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第二十九話 お年を召した、大魔法使い
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「なっ……」
話を切りだした男性を筆頭に、聞き耳を立てていた周りの方々から、どよめきが起こります。
きっと皆様は、私が脅しに屈すると思っていたのでしょうね。あまり私をみくびらないでほしいものです。
「お金や権力ばかりに目がくらんで、聖女の役目を富裕層や権力者達にしか聖女の治療をさせない、あなた方のお願いなど聞かないと申し上げているのですわ」
「い、言いがかりだ! 我々や聖女は国を守っているというのに、まるで悪者のような言い方ではないか!」
「聖女自体は悪いものではございませんわ。それを管理する者や、利用して利益を得ている者が悪いとお伝えしておりますの。あまりペラペラと話していると、墓穴を掘るだけですわよ?」
「……ちっ!」
さすがに分が悪くなった男性は、そそくさと会場の隅っこに移動した。その時に、会場の中から、彼を嘲笑する声や、私の偉そうな態度への陰口が聞こえてきた。
ここでもっと色々と言ってもよかったのですが、これ以上はレナード様やジェラール様にご迷惑がかかってしまいそうですから、素直に身を引いてくれて良かったですわ。
「サーシャ、大丈夫か?」
「はい。お見苦しい所を見せてしまい、申し訳ございません」
「いや、ガツンと言ってくれてスッキリしたよ。義父上もそう思いますよね?」
「そうだな。ああいう人間は、反発しないとつけあがる。彼には良い薬になっただろう」
よかった、どうやらお二人共怒ってはいないようです。私のしたことを考えれば、怒られてもおかしくなかったので、ホッと一安心です。
「レナード、サーシャ。気を取り直して、このパーティーの主役にご挨拶に伺うとしよう」
そういえば、このパーティーの主催者にご挨拶をしていませんでしたわ。つい熱くなってしまい、頭から抜け落ちていました。
「失礼します、アレクシア様」
「おや、その声に魔力は……ジェラールではないか。今日はわざわざ来てくれて、ありがとう」
「なにを仰いますか。お師匠様であるあなたのお誕生日を祝したこのパーティーに参加できて、光栄の至りです」
このパーティーの参加者の中で、車いすに乗っていたご年配の女性に、深々と頭を下げるジェラール様。
このお方が、今日のパーティーの主催者のようですね。随分とお年を召しているようですが、それより気になったのは彼女の視線です。
声をかけるまで私達のことに気づいていないようでしたし、視線がどうにも定まっておりません。声で誰かを判別していたのも加味すると、彼女の目は既に役目を終えて、長い休息に入っているのでしょう。
「……お師匠様?」
「ああ、アレクシア様は義父上の魔法の師匠でね。この国ではその名を知らないくらい、有名な大魔法使いなんだよ」
そんな凄いお方なのに、存じ上げていないだなんて……いくら幼い頃は教会にいた影響で俗世に疎く、聖女の仕事が忙しくて情報を得る暇がなかったとはいえ、さすがに失礼すぎますわよね……。
「レナードも一緒なのかい? 随分と声が大人になった」
「ご無沙汰しております、アレクシア様。今日はアレクシア様に、ご紹介したい人がおりまして」
「紹介? そなたの隣にいる者のことか?」
そう仰りながら、アレクシア様は私の方へと顔を向ける。それだけで、彼女の凄みのようなものを感じて、私はピンっと背筋を伸ばしていました。
「この魔力……そなたは聖女でもあり、悪魔の子でもあるのか」
「さすがお師匠様、すぐにお分かりになられたのですね」
「当然だ。体はほとんど朽ちてはおるが、魔法に関してはまだまだ若い者には負けん。彼女から、昔に出会った聖女や悪魔の子と同じ魔力を感じるよ」
お会いして一分も立たないうちに、聖女と悪魔の両方を言い当てるだなんて……さすがはジェラール様のお師匠様ですわね。
「はじめまして、アレクシア・グランダール様。私はサーシャ……サーシャ・メルヴェイと申します」
アレクシア様に深い敬意を表すように、私は深々と頭を下げました。
一瞬、自分の家名を素直に伝えるか迷いましたが、レナード様やジェラール様がお世話になっているお方に、嘘をつくわけにはまいりませんわ。
「ほう、そなたがサーシャ・メルヴェイ……レナード、彼女が幼い頃から探していた、運命の人かね?」
「覚えていてくださったのですか!?」
