言うのに、ヨルダン様は腕に抱きつく女性と、イチャイチャしている。
誰とどうしようと、私には関係の無いことだけど、いざ目の前でやられると不快だ。
婚約者だからとかではなく、見たくも無いものを見せられたら、誰でも不快になるでしょう?
「ヨルダン様、わざわざ私のような女に声をかけてくださったのですから、何かご用があったのでしょう?」
「当然だろう? 今日は大切な発表をするのは、シャーロットも知っているだろうが、その際にはこんな端にいないで、僕の前まで来るように」
……? どうして私がそんなことをしないといけないの? もしかして、発表って私達の婚約に関するものだったりするのだろうか?
例えば、結婚式の日時が決まったから、それを知らせるとか……もしそうなら、私に知らせないのはありえないし、こんなパーティーを開いてまで知らせるような内容じゃない。
そんなことを思っていると、ヨルダン様は参加者の前に立ち、大きな声を出して注目を一転に集めた。
「皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます! 本日は、皆様にご報告したいことがあり、このような場を設けさせていただきました!」
どうやら、先ほど言っていたことを話すようね。逆らって面倒なことになるのを避けるためにも、素直に言われた通りにしよう。
って……どうしてヨルダン様の隣に、知らない女性が立っているのだろう? 先程とは違う女性だし、随分と親しそうに寄り添っている。
「ご存じの通り、僕はシャーロット嬢と婚約をしておりますが、その婚約をこの瞬間を持って破棄し、こちらの女性と新たに婚約いたします!」
ヨルダン様の言葉に、会場がざわめき始める。かくいう私も、驚きで目を大きく見開いてしまった。
そんな中、いち早く行動をしたのは、私ではなくてお父様だった。
「冗談じゃない! 我々は何も聞いておりませんぞ!!」
散々嫌っている私を家に置いてまで、イグウィス家と友好な関係を結びたがってるお父様からしたら、声を荒げる恥を晒してでも、婚約破棄だなんて絶対に避けたいことでしょうね……。
「ええ、お話しておりませんからね。ですが、ご安心ください。あなた方とは、今後も懇意にさせていただきますよ。こちらが勝手に決めてしまったことへのお詫びです」
「そ、そうですか……わははっ、それなら結構です!」
自分の目的が達成できると知ったお父様は、一瞬にして手のひらを返した。
わかってはいたことだけど、私のことを考えて、婚約破棄に抗議の声を上げるつもりは、さらさらないようだ。
貴族達も、突然の婚約破棄に疑問の声を上げる人はおらず、当然だとか、むしろ今までよく婚約していたとか、お似合いの末路とか、散々な言いようだ。
普通なら、こんな状況に置かれたらショックを受けるかもしれないが、あいにく私は、傷つけられてきた年季が違う。だから、多少驚きはしたが、これ以上感情を動かしたりはしない。
「そういうわけだ。まあ、これも自分の行いを恨むんだね」
「私の行い、ですか」
「ああ。婚約してから間もなく、僕は君に対して、色々と気にかけてやったのに、無視しただろう? あれで、僕の心は大きく傷ついた。それを、彼女が癒してくれたんだ」
よく言うわ。私の容姿だけをみて婚約してきたくせに。さも私が悪いみたいなことを言って、自分の立場を良くしようとしたいのね。
ただ、残念なことに、ヨルダン様の言葉が偽りだと証言する証拠は無いし、抗議の言葉を信じてくれるほど、私を信じてくれる人もいない。
……私には、受け入れる以外の選択肢しかないようだ。ヨルダン様のことは全然好きじゃないから、別に構わないけど。
