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エンディング 暖かい日常
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あの大事件から、五年の月日が流れた。私はあの小屋から、城に住居を完全に移し、宮廷魔術師の仕事と、もう一つの仕事で忙しくしている。
「シャーロット様、次のご予定まで少し時間がございますので、ごゆっくりしてくださいませ」
「わかりました」
お付きの使用人にそう言われた私は、バルコニーに出ると、そこでは小さな女の子が、きゃっきゃと楽しそうに遊んでいる。
「あ、おかあさまー!」
こっちに向けて大きく手を振りながら、目いっぱいジャンプをする天使のように可愛らしい女の子は、私とルーク様の娘だ。名前はレティシアというの。
「姫様、危ないですから!」
我が娘ながら、結構おてんばだったりするせいで、お世話係の人は大変だ。
なるべく自分でレティシアの面倒を見るようにしているけど、仕事の影響で限度があるから、こういう人に頼らざるを得ないのよね。
「だいじょうぶだよー! だって、セラちゃんも、ピーちゃんも、にゅりゅりんもいるから!」
きっと、お世話係の彼女の目には映っていないだろうが、レティシアの周りには、私の友達たちがたくさんいる。危険があっても、彼らが守ってくれる。
ちなみに、にゅりゅりんというのは、あの祠にいた精霊のことだ。
レティシアが生まれてから、頻繁に水蛇が遊びに来て、レティシアの面倒を見てくれている。そのうち、レティシアがにゅりゅりんという名前をつけたの。ちょっと言いにくいけど、可愛い名前だと思わない?
「あのね、あのね! おかあさまに、プレゼントがあるの! そっちにいくから、まってて!」
「まあ、なにかしら。私がそっちに行くから、ちょっと待っててね」
私は風の魔法を使い、体をフワッと浮かせると、そのままゆっくりとレティシアのいる場所へと降りた。
「シャーロット様も、あまり危険なことはお控えくださいませ!」
「ごめんなさい。レティシアに呼ばれてると思ったら、つい」
「おかあさま、すごーい! わたしも、おかあさまみたいな、すっごいまほうつかいになれる?」
「ええ、きっとなれるわ」
「やったー!」
レティシアは、天使のような笑顔を浮かべながら、私に抱きついた。
……はぁ、可愛すぎる……食べちゃいたいくらい可愛い……やっぱりうちの子が、世界で一番可愛く手素敵な子だわ。
「それで、プレゼントというのはなぁに?」
「これだよ! はいっ、おたんじょうび、おめでとう!」
レティシアが渡してくれたのは、小さな花冠だった。色とりどりの花が使われていて、とても明るくて美しい出来になっている。
「まあっ! とても嬉しいわ! ありがとう、レティシア!」
「えへへっ、よろこんでもらえて、よかった! みんなにね、てつだってもらったんだよ!」
『花のセンスは私よ! どう、良い感じでしょ!』
『オラの毛で、しっかり結んだんだなぁ~』
『ぎゃっぎゃっ!』
レティシアと一緒にいてくれる精霊達が、誇らしげに自分のしたことを自慢する。ちなみに、にゅりゅりんは喋れない代わりに、ちょっと変わった鳴き声を出すのよ。
「みんな、本当にありがとう。とっても嬉しいですわ」
「あっ、ひめさまだー! あそぼー!」
みんなに感謝を伝えていると、たまに見かける子供が駆け寄ってきた。たしか、どこかの貴族の子供だったはずだ。
「うん、いいよ! おかあさま、あそびにいってもいい?」
「いいわよ。転ばないようにね」
「はーい! ねえねえ、なにする?」
「かくれんぼー!」
ふふっ……二人とも、とっても良い笑顔だわ。どんな形でもいいから、ああいった良縁は、いつまでも続くことを願うばかりね。
「さてと、部屋に戻ってゆっくりしましょう」
「シャーロット様、今度はちゃんと歩いてお戻りくださいませ」
「わ、わかっておりますわ」
本当は、また風の魔法を使って、バルコニーに戻るつもりだったのだけど、完全に見透かされていたようだ。
自分のことを理解されているのは嬉しいが、されすぎているのも、ほんの少し困ってしまうわね。
『おかえり! おかえり!』
『早かったね!』
「ええ、レティシアのところに行ってきただけですから」
今日も元気に掃除をするホウキ達とおしゃべりしながら、レティシア達が楽しく遊ぶ姿をのんびりと眺めていると、誰かがドアをノックする音が聞こえてきた。
「シャーロット、いるかい?」