「当然だろう。教え子の子供であるそなたは、ワシにとって孫のようなもの。孫の言っていたことを忘れる程、ワシは耄碌しておらんよ」
「ありがとうございます! 今日は良い機会でしたので、ぜひサーシャを紹介したかったのです!」
昔から良くしてくれていたとお聞きしていましたが、レナード様とアレクシア様は、私が思っていたよりも親交があったみたいですわね。
今のレナード様は、まるでお祖母様と楽しげに話す孫みたいで、とても微笑ましいです。
「想い続けていれば、いつか必ず報われる……アレクシア様の仰ったとおりでした!」
「うむうむ、そうだろう。どうだい、念願の彼女と出会えた感想は」
「最高ですよ! もう彼女とは結婚を約束していて、アレクシア様にもぜひご出席してほしいと考えてまして!」
「おやまあ、そこまで進んでいたのかい。式はいつ上げるんだい。明日? それとも明後日?」
「申し訳ございません。私がまだ十七歳なので、すぐに式はあげられないのです」
「そなた、そんなに若かったのかい? なら、軽く法を変えて来ればいいじゃないか」
……もしかして、レナード様の色々と凄い考え方って、アレクシア様の影響だったりするのかしら……それとも似た者同士、気が合うのかもしれませんわ。
「お師匠様、義息子と義娘をあまりからかわないでくださいませ」
「これくらいしか、老い先短いワシには楽しみはないのでな」
「そんな、寂しいことを言わないでください」
「ありがとう。だが、ワシも今年で九十……あまりにも長生きしすぎた。体もボロボロで、来年まで生きていられるかどうか……だから、生きているうちに式を見ておきたくてな」
お年を召しているとは思っておりましたが、想像以上にご高齢で驚きました。それと同時に、私達の式をお見せするのは、難しいと思わずにはいられませんでした。
そんな中、レナード様は……いやっ! と前置きを置いてから、アレクシア様の歴史という名のシワが刻まれた手に、そっとご自身の手を乗せました。
「アレクシア様! 想い続けていれば、いつか必ず報われる……でしょう!」
「……ふっ、出会った時は鼻垂れ小僧だったのに、言うようになったわい」
「なにかあったら、私が診ますからご安心ください!」
……あっ、自分に悪魔の血が流れているのに、相手の許可を貰わずに治療するとか啖呵を切ってしまいましたわ……完全に早計でした。
「国のお抱えの聖女が、勝手に決めていいのかね?」
「私がお抱えの聖女だったことをご存じなのですか? えっと、今の私はそこ座を降りて、自由な身なのです」
「なんだ、そうだったのかい? 世間のことには疎くてね。なら、なにかあった時に診てもらおうかね」
そう言うと、アレクシア様は使用人から渡された水を一杯飲んで、ぷはーっ! っと、まるでエールを一気飲みした人みたいに、とても豪快に飲み干しました。
そんな飲みっぷりよりも、私は気になることがございます。それを聞かないと、後々で面倒になってしまうかもしれませんから、ちゃんと確認をしましょう。
「豪快に飲む癖は、相変わらずですね、お師匠様」
「昔からの習慣だからな」
「……あの、お一つよろしいでしょうか?」
「なんだね?」
「私は……ご存じの通り、聖女であり、悪魔の子の血が流れています。実際に、私の片目は真紅に染まっております。そんな人間に、あなたの治療を任せても良いのですか?」
「ダメな理由がなにかあるかね?」
「そ、そういうわけじゃ……」
「ワシの目はこんなだが、人を見る目……じゃなくて、魔力は持ち合わせておる。そなたが悪人ではないのは、最初から分かっておる」
アレクシア様は、ニカッと笑ってそう仰ると、私の頭を優しく撫でてくださいました。
ただ撫でられているだけなのに、このお方の撫で方は特別なのでしょうか? なんだか、心がポカポカするというか……嬉しいような、恥ずかしいような……不思議な気分ですわ。
「そなたの人柄がよさそうで、安心したわい。これからも、レナードのことをよろしく頼むぞ」
「は、はい! 必ずレナード様と幸せになります!」
私が堂々と宣言をすると、レナード様は滝のような涙を流して、喜びを爆発させておりました。相変わらず、私からの愛情には弱いみたいですね。とても可愛いです。
「さあ、そろそろパーティーが始まる。ワシは挨拶をせねばならんから、適当にくつろいでなさい」
「わかりました、お師匠様。また後で」
「失礼します、アレクシア様」
「失礼しますわ、アレクシア様」
三人がそれぞれ頭を下げると、踵を返して歩きだした――その直後、背後からドスンっと、なにか落ちたような音が聞こえてきた。