強いて言わせてもらえるなら、お相手の女性に同情したいくらいかしら。婚約者になれて舞い上がっているのかもしれないけど、ヨルダン様はこの会場で、別の女性に手を出していたのを、ご存じないのかしら。
「なんだその顔は。納得がいっていないのか? こちらの女性は器量が良く、なによりも魔法の腕が素晴らしい! 魔法が使えない君とは違ってな! こんな素敵な女性に出会ってしまったら、君と婚約するなんて馬鹿らしくなったのさ!」
身勝手なことを言っているが、魔法の才能ではどう足掻いても勝つことが出来ないせいで、言い返すことは出来ない。
「皆様、僕からのご報告は以上です。では、この素晴らしい日を記念したパーティーを、思う存分お楽しみください!」
ヨルダン様の締めの言葉を合図に、貴族達は再び談笑をし始める。その内容は、主に私に対する嘲笑や、憐れみといったものばかりだ。
「おや、まだいたのか。君の役目はもう終わった。あとは好きにするがいいよ」
「左様でございますか。では、今日はお暇させていただきます」
「なっ、好きにしろとはいったが、まさか帰るというのか!? パーティーの最中に、よほどの用事もないのに帰るだなんて、なんて失礼な!」
「用事はありませんが、これだけ私に対する悪い感情が向けられていたら、体調を崩してしまいそうなので」
そんなことは全く無いのだが、それらしい言い訳をして歩きだした私は、数歩歩いたところで、一旦足を止めた。
「ああ、お伝えするのを忘れておりました。私のことを失礼と仰るなら、当事者である私に、なんの報告も無しに一方的に婚約を破棄したあなたの方が、よほど失礼かと。私だから許しますが、今後は身の振り方をお考えになった方がよろしいですわ」
「なっ……!? 伯爵家の令嬢の分際で、僕に説教をするのか!?」
「誤解なさらないでください。私のような人間と婚約してくれたあなたに、世渡りの仕方について、注意喚起をさせていただいたに過ぎません。では、ごきげんよう」
さすがに言われっぱなし、やられっぱなしでは癪に障るので、注意喚起という名の嫌味を残して、会場を後にした。
……どいつもこいつも、私のことを馬鹿にして。今に見てなさい。必ず見返してやるんだから。
その隣にいる方は……社交界で見かけたことはあるが、名前はわからない。
「まったく、婚約者の癖に挨拶にも来ないとは。礼儀がなっていなくて嫌になる」
「大変失礼いたしました、ヨルダン様。私のような人間が挨拶などに伺ったら、素敵なパーティーを楽しんでいるヨルダン様に、水を差してしまうかと思いまして」
「なるほどな。まあいい、今回は許してやろう」
別にヨルダン様のことを考えて、挨拶に行かなかったわけじゃない。ただ面倒事に繋がるようなことは、避けたかっただけだ。
「ねえヨルダンさまぁ、こんな女なんて放っておいて、一緒にパーティーを抜け出しましょうよ~」
「ははっ、そうしたいのは山々だけど、一応僕が主催者だから、勝手に抜けるわけにはいかないんだ。だから、楽しむのはパーティーが終わった後に……ね」
「きゃんっ」
一応、婚約者である私が目の前にいると言うのに、ヨルダン様は腕に抱きつく女性と、イチャイチャしている。
誰とどうしようと、私には関係の無いことだけど、いざ目の前でやられると不快だ。
婚約者だからとかではなく、見たくも無いものを見せられたら、誰でも不快になるでしょう?
「ヨルダン様、わざわざ私のような女に声をかけてくださったのですから、何かご用があったのでしょう?」
「当然だろう? 今日は大切な発表をするのは、シャーロットも知っているだろうが、その際にはこんな端にいないで、僕の前まで来るように」
……? どうして私がそんなことをしないといけないの? もしかして、発表って私達の婚約に関するものだったりするのだろうか?