「はい、どうぞ」
ドアが静かに開くと、ルーク様が入ってきた。その背中には、国王様から受け継いだ、王家のマントがかけられている。
あの大事件を経て、ルーク様は無事に王位継承権を取り戻し、こうして国王になることとなった。同時に、ルーク様の研究は国家全体で取り組む大規模な研究となり、多くの人と取り組んでいる。
まだその研究は完成に至っていないし、そんな世界になると不都合な人達の妨害にもあってはいるが、ルーク様はめげることなく続けている。
「何度見ても、よくお似合いですわ」
「ありがとう。君の花冠も良く似合っているね。それ、どうしたんだい?」
「レティシアが、みんなと一緒に作ってプレゼントしてくださいましたの」
「ははっ、そうだったのか! さすが僕達の可愛い可愛いレティシアだね!」
ルーク様は子煩悩と言われても仕方がないくらい、レティシアを溺愛している。時間が少しでも空けばレティシアを可愛がったり、魔法や勉強を教えている。
まあ……私も人のことは全然言えないのだけどね。もうレティシアのことが、可愛くて可愛くて仕方がないの。自分の子供は目に入れても痛くないと聞いたことがあるが、まさにそのような感じだ。
「ただ、困ったことになってしまったな。レティシアのプレゼントが素晴らしすぎて、僕のプレゼントが霞んでしまいそうだ」
「そんなことはありませんわ。あなたもレティシアも、世界一素敵な方ですもの」
「ははっ、ありがとう。ところで、体調は大丈夫なのかい?」
「ええ。パーティーに支障はございませんわ」
本日行われるのは、私達の結婚記念日と、私の誕生日を同時に祝する、大きなパーティーだ。城の人達が張り切って準備をしているのを、何度も見かけている。
「つらかったら、すぐに言うんだよ。二回目だからって、油断とか厳禁だからね」
「わかっておりますわ」
私とルーク様は、少し大きくなっている私のお腹を優しく撫でる。
私達の新しい宝物……早く元気な姿を見たいわ。
「話を戻そうか。プレゼントのことだけど……気に入ってくれると嬉しいな」
「これは、ペンダント? それも二つも? ハートの形をしていて、とても可愛らしいですわ」
「それ、実は開く仕組みになっていてね。少し魔力を流してごらん」
言われた通りにペンダントに魔力を流すと、ハートの部分が開き……中にはとある物が入っていた。
「これは、家族の絵ではありませんか」
「ふふっ、凄いだろう? 以前描いてもらった絵を魔法で複製して、小さくしたものを入れたんだよ」
「複製に、小さく? そんな魔法を作ってしまったのですか? さすがあなたですわ!」
この絵を描いていただいたのは、半年くらい前だったかしら。とても素敵で、いつでもどこでも見られたらいいのにとボソッと口にしたのを、覚えていてくれたのね……嬉しくて、胸の奥が暖かくなる。
「こっちのペンダントは……あら、空ですわ」
「そっちには、これから生まれてくる子供も入れた、四人での絵を入れてほしくてね。この子だけ仲間外れというのは、かわいそうだからね」
生まれてくる子供のことも考えるだなんて、本当にルーク様は優しい人だ。ますます好きになってしまいそう。
「ありがとうございます、あなた。私……本当に嬉しいです」
「喜んでもらえてなによりだよ。誕生日おめでとう、シャーロット。これからも、ずっと君を愛しているよ」
「私も愛しておりますわ、あなた」
自然とお互いから抱きしめ合い、そのまま唇を重ね合う……前に、何かの気配を感じて、視線を部屋の扉に向けると、そこにはレティシアと精霊達の姿があった。
「えっ、ちょっ……レティシア!? 君、外で遊んでいたんじゃ……!」
「あのね、あのね! あのこね、かえっちゃったの。そうしたら、えっと……セラちゃんがね、おへやにもどったら、おとうさまと、おかあさまがね、なかよしなのが、みられるよって!」
「セラピア……君、全部わかっててレティシアを呼んだね?」
『さあ、何のことかさっぱりだわ。ねえピース、にゅりゅりん?』
『ふぎゃ~』
『嘘は良くないんだなぁ~。セラピアはわかってたんだなぁ~』
『どうしてあんたはいつも簡単にバラしちゃうのよ! その毛、引っこ抜くわよ!?』
ムキーッとなりながら、ピースの毛を引っ張り回すが、逆にからめとられてしまい、身動きが取れなくなってしまった。
『誰か助けなさいよ~!』
「わわっ、かわいそうだよ~! いま、とってあげるね!」
あぁぁぁ~……!! うちの子優しくて偉い……将来はみんなを導く女神みたいな、素晴らしい人になるわ!