「な、なんの音……えっ!?」
音の発生源の正体……それは、アレクシア様が車いすから前のめりに倒れた音でした――
話を切りだした男性を筆頭に、聞き耳を立てていた周りの方々から、どよめきが起こります。
きっと皆様は、私が脅しに屈すると思っていたのでしょうね。あまり私をみくびらないでほしいものです。
「お金や権力ばかりに目がくらんで、聖女の役目を富裕層や権力者達にしか聖女の治療をさせない、あなた方のお願いなど聞かないと申し上げているのですわ」
「い、言いがかりだ! 我々や聖女は国を守っているというのに、まるで悪者のような言い方ではないか!」
「聖女自体は悪いものではございませんわ。それを管理する者や、利用して利益を得ている者が悪いとお伝えしておりますの。あまりペラペラと話していると、墓穴を掘るだけですわよ?」
「……ちっ!」
さすがに分が悪くなった男性は、そそくさと会場の隅っこに移動した。その時に、会場の中から、彼を嘲笑する声や、私の偉そうな態度への陰口が聞こえてきた。
ここでもっと色々と言ってもよかったのですが、これ以上はレナード様やジェラール様にご迷惑がかかってしまいそうですから、素直に身を引いてくれて良かったですわ。
「サーシャ、大丈夫か?」
「はい。お見苦しい所を見せてしまい、申し訳ございません」
「いや、ガツンと言ってくれてスッキリしたよ。義父上もそう思いますよね?」
「そうだな。ああいう人間は、反発しないとつけあがる。彼には良い薬になっただろう」
よかった、どうやらお二人共怒ってはいないようです。私のしたことを考えれば、怒られてもおかしくなかったので、ホッと一安心です。
「レナード、サーシャ。気を取り直して、このパーティーの主役にご挨拶に伺うとしよう」
そういえば、このパーティーの主催者にご挨拶をしていませんでしたわ。つい熱くなってしまい、頭から抜け落ちていました。
「失礼します、アレクシア様」
「おや、その声に魔力は……ジェラールではないか。今日はわざわざ来てくれて、ありがとう」
「なにを仰いますか。お師匠様であるあなたのお誕生日を祝したこのパーティーに参加できて、光栄の至りです」
このパーティーの参加者の中で、車いすに乗っていたご年配の女性に、深々と頭を下げるジェラール様。
このお方が、今日のパーティーの主催者のようですね。随分とお年を召しているようですが、それより気になったのは彼女の視線です。
声をかけるまで私達のことに気づいていないようでしたし、視線がどうにも定まっておりません。声で誰かを判別していたのも加味すると、彼女の目は既に役目を終えて、長い休息に入っているのでしょう。
「……お師匠様?」
「ああ、アレクシア様は義父上の魔法の師匠でね。この国ではその名を知らないくらい、有名な大魔法使いなんだよ」
そんな凄いお方なのに、存じ上げていないだなんて……いくら幼い頃は教会にいた影響で俗世に疎く、聖女の仕事が忙しくて情報を得る暇がなかったとはいえ、さすがに失礼すぎますわよね……。
「レナードも一緒なのかい? 随分と声が大人になった」
「ご無沙汰しております、アレクシア様。今日はアレクシア様に、ご紹介したい人がおりまして」
「紹介? そなたの隣にいる者のことか?」
そう仰りながら、アレクシア様は私の方へと顔を向ける。それだけで、彼女の凄みのようなものを感じて、私はピンっと背筋を伸ばしていました。
「この魔力……そなたは聖女でもあり、悪魔の子でもあるのか」
「さすがお師匠様、すぐにお分かりになられたのですね」
「当然だ。体はほとんど朽ちてはおるが、魔法に関してはまだまだ若い者には負けん。彼女から、昔に出会った聖女や悪魔の子と同じ魔力を感じるよ」
お会いして一分も立たないうちに、聖女と悪魔の両方を言い当てるだなんて……さすがはジェラール様のお師匠様ですわね。
「はじめまして、アレクシア・グランダール様。私はサーシャ……サーシャ・メルヴェイと申します」
アレクシア様に深い敬意を表すように、私は深々と頭を下げました。
一瞬、自分の家名を素直に伝えるか迷いましたが、レナード様やジェラール様がお世話になっているお方に、嘘をつくわけにはまいりませんわ。
「ほう、そなたがサーシャ・メルヴェイ……レナード、彼女が幼い頃から探していた、運命の人かね?」
「覚えていてくださったのですか!?」
「当然だろう。教え子の子供であるそなたは、ワシにとって孫のようなもの。孫の言っていたことを忘れる程、ワシは耄碌しておらんよ」
