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第三話 大脱走!
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アーロイ様とジェシーの結婚式のことを聞いてから数日後。私は草むしりの前に屋敷の中に呼び出され、とある部屋へと入れられた。
そこは、私がまだ牢屋に入れられる前に使っていた、私の部屋だった。今では、ジェシーの部屋として使われているようだ。
そこでは、ジェシーが沢山の使用人の手にを借りて、着々と結婚式に向かう準備をしていた。
「どう? 自分の婚約者と幸せを、私に奪われる気分は?」
「……そうね、言葉では上手く言い表せられないような、不思議な気分だわ。アーロイ様や部屋を奪われ、あの辛い牢獄に入れた元凶の結婚式の準備を見させられるなんて、普通じゃ絶対に味わえないもの」
「それは結構だわ。エレナが不幸になればなるほど、私はどんどんと幸せを感じられるもの」
バッチリと身支度を終えたジェシーは、私の前に立つと、バチンッ! と思い切り頬を叩いた。
「落ちこぼれの分際で、何よその目は。そんなに痩せ細り、無様な姿になっても、その目だけは変わらないわね。本当に腹立たしい」
「仕方ないでしょう? 母さんから譲り受けたこの緑色の目は、どうやっても変えられないわ」
「その反抗的な目と態度が気に入らないって言ってるのよ! そんなことも言わないとわからないほどの馬鹿なわけ!?」
そんなの、言われなくてもわかっているわ。でも、正当性もない恨みで私に酷い仕打ちをしてきたんだから、これくらい言っても罰は当たらないだろう。
「まあいいわ。私は忙しいから、今日はこの辺にしておいてあげる。でも、明日からは覚悟しておくことね。二度と私やアーロイ様に逆らえないように、今まで以上に徹底的にやるから」
「…………」
フンッと鼻から息を吐きながら、ジェシーは使用人を引き連れて部屋を去っていった。
明日からなんて、そんなの私には関係ないわ。何故なら、私はここから絶対に逃げてみせるのだから。
「さて、とりあえず草むしりに行かなきゃ」
ここで変な行動をして怪しまれたら、全て無意味になってしまう。焦る気持ちを抑えて、押し付けられた仕事をこなそう。
「今日も寒いわね……」
外に出ると、空は厚い雲に覆われていた。この調子だと、もしかしたら雪が降るかもしれない。
「よいしょっ……あ、あれは……」
一生懸命草をむしっていると、沢山の人が屋敷を出ていく姿が見えた。きっとアーロイ様達の結婚式に出席するのだろう。
この調子なら、もう少し待っていれば、もっと沢山の人が出発するに違いない。そうすれば、きっと逃げだせる機会があるはず。冷静に……焦るのは禁物だ。
「……やっぱり。いつもはもっと屋敷の警備がいるのに、今日は半分もいないわね」
黙々と、怪しまれないように作業を進めながら周りを観察したおかげで、どこに兵士がいるかは、なんとなく掴んだ。
あとは……逃げるだけだ。屋敷の裏から更に奥に行くと、敷地を囲む壁に行ける。それを超えると少し走った所にある森があるから、うまく隠れながら、屋敷から離れるつもりだ。
「よし、行こう」
見張りのに見つからないように、こっそりと走り出した私は、特に何事もなく敷地を囲む壁へと到着した。
「……さようなら、私の家。母さんと一緒に仕えていた時の生活は、とても楽しかった。それに、色々お世話になったことも多くて……本当にありがとう」
屋敷を離れる前に、私は屋敷に向かって深々と頭を下げた。
牢に入れられてからは、辛かった思い出しか無いけど、それ以前は幸せな生活だった……もうあの生活には戻れないのね……。
「感傷に浸ってたら、見つかってしまうかもしれないわ。早くここから離れましょう」
私は壁の周りに植えてあった木を使って、なんとか壁を乗り越える。壁の高さはさほど高くないから、今の私でも何とか乗り越えられたわ。
「はぁ! はぁ! はぁ……ぜぇ……ごほっごほっ」
予定通り森に入り、走りだしてから間もなく、私はすぐに体力を使い果たしてしまい、その場に座り込んでしまった。
それもそうよね……もうずっとまともな食事も運動もさせてもらえてないし、寒空の下で、布一枚、靴無しなんて……すぐに動けなくるのは当然だ。
少しでも体力を回復させたいけど、まずは走ったせいでカラカラになってしまった、喉を潤したい。
「どこかに水は……あっ!」
耳を澄ませていると、遠くの方から水が流れる音が聞こえてきた。そこにたどり着ければ、とりあえず水は確保できそうだ。
「よい、しょ……よ……しょっ……」
もうバテバテになっているせいで、音がする方に行くのも一苦労だ。一歩踏み出すのに、相当な体力を使ってしまう。
でも、諦めないわ……いくら逃げ出したとはいえ、こんな所で死んだら、それこそ母さんに怒られちゃうからね……!