「とれた!」
『あぁ、酷い目にあったわ。ありがとうレティシア。そうだ、何か言いたいことがあったんじゃないの?』
「うわっ! あのね、わたしねっ! そのペンダントにいれたいえ、あるんだ!」
「おや、話を聞いてたんだね。シャーロットがいいなら、僕は構わないが……どうかな?」
「もちろん良いですわよ。レティシアは、どんな絵を入れたいの?」
「おとうさまと、おかあさまと、あかちゃんと、わたしと……あとセラちゃんと、ピーちゃんと、にゅりゅりんと、ほうきのみんな! みんながわらってるえなの!」
家族だけじゃなくて、精霊やホウキの皆も……それ、とっても素敵だわ。今では、ホウキも精霊の三人も、ほとんど家族みたいなものだし……ふふっ、想像しただけで、幸せが溢れてくるわ。
「ああ、僕達の娘は本当に優しくて天才だな! 僕は君のような娘を持って、本当に幸せだ!」
「ふぎゅう……おとうさまぁ、くるしいよぉ……えへへぇ」
『はいはい、子煩悩なのはわかったから、その辺にしておきなさいな。レティシアが潰れちゃうわよ』
『ぺっちゃんこなレティシアは、見たくないんだなぁ~』
『ふぎゃあ!』
苦しいと言いつつも、幸せそうに笑うレティシアを見ていたら、自然とみんなも笑顔になった。
ああ、本当に幸せだ。最愛の夫がいて、最愛の娘もいて、新しい命も育っている。大切な友達だって出来た。
「お母様、見てる? 私……もう一人ぼっちじゃないよ」
私は、窓の外に広がる青空を見ながら、天国のお母様に報告をする。
ずっとずっと私を愛してくださったお母様。あなたがいなければ、私はこんな幸せを掴めなかっただろう。本当にありがとう。お母様から頂いた愛は、みんなに返そうと思うわ。
そして……私の最愛の夫、ルーク様。言いたいことが多すぎて、なにから伝えればいいかわからないから……一番伝えたいことを簡潔に。
ルーク様、私を愛してくれて、ありがとうございます。これからも、一緒に幸せに暮らしてください。
「シャーロット様、次のご予定まで少し時間がございますので、ごゆっくりしてくださいませ」
「わかりました」
お付きの使用人にそう言われた私は、バルコニーに出ると、そこでは小さな女の子が、きゃっきゃと楽しそうに遊んでいる。
「あ、おかあさまー!」
こっちに向けて大きく手を振りながら、目いっぱいジャンプをする天使のように可愛らしい女の子は、私とルーク様の娘だ。名前はレティシアというの。
「姫様、危ないですから!」
我が娘ながら、結構おてんばだったりするせいで、お世話係の人は大変だ。
なるべく自分でレティシアの面倒を見るようにしているけど、仕事の影響で限度があるから、こういう人に頼らざるを得ないのよね。
「だいじょうぶだよー! だって、セラちゃんも、ピーちゃんも、にゅりゅりんもいるから!」
きっと、お世話係の彼女の目には映っていないだろうが、レティシアの周りには、私の友達たちがたくさんいる。危険があっても、彼らが守ってくれる。
ちなみに、にゅりゅりんというのは、あの祠にいた精霊のことだ。
レティシアが生まれてから、頻繁に水蛇が遊びに来て、レティシアの面倒を見てくれている。そのうち、レティシアがにゅりゅりんという名前をつけたの。ちょっと言いにくいけど、可愛い名前だと思わない?