例えば、結婚式の日時が決まったから、それを知らせるとか……もしそうなら、私に知らせないのはありえないし、こんなパーティーを開いてまで知らせるような内容じゃない。
そんなことを思っていると、ヨルダン様は参加者の前に立ち、大きな声を出して注目を一転に集めた。
「皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます! 本日は、皆様にご報告したいことがあり、このような場を設けさせていただきました!」
どうやら、先ほど言っていたことを話すようね。逆らって面倒なことになるのを避けるためにも、素直に言われた通りにしよう。
って……どうしてヨルダン様の隣に、知らない女性が立っているのだろう? 先程とは違う女性だし、随分と親しそうに寄り添っている。
「ご存じの通り、僕はシャーロット嬢と婚約をしておりますが、その婚約をこの瞬間を持って破棄し、こちらの女性と新たに婚約いたします!」
ヨルダン様の言葉に、会場がざわめき始める。かくいう私も、驚きで目を大きく見開いてしまった。
そんな中、いち早く行動をしたのは、私ではなくてお父様だった。
「冗談じゃない! 我々は何も聞いておりませんぞ!!」
散々嫌っている私を家に置いてまで、イグウィス家と友好な関係を結びたがってるお父様からしたら、声を荒げる恥を晒してでも、婚約破棄だなんて絶対に避けたいことでしょうね……。
「ええ、お話しておりませんからね。ですが、ご安心ください。あなた方とは、今後も懇意にさせていただきますよ。こちらが勝手に決めてしまったことへのお詫びです」
「そ、そうですか……わははっ、それなら結構です!」
自分の目的が達成できると知ったお父様は、一瞬にして手のひらを返した。
わかってはいたことだけど、私のことを考えて、婚約破棄に抗議の声を上げるつもりは、さらさらないようだ。
貴族達も、突然の婚約破棄に疑問の声を上げる人はおらず、当然だとか、むしろ今までよく婚約していたとか、お似合いの末路とか、散々な言いようだ。
普通なら、こんな状況に置かれたらショックを受けるかもしれないが、あいにく私は、傷つけられてきた年季が違う。だから、多少驚きはしたが、これ以上感情を動かしたりはしない。
「そういうわけだ。まあ、これも自分の行いを恨むんだね」
「私の行い、ですか」
「ああ。婚約してから間もなく、僕は君に対して、色々と気にかけてやったのに、無視しただろう? あれで、僕の心は大きく傷ついた。それを、彼女が癒してくれたんだ」
よく言うわ。私の容姿だけをみて婚約してきたくせに。さも私が悪いみたいなことを言って、自分の立場を良くしようとしたいのね。
ただ、残念なことに、ヨルダン様の言葉が偽りだと証言する証拠は無いし、抗議の言葉を信じてくれるほど、私を信じてくれる人もいない。
……私には、受け入れる以外の選択肢しかないようだ。ヨルダン様のことは全然好きじゃないから、別に構わないけど。
強いて言わせてもらえるなら、お相手の女性に同情したいくらいかしら。婚約者になれて舞い上がっているのかもしれないけど、ヨルダン様はこの会場で、別の女性に手を出していたのを、ご存じないのかしら。
「なんだその顔は。納得がいっていないのか? こちらの女性は器量が良く、なによりも魔法の腕が素晴らしい! 魔法が使えない君とは違ってな! こんな素敵な女性に出会ってしまったら、君と婚約するなんて馬鹿らしくなったのさ!」
身勝手なことを言っているが、魔法の才能ではどう足掻いても勝つことが出来ないせいで、言い返すことは出来ない。
「皆様、僕からのご報告は以上です。では、この素晴らしい日を記念したパーティーを、思う存分お楽しみください!」
ヨルダン様の締めの言葉を合図に、貴族達は再び談笑をし始める。その内容は、主に私に対する嘲笑や、憐れみといったものばかりだ。
「おや、まだいたのか。君の役目はもう終わった。あとは好きにするがいいよ」
「左様でございますか。では、今日はお暇させていただきます」
「なっ、好きにしろとはいったが、まさか帰るというのか!? パーティーの最中に、よほどの用事もないのに帰るだなんて、なんて失礼な!」
「用事はありませんが、これだけ私に対する悪い感情が向けられていたら、体調を崩してしまいそうなので」
そんなことは全く無いのだが、それらしい言い訳をして歩きだした私は、数歩歩いたところで、一旦足を止めた。
「ああ、お伝えするのを忘れておりました。私のことを失礼と仰るなら、当事者である私に、なんの報告も無しに一方的に婚約を破棄したあなたの方が、よほど失礼かと。私だから許しますが、今後は身の振り方をお考えになった方がよろしいですわ」
「なっ……!? 伯爵家の令嬢の分際で、僕に説教をするのか!?」
「誤解なさらないでください。私のような人間と婚約してくれたあなたに、世渡りの仕方について、注意喚起をさせていただいたに過ぎません。では、ごきげんよう」
さすがに言われっぱなし、やられっぱなしでは癪に障るので、注意喚起という名の嫌味を残して、会場を後にした。
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