「ありがとうございます! 今日は良い機会でしたので、ぜひサーシャを紹介したかったのです!」
昔から良くしてくれていたとお聞きしていましたが、レナード様とアレクシア様は、私が思っていたよりも親交があったみたいですわね。
今のレナード様は、まるでお祖母様と楽しげに話す孫みたいで、とても微笑ましいです。
「想い続けていれば、いつか必ず報われる……アレクシア様の仰ったとおりでした!」
「うむうむ、そうだろう。どうだい、念願の彼女と出会えた感想は」
「最高ですよ! もう彼女とは結婚を約束していて、アレクシア様にもぜひご出席してほしいと考えてまして!」
「おやまあ、そこまで進んでいたのかい。式はいつ上げるんだい。明日? それとも明後日?」
「申し訳ございません。私がまだ十七歳なので、すぐに式はあげられないのです」
「そなた、そんなに若かったのかい? なら、軽く法を変えて来ればいいじゃないか」
……もしかして、レナード様の色々と凄い考え方って、アレクシア様の影響だったりするのかしら……それとも似た者同士、気が合うのかもしれませんわ。
「お師匠様、義息子と義娘をあまりからかわないでくださいませ」
「これくらいしか、老い先短いワシには楽しみはないのでな」
「そんな、寂しいことを言わないでください」
「ありがとう。だが、ワシも今年で九十……あまりにも長生きしすぎた。体もボロボロで、来年まで生きていられるかどうか……だから、生きているうちに式を見ておきたくてな」
お年を召しているとは思っておりましたが、想像以上にご高齢で驚きました。それと同時に、私達の式をお見せするのは、難しいと思わずにはいられませんでした。
そんな中、レナード様は……いやっ! と前置きを置いてから、アレクシア様の歴史という名のシワが刻まれた手に、そっとご自身の手を乗せました。
「アレクシア様! 想い続けていれば、いつか必ず報われる……でしょう!」
「……ふっ、出会った時は鼻垂れ小僧だったのに、言うようになったわい」
「なにかあったら、私が診ますからご安心ください!」
……あっ、自分に悪魔の血が流れているのに、相手の許可を貰わずに治療するとか啖呵を切ってしまいましたわ……完全に早計でした。
「国のお抱えの聖女が、勝手に決めていいのかね?」
「私がお抱えの聖女だったことをご存じなのですか? えっと、今の私はそこ座を降りて、自由な身なのです」
「なんだ、そうだったのかい? 世間のことには疎くてね。なら、なにかあった時に診てもらおうかね」
そう言うと、アレクシア様は使用人から渡された水を一杯飲んで、ぷはーっ! っと、まるでエールを一気飲みした人みたいに、とても豪快に飲み干しました。
そんな飲みっぷりよりも、私は気になることがございます。それを聞かないと、後々で面倒になってしまうかもしれませんから、ちゃんと確認をしましょう。
「豪快に飲む癖は、相変わらずですね、お師匠様」
「昔からの習慣だからな」
「……あの、お一つよろしいでしょうか?」
「なんだね?」
「私は……ご存じの通り、聖女であり、悪魔の子の血が流れています。実際に、私の片目は真紅に染まっております。そんな人間に、あなたの治療を任せても良いのですか?」
「ダメな理由がなにかあるかね?」
「そ、そういうわけじゃ……」
「ワシの目はこんなだが、人を見る目……じゃなくて、魔力は持ち合わせておる。そなたが悪人ではないのは、最初から分かっておる」
アレクシア様は、ニカッと笑ってそう仰ると、私の頭を優しく撫でてくださいました。
ただ撫でられているだけなのに、このお方の撫で方は特別なのでしょうか? なんだか、心がポカポカするというか……嬉しいような、恥ずかしいような……不思議な気分ですわ。
「そなたの人柄がよさそうで、安心したわい。これからも、レナードのことをよろしく頼むぞ」
「は、はい! 必ずレナード様と幸せになります!」
私が堂々と宣言をすると、レナード様は滝のような涙を流して、喜びを爆発させておりました。相変わらず、私からの愛情には弱いみたいですね。とても可愛いです。
「さあ、そろそろパーティーが始まる。ワシは挨拶をせねばならんから、適当にくつろいでなさい」
「わかりました、お師匠様。また後で」
「失礼します、アレクシア様」
「失礼しますわ、アレクシア様」
三人がそれぞれ頭を下げると、踵を返して歩きだした――その直後、背後からドスンっと、なにか落ちたような音が聞こえてきた。
「な、なんの音……えっ!?」
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