「はあ、なんとかたどり着いた……」
たどり着いた場所は、大きな音を立てながら、結構な速度で流れている川だった。近づくのは正直怖いけど、喉を潤したいのは確かだから……考えても仕方ない!
私は川に近づいて、手ですくって水を飲む。特に変わったところはない普通の水だけど、カラカラになっていた喉には、またとないご馳走だった。
「あぁ、おいしい……あっ……!!」
水を飲むのに気を取られていた私は、足を滑らせて川の中に落ちてしまった。
川の中は外よりも冷たく、全身に痛みを覚えるくらいだ。流れも結構あるから、何もしていないのに、下流に流されてしまっているのがわかる。
早く逃げないと……溺れ死んでしまう!
「がはっ……はぁ…………だれ……たす……」
泳げない私は、必死にもがきながら、頭を出して助けを呼ぶが、誰も来る気配がない。それに、冷たい水に体温を急激に奪われてしまい、体から更に力が抜けていくのがわかる。
こんな所で私は死ぬの? 冗談じゃない! 私は生きるんだから! 母さんの分も、うんと沢山生きてやるんだから! だから、こんな所で、死ぬ……わけに、は……。
「ごぼっ……」
……いき……た……………か、あ、さん…………………………。
「こらルナ、急に馬車から飛び降りたら危ないだろう!」
「だってだって! 川で泳いでる人がいるってシーちゃんが……」
「こんな寒い時期に……?」
「あぁぁぁぁ!! お兄様大変だよ! 誰か溺れてる!」
「何だって!? すまない、俺は動けないから、その人をここまで運んできてくれ!」
「かしこまりました!」
「うぅ……こんな寒いのに溺れるなんてかわいそう……早く連れて帰ろうよ!」
そこは、私がまだ牢屋に入れられる前に使っていた、私の部屋だった。今では、ジェシーの部屋として使われているようだ。
そこでは、ジェシーが沢山の使用人の手にを借りて、着々と結婚式に向かう準備をしていた。
「どう? 自分の婚約者と幸せを、私に奪われる気分は?」
「……そうね、言葉では上手く言い表せられないような、不思議な気分だわ。アーロイ様や部屋を奪われ、あの辛い牢獄に入れた元凶の結婚式の準備を見させられるなんて、普通じゃ絶対に味わえないもの」
「それは結構だわ。エレナが不幸になればなるほど、私はどんどんと幸せを感じられるもの」
バッチリと身支度を終えたジェシーは、私の前に立つと、バチンッ! と思い切り頬を叩いた。
「落ちこぼれの分際で、何よその目は。そんなに痩せ細り、無様な姿になっても、その目だけは変わらないわね。本当に腹立たしい」
「仕方ないでしょう? 母さんから譲り受けたこの緑色の目は、どうやっても変えられないわ」
「その反抗的な目と態度が気に入らないって言ってるのよ! そんなことも言わないとわからないほどの馬鹿なわけ!?」
そんなの、言われなくてもわかっているわ。でも、正当性もない恨みで私に酷い仕打ちをしてきたんだから、これくらい言っても罰は当たらないだろう。
「まあいいわ。私は忙しいから、今日はこの辺にしておいてあげる。でも、明日からは覚悟しておくことね。二度と私やアーロイ様に逆らえないように、今まで以上に徹底的にやるから」
「…………」
フンッと鼻から息を吐きながら、ジェシーは使用人を引き連れて部屋を去っていった。
明日からなんて、そんなの私には関係ないわ。何故なら、私はここから絶対に逃げてみせるのだから。
「さて、とりあえず草むしりに行かなきゃ」
ここで変な行動をして怪しまれたら、全て無意味になってしまう。焦る気持ちを抑えて、押し付けられた仕事をこなそう。
「今日も寒いわね……」
外に出ると、空は厚い雲に覆われていた。この調子だと、もしかしたら雪が降るかもしれない。
「よいしょっ……あ、あれは……」
一生懸命草をむしっていると、沢山の人が屋敷を出ていく姿が見えた。きっとアーロイ様達の結婚式に出席するのだろう。