「あのね、あのね! おかあさまに、プレゼントがあるの! そっちにいくから、まってて!」
「まあ、なにかしら。私がそっちに行くから、ちょっと待っててね」
私は風の魔法を使い、体をフワッと浮かせると、そのままゆっくりとレティシアのいる場所へと降りた。
「シャーロット様も、あまり危険なことはお控えくださいませ!」
「ごめんなさい。レティシアに呼ばれてると思ったら、つい」
「おかあさま、すごーい! わたしも、おかあさまみたいな、すっごいまほうつかいになれる?」
「ええ、きっとなれるわ」
「やったー!」
レティシアは、天使のような笑顔を浮かべながら、私に抱きついた。
……はぁ、可愛すぎる……食べちゃいたいくらい可愛い……やっぱりうちの子が、世界で一番可愛く手素敵な子だわ。
「それで、プレゼントというのはなぁに?」
「これだよ! はいっ、おたんじょうび、おめでとう!」
レティシアが渡してくれたのは、小さな花冠だった。色とりどりの花が使われていて、とても明るくて美しい出来になっている。
「まあっ! とても嬉しいわ! ありがとう、レティシア!」
「えへへっ、よろこんでもらえて、よかった! みんなにね、てつだってもらったんだよ!」
『花のセンスは私よ! どう、良い感じでしょ!』
『オラの毛で、しっかり結んだんだなぁ~』
『ぎゃっぎゃっ!』
レティシアと一緒にいてくれる精霊達が、誇らしげに自分のしたことを自慢する。ちなみに、にゅりゅりんは喋れない代わりに、ちょっと変わった鳴き声を出すのよ。
「みんな、本当にありがとう。とっても嬉しいですわ」
「あっ、ひめさまだー! あそぼー!」
みんなに感謝を伝えていると、たまに見かける子供が駆け寄ってきた。たしか、どこかの貴族の子供だったはずだ。
「うん、いいよ! おかあさま、あそびにいってもいい?」
「いいわよ。転ばないようにね」
「はーい! ねえねえ、なにする?」
「かくれんぼー!」
ふふっ……二人とも、とっても良い笑顔だわ。どんな形でもいいから、ああいった良縁は、いつまでも続くことを願うばかりね。
「さてと、部屋に戻ってゆっくりしましょう」
「シャーロット様、今度はちゃんと歩いてお戻りくださいませ」
「わ、わかっておりますわ」
本当は、また風の魔法を使って、バルコニーに戻るつもりだったのだけど、完全に見透かされていたようだ。
自分のことを理解されているのは嬉しいが、されすぎているのも、ほんの少し困ってしまうわね。
『おかえり! おかえり!』
『早かったね!』
「ええ、レティシアのところに行ってきただけですから」
今日も元気に掃除をするホウキ達とおしゃべりしながら、レティシア達が楽しく遊ぶ姿をのんびりと眺めていると、誰かがドアをノックする音が聞こえてきた。
「シャーロット、いるかい?」
「はい、どうぞ」
ドアが静かに開くと、ルーク様が入ってきた。その背中には、国王様から受け継いだ、王家のマントがかけられている。
あの大事件を経て、ルーク様は無事に王位継承権を取り戻し、こうして国王になることとなった。同時に、ルーク様の研究は国家全体で取り組む大規模な研究となり、多くの人と取り組んでいる。
まだその研究は完成に至っていないし、そんな世界になると不都合な人達の妨害にもあってはいるが、ルーク様はめげることなく続けている。
「何度見ても、よくお似合いですわ」
「ありがとう。君の花冠も良く似合っているね。それ、どうしたんだい?」
「レティシアが、みんなと一緒に作ってプレゼントしてくださいましたの」
「ははっ、そうだったのか! さすが僕達の可愛い可愛いレティシアだね!」
ルーク様は子煩悩と言われても仕方がないくらい、レティシアを溺愛している。時間が少しでも空けばレティシアを可愛がったり、魔法や勉強を教えている。
まあ……私も人のことは全然言えないのだけどね。もうレティシアのことが、可愛くて可愛くて仕方がないの。自分の子供は目に入れても痛くないと聞いたことがあるが、まさにそのような感じだ。
「ただ、困ったことになってしまったな。レティシアのプレゼントが素晴らしすぎて、僕のプレゼントが霞んでしまいそうだ」
「そんなことはありませんわ。あなたもレティシアも、世界一素敵な方ですもの」
「ははっ、ありがとう。ところで、体調は大丈夫なのかい?」
「ええ。パーティーに支障はございませんわ」
本日行われるのは、私達の結婚記念日と、私の誕生日を同時に祝する、大きなパーティーだ。城の人達が張り切って準備をしているのを、何度も見かけている。
「つらかったら、すぐに言うんだよ。二回目だからって、油断とか厳禁だからね」
「わかっておりますわ」
私とルーク様は、少し大きくなっている私のお腹を優しく撫でる。