この調子なら、もう少し待っていれば、もっと沢山の人が出発するに違いない。そうすれば、きっと逃げだせる機会があるはず。冷静に……焦るのは禁物だ。
「……やっぱり。いつもはもっと屋敷の警備がいるのに、今日は半分もいないわね」
黙々と、怪しまれないように作業を進めながら周りを観察したおかげで、どこに兵士がいるかは、なんとなく掴んだ。
あとは……逃げるだけだ。屋敷の裏から更に奥に行くと、敷地を囲む壁に行ける。それを超えると少し走った所にある森があるから、うまく隠れながら、屋敷から離れるつもりだ。
「よし、行こう」
見張りのに見つからないように、こっそりと走り出した私は、特に何事もなく敷地を囲む壁へと到着した。
「……さようなら、私の家。母さんと一緒に仕えていた時の生活は、とても楽しかった。それに、色々お世話になったことも多くて……本当にありがとう」
屋敷を離れる前に、私は屋敷に向かって深々と頭を下げた。
牢に入れられてからは、辛かった思い出しか無いけど、それ以前は幸せな生活だった……もうあの生活には戻れないのね……。
「感傷に浸ってたら、見つかってしまうかもしれないわ。早くここから離れましょう」
私は壁の周りに植えてあった木を使って、なんとか壁を乗り越える。壁の高さはさほど高くないから、今の私でも何とか乗り越えられたわ。
「はぁ! はぁ! はぁ……ぜぇ……ごほっごほっ」
予定通り森に入り、走りだしてから間もなく、私はすぐに体力を使い果たしてしまい、その場に座り込んでしまった。
それもそうよね……もうずっとまともな食事も運動もさせてもらえてないし、寒空の下で、布一枚、靴無しなんて……すぐに動けなくるのは当然だ。
少しでも体力を回復させたいけど、まずは走ったせいでカラカラになってしまった、喉を潤したい。
「どこかに水は……あっ!」
耳を澄ませていると、遠くの方から水が流れる音が聞こえてきた。そこにたどり着ければ、とりあえず水は確保できそうだ。
「よい、しょ……よ……しょっ……」
もうバテバテになっているせいで、音がする方に行くのも一苦労だ。一歩踏み出すのに、相当な体力を使ってしまう。
でも、諦めないわ……いくら逃げ出したとはいえ、こんな所で死んだら、それこそ母さんに怒られちゃうからね……!
「はあ、なんとかたどり着いた……」
たどり着いた場所は、大きな音を立てながら、結構な速度で流れている川だった。近づくのは正直怖いけど、喉を潤したいのは確かだから……考えても仕方ない!
私は川に近づいて、手ですくって水を飲む。特に変わったところはない普通の水だけど、カラカラになっていた喉には、またとないご馳走だった。
「あぁ、おいしい……あっ……!!」
水を飲むのに気を取られていた私は、足を滑らせて川の中に落ちてしまった。
川の中は外よりも冷たく、全身に痛みを覚えるくらいだ。流れも結構あるから、何もしていないのに、下流に流されてしまっているのがわかる。
早く逃げないと……溺れ死んでしまう!
「がはっ……はぁ…………だれ……たす……」
泳げない私は、必死にもがきながら、頭を出して助けを呼ぶが、誰も来る気配がない。それに、冷たい水に体温を急激に奪われてしまい、体から更に力が抜けていくのがわかる。
こんな所で私は死ぬの? 冗談じゃない! 私は生きるんだから! 母さんの分も、うんと沢山生きてやるんだから! だから、こんな所で、死ぬ……わけに、は……。
「ごぼっ……」
……いき……た……………か、あ、さん…………………………。
「こらルナ、急に馬車から飛び降りたら危ないだろう!」
「だってだって! 川で泳いでる人がいるってシーちゃんが……」
「こんな寒い時期に……?」
「あぁぁぁぁ!! お兄様大変だよ! 誰か溺れてる!」
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