私達の新しい宝物……早く元気な姿を見たいわ。
「話を戻そうか。プレゼントのことだけど……気に入ってくれると嬉しいな」
「これは、ペンダント? それも二つも? ハートの形をしていて、とても可愛らしいですわ」
「それ、実は開く仕組みになっていてね。少し魔力を流してごらん」
言われた通りにペンダントに魔力を流すと、ハートの部分が開き……中にはとある物が入っていた。
「これは、家族の絵ではありませんか」
「ふふっ、凄いだろう? 以前描いてもらった絵を魔法で複製して、小さくしたものを入れたんだよ」
「複製に、小さく? そんな魔法を作ってしまったのですか? さすがあなたですわ!」
この絵を描いていただいたのは、半年くらい前だったかしら。とても素敵で、いつでもどこでも見られたらいいのにとボソッと口にしたのを、覚えていてくれたのね……嬉しくて、胸の奥が暖かくなる。
「こっちのペンダントは……あら、空ですわ」
「そっちには、これから生まれてくる子供も入れた、四人での絵を入れてほしくてね。この子だけ仲間外れというのは、かわいそうだからね」
生まれてくる子供のことも考えるだなんて、本当にルーク様は優しい人だ。ますます好きになってしまいそう。
「ありがとうございます、あなた。私……本当に嬉しいです」
「喜んでもらえてなによりだよ。誕生日おめでとう、シャーロット。これからも、ずっと君を愛しているよ」
「私も愛しておりますわ、あなた」
自然とお互いから抱きしめ合い、そのまま唇を重ね合う……前に、何かの気配を感じて、視線を部屋の扉に向けると、そこにはレティシアと精霊達の姿があった。
「えっ、ちょっ……レティシア!? 君、外で遊んでいたんじゃ……!」
「あのね、あのね! あのこね、かえっちゃったの。そうしたら、えっと……セラちゃんがね、おへやにもどったら、おとうさまと、おかあさまがね、なかよしなのが、みられるよって!」
「セラピア……君、全部わかっててレティシアを呼んだね?」
『さあ、何のことかさっぱりだわ。ねえピース、にゅりゅりん?』
『ふぎゃ~』
『嘘は良くないんだなぁ~。セラピアはわかってたんだなぁ~』
『どうしてあんたはいつも簡単にバラしちゃうのよ! その毛、引っこ抜くわよ!?』
ムキーッとなりながら、ピースの毛を引っ張り回すが、逆にからめとられてしまい、身動きが取れなくなってしまった。
『誰か助けなさいよ~!』
「わわっ、かわいそうだよ~! いま、とってあげるね!」
あぁぁぁ~……!! うちの子優しくて偉い……将来はみんなを導く女神みたいな、素晴らしい人になるわ!
「とれた!」
『あぁ、酷い目にあったわ。ありがとうレティシア。そうだ、何か言いたいことがあったんじゃないの?』
「うわっ! あのね、わたしねっ! そのペンダントにいれたいえ、あるんだ!」
「おや、話を聞いてたんだね。シャーロットがいいなら、僕は構わないが……どうかな?」
「もちろん良いですわよ。レティシアは、どんな絵を入れたいの?」
「おとうさまと、おかあさまと、あかちゃんと、わたしと……あとセラちゃんと、ピーちゃんと、にゅりゅりんと、ほうきのみんな! みんながわらってるえなの!」
家族だけじゃなくて、精霊やホウキの皆も……それ、とっても素敵だわ。今では、ホウキも精霊の三人も、ほとんど家族みたいなものだし……ふふっ、想像しただけで、幸せが溢れてくるわ。
「ああ、僕達の娘は本当に優しくて天才だな! 僕は君のような娘を持って、本当に幸せだ!」
「ふぎゅう……おとうさまぁ、くるしいよぉ……えへへぇ」
『はいはい、子煩悩なのはわかったから、その辺にしておきなさいな。レティシアが潰れちゃうわよ』
『ぺっちゃんこなレティシアは、見たくないんだなぁ~』
『ふぎゃあ!』
苦しいと言いつつも、幸せそうに笑うレティシアを見ていたら、自然とみんなも笑顔になった。
ああ、本当に幸せだ。最愛の夫がいて、最愛の娘もいて、新しい命も育っている。大切な友達だって出来た。
「お母様、見てる? 私……もう一人ぼっちじゃないよ」
私は、窓の外に広がる青空を見ながら、天国のお母様に報告をする。
ずっとずっと私を愛してくださったお母様。あなたがいなければ、私はこんな幸せを掴めなかっただろう。本当にありがとう。お母様から頂いた愛は、みんなに返そうと思うわ。
そして……私の最愛の夫、ルーク様。言いたいことが多すぎて、なにから伝えればいいかわからないから……一番伝えたいことを簡潔に。
ルーク様、私を愛してくれて、ありがとうございます。これからも、一緒に幸せに暮らしてください。
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